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2012-02-13

2012年2月12日 新店直潭山 四分子産業道路経由で下る

獅仔頭山から見る直潭山、右手前は東獅仔頭山とその尾根
直潭山は台北盆地を取り巻く山のうち、判別しやすい山である。稜線上にはいくつかの送電線鉄塔が、頭の上にさされたかんざしの如く建てられているので、特徴がある。自宅の近くから南方を見ると、手前にたたずむ低い山の奥に標高729mの直潭山が控えている。今までの登山では、獅仔頭山の登りで、北東方向に東獅仔頭山のすぐ左側奥に並んでいた。今回の登山は、下山路に四分子産業道路を経由したが、木々のあいだから新店溪をはさんだ対岸に去年11月に登った獅仔頭山の山々が見えた。

台北の南方にある直潭山、左は獅仔頭山
ルート、ただし前半登り部分は記録なし
今回は、今後烏來の山や直潭山に連なる山塊縦走の下見の意味も含めて行って来た。烏來行きの849番バスは、便数も多く便利である。家からは公館で乗車し乗り換えなく、そのまま目的地までいける。休日であることも関係するのか、往復ともにバスは混んでいた。

民壯亭の登山口
家を7時に出発、849番バスに乗車。バスはMRT新店駅で乗客が大勢乗り、ギュウギュウ詰め満員となる。新烏路に入ると道はカーブが多くなり、勾配もきつくなる。ほとんどが烏來までの乗客なのだろう、直潭山の登山口民壯亭で下車したのは、自分も含めて二人だけである。時刻は8時15分、青空が谷あいから見える。数日間の冷たい雨の後、また好天となった。

登山道登り始め、民壯亭方向をを振り返る
小沢を渡る
ここから直潭山へは、すぐに山道になる直潭山からの南尾根を登る道、南西の谷あいをいく舗装路を登って二龍山、長春觀から直潭山の西尾根を登る道の2つがある。これらは新北市の直潭山登山道としてメンテされている。今日の行程は、南尾根の道を登り、西尾根を長春觀まで下り、その後四分子産業道路を経て金興路口バス停まで歩いた。


枕木の階段
民壯亭バス停から、新下亀橋方へ歩き左に分岐する道をわずかに入ると、左へ登る道がある。ここが登山道入口だ。新北市の登山案内板は、しばらく登っていった上にある。ここは小さな印が民家の壁に張られているだけなので、注意が必要だ。石階段の下に一匹の三毛猫がじっとこちらを見ている。階段を登ると、右奥に山体の大きな大桶山がある。道は、はじめしばらく畑などの脇をところどころ現れる枕木階段や土道を上っていく。振り返ると民壯亭の家々と新店溪が見える。登ること15分ぐらいで、人里を離れ山道となる。送電線鉄塔の下をくぐり、さらに行くと小沢を2箇所渡る、2番目の沢は大水のとき削られてしまった道の部分に丸太で橋が掛けてある。長い雨のため、道はところどころぬかっている。森も全体が湿っている。

隘勇寮遺址
山腹のジグザグ道を行き、登りはじめて1時間ぐらいで南尾根に取り付く。風が結構強く吹いて、山が鳴いている。さらに登ること30分で、隘勇寮遺址(標高515m)についた。ここは尾根が平らになっている。残り200mぐらいの登りだ。隘勇寮とは、昔大陸から移民してきた漢族が、原住民の泰雅族からの攻撃に対し、警戒する警備人員のために設けた小屋である。台湾開発史の証人だ。ここの遺跡は、他の場所と同じように石を積み上げた壁が残っている。
補助ロープの登り

662mの無名ピークを過ぎると登り下りをして、稜線上の小ピークを二、三つ超えていく。補助ロープのある登りも現れる。10時40分、民壯亭から約2時間20分で直潭山についた。山頂は、計測器や通信用の設備,小屋が設置されている。周りは木々が立ち並び、視界はほとんど利かない。高曇りで雨は降っていないが、空は雲がかかっている。食事をとり、休憩する。

