6月初めに面天山から大屯山へ縦走した。今回はこの大屯山の麓の大屯自然公園から出発、まず菜公坑山へ往復した後、二子坪の谷あいを行き、面天山へ登りその後一気に下ってMRTの復興崗駅まで歩いた。朝、うちを出るとき、遠くに見える七星山は雲がかかっていた。晴れることを期待していたが、午前の山は霧の中、午後麓に下りていく途中晴れてきたが、最後の部分で雨にふられた。このコースは、面天山からを除いて、遠景展望のあまりない行程だが、霧の中の山もまた風情ありという結果になった。
コースは陽明山塊の西の端 |
出発点の標高は800m強あり、途中菜公坑山と面天山の登りを除いて、平地の復興崗まで下りメインの長丁場である。陽明山公園と台北市親山歩道のHPがそれぞれ紹介する菜公坑山歩道、二子坪歩道、面天山歩道、貴子坑歩道をつなぐと今回の行程となる。
(クリックすると図拡大) |
108番バス@二子坪観光センター |
MRT劍潭駅からまず紅5番の最終点、陽明山站へ行き、そこから108番バスに乗り継ぐ。紅5番バスを降りると108番バスがちょうど出発する直前だった。小型バスは乗客満席である。途中数人が下車、8時半前に今日の出発点二子坪観光センター(遊客中心)に着いた。途中バスからは、麓方向は見えるものの、大屯山の頂上は雲の中だった。
108番バスは、陽金公路や百拉卡公路など経由で、二子坪観光センターや小油坑、冷水坑、擎天崗などを回り、また陽明山站へ戻るルートを走っている。すばやく高度を稼いで、登山口までいくの便利である。
大屯公園と菜公坑山 |
同時に降りたバスの乗客や自家用車で来ている登山客は、みな二子坪公園に向かっていくが、こちらはひとり大屯自然公園へ降りていく。谷あいにある自然公園は、池を中心に桟道やあずま屋、今日は開いていないが観光センターがある。公園の向かいの山は、これから登る菜公坑山である。
反経石 |
公園を横断し、百拉卡公路に面した公園入口にいくと、そこには菜公坑山の第二登山口がある。とても苔むした石段の道が続く、登山者があまり多くないのだろう。濡れているので滑りやすい。しばらくすると、両側の草が刈られているところに出る。最近整備されたのだろう。15分ぐらいで、反経石のある標高886mの頂上についた。登山口から0.8kmである。
反経石は磁性をもった大石である。ためしにコンパスを近くまで持っていくと、磁針が振れて石にひきつけられた。10センチぐらい離すと、また北を指す。
山頂は北西側に開けているが、ガスのためまったく展望はない。
磁針が石に引き付けられる |
下りは、もうひとつの第一登山道を行く。降りていくと開けた場所にでた。案内板には、小観音山などが見える説明になっているが、ここも白一色の霧で、展望はない。1kmの道を下りきると、百拉卡公路に面した登山口についた。ここから、少し百拉卡公路を上がっていくと、先ほどの観光センターについた。時間は9時半、1時間で往復したことになる。
二子坪歩道 |
こんどは、二子坪公園に向けて広い砂利道を歩いていく。道行く人も多い。この道はバリアフリー登山道となっており、砂利道の脇に幅1mぐらいの赤い舗装路が作られている。車椅子での移動のため、できるだけフラットにできており、上下がある砂利道のかなり上のほうを行く部分もある。
二子坪公園 |
右は登山道、左は砂利道 |
この道ははじめ下っていく。下りきると砂利道と合流した。二子坪公園から面天坪までは道が2つある。ひとつは石畳の山道、もうひとつは幅が広い合流した砂利道。石畳の道は濡れて滑りやすいので、砂利道を登っていく。石畳の山道と再合流してまもなく、面天山の登山口についた。
面天山の登り |
前回は下ったこの登山道を今度は登る。ジグザグに高度を稼いでいき、全体の3分の2ぐらいを過ぎたころ、森を抜けて草原の道になった。晴れていれば展望がきくが、今日は淡水側からガスがしきりに上がってきて、尾根を越え北投側に流れていく。ガスの切れ目からは、北投の街並みがのぞくが、大屯西峰など目の前の山は見えない。大きな通信施設が見えたら、山頂だ。時間は10時半、バス停のある二子坪観光センターから1時間、二子坪公園から35分であった。
