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承天禪寺の境内から天上山方向を望む、山腹は油桐の花が満開 |
毎年この時期は、山腹に咲く白い油桐の花を中心に、桐花祭の催事が各地で執り行われている。新北市土城区の天上山付近は、よく知られた桐花鑑賞場所だ。
昨年は友人Hさんと天上山に登った。今年も同じく天上山を油桐を鑑賞しながら逆方向に歩いた。天気がすぐれず、時々雨が降る中の登山だったが、今回はこのブログを通じて知り合った新しい山仲間との登山で、地鶏料理を食べるなど興味深い一日だった。
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四海バス停から出発、永寧駅へ歩く |
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高度プロファイル |
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天上山山系、今まで歩いた道 |
今回は、
先月半ばに下山してきた土城青雲街の奥にある石門街四海バス停から出発、太極嶺を経て五城山へ登る。そこから南西へ天上山へ縦走、ピークを越えた後は、望月亭の鞍部からさらに主稜線を進んで龍泉路にある「阿砂利土鶏城」地鶏料理店へ歩く。食事を終えた後は、車道の承天路から山道を承天禪寺へ下り、さらにMRT永寧駅まで歩いた。満開の油桐は、遠くから見ると山肌を白く飾り、落ちた無数の花びらは単調な山道に白の絨毯を敷いたかのようだ。
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太極嶺の下あたりで見る桐花と谷あい |
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シダの上に落ちた油桐の花 |
山登りの活動は、
フェイスブック上のTaipei Hiker Clubを通じてメンバーに連絡している。今回は、この知らせでMRT江子翠駅に集まった常連の四名に加え、初めての同行となるWさん、彼のクラブメンバー友人も四海バス停で参加し、全員13人の大部隊だ。8時52分、多くのバスが並んでいる終点の四海バス停から、石門街を登り始める。道は乾いているが、雨がパラパラ降り始め、傘や雨具を着ける。歩くこと10数分で、右に甘露寺への道が分岐する。その先を行くと、このあたりには珍しい檳榔の林が対岸にある。その先少しに太極嶺への山道入口がある。油桐の花がたくさん路上に落ちている。13名全員の写真を写す。
今日は、板橋に住み付近の山を熟知しているWさんが、先頭を歩く。山道はいきなり急坂が続く。木板を使った階段や、石段である。土の上に落ちた桐花がそこここにある。登ること約20分、石段の坂道に合流する。ここは左に先に下る。数分下って沢を越すと、また登りが始まる。急な坂道は、太極嶺の枝尾根を登る。10時少し前に、鞍部につく。ここには時計が幹に掛けてある。メンバーが多く、体力も差があるので、時々適宜休憩していく。また、急な登りが続く。約10分ほどで、多くの桐花が咲いている場所に着いた。みな、思い思いに写真を撮る。天気はぱっとしないが、白い花が沢山咲いているのは、しばし苦労を忘れさせる。10時半、今日の初めてのピーク太極嶺(標高330m)に着く。頂上には、鉄棒やバーベルなどの運動機材があり人里近い山の特徴だ。
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五城山の登りから文筆山方向を望む |
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五城山への登り |
太極嶺からの石段下り道の両脇には、桜の並木が続く。桜の時期にくれば、桜のトンネルだろう。右に石門街からの、左は山中湖からの道が合流する十字路をすぎ、五城山への登り坂が始まる。途中幾つかのあずま屋が設けられている。左に樹木が切れている場所からは、文筆山とその中腹に大きく建つ納骨堂の建物が、密生した桐花の向こうに見える。岩の間やステンレス製梯子を登り、11時に五城山(標高403m)に到着する。別のグループがあずま屋の中で談笑している。雨がまたパラツキはじめた。
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花で文字 |
10分ほどの休憩のあと、天上山へ向けて尾根道を進む。幅広の尾根道はあまり起伏が無く、足取りも軽い。雑草も刈られている。三箇所ほど、臨時の荷物搬送ケーブルが設置されて、仮設の登山道を行く場所もある。どうやら鉄塔の建設をしているようだ。反対側から大勢のグループがやってくる。いくつかの小隊に分かれているが、総勢88名の台中からのメンバーだそうだ。緑の苔に覆われた石
には、落ちた桐花を並べ文字にしてある。右に甘露寺への分岐を分けると、天上山頂上への登りが始まる。石畳の坂道を登ること10分弱、12時に木製の天上山頂上展望台(標高430m)に着いた。三度目の頂上だ。幸いに雨は降っていない。周囲の山々はガスに隠れているところもある。獅仔頭山から熊空山への山塊は、谷間に雲が埋まっている。対岸の山腹は白色の桐花が水玉模様にように茂っている。