直潭山山頂
急な下り道
他には誰もいない長細い山頂から下り始める。直進すると暗寶劍山へ続く稜線上の縦走路、左に折れるとこれから下る直潭山の東尾根の道である。この尾根は登ってきた南尾根にくらべるとやせている。急な土の下り道が現れた。ここは木々が切れて正面に台北の街が、さらにその先には観音山や大屯山の山並みが見える。濡れている道は滑りやすい。補助ロープがあるので助かる。下から人の声が聞こえてきた。5人のパーティ、また続いて4人のパーティとすれ違った。それほど人気があるとは思えない直潭山でも、休みには結構登山客が来るようだ。

さらに下り道が少し平らになった先に、台北側に木々が切れている場所がある。ここは今回の山行中、最良の景観を見れる場所だ。下には碧潭や新店の街がある。それから広がる中和、永和や大台北全域が見える。淡水の河口やその先の海も見える。右側には台北101ビルと南港山まで俯瞰できる。ここで、いつも歩いたルートを記録しているAndroid携帯電話のMy Trackプログラムが停まってしまっていることに気付いた。残念なことに再開すると、それまでの記録が消えてしまった。

大台北全景(クリックで拡大)
下り道の分岐点案内
また、急な下りをくだると、右に花園新城方面への道への分岐点がある。古い道案内では二龍山まであと2.1kmとある。このあたりは尾根幅が広がってきた。途中、また右への分岐を過ぎ、10数分ほど下ると茶畑がいきなり現れた。道は茶畑の中をいく。結構急な下りはまだ続くが、竹林が現れると程なく山道は終わりだ。12時半、山頂から約1時間半で長春観の登山口についた。カラオケの歌声が聞こえてくる。大桶山やその右には拔刀爾山や獅仔頭山から南西に延びる稜線の山々がある。ここで少し休憩する。

長春観の登山口
大桶山が見える(左の大きな山塊)
長春観から舗装路を下ると、犬が吼えている分岐についた。ここを福徳祠の山門をくぐって左に行けば二龍山を経て新烏路に下る、右に行けば四分子産業道路である。犬は近づくと吼えるのをやめ、この分岐を守る主であるかのように、また道の真ん中に座った。

二龍山、四分子産業道路の分岐点
四分子産業道路は、山腹沿いに花園新城方面につながる。ところどころ道端に休憩所が新設されている。果たしてここで休む人がいるのかどうかわからないが、車両の往来も少なく歩くには快適だ。木々の切れ目から、下には新店渓、その対岸には東獅仔頭とそれから降りる尾根、獅仔頭山から大邱田山へと続く尾根が見える。前回行く手を阻まれたあたりの大邱田山人口砂防壁もみえている。緩やかな下り道を数分行くと、今度は角度がかわり台北全体が俯瞰できるところに出た。この道を選んだのは正解だ、気楽に時々広がる景観を見ながら歩ける。二龍山への分岐から10数分で、つづら折の下りが始まる。これを下りきると永福路との分岐に着く。ここを左にさらに下ると、金興路へとつながる。山櫻の花が咲いている。ここまで来ると下に家々や新烏路や花園新城の入口が見える。小岡の向こうには観音山が見えている。分岐から約1時間、14時少し前に新烏路についた。バス停で待つことわずかで849番バスがやってきた。バスは満員であったが、MRT新店駅でほとんど下車した。

四分子産業道路から見る東獅仔頭山(左)と獅仔頭山、手前は新店渓

金興路に咲く山櫻
今回の行程は約10km、標高差は約660m、休憩も含めて所要時間は5時間半である。ネット上の情報では、頂上の景観がないことがわかっていたので、それほど期待していなかったが、登山路上で見ることができた景観は台北の街や周囲の山もはっきりわかり、とても良かった。標高差600数十メートルの登山はそれなりに登りがいがある。改めて縦走する場合は、時間に余裕を持ってきたほうがよいだろう。

