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2025-09-30

2025年9月28日 雙溪大樟嶺~東柑腳山(後寮山)~柑腳山~北豹子廚山~枋山坑山~盤山坑縦走

枋山坑山山頂

10日ほど前に訪れた雙溪を再び訪れた。一部その時のルートと重なる部分はあるが、大部分は異なる。10年ほど前に繁く訪れた雙溪は、筆者の好きな山域である。今年になって、柑腳山や枋山坑山などの稜線の両側の山道が、ボランティアによってずっと整備されてきたことが、再訪の大きな動機だ。ボランティアグループは、3月ごろからずっとこの地区にはいり、すでにある山道だけでなくほぼ廃道となっていた古道の整備や新たな道を開いた。そこで今まで以上にルートが多く、また数十年前に廃棄された集落家屋跡などがその周囲を草刈され、この地を歩くことの興味を増やしている。彼らの仕事に、感謝する。

東から西へ縦走
今回のルートは、辭職嶺とも呼ばれる大樟嶺大埤山から西に延びる稜線を、東柑腳山、柑腳山 北豹子廚山を超え枋山坑山へと進み、そこから中坑の谷へ下り、最後は內盤山古道を盤山坑へと下った。過去に歩いている部分が多いが、大樟嶺古道~後寮仔嶺間の稜線、及び枋山坑山から中坑古道西線へと新たに開かれた道は、初めて歩いた。長い稜線道は、出発点高度がすでに高く標高500~650mほどのものではあるが、かなりの上り下りがあり、累計上昇では650mとなりそこそこ疲れた。
@東柑腳山山頂

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雙溪駅からタクシー
今日は距離もあるので、できるだけ早く登山開始するため、台北を6時25分発の快速區間車で台北を出る。快速區間車は、途中とまらない駅もあり、雙溪には1時間5分ほどで到着した。駅前で参加者11名が集まり、事前に連絡していた三台のタクシーに分乗し辭職嶺登山口へ向かう。10数年前に初めて訪れたころは、F811新巴士が都合のよい時間帯に出ていたが、その後登山者を主にする利用客が増え、また時刻変更があり、雙泰產道沿いの登山口へは今ではタクシーを利用するのが普通だ。20分足らずで登山口へ到着する。一台当たり350元である。

登山口、左に土地公の祠が見える
木々はほぼみんな切られている
支度をして8時過ぎに出発だ。石段の辭職嶺(大樟嶺)古道を登り始める。入口の土地公祠を過ぎて間もなく、驚いたことに山腹の森がすっかり切り取られている。まだ時間が早いが、直射日光は強い。ただ、展望が開けたので、福隆の海岸線を含め広く景色が広がる。登って高度が上がると、東北角の草山や燦光寮山も視界に入る。そのうち森にはいり、8時13分大埤山山頂(標高515m)の三角点を通り過ぎる。その先の展望台脇には、観測装置のための太陽光パネルが取り付けられている。展望台自体は育ってきた草木のため、以前のような展望が得られない。

よい展望ができる
@大埤山
展望台脇の太陽光パネル
大樟嶺古道切通
展望台から下り、大樟嶺古道を進む。広い土道は、雙溪地区の典型的な古道である。緩く下っていき、切通しを過ぎて間もなく、右に稜線道をとる。ここからずっと稜線を追っていく。今年の春に整備はされたが、ひと夏を過ぎたので草がだいぶ伸びている。今の時期に多い引っ付き虫の竹葉草が多く、歩いていくとズボンやシャツには種がたくさんついてくる。この種は取り去るのが厄介で、種の部分は取れてもその鉤の部分が生地に残る。時間をかけて根気よく取るしかない。
尾根道(右)分岐点
今年3月日付の道標
稜線道に入り、すぐに次々と急坂の小さなコブが次々と現れる。幸いまだ新しいロープが多く取り付けれられていて助かる。このセクションを歩く登山者は多くないのだろう。陽光が当たる道筋は草でおおわれているところも多い。急な坂を下り、9時14分左に大樟嶺古道へ下る道を分ける。さらに登り下りを繰り返し、10時8分風が吹き抜ける、小高い平地で出発後二度目の休憩をとる。気温は27度だ。




小さな上り下りが始まる
草に覆われた踏み跡
ロープの急坂
急坂を下る
踏み跡は草の下
後寮仔嶺十字路鞍部
二度の小さな登り下りを過ぎ、10時29分後寮仔嶺の鞍部に着いた。ここは後寮仔嶺古道が峠を越えて四分子と泰平後寮仔とをむすぶ。鞍部からの道は、今までのセクションに比べると踏み跡がしっかりしている。歩かれる程度が高いのだろう。登り基調の道を進み、10時54分東柑腳山山頂(標高556m)に登りつく。北側の草木がきれいに刈り取られ、広い展望ができる。数年前は草木の中で何も見えなかったが、三度目の登頂でこのような風景に出会えた。四分子山や苕谷坑山の向こうに、五分山、三爪子坑山から東北角の山々がずっと連なっている。