面天山の登り、北投の街がガスの切れ目から見える |
広々とした山頂は、前回と異なり人気がない。展望台にあがっても、景色は見えない。明るくなってきてるが、ガスが晴れることは期待できない。風もなく、日差しもないので、露天で食事をとり休憩する。
面天山下り、向天池脇の分岐点 |
ここからは復興崗站までほぼ下り一本である。靴紐を締めなおす。少し下り、そこから向天山へ登り返す。10分ほどの下りで、向天池の分岐点についた。池を右と左に道がまいていくが、右の道をとる。どちらを行っても合流する。最近はよく雨が降るが、向天池には水はない。池を横切ってくる道と左を回っていく道との合流点から、興福寮へ下る道が始まる。
興福寮への下り道 |
観音山と淡水山腹の住宅開発 |
三合院民家 |
登山口の脇に、誰も住んでいない三合院の民家がある。民家の前には蓮霧の木があり、この木陰で休憩する。ずっと下りだったので、これからの休みの前に少し体調回復である。天気もよくなった。このあたりは標高360mぐらい。面天山は標高977mだから約600m下ってきたことになる。
登山口からさらに降りていくと、舗装路に面している真聖宮の脇に出た。この付近には登山案内がないので、はじめて来た場合は、上の登山口にいくのに迷うかもしれない。淡水へ行くバス停もある。ただし、便数は少なく、12時半のあと4時頃までない。舗装路を次の登山道貴子坑步道に向けて歩く。
真聖宮の脇を行くと登山口 |
下がっていくと民家の犬がけたたましい。5,6匹の野良犬もよそ者は許さぬと、いうように吠え立てる。そのため、本来はこの場所で左に曲がるものを見逃してしまった。500mほどさらに下がったところで、本来は通過しないはずの海誓山盟住宅の入り口があり、道を間違えたことに気づいた。今来た道を登りなおし、さらに大屯里産業道路へと続く道を登る。峠を過ぎてまもなく、右からは復興三路521巷が合流する。
下青碧歩道の入り口 |
この521巷を少し下がったところに、貴子坑步道へつながる下青碧歩道の入り口がある。台北市親山歩道の案内図では、大屯里産業道路から直接下青碧歩が始まるように記してあるので、注意が必要だ。民家や果樹園の脇を下っていく。遠くで雷の音が聞こえ始めた。
下ること10分、貴子坑步道のスタンプ台についた。ここから貴子坑步道は左と右の2つに分かれる。左の道は1.3kmで一度沢に降りた後、別の尾根を越えていく。右の道は1.1kmで山腹をトラバースしていく。ここは右の道をとる。
貴子坑歩道 |
脇に水が流れる溝と道は平行してすすむ。手すりなどもしっかり完備されている。木々の切れ目から、遠くに中国文化大学の建物が見える。15分ぐらいの楽な道を行くと、あずま屋があった。ここからの視野は広くないが、遠くには北投、その向こうに台北の街、さらに遠くには南港山や二格山の山並みも見える。遠く西のほうは雲が厚く、すでに雨が降っているようだ。
あずま屋から、台北市を望む、遠くには南港山、二格山も見える |
秀山路から振り返る |
ここでしばらく休憩した後、今度は下り一本の山道となる。ただ、これもそう長くはなく、10分で秀山路85巷の登山口についた。ここからは、舗装路の道である。とうとう雨が降り出したが、幸いに気楽な舗装道である。傘をさして歩いていく。貴子坑キャンプ場などを過ぎ、川沿いにくだると秀山路との交差点についた。ここから振り返ると、川の奥には面天山がはっきりと見える。ガスは晴れたが、今は雨が降っている。
雨の中、さらに歩くこと20分、2時半にMRT復興崗駅についた。今日のルート、歩行距離は一部戻ったりした部分も含め17km、歩行時間5時間である。標高差は最高点977mの面天山と最低点復興崗の23mで、950mぐらいか。それほどくたびれていないが、距離のある行程だった。
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