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2026-06-26

2026年6月21日 坪林尖山湖~下洞瀑布(未達) ほぼ自然に戻った山道を歩く

下洞瀑布を目指して沢沿いに進む、前方に目標の稜線が見える

台湾は亜熱帯に位置する。高温多湿の自然環境では、植物の生長は速い。山道は歩かれなくなると、たちまち植物が戻ってきて踏み跡をふさぐ。それに加え倒木や土砂崩れなど、道がダメになる要素が多い。今回予定したルートは、もともと下洞瀑布から稜線上の北宜古道に上がり、稜線を追って灣潭竹子山を登り、その後南勢坑古道経由で灣潭へと行く予定であった。つい最近整備された北宜古道のある稜線の南側の登山道は、数年間道整備が行われていない。筆者はかつて2020年にこの稜線から下ってきた。その時は、まだ問題なく歩けたが、その後ほとんど人が入っていなようで、草が生茂り倒木が邪魔をする道になっていた。沢沿いの道は、何度か渡渉し一部は高巻をするが、そうした部分もほとんど不明瞭であった。そのため、道探しに多くの時間を費やし、下洞瀑布からわずか数十メートルの場所ですでに12時半を回っていた。さらにその先の尾根までの道の状態もよくないことが予想され、予定のルートを歩くことは時間的に無理と判断、折り返して下山した。

西側碧湖橋から歩く

今回の記事は、予定のルート完走を記すのではなく、台湾山岳の一面を紹介するため、あえて行けなかったことの記録を残すことにする。日本から訪れて台湾の山登りをする際、このような場所に入ることは少ないかもしれない。しかし、高山であろうとまた低山であろうと、こうした自然の営みがあることを認知していることは、台湾の山を登るについては必要と思う。

赤が今回の軌跡、青は2020年9月の軌跡

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北宜公路碧湖橋
雪山トンネルが開通したあと、台北から宜蘭への重要な道路であった北宜公路は、その重要な役割を第五高速道路に明け渡し、今ではワインディングロードを高速で駆け抜けるバイクやスポーツカーの道となっている。台北から坪林までは、北宜公路を行く緑12番バスがあるが、その先宜蘭方向へは、今では地元民のため途中の聖武宮まで新北市政府が運行する無料723番新巴士バスが、一日三往復してるだけになってしまった。今回の登山口は、そのバスが通る碧湖橋バス停で下車しさらに山中の舗装路を4キロほど歩いて初めて着く。

碧湖橋から産業道路を歩く、淡蘭古道はここで右へ進む
今年1月に723番バスで聖武宮まで乗ったが、今回も同じバスで坪林國中バス停を8時過ぎに出発する。我々以外のパーティ数名が乗車し、発車する。このパーティも碧湖橋(標高約290m)で下車した。どうやら淡蘭古道を歩くようだ。我々五名は、支度をして8時半に出発する。いわゆる産業道路は、しばらく九十九折で高度を上げる。快晴の今日は、太陽光が強い。日向に出ると暑い。道は下りまた登り返すを繰り返し進む。開けた場所からは、対岸の源茂山から建牌崙の稜線がスライラインを画している。路傍の距離表示が3Kを示し、道が下がっていくと前方左にとても尖った山峰が現れる。その先土地公わきから見ると、実に目立つ。梳妝頭山である。尖山湖という地名は、この山がその由来だろう。湖は、水のある湖でなく、山中にある平らな場所の意味である。

対面のスカイラインが明瞭だ

3K地点

土地公から見る梳妝頭山
刣牛寮草堂の脇を行く

さらに下っていき、右に刣牛寮草堂(標高約360m)を見て橋を渡り、左に妙心寺へ行く分岐を右にまた登り返す。4Kの表示をみて間もなく、道が分岐する。ここまで1時間の道のりであった。この分岐は、2020年に訪れた時、メンバーの車に同乗してきて駐車した場所だ。その時は回遊式(台湾ではO型と呼んでいる)だったので、車での対応が可能だったが、今日は山を越えて反対まで行く縦走なので車での対応はできない(のちに結局戻ってくることになるのだが)。

