このブログを検索:山名などキーワードを入れてください

2025-09-14

2025年9月13日 非官製山道ルート経由で七星山を登る

七星山 南峰(左)と東峰 南峰すぐ下に凱達格蘭山(小さな突起)

台北市の最高峰七星山(標高1120m)は、ここ数年の登山ブームも相まって、週末には大勢の人が訪れる。官製歩道経由であれば、登山口からの標高差400m足らずで登れる。ほぼ全行程が石畳や石階段で、靴を汚さずに登ることすらできる。好天気の七星山主峰山頂は、人であふれ山名柱を入れて写真を撮るには、行列しなければならないほどだ。

反時計回りに回遊

しかし、そんな大人気の山でも素朴な道がついている。このような道を経由するとほとんどほかの登山者に合うことなく、静かな道を登って七星を山を訪れることができる。地形上、こうした非官製登山道だけでは登頂できず、一部官製歩道を通過するが、それでも全行程の7~8割はこのようなルートで訪れることができる。今回の登山は、そのようなルートでの登頂、そして下山である。

大勢の登山者でにぎわう七星山主峰山頂

----------------------

陽明路上の教師中心(センター)正門

MRT劍潭駅から紅5番バスで向かう。通常は終点の陽明山總站(ターミナル)まで乗るが、今日は教師中心バス停で下車する。ほかのバスや自家用車でやってくる仲間が集合し、六人全員がそろったところで8時過ぎに歩き始める。陽明路を少し下り、陽明路一段38巷の標識をみて左に入る。駐車場をつっきり、小公園を抜ける。その先下って橋を渡り、石段の38巷を登る。ほとんど歩く人がいないように見えるこの道は、街灯がしっかり取り付けられている。夜には草に半分埋もれた道を照らしているのだろう。

小公園を抜ける、背後は草山之光と称されるガジュマル大木
草に半分覆われた陽明路一段38巷、左上に街路灯が見える
対面に七星山、左方上に赤い屋根のビジターセンタ、背後は大屯山
紅樓花
歩き始めて10数分で石段道が緩やかになり、対岸には七星山が大きくそびえる。今日はあそこへ登るのである。ほぼ同じ高さに見える赤い屋根の陽明山ビジターセンターの向こうには、大屯山が盛り上がる。今がちょうど時期の紅樓花(ベニツツバナ)が道端に咲く。石畳の道は車道につながり、両脇には家屋が現れる。菁山路99巷を進む。そのうち家屋がなくなり、車道は民家の門で終わる。その少し手前に、細い土道がある。それをとり、小沢へ下る。あまり歩かれていない道を登り返し、畑にでる。それを突っ切ると菁山路101巷71弄上の菁山遊憩區正門が現れる。ここまで歩き始めて約35分であった。

菁山路99巷の末端近く
小沢を対岸に渡る
菁山遊憩區入口
本来この付近から土道に入る予定だった

地図上には、菁山遊憩區の脇からの土道が記されている。しかし入口はほぼ草に埋もれ、ほとんど歩かれていないようだ。GPSを頼りに進むこともできるが、ちょっと迂回にはなるが人車分道を歩いて、途中から土道に入るようにルートを変更する。七星山のふもとを一巡りする全長13㎞の人車分道は、今まで何度か歩いているが、このセクションを登りにとるのは初めてだ。石畳道を少し登り、絹絲瀑布歩道入口を見て、道は車道を離れ登っていく。そこそこ幅のある道で、現在の車道の前にはこの道が使われていたのではないか。坂が緩くなり、9時に涼亭が右に現れ、そこで休憩をとる。気温は29度だ。

幅広の人車分道を登る
涼亭で休憩
菁山自然中心からしばらく車道に並行して登る

ほぼ平らな砂利道を進み、菁山自然中心の前から車道と並行して進む。9時19分、人車分道が車道から離れて左に山に入って間もなく、曲がり角から土道が始まる。ここからまた非官製山道である。人車分道は約1.4㎞ほどを歩いた。土道は、勾配が少なく少し行くと竹を使ったベンチがある。この道は誰かが手を入れている。左が急斜面な道を進み、左からの道を合わせる。本来予定した道である。その先から勾配がきつくなる。道脇には多くの水管が走る。9時40分、山腹を行く土道を横切る。この道は、六月に歩いた道だ。さらに登ること数分、石畳の苗冷歩道にでる。

