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2024-10-20

2024年10月11日 Basingstoke Canal 運河の西端セクションハイキング

運河わきのオディハム城遺跡入口
18世紀末に完工したBasingstoke(ベイジンストーク)運河は、現在滞在しているウォーキングの近くを流れているので、今まで何度がその運河に沿った船曳路ハイキングコースを歩いている。先月半ばには、全長55㎞に及ぶ運河の、ちょうど中ほどを歩いた。その部分は、運河が十数か所の連続する水門で高度を上げる場所だ。この水門群を過ぎると、終点Basingstokeまでの運河の半分近くのセクションは、途中に水門が一か所あるのみで、ほぼ水平である。

運河にかかる跳橋
当初運河の建設にあたり、Basingstoke近くの丘をさけてルートが計画されたが大地主の同意が得られず、丘をトンネル(Greywell Tunnel)で抜けるように変更された。このトンネルは現有するが、中は蝙蝠の保護生息地的な対象になり、廃棄されている。そのため、現在船が運行できるのは、当トンネルの東口までである。トンネルの西側Basingstokeに近い場所は、都市発展に伴い埋め立てられ、現在はUp Natelyまでが残ってる。とはいっても、この2,3㎞の短セクションは、池のようになってしまい、運河という感じはあまりない。今回は、このUp Natelyから東に、トンネルの丘を越えて進み、13世紀に建設されたというOdiham城遺跡の脇を進んだ。最終的には、運河43Kキロポスト付近まで運河沿いに歩いた。運河の両脇は、大部分が牧場の草原や森である。

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運河で出て東に歩く
イギリス滞在も二か月以上過ぎ、晩夏から秋への移り変わりを体験してきた。雨天の日が多くなり、すっきりしない時もある。9月末のハイキング後、天気の良い日もあったが、ちょうどMid Hants保存鉄道の特別活動日で、それを訪れたりしてハイキングはしばらくしていなかった。そうしたことで、また天気が回復した今日、9時少し前に出発する。昨晩も晴れていたので、輔車冷却効果で朝は気温4度である。しかし青空が広がり、気持ちは高まる。

今年歩いた運河三か所の位置関係
電車でHook駅に到着

今日は、鉄道で出発点まで行く。ウォーキング駅を9時18分発のBasingstoke行各駅停車に乗る。この時間帯は各駅停車一時間に二本である。もちろん急行列車も頻繁にあるが、目的地Hookには止まらない。約30分の乗車で5つつめのHook駅に着く。無人駅である。運賃は、11 .1ポンドだ 。

Hook駅から住宅地を抜け進む
送電線際の公衆歩道を行く

駅前は、Tescoがありその前は大きな駐車場となっている。駐車場を横切り、車道を渡って住宅区に入る。運河へは、森や草原そしてM3高速道路を越えた3㎞ほど先まで歩く必要がある。住宅地の端から、森の中の公衆歩道を行き、その先森の中に入る。放牧地の一部になるここは、牛が歩いた足跡などでかなり深い水たまりやぬかるみがある。A30 London Roadに出て少し進み、10時16分Hoggetのパブ脇でまた土の道に入る。この道は、M3高速道路を陸橋で超えていく。橋の上から西方向に、ビルがいくつか見える。Basingstokenoの街だ。

ぬかるみのある放牧地
Hoggetパブ
M3高速道路、遠くのビルはBasingstokeの街
Bridgeway Mansion 左に運河の橋が見える

道なりに進み、右に入る歩道から住宅区に入る。その先右に大きなBridgeway Mansionの邸宅を見ると、10時57分運河についた。運河の左岸に船引道が続く。先に上流方向にしばらく歩いてみる。過去に歩いた同運河のセクションに比べると、ここは船の往来もないので水草も生え、運河というよりは池といった感覚だ。道筋は細く、歩くひとも多くないのか。橋を越えて200mほど進んだところで、折り返し下流方向に歩き始める。

橋の上から運河上流方向を見る、水草が生える
水が流れない運河は池のようだ
新しいベンチ

先ほど運河に降りた橋の下をくぐり、進んでいく。新しいベンチも道脇にあり、道幅も心持広くなる。気温は8度とまだ低い。もう一つ橋をくぐり、11時23分、51Kキロポストを見る。その先まもなく、Greywellトンネルの西側入口がある。その手前には、トンネルの説明板がある。トンネルはしっかり囲いが設けられ、立ち入り禁止となっている。