2012-02-07

2012年2月5日 內湖大崙尾山-大崙頭山-白石湖山-龍船岩縱走

今冬は雨降りの寒い日が、例年に増して長く続いている。寒波が緩み、久しぶりの青空が戻った。次の寒波が襲来する前、中休みを利用して内湖の山へ登った。今回は台湾ではじめて山登りをするH氏が同行する。台北近郊の山を知ってもらう目的で、アクセスが簡単で変化のあるコースを歩いた。大崙尾山から歩き始め、北東方向へ五指山への稜線を行き、碧山から南方向に折れて白石湖山、龍船岩をへてMRT大湖公園駅へ縦走した。

内湖の山は台北の町に近い、右は前回の新山
左の中社路登山口から大湖公園駅まで歩く(クリックで拡大)
霧の中の登山口
内湖の山は、昨年5月以来だ。台北の街をはじめ陽明山塊も間近に見える展望台の大崙頭山もあり、登山客が多い。久しぶりの晴れの休日で、大崙尾頭山や龍船岩から下の道は多くの人とすれ違った。この2点の中間部分は、もともとあまり歩かれていない部分で、連日の雨でかなりぬかった山道も多くあった。道しるべのリボンはかなりの数がかかっているが、方向を示す標示が少なく、五指山と白石湖山との分岐で、少し迷った。また、白石湖山から龍船岩への下りでも、本来は開眼山を経ていくつもりであったが、開眼山へ続く枝尾根のひとつ前の小尾根を下る道へ入りこんで、結局先に一度碧山路に出たあと、龍船岩歩道を経て龍船岩へ行った。

霧を通して 朝日が 差し込む
今日はMRT大直駅からスタートだ。朝8時過ぎにH氏と落ち合った後、棕13番バスで外双渓の中社路にある大崙尾山登山口に向かう。昨日もよい天気だったが、そのためだろう空気中の水蒸気が多くなり、朝は霧が濃い。自強トンネルを抜け、外双渓の谷を中社路へ登っていくと、視界がきかなくなる。9時に登山口でバスを降りると、あたりは霧のなかだ。

行程のはじめに歩く台北市の親山歩道は、しっかり整備されている登山道である。石段の登りが続く。途中道脇に、訓練に使うのだろうか、石製ダンベルや担ぐために紐がくくりつけてある60kgと記された石がおいていある。15分ほど石段を登ると、右から来る細い舗装路に合流し、これを進むとガジュマロ大樹の広場があった。太陽が顔を出し始め、あたりは木漏れ陽が霧に映るファンタジーだ。広場からまた石段の登りが始まり、さらに登ること15分、9時半に大崙尾山(標高451m)についた。広い山頂の左側にある小屋からは、双渓の谷を埋める雲海の上に頭をだした大屯山や七星山の山並みがくっきり見える。雲海のなせる業だろう、とても1000mを少し越えるだけの山とは思えないほど立派な山容だ。

大崙尾山から見る雲海に浮かんだ陽明山塊、左から面天山、大屯山、七星山

碧山路との合流点
大崙尾山から石段の道を下る。途中木々の切れ間から、次に登る大崙頭山が見える。霧はすっかり上がり、晴天の登山を約束している。スタンプ台がある九蓮寺方面への歩道と合流点を過ぎ、左に碧渓産業道路へ下る山道が分かれると、すぐに碧山路の峠部分に着く。多くの車が駐車し、遊山客が多い。前回5月に来た後に道路整備がされたのだろうか、立派な歩道が舗装路の脇に造られている。この道を行くと外双渓側に展望台もできている。碧山湖の脇から大崙頭山への登りが始まる。石段の道とその左に土の道がある。どちらも頂上へ続くが、土の道は濡れて滑りそうだ。登ること15分、10時15分に大崙頭山(475m)に到着。広い展望の利く頂上は、登山客が多い。展望台へ登り360度の展望を楽しむ。雲海はすっかり上がり、双渓の谷底も見える。台北側は101ビルがかすみの上にその頭を浮かべている。背景にかすかに見える山は新店獅頭山だろうか。内湖や汐止の方向は、霧がまだ十分上がっておらず、ぼんやりしている。これから進む五指山方面や、白石湖山などは目の前に続いている。