@後寮仔嶺
上り下りが続く
東柑腳山への登り
東柑腳山山頂
山頂からのパノラマ
十数分の休憩後、尾根をさらに西へ追っていく。こちらも急な上り下りを通り過ぎ、11時43分崩山坑古道の風口峠に降りた。崩山坑古道は淡蘭古道の一部になっているので、登山者が多く峠ではグループが休んでいる。メンバーの一人がここで離れ下り、残りは柑腳山山腰古道を進む。数分進んだ風が感じられる曲がりかどで、休憩をとり昼食をとる。ここで全行程の約3分の1だ。


稜線道を風口へ
下に風口分岐が見えた
柑腳山山腰古道を行く
10日前は右から登ってきた
30分弱の昼食休憩を終え、柑腳山山腰古道を2,3分進んで分岐から柑腳山山頂へ登る。12時33分、10日前に登ってきた右からの道を合わせ、さらに3分ほどで柑腳山山頂(標高615m)についた。今年に入って三度目の登頂である。山頂から下り、柑腳山山腰古道をさらに進んで、13時9分黃德公を見る。雙坪公路にでて少し左に進み、豹子廚保甲路を登る。また雙坪公路との合流点で、右に新たに開かれた山道をとって進む。13時20分、中坑東山方面からの尾根道との十字路鞍部で休憩をとる。

@柑腳山山頂
山腰古道をさらに西へ
黃德公
新しい山道を登る
分岐で休憩
北豹子廚山山頂
前回と逆方向に歩き、13時55分に北豹子廚山山頂(標高627m)についた。こちらは、前回と同じ展望が開けている。山頂近くに休む別パーティを通り過ぎ、雙坪產道上の第二登山口へ降りる。右に產道を数百メートル下り、右に分かれる道を登る。その先から、左に古道が始まる。最近整備されたこのセクションは、快適だ。左からの道を合わせ、14時4分中坑頭に着いた。これで何度目の訪問か。淡蘭古道の一部になってから、ますます開けてきている。休憩後ここでまたメンバー一人が離れ、下っていく。

雙坪產道(北42)を下る
ここから右の道
快適な古道
中坑頭
つい最近整備された尾根道を行く
約20分のおおむね緩やかな尾根道を登り、14時半枋山坑山山頂(標高676m)に着く。今日の最高点である。もともと狭い山頂は、草が広く刈られて広く見える。北側の展望もできる。內盤山からの780番バスは16時50分発である。まだ3㎞ほどの山道があるので、そこそこに山頂を離れ、新たに開かれた北稜の道を下る。かなり急な道が続く。開かれて1週間ほどの道なので、ロープなどは新しいが踏み跡はまだそれほど多くない。

枋山坑山山頂,右に北稜新道
開かれて間もない新道
急坂の新道
道端の面白い形状の樹幹
岩壁を下る
枋山坑山から下ること20分弱で右に中坑古道へ下る道を分け、さらに稜線を下る。急な岩壁を下り、15時12分中坑古道西線の鞍部に降り立つ。偶然にも右から登ってきた北豹子廚山でのパーティに遭遇する。左に古道を下っていく。15時20分內盤山古道との分岐に着き、近くの草原で最後の休憩をとる。本来ここから最近道が整備された中坑西山へ往復することを考えていたが、時間とパーティの様子を見て取りやめる。
中坑古道西線に合流
中坑古道を下る
草原で休憩
古道わきの土地公石祠
10分の休憩後、內盤山古道を下り始める。10年ほど前に歩いたきりで、道の状態を案じていたが、こちらも実はよく歩かれているようだ。右に土地公の祠をみて沢に下る。そこで登ってくる土地の人とすれ違う。沢沿いの道も、問題なく進む。棚田跡が現れ、沢が広がっていく。16時2分、古道は盤山坑溪に突き当り、左に沢沿いに登っていく。鉄製の橋が沢をまたぎ、こちらを登って上の舗装路に行ける。沢沿いの道は、しっかり草が刈られている。途中沢を左岸にわたり、最後にまた橋で右岸にわたって民家の脇にでる。そのすぐ上が內盤山のバス停だ。16時14分、これで今日の登山は終わった。

沢に降りて進む
右岸へ渡る、背後は棚田跡
棚田跡を歩く
盤山坑溪に出る、右岸を少し登っていく
橋を渡って、右岸の農園へ入る
780番バスで雙溪駅へ

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16時50分、780番バスは定刻に発車。25分で雙溪駅に到着。17時37分の區間車にて帰京した。歩行距離は13.2㎞、休憩込みで8時間10分、累計登攀650m、下降850m、コース定数30である。