トンネル前の説明板
封鎖されたトンネル西口
トンネル内の人力移動の写真

元来トンネル内は船曳路はなく、馬など引くことはできない。まだエンジンなどがない時代である。推進には、人が船の上に寝そべり、トンネルを壁を押しながら済んだようだ。説明版には、そうした写真が載せられている。船曳路は、トンネル入り口のすぐ上を通り、この丘を越えていく。上り詰めると草原になり、そこが最高点である。下ってHook Roadに出る。

大木が経つ丘の最高点
丘の草原を下る

Hook Roadの入口
Old Wharf House
Hook Roadから右に曲がって少し下り、Old Wharf Houseの脇を曲がって公衆歩道に入る。トンネル東口の上を越えて左岸の船曳路が始まる。トンネル東口まで運河は航行できるようだが、ここまでやってくる船はほとんどないようだ。トンネルから、広くなった運河沿い道を行くこと約20分、Odiham Castleの遺跡に着く。

トンネル東口
道は広くなったが、運河は水草が生えて船の往来はないようだ
Odiham Castle遺跡
13世紀King Johnによって建設されたこの城(砦)は、今では石積みの壁が残るのみだ。当地Hampshire政府によって保護策などが設けられ、一般に公開されている。城の周辺には堀があったということだが、今は一部が残っている。この位置は、皇室の地ウィンザーと宗教聖地ウィンチェスターとの中間位置にある。遺跡に入り、ぐるっとひと巡りする。時間も12時を少し回り、運河わきの入口のベンチで昼食をとる。

遺跡内部から残っている壁を見る

外部説明

跳橋

12時50分過ぎ、運河沿いに歩き始める。数分進むと、運河をまたぐ跳橋に来る。船が通るときには、この橋が上に跳ね上がる。近くに家屋があるが、ここを過ぎると運河は草原や森など、牧歌的な風景の中を行く。13時22分、橋を見る。そのわきにある説明板には、この付近は現在のような開発が進む前は、Odiham Castleの皇室狩猟公園(Royal Deer Park)で森が広がりその木材は、有名なEton Collegeやロンドン・ウェストミンスターホールの梁に使われたとのことだ。また近くにはローマ時代遺跡も発見されている。

牧歌的な風景が広がる
牛が草をはむ
説明板のある橋
対岸に船が係留
しばらく直線的に進んでいき、車道橋と対岸に船が停泊しているのを見る。13時3分、車道橋に上がり、また運河わきに降りる。ここはもともと埠頭だったようで、運河の幅が広くなっている。その手前は公園で、ピクニックテーブルなどもある。ちょっと休憩する。

公園脇から上流方向を見る
前方にA3道路の橋、左に46Kキロポスト
しばらく直線的にきた運河は、ここから地形にそって曲がっていく。13時45分、A3道路の橋をくぐる。さらに進んで2,3の歩道橋下をくぐる。これらレンガ造の端は、つけられているプレートを見ると運河建設時の1790年代に造られその後手直しされているようだ。切通しのような場所を行き、二つの橋をくぐる。ちょうど船がゆっくりと橋をくぐってやってきた。

古いレンガ橋が前方に現れる
対岸にまた船
1790年築のプレートが橋につけられている

ここの入口から運河を離れる
14時40分、42.5Kキロポストを見る。さらに5分ほど進み運河を離れて、草原の中へと延びる公衆歩道へと入る。草原の道は、運河から離れるように進み、途中別の道と合流する。右に曲がっていき、14時56分 St. Mary's Chuarchの裏に出る。墓石に囲まれた、田舎の小さな教会である。

草原の道を行く
St.Mary's Churchの裏門
前方の鉄道橋前で左折
教会から車道を進み鉄道橋を見て、左にWinchfiled駅わきの住宅地の中を進む。住宅地が切れたところが駅である。当駅も無人駅である。15時9分駅構内に入り、線路を越える橋を渡って反対側のホームへ降りる。駅舎前の自動販売機で切符を購入する。ウォーキングまでは8.4ポンドだ。待つこと13,4分、電車がやってきた。

Winchfileeki駅わきの住宅街を抜ける
Winchfield駅
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Odiham Castle遺跡前の筆者
運河へのアプローチ往復で少し距離があったので、トータルで16.3㎞、5時間半の歩きだった。途中に丘を越えているので、記録では300mほどの累計上昇となっている。終日良い天気で、遺跡なども訪れることができ、よいハイキングができた。秋も進み、広葉樹はその葉が色づき始め、季節の移り変わりを示している。