大崙頭山展望台からの眺め
土の山道が始まる
30分ほど写真を撮ったり、腹ごしらえをして休憩した後、北へ向かって出発する。石畳の道を下るとすぐ左に枕木歩道が分岐、さらにいくと右と左に道が分岐する。左は昨年5月に登ってきた森林木桟歩道である。石畳の道は、それから2,3分ほどいくと右に恒禅光寺方面へと下っていく。ここからは、土の山道が始まる。連日の雨のため、山道は結構ぬかっている。稜線は広く、森の中をいく感じだ。大崙頭山から15分、道は渓山里山方向へ直進するが、五指山方面はここを右に折れる。「大崙頭山友会館」とある小屋の脇を下る。補助ロープが張っている登り下りを過ぎる。

白石湖山と指している道しるべ
分岐から20分ほどで、古ぼけた道しるべが立っている分岐についた。ここの分岐は左に五指山と右に白石湖山を示している。実際に歩いたあと軌跡を見てわかったのだが、この白石湖山という指示は間違っている。この指示にしたがってここで右に取ったのだが、結局遠回りをして左に行ったと同じ道に合流した。なぜこんな指示になっているか不明だ。白石湖山そのものもまだまだ先である。ただ、Google地図ではこの近くが「白石湖山」と記されており、われわれはこの指示板にしたがって、間違った白石湖山をぐるっと迂回したことになる。途中、岩の上に造られたビニールシートが掛けられた小屋のようなものを過ぎたが、これも何のためかわからない。

道脇の土地公
森の道は、マウンテンバイクも通ったあとのある広い道に変わる。脇に土地公の古い石の祠がある。その少し先に右に登る切り通しがある。これを登ってみると反対側にまた山道がある。実は、そのままこれを右に取るべきであったが、前の間違った道しるべのため少し方向の勘違いをしており、左へといった。道は産業道路で途切れ、反対側にまた山道が続いているが、そこの道しるべは五指山方面となっている。これで何かおかしいことに気付いた。産業道路を右に下ると、五指山公路があった。時刻は12時15分、とりあえず五指山公路脇の石のテーブルで腹ごしらえをする。テーブルには汐止公所製と刻まれている。

石像のある峠
食事小休憩のあと、降りてきた産業道路を登り返す。峠には二体大きな石の神像が向かい合って置かれている。だれが何のために据えたのだろうか。五叉路となる峠から向かい側下る道を行ってみたが、間もなくこれは間違いと気付いた。この道は内双渓へと下っていく道である。結局、先ほど本来右に取るべきであった道を進む。ちょうど反対方向からやってきた登山客に聞いたところ、間違いないこと確認できた。この付近は先ほどの古い指示板以外には方向を示す道しるべがなく、はじめて通過する時は少し注意が必要だ。

四叉路、中間の道を行く
道はところどころ石畳になっている、しばらく行くとこの石畳の道が急に左に下がっていく四叉路についた。脇の古い道しるべは、今歩いて来た五指山方向をさしているだけで他には方向を示すものがない。ここは中間の尾根を行く道を取った。左はどうやら五指山公路へ降りる道、右は碧山路56号へ降りていく大崙頭山古道のようだ。四叉路分岐から10分で、白石湖山への登りを示す道しるべがあった。少し登ると、458mの白石湖山頂上に着いた。時刻は1時15分。周りは木々で展望はない。そこそこに下り始める。5分ほど下ると、また古い道案内がある。開眼山をさしており、また脇の木の幹につけられた小さな方向札は別方向の道を大邱田山と示している。開眼山の方向へ取り、下り始める。ほぼ下り一本の道であるが、涸れ沢の脇にを行ったりやせた尾根道になったりする。石畳のところもある。下りきると、いきなり碧山路に飛び出た。もともと開眼山を目指していたが、どうやらその前に分岐して別の道を下ってきたようだ。地図上には出ていなかったので、取り違えたようだ。

