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新林步道入口の参加メンバー(新寮側) |
台北盆地の西側に位置する台地上に発展した林口は、今や台北のベッドタウンとして発展し、三井不動産のアウトレットができて数年たち、また大きな商業プロジェクトが建設中である。過去30年ほどで、高速道路インターチェンジ付近にできた街は、大きく発展し台北から桃園中正空港までのMRTも開通し、見違えるようになった。中心部にはビルも目立ち、周辺の住宅街も台地上のかなり端まで開発されている。そうした街の片隅に、まだ自然の残る歩道がある。今回歩いた新林步道と老公崎步道はまさにそうした歩道である。
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新寮休閒步道から望む桐花の向こうの高速道路と林口ビル群 |
今回のハイキングは、筆者の過去活動実績の水準からすると簡単なコースである。それは、一つには昨年の怪我以来の長期恢復期間中であるとともに、Taipei Hiker Clubで表明したように簡単で初心者でも参加しやすいハイキングを多く実施する方針にそったものだ。多くの人がハイキングを楽しみ、各自の健康増進に役立てばと思う。
今回のルート中、新林歩道は第一高速道路が林口から台北に向かって台地を下り始めてすぐ左側の丘陵のヘリを進む。距離は短いが、上り下りがかなりある。一方、老公崎歩道は、丘陵がへこんだ沢沿いを進む。平らな丘陵上はほぼ住宅地に開発されているが、谷間はそのまま自然が残されている。筆者も、このような歩道があることに驚いた。
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西側からスタート |
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林口高中バス停 |
林口は多くの住民が台北へと通勤するベッドタウンである。交通の便は悪くない。今回は現地林口高中(高校)バス停で集合だ。筆者は966番バスで台北市内から向かう。休日なので通勤者も少なく、思っていたより早く8時42分に到着した。既に到着しているメンバー数名が待っていた。全員がそろい、9時10分過ぎ林口高中の大きな敷地脇にそって、新林歩道入口へと四維路を歩き始める。
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右に林口高中の建物をみて四維路を歩道入口へ |
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ここから下っていく |
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土の歩道入口 |
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桐花絨毯道を下る |
四維路の路端から左に道が下っていく。舗装路を少し下ると、左に水槽が二つ並んだ歩道入口が現れる。入口には道しるべもあり、迷うことはない。昨日そこそこ降った雨で、路面は濡れているかと思ったがけっこう乾いている土の道を、緩やかにしばらく下る。路面に白い油桐花が落ちて広がっている。花びらの絨毯だ。台湾では五月雪といわれる由縁だ。先ほどバスの車窓から、油桐花が咲いていることに気づいていたが、この辺りの花であったようだ。9時32分、歩道は終わり六三王府と記されている土地公廟の脇にでる。
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六三王府土地公廟の脇に下る |
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道に横たわる黒犬 |
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ここから登り返す |
土地公下の舗装路を少し登る。黒犬が悠々と路面に座っている。新林歩道は、少し登ったところからまた階段の急坂で台地へ登り返す。急な部分にはロープも取り付けてある。9時43分坂を登り切り、分岐に来る。左に行けば住宅地へとでる。全員が登り切り、少し休憩をとる。
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急坂を登る |
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坂を登りきると分岐 |
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建築足場を使った小橋 |
道は丘陵の斜面部分をトラバースしていく。建築足場の踏板を利用した小橋がある。その脇には、すでに錆びて穴のあいた初代の踏板が樹木に立てかけてある。この歩道はできて結構時間が過ぎているようだ。さらに進むと道は下りはじめ、道端には古びたコンクリ製の椅子やベンチがある。10時14分、坂を下り切り多くの建築足場材の集積場所脇を通るり、沢わきに来る。
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初代の橋踏板? |
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道脇のコンクリベンチやテーブル |
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建築足場集積場の脇に降りる |
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義工大橋 |
