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竹高山から見る紗帽山(2013/3撮影)、右奥は観音山 |
ニュースでは、中南部の水害など梅雨期の豪雨が報道されている。天気予報でも大雨警報がある。今日も好天は期待できない。そんなことで短時間で終了することを目的に、陽明山の入口にある紗帽山を登った。紗帽山は、その名の通り帽子のようなモコっとした山で、陽明山系のどこからでも望める。標高は643mで、1000m超の峰々がある陽明山系では高くなく、実のところ、いままではあまり注目もしていなかった。今回、短時間で登れる山として登った。山もこうした態度を見透かしたのか、紗帽山に取り付いて登り始めると、雨がふりだした。頂上すぐ近くから展望が望めるが、今日はすべて霧の中。実際に、歩いてみると急な登りが続くが、よい山道でハイキングには最適だ。
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南の中山北路円環からスタート、陽明山まで歩く(マウスクリックで拡大) |
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紗帽山の登りが一番傾斜が大きい |
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水管路天母古道との比較 |
紗帽山だけでは、ちょっと短すぎる。そこで天母の中山北路七段圓環からスタートした。天母古道と呼ばれている水管路は、
すでに登り、
下りしているが、今回は本来の天母古道という翠峰步道経由で登った。翠峰步道は山の中腹を行く猴洞產業道路の終点から始まり、山の斜面を登って水管路に合流する。愛富三街から一度谷を降り、対岸の紗帽路に登り返す。本来、紗帽路をずっと行き、橫嶺古道から紗帽山の裏側前山公園登山口から登ることを考えたが、雨が降り出したので早めに切り上げるため、大埔登山口より登った。前山公園登山口に降り、その先すこしにある陽明山バスターミナルからバスで下った。
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猴洞產業道路から見る紗帽山、野良犬が道で休んでいる |
朝、外が明るい。起きてみると天気が良さそうだ。7時に自宅を出発、MRT石牌駅で天母行き224番バスに乗る。8時少し前に中山北路七段圓環の終点に到着する。支度を済ませ、中山北路七段の先を登る。住宅の向こうには華崗上の中華文化大学キャンパスビルが望める。水管路はそのまま行くが、猴洞產業道路、翠峰步道は219巷で左に折れる。慈悟寺の看板が目印だ。その先右に折れる。登りがキツイ細い道が、右に登っていく。これを行くと、住宅を抜け左に天母の市街が望めるようになる。自転車がゆっくりと登っていく。上から、朝の歩きを終えたと思える人達が下りてくる。同天福池の前辺りでは、谷の奥に大屯山の山塊が望める。頭はすでに雲を冠っている。
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翠峰步道入口の石碑 |
円環から約20分ぐらいで、紗帽路へ直進する道を分け右に猴洞產業道路が登っていく。右に慈悟寺を見た後、しばらく登ると紗帽山が前面に控えている。ここから望むと、帽子というよりも座った象のようだ。野良犬が数匹道に座っている。首輪をしている犬もいる。おとなしく、吠えない。道には相思樹(台湾アカシア)の黄色い小花がたくさん落ちている。8時25分、産業道路は終点となる。あずま屋が設けられ、その先から山道の翠峰步道が始まる。石段の始まるわきに、道の整備に貢献した李翁を記念した風可行儀の石碑がある。
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翠峰瀑布への分岐 |
山道は石段のよい道である。数分登ると、木の簡単なベンチがある分岐に来る。先ほどの山道開始の部分も左に下りていく道があったが、これも同じく翠峰瀑布へ下っていく道だろう。いずれ、こうした枝道も歩いてみよう。椅子のある平な場所を過ぎ、8時40分に水管路の山道に合流する。ここにはあずま屋が設けてある。左に折れ、平らな道を行く。四、五分で平らな道は終わり、石段の登りが始まる。8時50分、天母古道の終点に着く。歩き始めて約1時間だ。紗帽山がだいぶ近くなった。
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古道入口から、紗帽山が近い |
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大埔登山口 |
古道終点のある愛富三街は左に下る。谷を橋で渡り、登り返すと紗帽路へ出る。左に曲り下っていく。自動車や自転車が通り過ぎていく。10分足らずで、紗帽山大埔登山口が道路の右側に現れた。雨が少しパラツキ始めた。このまま道を下って、紗帽山の麓をぐるっと回って陽明公園の入口近くに出る、橫嶺古道を歩くことを考えていたが、今日はこのまま紗帽山を登って終わらせたほうが良さそうだ。
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山道のキロポスト |
陽明山国家公園の管理下になる紗帽山登山道は、とても程度のよい道だ。他の公園管理の登山道と同じく石段の道である。頂上まで標高差約300m、1kmの道のりである。森の中を直線の急な階段が登っていく。辺りはとても薄暗い。道はジグザグ道になる。0.2km毎にキロポストと標高が表示されるので、位置を確認しやすい。雨足がつよくなってきた。傘を取り出す。ここは良い道なので、傘でもOKだ。蝉の鳴き声が響いている。雷が遠くで鳴っている。雨の中なので、登りに集中する。登山口から約30分で一度登りが緩くなり、その少し先に太子亭が現れた。昭和天皇が皇太子の時(1923年)に台湾を訪れた。それに合わせて建てられたあずま屋の遺跡である。皇太子は、ここに登っていないそうだ。今は、屋根もなく丸い石と石柱があるだけだ。その少し先の道端に基石がある。ここが頂上になるのだろう。時刻は9時44分、約35分の登りだった。
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太子亭 |
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霧の中の展望台 |
下りが始まる。少し先左に展望台がある。周囲は霧で真っ白、何も望めない。展望台にある写真では、
大屯山から
七星山、
竹篙山の山並みや、麓の陽明公園、中山楼などが望めるようだ。これらの場所から、紗帽山が見えるので当然ではあるが。もう1時間ぐらい早ければ、展望があったかもしれないが、仕方がない。またやって来い、ということだ。陽明山系の山々をみる展望台として、再訪は十分意味がある。展望台から少し下ると、道は緩やかになる。墓地が右の奥の方に、そして少し先左には陳何界石がある。後者は、陳家と何家の土地境界を表したものだそうだ。下りのジグザグ道が始まる。雨は相変わらず降っている。石段は苔があまり生えていないので、濡れていてもそれほどすべらない。霧の中の歩きも、気楽でいいものだ。
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下り道、雨の中を下る |
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前山公園登山口 |
こちら側の山道は、反対側に比べ緩い登りだ。標高差も大埔登山口側に比べて100m少ない。ベンチも適宜に設けられている。途中、二人の登ってくる登山者とすれ違う。雨の中でも登ってくる人もいるのだ。ジグザグ道が終わり、真っ直ぐな道が山腹を下っていく。10時32分に登山口に降り立った。下りは、ゆっくり歩いたこともあり45分であった。雨は、小降りになっている。紗帽路を北方向に登り、陽明山バスターミナルに10時43分に着く。まもなく260番バスがやって来た。劍潭駅で下車し、MRTで昼前に帰宅した。
今回は、最も短い行程だったかもしれない。行動時間は2時間50分である。距離は約6キロ、累計登攀は643mだ。午前中で終了してしまった。雨が降ったので、休むところもなく、休憩は取っていない。この時間は、実動である。七星山などに比べると、楽な山登りではあるが、それはそれでよい手頃なハイキングができるコースである。今回行かなかった、橫嶺古道などは次回に別のルートを合わせて歩いてみよう。
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