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慈母峰の登りから見る孝子山の独立峰 |
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孝子山から見る慈母峰とその岩尾根、階段が刻まれている |
約一年前、
昨年三月末に平渓の岩尾根の山を歩いた。孝子山から歩きはじめ中央尖を経て臭頭山を越えたあと、東勢格古道経由で平渓国中へ下った。今回は、友人と同じく孝子山から付近の岩尾根の山を全部回遊するコースを歩いた。昨年三月歩いた中央尖へのルートを、半ばで折れ曲り、慈母嶺を経て同じく東勢格古道へ出る形で歩いた。歩いた距離は短いが、前回歩いていない慈母峰と慈母嶺を含んだ、平渓の谷の南側にある岩尾根の険しい道を、これで全部歩いた形になる。
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慈母峰から見る普陀山 |
今回の山行は、孝子山、慈母峰、普陀山の順で登り終えた後、中央尖への道を大岩壁下登りつめる。中央尖へは左だが、この分岐で右に曲がり、慈母嶺へ登っていく。ピークを越えた後は、東勢格古道へと下りが続くが、途中の慈母嶺頂上への道が右に分かれる。岩壁をよじ登り、頂上へ立ち寄った。この岩壁はかなり切り立っていて、同行のメンバーには少し大変な経験でもあったようだ。北台湾の三大岩壁コースの一つである岩尾根ピーク群の登山を、昼前までに無事終了し、時間が早いので平渓の老街を少しぶらついた。
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回遊型のコース(マウスクリックで拡大) |
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山中では登り下りを繰り返す |
今年の冬は、比較的雨が少なかった。お陰でかなりの山行ができた。ここ二週間は、台北に不在だったことと、数日の長雨のため思うように山登りができていない。冬に雨が降らないため、台湾は水不足になっていたので、この長雨は慈雨として歓迎ではあるが。今日は、寒波が来ているが、雨は止んでいる。友人三人とMRT木柵駅のバス停で落ち合う。常連になっているWさんに加え、久しぶりのLさんとTさんだ。7時20分過ぎに765番バスがやって来た。朝が早いので、車内は空いている。平日であれば通学バスとなるが、休みなので学生は乗っていない。
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孝子山登山口、上に孝子山が見える |
約40分の乗車で平渓国中バス停に着く。曇りだが、ガスはかかっていないので周囲の山が望める。平渓国中の奥に
薯榔尖が頭を出している。少し平渓老街の方向に雙菁公路を歩き、道標に従い右に登る産業道路を進む。登ること十数分で舗装路は終わり、登山道入口となる。眼前には孝子山の独立峰が木々の上にそびえている。前回は左の道を進んだが、今回は右の道を取り進む。花崗岩の階段、続いて旧来の石段が続く。数分の登りで孝子山、慈母峰、普陀山への三叉路に着く。
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孝子山の登り |
先に左の道を孝子山へ向かって登る。岩に刻まれた階段道が登っていく。地元行政の整備で、立派なステンレス棒のポールと太いロープの手すりが両脇にある。このような手すりが、この周辺の道にはすべて施されている。これらが整備される前は、かなり気を使って登らなければならなかっただろう。階段道を登りつめると、孝子山基部の踊り場に出る。反対側から登ってくる道と合流する。孝子山頂上へは、左右のどちらからでも行ける。右に道を取り登る。左から回ってくる道と合流すると、ステンレス梯子の下に出る。ここからは、樹木がない露出した岩登りとなる。ここも、梯子が掛けられ、階段両脇に手すりが設けられているので、楽に登れるようになっている。それでも、一部かなり急な部分の現れるので、スリルがある。8時40分、頂上に着いた。
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孝子山直下の展望台からの眺め、薯榔尖から姜子寮山をはさみ五分山まで一望だ、中央は平渓の街 |
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慈母峰の登り、背後に孝子山のピーク |
標高360mの孝子山は高くはないが、特徴のある切り立った独立の岩峰である。狭い頂上からは、岩肌が露出した慈母峰や普陀山や、その他峰々が見渡せる。もし霧がかかっていれば、さしずめ山水画の境地だろう。登ってきた階段道を下り、先にその先の展望台へ立ち寄る。その後もう一つの道を経由して踊り場へ戻る。更に三叉路へ下る。ここから、中間の道を慈母峰へ登る。慈母峰へは、途中二、三ヶ所灌木があるが、長い露出した岩尾根の登りが続く。手すりのある岩尾根階段道は、実際に登っているときは感じないが、遠くから登っている登山者を見るとアリの戸渡よろししく、危なっかしく見える。登るにつれ、背後の孝子山が低くみえるようになる。9時10分、ステンレス製基石のある慈母峰頂上(標高426m)に着く。三叉路から十二、三分の登りだ。
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慈母峰頂上、ステンレス製基石がある |