白石湖山山頂
龍船岩は左に長く下っていく枝尾根の先に、小さく白く載っかっている。緑の海に浮かぶ小船のようだ。ここから龍船岩歩道が続いているので、これを進む。龍船岩の標高は300m、この場所より少し高く、道は緩やかに上る。石畳の道を10分ほど進むと、開眼山から下りてくる道との十字路に着く。ここを右に取り、少し進むと大きな白い龍船岩である。岩にはチベット文字のような文が刻んである。さえぎるもののない岩の上からは、歩いてきた山並みが見える。とんがり山の忠勇山の右奥の大崙尾山から大崙頭山、さらに右に碧山へと続く稜線が延びる。すぐ上は開眼山から下がってくる尾根がある。反対側は太湖、その先には汐止方面が広がっている。太湖脇の高架線を行く、MRTも見える。台北101ビルもかすんでいるが遠くに見える。

龍船岩から歩いてきた稜線を見る、左から大崙尾山、大崙頭山、白石湖山、開岩山
急な下り道
龍船岩からは、急な下りの山道が続く。ところどころ補助ロープなども現れる。半分ぐらい下ったところには大湖方面が展望ができるスポットがある。さらに下ると尾根道から涸れ沢に降り、そのうちみかん畑が現れると、下り道は終わりだ。約30分の下りである。大溝渓を小橋でわたると、大湖から円覚瀑布へ続く沢沿いの歩道と合流する。せせらぎを聞きながら歩くこと十数分、途中鯉魚山からの道と合流し、3時少し前に大溝渓公園に着いた。多くの遊山客が快適な午後の自然を楽しんでいる。公園で小休憩したあと、3時半にMRTの大湖公園駅に着いた。

大溝渓公園、山は鯉魚山
今日の行程は約11.5km、休憩を含んだ行動時間は6時間半である。出発点の大崙尾山登山口は標高が300mぐらいあるので、登りは多くない。一方、大湖公園は20数十mなので、下りは400m以上であった。地方行政が整備している立派な石畳の親山歩道、それほどではないが歩きやすい山道、さらにあまり歩かれていない素朴な道と、同じ行程中にかなり質に差のある道を歩いた。天気にも恵まれ、雲海の陽明山など今までめぐり合わなかった景色も遭遇でき、ラッキーな山行であった。


歩行高度プロファイル

2012-01-21

2012年1月19日 汐止新山-五指山古道

夢湖と背後の新山
新年一月は、雨が降り続き山も見えない日が長く続いた。3週間のどんよりとした日々の後、3、4日雨なし日があった。この間の一日に、汐止の新山を登り、五指山古道を経て下った。午前中天気は晴れていたが、春先の山のようにぼんやりとしており、期待していた周囲の山景はそれほどでもなかった。台北周囲の山々のうち、市中心から見ると北東に位置するこの五指山系は、5月に行った大崙頭山以来ずっと行っていなかった。今回のルートは雨が長く降り続いた後の登山であることに加えて、山道は新山からへ五指山古道へ行く途中、一部あまり歩かれていない部分もあり歩き難いところもあった。五指山古道は、苔むした石の階段や周りの造作など、風情がある。

新山は台北市の北東に位置する
行程ルート(クリックで拡大)
夢湖路の分岐点、背後の尾根を保線路が行く
家から汐止へは、直通バスや電車、MRTとバスの乗り継ぎなどさまざまな交通機関がある。今回は919番の環東高架道経由直通バスに乗った。汐止は行政機関の提供する無料コミュニティバス(汐止区役所サイト参照)が汐止駅から各方面に運行されている。新山の麓烘內までは、五指山行きと瑞士山荘行きの2系統のバスが利用できるが、朝の時間帯は瑞士山荘行きが都合がよい。台北から919番のバスが7時45分ごろに汐止駅に到着し、8時発のコミュニティバスに乗るつもりであった。ところが8時になっても来ない、様子を聞いてみると瑞士山荘行きのバスは駅前の大同路の対面側が始発場所ということである。急いで道をわたっていったが、すでに出てしまっていた。行き先によって、バスの始発位置が駅側と大同路側の2箇所に分かれているので注意が必要だ。次のバスは1時間半後である。幸いにして、便数が非常に少ないが890番のバスが8時半にあるので、これにて烘內へ向かう。乗客は全行程自分ひとり、これではバス会社も便数を少なくするはずだ。行政のコミュニティバスはそれを補うためのものだろう。自動車が普及したとはいえ、老人や子供などこのコミュニティバスが必要だ。