橋を渡り前方の分岐を右へ登る

右へ尖山湖14號民家に進む
梳妝頭山が近くなる

9時40分に小休憩のあと、右の道を行く。ここから見る梳妝頭山さらに迫っている。尖山湖14號の民家を過ぎる。すでに誰も住んでいないようである。台湾の里山も、住人の老齢化が進み土地を離れていく現象が進んでいる。民家の後ろから、山道を進む。以前に歩いていたが、不注意で右の道を進んでしまい、しばらく行って間違いに気づき戻った。民家脇から少し登り、沢の上部をトラバースしていく。この部分の道は草をかぶっている部分もあるが、比較的はっきりしている。10時20分、左に梳妝頭山への道が分岐する。その先倒木をくぐり、10時33分にサルスベリ樹の小沢わき(標高約450m)で休憩する。

尖山湖14號民家裏のメンバー

初めのセクションは比較的よい

草深いがまだOK

梳妝頭山への分岐
倒木をくぐり進む
サルスベリわきの筆者(メンバー撮影)
倒木をくぐる

ここから稜線上の北宜古道分岐まで距離で2㎞強、標高差約300mである。約二時間で稜線に上がれるつもりで歩き出す。谷幅は広くなり棚田跡と思われる場所を過ぎていく。沢を渡り左岸を行く。こちらも棚田跡がしばらく続く。沢を渡り返すころから、道筋が怪しくなってきた。右に尾根を北宜公路へと続く道の分岐を過ぎると、ますます道筋がなくなる。沢を渡渉するが対岸にはその先に続く道が見つからない。歩かれていると石のコケがはがれているが、それもない。

渡渉点で左岸へ
沢沿いの棚田跡
中洲へ渡る
草に覆われた道筋

しばらく雨が続いた後なので、天気は良いが水量はそこそこある。右に小沢を分け中洲の道を行く。さらに左岸から右岸、また右岸から左岸からと渡渉をしていく。また一部高巻もあるが、倒木で道がふさがれていたりで、なかなか距離が伸びない。ルートファインディングで時間をとり、前方上部に目標の稜線が見えた(冒頭写真)が、時間はすでに12時半である。下洞瀑布は、あと数十メートルだが、その先稜線までの道の状態を考えると、早くても北宜古道には14時ごろ到着になるだろう。

渡渉点が次々と現れる
崖際の倒木をはってくぐる
高巻から沢に降りる
渡渉を繰り返す
前方に古いマーカーテープ
道を探して前進
ほぼ草に埋もれた道
折り返し下り始める

本来の予定は、すでに道整備が終わっている北宜古路から灣潭竹子山を越えて灣潭までと考えていた。14時過ぎに北宜古道の分岐到着だと、おそらく16時45分発のF815新巴士最終便には間に合わない。そこで残念ながら、前進をあきらめ引き返すことにする。少し戻り、12時40分開けた沢岸で食事休憩をとる。無情な沢は、明るい初夏の光の中で途切れなく流れている。

沢沿いで昼食
かろうじて残るマーカー
20数分の休憩後の往路を引き返す。と言ってもこちらもルート探しがある。今回は、マーカーリボンを持ってこなかったことが悔やまれる。それでも、メンバーみんなの力を合わせ、沢沿いに下っていく。14時9分、往路に通り過ぎた稜線を行く道の分岐にきて、気が楽になる。急に暑くなった気候に、体がまだ順応できていなようで、大量の汗を流し太ももがつってしまう。塩をなめしばらく休憩して、その後は収まった。棚田跡のゆるやかな平地は気が楽だ。沢を渡り右岸を進んでいく。14時45分、梳妝頭山への分岐を通過、15時民家に着き休憩をとる。

沢を下る
更に沢を渡渉
古い稜線道の道標
最後の渡渉点
尖山湖14號民家が見えた
坪林の街に到着

この気温の中を、産業道路を歩くのはつらい。そこで、来るときにみた刣牛寮草堂の車で送ってもらえないかを、みんなと相談する。その後、舗装路を下り、15時23分にちょうど店の前で作業していた主人と相談する。すると、坪林まで送っていってもらえることになった。助かった。汗で濡れたシャツなどを着替え、車に乗車。16時過ぎに坪林に到着、16時15分発の緑12番バスで、約1時間ほどかけ新店へ戻った。端午節の三連休最終日で第五高速は非常に混雑していたようなので、緑12番で戻ったのは正解だった。

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到達できなかった下洞瀑布 (2020/0攝影)

所要時間6時間50分、約11㎞、登り550m、下り480m、コース定数21である。ただし、ルートハンティングは、体力を使う。また急に暑くなったことも、さらにつらさを増したようだ。今の状態だと、今回のような歩き方はかなり難しい。すでに整備された灣潭竹子山や南勢坑古道はまた別のルートで訪れることにしよう。


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