対面には切り立った普陀山がこちらと高さを競っている。孝子山は、ここからみると谷あいの数ある尾根上の特徴あるハゲ岩でしかない。実際、まだ未踏の岩のピークもあるだろう。今日は寒波のせいで、風が吹く頂上は少し寒い。少し休憩した後、普陀山との鞍部へ下る。大きな岩壁に階段が刻まれている。ここも手すりが設けられているので、助かる。鞍部は、三叉路から登ってくる道と合流する。三叉路側に少し階段道を下り、普陀山への道に入る。山腹をトラバースした後、尾根に取り付く。露出した岩尾根階段を登り、9時37分に三体の仏像があるピークに着く。頂上はその奥の観音像がある部分だ。431mの普陀山頂上から、今しがた登った慈母峰頂上に三人登山者がいるのが見える。
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観音像のある普陀山頂上 |
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普陀山頂上から見る慈母峰頂上、三人登山者がいる |
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大岩壁の底を登る |
同じ道を下り、慈母峰と普陀山の鞍部から中央尖方向へ道を下る。下りきると、虎嘴口駐車場からの道と合流する。また登りが始まる。今日のルートは、それぞれは数十メートルの高低差だが、単独峰の登り降りを繰り返す。天灯の残骸が、道端や森の奥にも残っている。二月には数百数千と飛ばしたので、その結果は当然こうなるのだろう。登ってしばらく、石段の道は白い岩壁の底を登るようになる。10時10分、右に慈母嶺への道が分岐する。そのまま進めば中央尖へ続く。分岐でしばし休む。分岐から少し登ると、尾根上を進む。岩が露出した尾根道は滑りやすい。岩に彫り込んだ階段もある。この道は、歩行者数が少ないのか、それまでの道ではあったステンレスポールによる手すりは設けられていない。10時20分、慈母嶺と思うピークに着く。ただ、これは後で確認してみると無名ピークで、慈母嶺はその後に登った独立ピークがそのようだ。
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慈母嶺頂上への分岐点、右奥に岩壁 |
ここからかなり急な下りが始まる。一度鞍部まで降りると、孝子山登山歩道の案内板がある。そのすぐ先には左に下っていく道と、右に岩壁を登っていく道がある。この3,4メートルの岩壁をよじ登りその上の道を進むと、10時50分展望のきく独立のピークに着いた。表示が全くないが、これがどうやら慈母嶺(標高385m)のようだ。対面は
峰頭尖の山塊だ。尖った東峰が顕著だ。南方向には中央尖が覗いている。峰頭尖から伸びている九龍山の尾根の向こうには、
石底觀音山と刀石崙がある。その右には薯榔尖、その更に右は
石筍尖だ。山裾は菁桐の集落がある。カラフルなディーゼルカーが、ゆっくり谷底の平渓線を走っている。腰を下ろして食事をとり、ゆっくり休む。今日の山登りは、これが最後のピークである。
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慈母嶺から見る菁桐とその背後の山、左から石底観音山、刀石崙、薯榔尖、石筍尖 |
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慈母嶺頂上から見る中央尖 |
登ってきた道を戻り、岩壁を下る。こうした経験が初めてのメンバーは、緊張した面持ちだ。岩壁を下りきり、東勢格古道への坂道をくだりはじめる。けっこう湿った地面で、滑らないように慎重に歩く。右に白い大岩壁が露出し、その底の部分に刻まれた階段道が長く続く。はじめはロープ手すりが取り付けられているが、半分ぐらい下ると手すりが切れてない。枯葉が落ち濡れた石段は、滑らないように一歩ずつ丁寧に下る。ここを過ぎればあとは少しの下りを残すのみ。11時45分、慈母嶺頂上から約35分で、東勢格古道の分岐に着いた。残りは平なトロッコ線路跡の東勢格古道を進む。時間がまだ早いので、平渓老街へついでに行ってみることにした。左に平渓国中へ下る道を分けた後も、そのままトロッコ跡道を歩く。左の谷側が開けると、終点の虎嘴口駐車場に出た。これで山道は終わりだ。時刻は、12時を少し回ったところ。
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大岩壁わきを下る、手すりはない |
少し下ると朝登っていった産業道路に合流し、左に下って雙菁公路に出る。右に平渓に向かい歩く。日曜日の雙菁公路は大型バイクや車が多く走っている。石底橋までくると、観光客があふれている。ここからは、別世界だ。少し場違いな感じがするものの、平渓老街を登っていく。テレビコマーシャルでロケにしばしば使われている場所だ。犬が一匹道の真ん中にいる。こんなに賑やかな通りで過ごしているのに、痩せこけているし、足も怪我をしているようだ。首輪をしているので野良犬ではないようだが。老街の最上部にある郵便局まで歩いた後、また戻って福昌餐廳で食事をする。いつもだが、山登りを終えた後、友人と飲むビールはとてもうまい。
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谷側が開けると、東勢格古道の山道は終わりに近づく |
今日の行程は、平渓老街の入口までとして、所要時間4時間15分(休憩を含む)、距離約4.7kmだ。山道部分は3km強だ。距離は少ないが、登り降りを繰り返しているので、ギザギザ鋸刃の歩行パターンである。今回登った四座のうち、孝子山、慈母峰、普陀山の三座だけで終了し、虎嘴口駐車場へ下れれば約3時間、半日で終了できる手頃なハイキングとなる。ただ、三座とも露出した岩尾根道が続くので、スリルは満点だ。