汐萬路脇の保線路入口
烘內は瑞士山荘へ向かう道とそのまま五指山へ続く汐萬路が分岐する。9時少し前に出発、左に汐萬路を歩く。少し行くと廃墟になっているビルがある。ホテルか何かの目的で立てられたのだろうか。道の右むこうには、これから登る新山からの南尾根とその奥には五指山がある。間もなく右に新山夢湖に続く夢湖路が分岐する。これを歩いていっても新山へいける。汐萬路をさらに歩くこと10分、右の木々の間に台電保線路入口がある。この道は新山南尾根上にある3つの送電線塔保守のためにある道だが、登山客も多く歩いておりそこそこ整備がされている、歩きやすい山道だ。標高約300mにある夢湖まで高度差250mを距離3.2kmかけて登るので、ゆるい登りだ。途中平坦な部分もある。

森の小道
なだらかな登り道を行く。道幅も結構あり、森の小道の趣だ。2日間は雨が降っていないはずだが、それまでの長雨のためだろう、ぬかって滑りやすいところも現れる。はじめの送電塔の前では少し登りが急になる。次の送電塔までは、少し下りまた登り返す。木々の間から、新山が遠くに見える。2番目の送電塔を過ぎ歩いていくと、小沢を渡る。橋を掛けたのだろうが橋板がなく2本の丸太だけが沢の上にかかっている。3番目の送電塔を過ぎ、登山口から歩くこと1時間10分ぐらいで沢音が大きくなり、夢湖が近いことがわかる。右から夢湖路から上がってくる歩道と合流すると、程なく湖に着いた。

丸太だけがかかっている沢
夢湖は山中の湖である。湖畔を遊歩道が囲む、今日は営業してないが喫茶店もある。エメラルドの湖水は、背後に控える新山を写して美しい。霧がかかると、その名の通り幻想的な雰囲気をかもし出すだろう。湖畔にいたカップルは、遊歩道の脇から突然現れた自分に少し驚いている様子だ。多くの観光客は、夢湖路を自動車やバイクで上がってきてすこし下の駐車場で下車したあと、遊歩道を歩いてここに来ている。


夢湖、左側に喫茶店、その奥から新山へ登る
新山の登りから見る夢湖
新山頂上へは、湖の右側、左側とどちらからも道がある。左側は、湖の奥のほうに登り口があるようあだが、そこからではなく喫茶店のすぐ脇から登っている急な道を登ることにした。こちらは、あまり整備されていないが、迷うことはない。登りきり小尾根を行くと湖からの道と合流した。ここから新山へはまた急なのぼりとなる。湖との標高差は200mぐらいある。右に湖が眼下に見えるスポットを過ぎる。枕木階段や補助ロープがかかっている部分もある。

湖から登ること30分で新山南西尾根を登ってくる道と合流する。ここは大きな岩が反対側にせり出し、展望が利く。軍人公墓がある五指山は谷を挟んだ向こう側にそびえている。写真を写した後、頂上に向かって進む。歩くことわずかで、案内板が取り付けられている岩の新山頂上(標高499m)についた。時刻は11時15分、烘內から歩き始めて2時間半だ。ここは360度展望が利く。空は青く晴れているが、遠くの景色はかすんではっきりしない。基隆山や五分山なども見えるはずだが、霞のなかである。反対側は五指山、友蚋山、七分寮山が連なっている。友蚋山へは新山から尾根がつながっている。これらの山は新山より高いので、その向こう奥にある陽明山系は見えない。岩の新山頂上はさえぎるものはないが、風もなく冬の日差しは強くないので、ここで休憩し食事をとる。

