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2014-03-26

2014年3月23日 基隆山東峰 - 主峰 - 籠山保甲路 海の見える急峻尾根道

基隆山、右端のピークが東峰(2011/9 無耳茶壺山登山道から撮影)
一週間前、日本に帰任するWさんの台湾での最後の山行として木柵を歩いた。実は、もう一人の山仲間Hさんも帰任する。先週は都合が合わず、今回は彼の最後の台湾山歩きとなった。Hさんは、昨年五月に初めて台湾の山を一緒に歩いた。南吝山から石梯坑山への尾根道である。今回は、再び同じく海が見える金瓜石付近の山で、且つ短時間で終了できるよう、基隆山東峰を登ることにした。
南側の隔頂から東峰に登り、籠山保甲路を海邊へ下る
一度下り、また登り返す
基隆山東峰は雷霆峰とも呼ばれ、基隆山が海側に延びる尾根の突端に立っている。頂上からは切り立った崖が海に落ちる。強い季節風にさらされ、高い樹木はなく、尾根は草薮が続く。尾根に取り付くのも急坂、また尾根上も岩壁を含む急坂が続く。反対側九份からは誰でも登れる石段登山道があるが、これとは全く対照をなしている。

出発点、隔頂の山尖路歩道入口
下山には、海岸の海邊里へ下る籠山保甲路を下った。昔は九份と海岸の港を結ぶ道として歩かれた。 焿子寮古道とも呼ばれるそうだ。なお、保甲路とは警備道の意味である。途中、青雲殿廟を通り過ぎる。一部は産業道路に変わっている部分もある。

今回はHさんも含め全員四名の山行である。朝8時、台北市復興南路にあるバス乗場から直通九份﹒‧金瓜石行き1062番バスに乗り、1時間10分ほどの乗車で九份の一つ先、隔頂バス停で下車する。台北は晴れていたが、九份は高曇り、風も強い。基隆山登山道はこの近くに登山口があるが、東峰はまず下って山腹を回りこんで行った先だ。9時20分過ぎ、バス停小屋の脇の山尖路歩道を下る。ツツジの咲く石段道を数分下っていく。年老いた犬が、我々を見かけて離れていく。山尖路車道に出て左に曲がり進んでいく。

山尖路車道を登山口へ、前方に東峰が見える
そこそこ歩かれている登山道、遠くに東峰
車道をゆっくり下っていく。対岸は半平山から牡丹山への稜線が続いている。数分の歩きで、東峰登山口につく。この道は、もともとそれほど人気があったわけではない。最近金瓜石を中心とした海岸から登っていく幾つかの尾根を黄金十稜として、にわかに注目を浴び、その内の一番目と数えられるこの東峰稜線道は、かなり歩かれている。入口も、もともと草に埋もれていたが、すぐ目立つほど標識リボンも取り付けられている。草薮越しに、遠くに東峰頂上がのぞいている。

登り途中の大石上から見る対岸の様子
鞍部へ急坂道が続く
しっかり踏跡が続く草のなかを進む。はじめは山腹をゆっくり東峰の下方へ巻いていく。道脇の大岩の上にのぼる。半平山や金瓜石の集落、谷あいを進むうねった車道が眼下に見える。そこから少し坂が急になる。多くの姑婆芋の太い幹が見事に切られている。最近、この道は手を入れられたようだ。大きな石がゴロゴロするくぼみを登るようになる。補助ロープも現れ、かなりの急坂が続く。途切れなく続く急坂を登ること25分、東峰下の鞍部に着く。10時20分、隔頂バス停から約1時間の歩きである。鞍部は右に東峰へ登る。ここも急坂である。補助ロープは途中で終わり、あとは草の中の急坂を登る。

東峰へ最後の登り、背後は主峰




10時28分、標高467mの頂上へ着く。頂上は低い草だけに囲まれ、すこぶる展望がよい。標高588mの基隆山主峰より低いが、海により近いためここはまた別の景色が展開する。足もとに陰陽海(過去の採掘精錬作業で発生した廃棄物が海に流れ込み、色が違っている)や、銅製錬所十三層遺跡が望める。その向こうには、以前歩いた南吝山や鼻頭角,和美山命嶺の稜線などが望める。これらの山稜も、黄金十稜として最近は多く歩かれているようだ。基隆山が大きいので、西方向は隠れているが、その他は雄大な景色である。曇り空で風が強いが、この展望はいつまで見ても飽きない。