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天上山から北東方向を見る、桐花が山肌を飾る。丸く尖ったピークは五城山(マウスクリックで拡大表示) |
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土鶏城への下り道を歩くメンバー |
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茶葉に落ちた桐花 |
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「阿砂利土鶏城」地鶏店 |
全員で記念撮影を済ませ、望月亭の鞍部へ下る。数分で左右に道が下っていく鞍部に着く。メンバーの一人が、ここから先に下山する。Wさんの提案で、下山前に地鶏の店「阿砂利土鶏城」で食事をすることになる。店は、尾根をさらに西に進んだ龍泉路にある。先に少し登ったあとは、ずっと尾根を下っていく。茶畑のわきを少し登り返すと、店に着いた。20数分の距離である。店の名前、阿砂利は、日本語のアッサリから来ている。こちらでは、もとの意味から少し拡大し、あまり拘らない、気持ちが大きいと言った意味で使われている。日本統治時代の名残が、こんなところにもある。油桐花は油をとる商品作物として日本統治時代に植樹されたことから、広まった。実は、これも当時の名残である。Wさんは、この地鶏の店をよく知っているようだ。地鶏のスープは、とても美味しい。もちろん、先にビールで乾杯することは、忘れない。ただ、まだ歩きは終わっていないので、酔っ払うわけにはいかない。
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テーブル上の料理、これからビールで乾杯! |
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大変な人出、行列するほどの登山道 |
ゆっくりと約50分ほど食事を楽しみ、13時43分に永寧へ向けて下り始める。Wさんは、もともと山道経由で行こうとしたが、途中のあずま屋で不幸があったということで避けた。車道を道なりに下って行くと、もうここは観光地の一部、出店が道のわきに多く設けられている。十分ほど下ると、左に石畳の山道が分岐していく。この道を下る。大勢遊楽客が、道を登ってくる。我々のような登山客は、少数だ。20分ほど下り、承天路に出る。この辺りは遊楽客でごったがえしている。露天もびっしり出店している。桐花満開の日曜日、無理もないが。永寧駅までシャトルバスがあるが、そのまま歩いて下ることにする。承天禪寺を抜け、石畳の登山道を下る。桐花公園の山門をすぎ、承天路を渡って沢沿いの桟道を進む。15時17分、MRT永寧駅に到着。ここでWさん一行と別れ、我々五人はMRTで帰宅した。
今回の行程は、距離10.2km,累計登攀高度670m、休憩込みの行動時間6時間半だ。昼食をゆっくり楽しんだので、歩いている時間は5時間強というところだ。下りの際には日がさし始めたものの、山での移動中は雨が時々パラツイた。しかし、目的の桐花は鑑賞できたし、新たな山仲間とも知り合いになれた。天候が悪かったことを補って、更に良い山行であった。
初めまして。私は日本在住の中学生です。小学生の頃台湾に住んでいました。登山が好きで台湾に行ったとき私が計画を練り家族で登山しています。突然ですいませんが来年の春
返信削除旅行で台湾に行き家族で天上山に登ろうと思っています。台北客運のバスで日月洞站から天上山山頂までいきそのままMRT永寧站に行こうと考えています。そのみちは初心者でも樂に登れる道ですか。
ご質問、見ました。
返信削除私は、新店側の日月洞からは登ったことがありませんが、確認できるかぎりでは石段のよい道のようです。登山者は交通の便があまり良くないため、反対側の土城側に比べると少ないように思えます。日月洞から登りつめると、望月停の鞍部に出ます。そこから右(東側)に進めば天上山の頂上です。土の道ですが、要所にはロープの手すりや石段もあるので、問題ありません。土城側の下りも同じく良い道です。初心者の方でも問題ないです。道標もしっかりしています。
調べていると思いますが、バスの場合は779番が新店と三峡の間を往復しています。詳細は、ここにあります。
http://www.tpebus.com.tw/image/lineimage.php?imagetest=7032
反対側は、MRTなので便利です。
訪問予定が来春ということで、まだ時間があります。その間に、日月洞から登ることがあれば、またこのブログで記録を載せます。
また、質問があれば気軽に連絡してください。
ありがとうございます。
返信削除一昨日、6月8日に日月洞から天上山に登りました。
返信削除登山記録は、ブログに載せましたので、良かったら見てください。
http://taipeihiker.blogspot.tw/2013/06/201368.html
登山口までのアクセスは、バスで行きますか。それとも車ですか。
バスの場合は、779番だけですが便数が少ないので、あらかじめ
確認して行ったほうが良いです。