新山頂上から北方面(五指山の山なみ)のパノラマ
新山の三角点

新山から下り始める。途中岩に足場を掘り込んだ部分なども現れる。15分ぐらいで、友蚋山へつづく道との分岐につく。ここを左にとり進む。ここからの道は、それまでとはずっと異なり、あまり手が入っていない道となる。山岳クラブの道しるべリボンがところどころにかかっているので、迷うことはないが足元には注意が必要だ。新山頂上から右下に見えていたピーク、無名峰からの下りは急で滑りやすい。蜘蛛の巣が多い。何の動物が掘ったのだろうか、道脇に直径10数センチの穴がある。穴の中に潜んでいるのだろうか。標高100mぐらい下きり、鞍部から急な坂を登り返すと、いきなり枕木の整備されたよい道に飛び出た。そのすぐ上は立派な展望台がある。ここは新山頂上から見えていた展望台だ。時刻は12時半、新山から約50分である。

動物の掘った穴
展望台から見ると、新山がデンと座っている。頂上の案内板が見える。その直下は切り立った岩壁だ。五指山や友蚋山を見ると、ガスが去来し始め頂上が見えない。もともとここからさらに登って友蚋山を往復した後、五指山古道へ進むことを考えていたが、この様子では登っても景色は見えないだろう。枕木の道を進むと別の展望台があわられる。台北市のほうが見えるが、やはり霞の中、かろうじて101ビルと南港山の輪郭がわかるだけだ。展望台から下りきると、舗装された七汐農道に飛び出た。舗装路の反対側には、友蚋山への登山道が続いている。友蚋山は次の機会に譲り、今日は道を左にとり五指山古道入口へ下る。

展望台からの新山

五指山古道入口
途中右に軍人公墓へと続く道が分岐する。舗装路を進むこと約20分、民家を2,3軒過ぎた後、左に五指山古道の入口についた。時刻は1時少し過ぎ、晴れていた空は曇ってきた。風も出てきたようだ。入口脇には地方政府の立てた案内板がある。古道は道幅がある。ひとつの岩を一段とする苔むした石段の部分も多くあわられる。苔は結構厚く、それほど滑らない。ただ下りは注意していくに越したことはない。結構急な下りが続く。下ること十数分、ノコギリの音などが聞こえてくる。いきなり古道が切れて、右に建設中の大きな建物が現れる。新山頂上からみえていた森の中の建物がこれだろう。建物の脇には池がある。完成後にはレストランにでもなるのだろうか。
苔むした石段の道

ここを過ぎると、また古道となる。同じように石段や枕木の階段が交互に現れる。入口から約30分で木々の左奥に大きな滝が見えるところまで下りてきた。ここは立派に整備されている。この先は古道は沢沿いを行くようになる。沢を石の橋で渡りさらに下ると重柔橋という立派な石橋を渡る。前後には砂利も敷いてある。さらに行くと沢の左右に建物がある。ここは食養山房というレストランのようだ。道はこのレストランの脇をいき駐車場を過ぎると、また山道になる。ここは古道全体の中間位置だ。

沢を石橋で越える、右奥に大きな滝
古道はここから整備度が落ちる。刈られていない草深い道には、途中大きな落石が道をふさいでいる。枕木もかなり腐食しているところがある。谷を下がった左の山腹には廣修禪寺が見えてきた。左に新山南西尾根の登山道が分岐すると、古道も終点が近い。古道入口の脇には沢をせき止めたプールがあるが、夏にはここで泳げるそうだ。舗装はされていないが広い道をいく。振り返ると新山が見える。柯子林茶莊のわきで汐萬路と合流する。時刻は2時15分、約1時間の古道歩きであった。

落石が道をふさいでいる

ここから烘內へ向かって下っていく。時々車が過ぎていく。五指山行きのコミュニティバスとすれ違った。保線路の入口を過ぎると今日の行程は間もなく終わりだ。2時45分に烘內に着いた。3時過ぎに瑞士山荘からのコミュニティーバスがやってきた。バスには結構乗客が乗っている。途中さらに乗客を乗せ、満員になった。10数分で汐止に着き、ここから668番バスで台北に戻った。

五指山古道入口




今日の行程は11.5km、歩行時間は休憩も含め5時間45分、標高差は約450mである。景色はそれほどではなかったが、天気もよく久々の山歩きで、愉快な一日だった。次回五指山系に来るときは、友蚋山へも行ってみよう。