人車分道は左に山へ入る
左の土道を進む
竹の手作りベンチ、手前に太い硬質ゴム水管
平らな道をしばらく進む
水管が並行して延びる
急坂を登りつめるとトラバース道に合流
トラバース道を横切ってさらに登る
苗冷步道に出た
右に土道に入る
苗冷歩道を100メートルほど西に進み、そこからまた土道に入る。上り詰めると七星公園からの石畳歩道に出た、左に少し下り、9時46分、分岐にある涼亭で休憩する。ここからはしばらく苗圃歩道の石階段である。約400m高度差約180mほどを登る。前後に多くの登山者、また下ってくる登山者も多い。標高約870m地点で左に七星山山腹をトラバースする道に入る。ここを歩く登山者は少ないが、ヤタケの間の道筋ははっきりしている。トラバース道から分かれ、凱達格蘭山方向へと急坂を登る。10時47分、ロープの岩を登り狭い凱達格蘭山山頂(標高1049m)に立つ。

分岐の涼亭
急坂を登る
開けた部分を登る
山腹の道を進む
ヤタケの間を登る

凱達格蘭山山頂
七星山主峰の南側に広がる窪んだ一帯に凱達格蘭山が頭をもたげる。好天気の今日は、山頂から台北市街が眼下に広がる。視線を反対側に向けると、のちに通過する南峰から主峰、そして東峰の稜線が続く。凱達格蘭山から下ると、数人の若者が休んでいる。筆者は10年以上前に二、三度訪れて以来、ずっとご無沙汰であった。その後、陽明山公園がここへ続く道をふさいだりしたが、今ではまた登山者が訪れるようになった。恐竜岩と呼ばれる場所で食事休憩をとる。時々風が吹き、気温も26度。実に爽快だ。

凱達格蘭山からのパノラマ、右は七星山南峰
左が南峰、中心が主峰、右奥に東峰
恐竜岩の広場
墓と背後の神廟

約30分ほどの休憩後、付近を巡る。少し登って墓を過ぎる。このような場所では、墓参りも大変だろう。その上に神廟がある。ひっこりとその脇からCTさんが顔を出した。彼によると我々を追いかけてきたという。俊足の彼は、この後一緒に行動する。もう一つの神廟を通り過ぎ、官製登山道に出る。ここも多くの登山者が行きかう。石畳道を200mほど登って11時52分主峰山頂に着いた。予想通り登山者であふれている。北側には、海岸線も望める。

別の神廟
多くの登山者が行列して山頂の撮影
主峰山頂からのパノラマ
歩道から見る南峰

往路をくだり、南峰への土道に入る。ヤタケの間を登り12時13分、南峰山頂(標高1088m)を通過。急な下り道が始まる。ヤタケをつかんで下ること約10分、山腹道に合流。右にとってさらに下る。ヤタケから雑木林に換わった道は、15分ほど高度を下げ、右からの山道を合わせ、少し登り返すと金露山(標高891m)に着く。さらに下り、12時48分金露天宮前の分岐に着いた。時々風が吹いていくが、昼過ぎの今はそこそこ暑い。しばらく休憩をとる。

ヤタケの間を登る
南峰山頂
ヤタケの急坂を下る
金露山へ向けて山腹道を進む
金露山山頂
金露天宮
山腹道を進む

13時過ぎ、苗圃步道へとつながるトラバース道を行く。今年夏に来襲した台風のためだろう、倒木が多い。途中で新たに設けられた七星山南南峰標識(と言ってもピークではなく、道脇に埋められた基準石地点)を通り過ぎる。13時40分、苗圃步道に合流、少し下って左の並行する土道に入り、続けて下る。10分強土道を下り、ボーイスカウトキャンプ場敷地の脇でまた苗圃步道にでる。3,4分下り苗圃步道の分岐で小休憩をとる。

倒木を超える
山腹道わきの七星山南南峰
苗圃步道に合流
並行する土道を下る
苗圃步道分岐
ビジターセンタと背後の七星山

人車分道を下って陽明山ビジターセンター、そこから公園内を進んで橫嶺古道入口へと降りる。当初の予定は、最近開かれ注目されている、紗帽山の土道を経て登頂するつもりであった。しばらく進んでい登山口についたが、まだほとんど歩かれていないような状態で、七星山を巡った後、よくない道で登頂するのはちょっと大変なので、今回はあきらめることにした。またの機会に別途訪れればよい。陽明山バスターミナルに行き、15時頃の紅5番バスで下山した。

------------------------------

橫嶺古道上の紗帽山登山口

橫嶺古道を少し歩いた部分を除く、七星山だけの歩行距離は約8.5㎞ほど、その部分を入れて約10㎞である。人車分道,苗圃步道などの官製歩道部分は、合計約2.3㎞ほどであった。累計の登攀高度約800m、時間は6時間50分である。コース定数は24となる。人ごみを避け、静かな七星山を歩きたい、といったノーマルコース卒業の登山者には、こうしたルートもよいのではないかと思う。道筋もはっきりしているので、地図やGPSが判読できる登山者にはお勧めである。ただし、非官製山道には道標は一切ない。幸いにマーカーリボンはあるところが多いが。


0 件のコメント:

コメントを投稿