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2012-10-22

2012年10月21日 風櫃嘴-擎天崗-竹篙嶺古道 W大同校会ハイキング

すすき越しに望む萬里の谷、海には基隆嶼が浮かぶ(クリックで拡大表示)
筆者は、台湾に居住する日本の同じ大学卒業生の集まりに参加している。今回は、同校会が主催する初めてのこころみとして、ハイキングが行われた。参加者の年齢や経験はかなり開きがあるが、最良の天候に恵まれ、全員元気に歩き、予定コースを完了した。企画者の一人として準備してきたので、終了したあと皆の笑顔を見れたのは、とても嬉しい。擎天崗でお開きとなった後、まだ時間も早く天気も良いので下山するメンバーと別れ、参加者の一人Qさんと一緒に竹篙山へ登り、そこから土の道である竹篙嶺古道を平等里へ下った。

北五指山から見る七星山
ハイキングは、変化に富み経験の少ない人でも歩きやすいコースとして、陽明山の風櫃嘴から擎天崗へを選んだ。ご自分で歩いた経験もたくさんあり、会長でもあるYさんの推薦もある。この風櫃嘴-擎天崗歩道は、人気コースで休日はハイカーが多い。そこで、コース半ばにあまりハイカーが行かない北五指山の草原へ往復した。風櫃嘴からは、最初の登りとコース後半石梯嶺の標高865mへと、都合200m以上の登りになるが、途中はゆるい登り下りも多く、負担はあまり大きくない。一方、ハイキング後に歩いたルートは、擎天崗から竹篙山までは立派な道があるが、トーチカのある頂上から先は踏み跡的な古道である。例によって、入口には何も道標はなく、わかっている人だけが歩くルートである。実際、頂上に沢山いた生徒達は、Qさんと筆者が正規コースとは反対側に入っていくのを見て、ここに道があるのかと驚いていたようだ。古道は、途中二ヶ所草原をこえ、下っていく。牛も歩いているので、土が深く掘られているところもあった。

風櫃嘴から擎天崗へ歩いた後、竹篙山を経て平等里へ下る
朝八時に劍潭駅に集合した。今日の参加者は全員で七名だ。ここから風櫃嘴へのバスは市民小バス1番があるが、6時10分発のあと10時までないため、タクシーに分乗して向かう。30分ほどで到着した。休日の風櫃嘴は、登山者だけでなく自転車ライダーも多く、賑やかだ。車上からも見えていたが、今日の天気は最高だ。空気が澄んでいるので、かなり遠くまで見える。出発前に全員で写真を撮る。あずま屋の裏から登りが始まり、石段を登っていく。登って数分で、右に萬里の谷あいが見え始める。海と沖合の基隆嶼もくっきり見える。九月末に来た時には、まだだったすすきも穂がでて、山の斜面一面が朝日に輝いている。空は、ディープ・ブルーだ。更に進むと、七星山が行く手の左側に頭をのぞかせている。

萬里の谷あいを眺めるハイキングメンバー
頂山頂上
風櫃嘴から歩くこと30数分、草原を抜けていく道は終わり、雑木林に入る。ずっと日なたを歩いてきたので、森の中は少しひんやりと感じる。森の中の道は登りになり、9時半頂山頂上に着いた。椅子のある頂上で、少し休憩する。秋の太陽だが、日陰のない頂上の紫外線は強い。頂山からは平な道を進む。右側の大尖山が大きくなってきた。道が右に大きく曲がると、降り始め杉林に入っていく。苔に覆われた緑にあふれる杉林は、いつ来ても気が休まる。森林浴というものだろうか。一度下った後、登り返し林を抜けると、左にこれから行く北五指山へ登っていく小尾根が見えてきた。歩道わきの警告表示のある部分で左に折れ、山道に入る。ここからは草の上を歩く。迷い防止ロープにそって、草の上を登っていく。右に方向が変わると、深く土が掘れた部分を越え登る。分岐から十数分で北五指山の三角点に着いた。

北五指山の草原からみるパノラマ、台北市もよく見える(クリックで拡大表示)
北五指山頂上でくつろぐメンバー
今日の眺めは、前回二回よりはるかに良い。七星山がくっきり見えるだけでなく、基隆方向から台北まで、すべて見渡せる。さらに台北市の奥の方に、かなり高い山々が雲に浮かんで見えている。はじめは思いつかなったが、よくよく考えてみると台湾の3000m級高山だ。おそらく左側の山塊は南湖大山、右側は雪山ではないだろうか。こんなに身近に見えるとは思わなかった。草原は風はあるものの、草の上に座り草むらの陰だと背中が暑く感じるぐらいだ。みな、ここで食事をして休憩を取る。谷を挟んだ石梯嶺への上り道には、多くのハイカーが歩いているのが見える。こちらは我々数名だけだ。そのうちに、荷蘭古道を歩いてきた登山者がやってきたが。