沢には義工大橋と記された銘板の赤い鉄製橋が架かっている。新林歩道を切り開いた義工(=ボランティア)が架けた橋のようで、橋のもう一つの端にはそれを示す表示がある。橋を渡ると、再び急坂が待っている。ここもかなり急だ。標高差約100mほどを登り返し、10時26分涼亭のある分岐に着く。ここは四叉路で、左の道は老公崎歩道へ、右は少し下って丘の斜面を進む。休憩のあと、ほぼ平らな道を進み、右から先ほど分岐し並行に進む道と合流する。すこし登って、10時47分新林歩道の入口に着く。
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階段の急坂 |
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分岐の涼亭で休憩 |
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新林歩道も残りわずか |
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新林歩道入口 |
立派な入口山門やまだ新しい歩道の説明板がある。地元林口區公所による造作のようだ。入り口前の舗装路を進む。開けた場所から、この時期は空気中の水分が多いのでぼやけているが、遠くに陽明山の輪郭が判明できる。師範大学林口キャンパス入口を右にみて、土地公廟脇から新寮休閒步道を進む。開けた丘陵端の広場から、谷間を挟んで対岸に住宅が立ち並ぶ丘、その左には高速道路とその向こうの丘陵地が広がる。すぐわきには、まだ多くの蕾を蓄えた油桐花が咲いている。
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遠くに陽明山がかすかに見える |
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新寮休閒步道入口、空には桃園空港から飛び立った航空機 |
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まだ多くの蕾の油桐花 |
新寮休閒步道は右に住宅地左に丘陵のヘリとの間を進む。途中で左に折れ曲がり、さらに進んで11時34分、仁愛公園に入る。涼亭脇に老公崎步道入口があり、階段で谷間に降りる。坂道を下りきり、左に土地公がある分岐を右にとって進む。谷間に降りて道なりに行く。100mごとに里程表示がある。沢を二回橋で越え、11時50分善友亭に着く。建てられてかなり時間が立っているようで、中の椅子などは古びている。昼食休憩をとる。谷間なので、丘の上で感じた風はない。
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新寮休閒步道を行く |
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仁愛公園、涼亭脇に老公崎步道入口 |
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土地公廟脇の分岐を右に下る |
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橋をこえて善友亭へ上がる |
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善友亭で昼食休憩 |
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土留壁にそっていく |
12時20分、涼亭から歩道を登り始める。登りきると右に歩道出口がある。ここからでも帰れるが、谷間をぐるっと回っていく老公崎歩道をさらに行く。先に住宅地下の土留壁にそっていく。その後しばらく山腹を平らに進み、左に大きく下る。ここもかなり急坂で、ロープが取り付けられている。12時39分、清涼亭と名付けられたボランティアによる涼亭脇を通り、沢にかけられた吊橋を渡る。この橋もボランティアによるものだろう。
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山腹をトラバースする |
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清涼亭 |
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幅の広い道を進む |
沢からすぐ上の道に上がる。かなり道幅のある良い道になる。左にとって登り気味に行く。先ほど通り過ぎた土地公の分岐から、下ってきた道を登り階段を登り返す。12時54分、仁愛公園の歩道入口に戻り、脇の涼亭で一息つく。吹き抜けていく風が、苦労した登りのあと心地よい。しばしの休憩のあと、仁愛路上の新生路口バス停へ向かう。まだ農地が所々残る住宅地を通り過ぎる。筆者の故郷東京の郊外で住宅開発が進んでいた時のような場所だ。13時18分、新生路口バス停にやってきた966番バスに乗り、台北に帰った。
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まだ農地が残る新興住宅地 |
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道脇に咲く巴西鳶尾花 |
距離6キロ強、累計登坂約300m、休憩を入れて約4時間であった。コース定数は12。半日で終了したハイキングである。急坂が次々と現れるので、平地を歩くのに比べれば、そこそこ運動量がある。天気もよく、まだそれほど気温も高くなく、快適なハイキングであった。日本から訪れてわざわざ行くような場所ではないが、もし台湾に在住であればちょとハイキング、という目的にはよい。
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