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2013-12-18

2013年12月15日 雨の縦走 平溪一坑口 - 耳空龜山 - 汐止大尖山

コース半ばの双石塔の前で、皆元気だ
今回は、台北の登山クラブ慢集団の道案内で山行である。コースは以前歩いているが、だいぶ時間が開いたので2週間前、事前に歩いて確認した。もともとの予定出発点は、平渓のニ坑口から薯榔尖へ登り北稜をへて耳空龜山縦走路へつなぐ予定であった。しかし雨が降り続いており、北稜はキツイ登り下りや岩の露出した部分があり、危険度が高いので2週間前の調査で歩いた、一坑口から一坑古道を登り稜線縦走路へつないだ。

一坑口から汐止大尖山までの歩行軌跡
上図ルートの高度プロファイル
雨のため、一坑古道は渡渉部分の水量がかなり増加しており、前回とはだいぶ様子が違っていた。また、沢を離れたあと別の石造り廃屋のわきを通り過ぎるコース経由で登った。主稜線上の道は前回と同様だが、晴れの森のなかを行くのと比べると、雨が降り続き周囲は霧で全く遠望がきかない山道とでは、感じがずいぶんと異なっていた。出発から下山まで、ずっと雨が降っていたので、雨具はつけていたがかなり濡れた。気温は低くないので、それでも問題はなかったが。また、晴れた時にはほとんどなかった、山蛭もかなりおり、下山したあとメンバーはかなりの数を見つけた。

一坑口の集落、雨で背後の山は霞んでる
MRT木柵駅バス停に7時25分頃やってくる795番バスで平渓に向かう。SNS上での参加申し込みは20名を超えていたが、この雨である。最終的に参加者は、自分も入れて12名だ。通常休日は、ハイカーが多い795番バスも、リュックを持ち山登り姿のメンバーは他にはいない。8時過ぎに一坑口バス停に到着する。雨は休むこと無く降っている。バス停前で雨具を取り付け、支度をする。8時20分前に、歩きはじめる。

小沢も水があふれている
2週間前は、住居脇から稜線がみえていたが、今日はすべてガスの中だ。沢沿いに歩く。水量が多く、音をたてて流れていく。コンクリ製欄干の道を進み、古道の入口にくる。欄干沿い道の石は滑りやすかったが、土の道は水たまり以外では歩きやすい。踏み跡両わきの草の間を行くと、瞬く間にズボンがぬれる。土地公の祠を通り過ぎ、出発から約30分ほどで沢に降りる。今日は水かさが多く、かろうじて踏み石が水面から頭を出している。注意深く渡り、少し進んだあと右岸に登り返す。こうした場所は、長靴のほうが楽だ。今日は、メンバーが12名なので、こうした時間がかかるところでも、比較的短時間に全員通過できる。

二又部分の渡渉、水が多い
左に石底観音山からの稜線鞍部への古道を分け、沢の二又部分をまた渡渉する。ここも水量が多い。その後、三、四箇所また渡渉をする。沢を離れ急坂を登る。雨の中で休むに適当な場所もない。途中、二週間前とは違う、右の小沢脇の道を行き、倒木を乗り越える。上方は、開けた場所が現れ、灌木の中に積み上げた石がある。そのすぐ近くには石造りの廃屋が数軒雨の中にたたずんでいる。壁だけ、あるいはそれも倒れて門枠だけのものもあるが、かなりの規模である。集落とも言える感じだが、こうした山の中でどのような営みをしていたのだろうか。更に10分ほどのぼり、10時10分頃に摸乳巷鞍部の峠に着く。一坑口から約2時間の登りである。別の眺めのルートを歩いたことや、人数が多いこともあり、単独行に比べると30分多く時間を要している。

森の中の廃屋
霧の中の摸乳巷鞍部
稜線にでると、越えていく風を感じる。ただ、それほど強く吹いていなく幸いだ。晴れの稜線道は、周囲の山容が木々の間を通し見える。自分の位置がどこなのかを判断しやすい。雨の稜線は、すべてが霧の中で、そうした判断はできない。晴れの森は、明暗がはっきりするが、雨の森は全てが灰色のモノトーンだ。それはそれで風情があるが。約30分ほどの尾根歩き、小ピークを幾つか越し10時44分に581峰に到着する。立ったまま、少し休憩する。

雨の581峰頂上
双石塔での休憩、傘をかざしてスープを作る
急な坂を下っていく。山腹を巻いていくようになると、雙石塔はすぐだ。11時20分過ぎに、右に作埤內古道を分ける鞍部のすぐ上にある雙石塔に着く。出発から約3時間、けっこうよいペースだ。世話役メンバーは、コンロや鍋を取り出し、スープを調理し始める。傘を上にかざしての調理だ。メンバーは、各自の昼食を取り出し食べる。熱いスープは雨のなかで、とてもありがたい。12時少し前、再出発する。ここからは、標高差約100mの耳空龜山の急坂が待っている。30分足らで耳空龜山頂上を通り過ぎ、少し急坂を過ぎたあとは比較的ゆるやかな尾根道が始まる。尾根の幅も広くなっていくる。雨は相変わらず降り、草原を通り過ぎる部分でも周囲の景色は望めない。13時15分、四分尾山へ到着する。途中で休みを取っていないこともあるが、今日のメンバーは足が速い。

雨の四分尾山頂上説明板、今日は全く展望がきかない
雨の中の大尖山頂上
雨の四分尾山は、全く展望がない。すべてが白い霧のなかである。最後の大尖山への尾根歩きを始める。基本は下りで、今までの縦走路よりもさらに程度がよい道だが、赤土の下り坂は注意が必要だ。枕木の長い下り坂を降り切ると、のこりはわずかだ。14時9分、大尖山のあずま屋が霧の中に見えた。四分尾山から50分の歩きである。あずま屋の柱にある寒暖計は16度を示している。

天秀宮から下る
最後の下りが始まる。石段は雨で濡れているので、急な部分は注意深く下る。14時34分、天秀宮登山口に降り立つ。15時15分発F911無料バスまで、時間がある。雨具を取りはずし、濡れた衣服を着替える。メンバーの一人は、廟の付設温水機でドリップコーヒーを作り、皆に振る舞う。おいしいアラビカコーヒーである。廟前の庭から精進路に降り、バス停に向かう。15時15分を過ぎてもバスが来ない。バス停の表示を注意してみると、週末は別時刻のようだ。次は18時なので、歩いて汐止駅へ下る。16時10分ごろ、駅東口の近くにあるレストランに到着する。今日は、ここで皆と食事をして帰宅だ。

今日の行程は、一坑口から天秀宮までは10.6km、約6時間の歩きである。このうち休憩は、昼食時の40分ぐらいだから、全行程を5時間強で歩ききっている。その後、天秀宮から汐止駅へは、約2.9km、50分の歩きである。終日雨で、まったく遠景は望めなかった。しかし、案内したメンバーは、雨の山はまた別の魅力があるという反応でホッとした。健脚のみで歩けた、この慢集団の活動は、少しも「慢」ではなかった。

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