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2011-07-07

7月6日 汐止大尖山 - 四分尾山 - 秀峰瀑布 を歩く

先週登った土庫岳頂上からは、ほとんど視界が利かないが、木々の切れ目から見える山があった。それが今週登った標高641mの四分尾山である。台北からだと、ちょうど東になる。

大尖山は、四分尾山から北西に延びる尾根上の一番汐止に近い標高460mのピークである。汐止の背後にある山並みで一番目立つこの山は、登ると汐止の街がすぐ眼下に広がる位置にある。街に近いこともあり、登山道はよく整備されている。ここから四分尾山への道もよい道である。天道清修院へ降りていく分岐のを過ぎると土の道であるが、枕木が一部敷いてある。

大尖山、四分尾山は汐止の南にそびえる
四分尾山からは、同じ道を戻り、天道清修院から降りて秀峰瀑布に立ち寄り汐止へ戻った。桜の木が結構植えてあり、春であれば桜鑑賞のできる山道だろう。


汐止へは、公共交通機関としてバスも台鉄もあるが、自宅から台北駅へ行くのも面倒なので、乗り換えなしでいける605番のバスで行った。ちょうど通勤時間帯にかかったこともあり、約1時間を要した。途中までMRT板南線でいき、そこからバスに乗り換えたほうが、速かっただろう。

秀峰路からの大尖山
汐止公園バス停で下車すると、そこは登山口に通じる秀峰路との交差点である。この道を行くと、鉄道の高架橋下を過ぎる。すると道の先に大尖山が家並みの向こうにそびえていた。新台五路の交差点をわたり、さらに行くと新北市の登山案内図が仁愛路との交差点脇にある。案内には、大尖山から四分尾山を往復、秀峰瀑布に立ち寄るコースを推薦している。図らずも今日の行程と同じである。

秀徳宮脇から石段の山道が始まる
秀峰路から道案内にしたがい、勤進路を登っていくと、石段の山道が始まる秀徳宮に着いた。勤進路から離れ石段のよい道を登っていくと、また勤進路にでる。右に行くとまもなく、また石段の山道がある。登っていくと大尖山登山道の始まる、天秀宮がある。天秀宮付近はピクニックもできる公園も近くにあり、水道やトイレなど設備が整っている。また、喫茶レストランもある。標高200m強で眺めもよい。

天秀宮
天秀宮のレストラン側の脇から登山道が始まる。この部分も石段で、ステンレス手すりもところどころある。登っていくと、木々のきれめから汐止の街もみえる。10時に大尖山の頂上についた。汐止から約1時間、天秀宮から約25分である。

大尖山への登り、あと少しで頂上



頂上にはあずま屋がある。ここからはさえぎるものがなく、眼下には汐止や南港が広がっている。視界がよければ観音山や七星、大屯山、また東には基隆まで見れるということだが、今日はどんよりとしており、台北101ビルもかすかに見えるだけだ。頂上には国旗も掲揚されている。これは毎日掲げ下げされているのだろうか。

大尖山頂上から
右は天道清修院への道
ここから先は土の道となる
食事をして休憩のあと、四分尾山へ向かう。天道清修院側へ降りていく道は、途中3箇所あったが、2つ目のところで石畳の道がおわりとなる。ここから、幅広の尾根をいく。途中枕木の道も現れる。まだ新しい枕木なので、最近整備されたのか。木々がしげり、視界はないが時々さしてくる夏の太陽の直下であるよりはよい。尾根上のピークを2、3つ超えると、左に和尚頭山への分岐、それからまたしばらく歩くと、茄苳古道が分岐していく。この道を降りていくと、この山塊にある3つの滝のうちのひとつ、茄苳瀑布があるということだ。

茄苳古道への分岐点
短い地上での命を必死に生きる証か、蝉がいっせいに鳴いている。このように響く蝉の鳴き声など、久しぶりだ。数秒おきに、皆合わせるように森をとどろかすかのごとく鳴くのである。

蝉しぐれの森を抜け登っていくと、ひらけた四分尾山の頂上についた。時間は11時ちょっとすぎ、大尖山から約50分の道のりだった。大尖山との標高差は180mぐらいあるが、2kmぐらいの距離があるので天秀宮から大尖山への一気登り約230mに比べれば、楽である。

二格山とその前には土庫岳が見える

四分尾山頂上
四分尾山頂上の周りは草が茂っているが、高い樹木がないので展望はある。ただし、遠方がかすんで見えない。土庫岳、その先には二格山がかすんで見える。基隆山も見えるそうだが、遠すぎて今日は望むべくもない。台北市の街も同様である。

三角点の周りには石の同心円の坐が造られている。いすは在るが、ほかに陽をさえぎるものなく、日差しが強くなってきたので、長居せず下ることにした。

今来た道を、今度は下っていく。天道清修院の近くに数箇所石のテーブル、いすがすえつけられている。ここは木の下で、しばらく休憩をした。

天道清修院への道は複数あるが、ほとんど登られいないものもあるようで、草に埋まっている道もある。降りた道は、そこそこ歩かれているようだが、突然天道清修院が現れる。この脇の舗装路を正門に向けて下り、そこからまた石段の道があるので、これを下っていく。しばらくすると舗装された勤進路に下り着く。この勤進路をそのまま道づたいに行けば、天秀宮へ着く。左に石段の道が下がっていく。ここには何の道案内もないが、位置的に秀峰瀑布の上あたりなので、下がってみる。

秀峰瀑布
果たして、下っていくと古い道案内があり、秀峰瀑布と天秀宮を指している。朽ちかけたトイレもある。秀峰瀑布方向に進むと、今度は天秀宮方面からの道と合流する。手すりがある、断崖上の道を行き、少し下がると滝が現れた。落差はあるが、水量が少ないので、残念ながらそれほど見ごたえのある滝でもない。ヒンヤリ感もほとんどない。ただ、いままでの台北近郊の山ではじめの滝であるので、少し休みながら写真を撮った。時間は午後1時である。

滝から今の道を戻り、分岐を過ぎてしばらく進むと、勤進路に出た。道案内もある。天秀宮をすぎ、同じ道を下っていく。新台五路を過ぎて左側を歩いていくと、そこには伊藤博文が書した「開物成務」という、その昔は鉄道のトンネルポータル上に掲げられていた、石碑が説明文とともに表示されている。朝の往路では、道の対面側を歩いたので、気がつかなかった。鉄道の電化にともない、はずされてその後保管中に盗まれ、奇跡的に発見された、といういわくつきのものだそうだ。碑には明治二十九年六月、公爵伊藤博文と刻まれている。

汐止公園バス停には、午後2時到着、668番のバスにて台北に帰った。GPSの記録では歩行距離は12.7km、標高差620mとなっている。大尖山へは、ほとんど登り一方の石段の道なので、この部分は結構きつかった。

実は、汐止の街へいったのは、久振りである。住宅が山の手の含め、多く新築され、台北のベットタウンとして発展している。これは自分にとって新しい認識となった。

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