東峰山頂からの大パノラマ(マウスクリックで拡大)
陰陽海、その向こうには南吝山
稜線上を登る、背後は東峰
20分ほどの休憩後、主峰に向かう。急な上り坂は、下りももちろん苦労する。鞍部から、また急な登りが始まる。ところどころ岩の現れる草薮の道もよく踏まれている。鞍部から10分ほど登ると、長い岩場の基部に着く。補助ロープを頼りに登る。振り返れば東峰の向こうに大海原が広がる。東峰には、別の登山グループが坂を登り始めている。稜線道を上り詰める。尾根上の小ピークだ。頂上には昔の金採掘会社台陽公司の土地境界石が埋められている。一度下り、また登り始める。道端に通泉草の小さな紫色の花がさいている。こうした場所で見ると、ほっとする。岩場こそ無いが、こちらも坂はとても急だ。少し緩くなり、アンテナが見えると主峰はすぐだ。11時40分、主峰に着く。ここは観光地とでも言える。学童も含めた家族もやってくる。

稜線道はあと僅かだ、やってきた方向を振返る。奥の東峰と前方の小ピーク
主峰からの西方向パノラマ
山腹道の分岐、前方山腹には九份の街
12時過ぎ、石段登山道を下り始める。あずま屋のすぐ下で、右に山腹道をとって進む。こちらは土の道だが、つるつるでけっこう滑りやすい。約二年目に歩いた時より、道はさらに整備がされているようだ。後ろからやってきた二人の軽装登山者は、走って下っていく。電波反射板の脇を過ぎ、展望台につく。こちらを通る人は少ないが、それでも若い白人団体がすれ違う。その先では、孫を連れた老夫婦とすれ違う。12時45分、石段登山道と合流する。その先さらに進み、左に大きな展望テラスを見る。ここが、籠山保甲路の入口だ。

保甲路上の骨ツボ
現在の立派な石段登山道ができるまでは、もっとはっきりしていただろうが、土の道は石の道に隠れてしまっている。しかし、歩き始めると道幅も広く、その昔はかなり往来があった古道であることが判る。道端には、多くのお墓がある。お骨を入れるツボが道端に置かれているところもある。子孫がすでにいないのか、忘れさられたようなものもある。山腹を平らに進んで行き、坂が始まる。10数分で産業道路に降り立つ。左にとり、青雲殿へ向かう。少し行くと、右に山道がまた入っていく。どうやらこれが青雲殿へ通じる道のようだ。13時18分、青雲殿廟へ着く。ちょうど焼香の灰を整理する儀式のようで、大勢の信徒が焼香炉の周りを囲んでいる。前庭からは、五分山の雄大な姿が望める。

青雲殿、灰を集める儀式が進行中
境内前庭から望む五分山
保甲路を進む
境内の突端から、また保甲路が始まる。こちらも巾の広い良い道だ。小沢を越し下りが始まる。道幅は狭くなるが、それでも石段が置かれたりしており、古道の風情がある。13時55分、左に民家が見えた。犬がしきりに吠えている。住人が青雲殿から来たのかと、聞いてきた。その前は大きな建築物を建設中である。急なセメント道を下る。下りきったところは、以前の深澳線海邊駅のプラットフォームがある。もちろん線路は撤去されているが、駅名板がプラットフォーム上に残されている。そこからちょっと下り、14時5分海濱公路に出る。振り返れば基隆山が高い。待つこと数分、791番のバスがやってきた。

海邊から望む基隆山
ロボコップ八斗子警察バージョン
数バス停先の八斗子で下車する。少し歩き、八斗子漁港近くの生鮮料理店で少し遅い昼食をとる。海鮮を肴に、持ってきた高粱酒で今日の行程と、Hさんの今後の発展を祝う。食事後、Hさん等二人は台北に急いで帰る必要がある、ということで分かれ、Lさんと二人で最近再開された深澳線の海科駅へ歩く。この鉄道線路は、もともとは鉱山下の濂洞まで通じていた、鉱業用鉄道であった。その後廃棄されていたが、海洋科技博物館の開館に合わせて、深澳まで復活した。現在は客運は海科駅までである。駅に着いたとき、ちょうど列車が発車したあとで、40分ほど待ち次の16時20分発に乗り、瑞芳経由で台北に帰った。

深澳線の列車
今回は歩行距離約6.8kmを約4時間45分出歩いている。休憩も含んでいるので、実質は4時間弱だ。夏の暑い時期は、陽光を遮るもののない草薮の尾根道は辛いが、春までであれば好天のもと、とてもよいルートである。今回も鎌を準備したが、まったく使用する必要がなかった。それだけ、人気コースになっているということだ。

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