石梯嶺への登り途中からみる台北と背後の雲に浮かぶ高山群、左は南湖大山、右は雪山山塊か
すすきの擎天崗東峰を登る、最後のひと登りだ
三十数分の休憩後、やってきた道を歩道へ下る。歩道に戻り、今日のコース中最高点石梯嶺へ向かう。先ほど北五指山から見えていた、草原の道では数名のハイカーが休んでいる。草原の上はつづら折りの登りが続く。みな頑張っている。11時17分、ベンチのある休憩所に着き、休憩する。すすきの穂の向こうに、台北の信義区から北投まで広い範囲の展望ができる。台北盆地を囲む、背後の山も青く見えている。休憩後、目的地の擎天崗へ進む。石梯嶺の尾根道では、七星山が大分大きく見えてきた。急な石段の坂を下る。何度も対向方向からのハイカーとすれ違う。磺嘴山への分岐を過ぎ、一面すすきの擎天崗東峰へ登り返す。最後の登りだ。城門を過ぎるとまもなく、12時少し過ぎに擎天崗に着いた。好天の擎天崗は、大勢の行楽客で賑わっている。コース終了の記念写真を撮る。みな疲れた様子もなく、笑顔だ。約3時間半で歩いてきた。

牛がくつろぐ擎天崗と七星山
多くの行楽客でにぎわう竹篙山への道
一緒に昼食を取った後、今日のハイキング行事は終わりだ。まだ12時40分、このままこの晴天の山を下るのは惜しい。そこで、まだ歩いたことがない竹篙嶺古道を経て、平等里へ歩くことにする。メンバーのQさんも一緒に行くという。バスで下山するメンバーと別れて、擎天崗の道を竹篙山へ進む。今日は、ハイキング中、全く牛を見かけなかったが、ここは数匹ノンビリ休んでいる。典型的な擎天崗の景色だ。竹篙山への道周辺の草原では、多くの人がくつろいでいる。トーチカのある分岐で擎天崗周遊歩道と別れる。13時に竹篙山に着く。頂上には中学生ぐらいの生徒がトーチカの中に入ったりして、遊んでいる。

竹篙山からのパノラマ
竹篙山からの下り道
頂上の隅に観測用のポールが建っているが、そのわきに踏み跡が草の中に入っていく。それが古道の入口だ。入るとまもなく、黄色や赤色の標識リボンが、潅木の枝に結びつけてある。下り始めると真正面には台北101ビルがある。背の低い潅木の道が終わると草原の道になる。擎天崗から石梯嶺へ、さらに南へ北五指山や頂山など、先ほど歩いてきた尾根が內雙溪の谷の向こうに連なっている。ここはQさんと二人だけ、風が渡っていく草原は、擎天崗のにぎわいが嘘のように思える。草原から、雑木林の中に入る。踏み跡はしっかりしているが、牛が多く歩いているので、道が掘り込まれてしまい歩きにくいところもある。林を抜け、また草原にでる。ここは竹篙山から下ってくる尾根上の、小ピークになる。高みに登ると周囲360度の展望ができる。竹篙山頂上のトーチカが高い。紗帽山が思いのほか近く、その向こうには観音山がある。台北市街と奥の山々もまだ見える。道は、ここから方向を東方向へ変え、同時に樹木の中を進むようになるので、晴天の大パノラマはここで見納めだ。

左は竹篙山、その右に石梯嶺から頂山にかけて歩いた稜線のパノラマが見える
尾根上小ピークから見る纱帽山と観音山
雑木林の道を下って行くと、ひっこり草地に出た。ちょうど草地の反対側から女性ハイカー二人がやって来た。これから竹篙山へ登るようで、道を尋ねられた。見たところ、それほど登山経験のあるようではないが、天気がよく標識リボンを忠実に追っていけば大丈夫だろう。草地の周囲は、柵が造られている。牛がそれ以上行かないようにするためだ。柵を乗り越えて下ると、まもなく草に埋もれているが地面が舗装されている。廃棄された産業道路なのだろう。自然の力はやはり大きく、地面が舗装されていなければ、以前は産業道路だったとはわからないぐらい、草木が繁茂している。

牛止めの柵越しに見る小草原
更に下り13時50分、分岐に着いた。藍天隊の道標が木につけてある。右は福田園教育休閒農場へ下るようだ。ここは左にとり、平等里のバス停を目指す。道はまもなく、平菁街43巷の舗装路に出る。ここからずっと舗装路を下っていくと、農園や墓地のわきを通り過ぎ、平菁街に合流する。ここを左に折れる。303番バスのバス停があるが、目的は小19番バスなので更に平菁街を進み、14時30分、交番わきのバス停に着いた。10分ほど待つと、山を下る小19番バスがやって来た。先月内寮古道を下り内寮から乗ったときはガラガラだったが、今日は満員だ。やはり休日は、ここも人が多い。その後も乗客があいついで乗ってきて、すし詰めとなった、ただ至善路に着いた時、大半の乗客が降りた。

今回は、前半はハイキング行事としてグループの先頭を歩いた。途中北五指山の草原では、ゆっくりとくつろいだ。行楽客であふれている擎天崗では、そうはいかなかったかもしれない。後半、グループメンバーと別れて歩いた竹篙嶺古道は、陽明山国家公園管理処管轄外の道だ。秋の晴天休日でも、二人のハイカーとすれ違っただけで、静かな歩きができた。ただ、古道と呼ばれているが、石の階段や土地公などもなく、通常の古道とは雰囲気が異なる。歩行距離は14.2km、休憩も含めた所要時間は6時間弱だった。出発点の標高が高かったので、累計の登攀高度は700mと比較的少ない。

高度プロファイル

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