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水とたたえた七星池 |
台湾北部は12月半ばから雨が続き、また海外旅行で不在だったこともあり、三週間ぶりの登山である。七星山は、いままで数回登っているがまだ歩いていない道が幾つかあったので、今回は落ち穂ひろい式にこれらを歩いた。これで、陽明山国家公園の道も、それ以外の非正規山道も含めすべてカバーしたことになる。
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南峰を登ったあとは、七星山をぐるっと取り巻いて歩く |
今回のルートは、七星山をぐるっと廻る歩き方である。七星山の南麓からは、苗圃登山步道が斜面を登って行くが、登山口から1km弱のところで、左に土の道が分岐する。これは、金露天宮へ山腹を横切って行く道である。この道を進み、金露天宮からは、南峰へ向けて登っていく。急な坂を登り切ると、
七星山の展望台脇へと続く道を分岐し、東側に山腹を横切って行く。凱達格蘭遺跡へと続いてく道を右に分け、山腹に取り付いて南峰を登る。南峰から下り、石畳の正規登山道で小油坑へ下る。硫黄の噴出口を過ぎ、右に入っていく草の道を経て七星池を往復する。長く続いた雨で、水があり池の様相であった。
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環七星山人車分道入口のトンネル内にある陽明山四季の写真 |
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ビジターセンタ近くから望む七星山南峰 |
小油坑からは、七星山の北側山腹を横切る陽金公路、そして中湖戦備道路にそっていく人車分道を冷水坑へ歩く。その後、中山楼へ下っていく人車分道の途中から、また右に苗圃登山步道へと続く山腹道を行き、苗圃登山步道に合流した。そのまま、陽明山バスターミナルへ歩き、回遊式の山歩きを終えた。
久しぶりの好天の日曜日、登山客がとても多い。朝7時半過ぎMRT劍潭駅前の紅5番バスやその他山へ向かうバス亭には長蛇の行列がある。平日は中国文化大学の学生で満員になるが、今日は登山者で満員だ。MRT信義線が開通したので、乗り換えなしで劍潭駅へ行けるようになった。バスの時間を含めても、1時間かからずに登山口の陽明山バスターミナルへ着く。晴れているが、バスから降りると風が冷たい。台湾でもさすがに冬である。支度をして8時20分に歩き始める。梅の白い花が咲いている。花の季節も、そう遠くない。
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苗圃登山道1km付近、金露天宮への道の分岐部 |
環七星山人車分道の入口からトンネルを抜け、階段をあがる。
11月に訪れた時工事中だった部分はすでに完成している。陽明山ビジターセンターを通り越し8時42分、苗圃登山口に着く。この道は、七星山登山道のうち最も標高差が大きい。前後して登山客が登っていく。石段の立派な登山道は、段々に高度を上げていく。今日は単独行なので、自分のペースで行く。おおむね、前を歩く登山者を追い越していく。登山口から約20分、約1kmぐらいの登坂の左に、土の道が分岐する。わきの木の幹には藍天隊の道標が取り付けられているが、一般のハイカーは気づかずに通り過ぎてしまうだろう。それほど、道の落差の大きい。
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金露天宮への山道 |
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山中の金露天宮 |
金露天宮への道は、山腹を横切って行く。地図で標高を確認すると心持ち登り気味だが、ほとんど気づかないぐらいだ。二、三箇所倒木が道を塞ぐが、そのうちの太い幹は、歩きやすいように切れ目が入っている。また補助ロープが架けられている部分も現れる。9時22分、金露天宮に着く。この道も約20分の歩きである。陽明山バス停から出発して1時間、少し休憩する。風が吹き抜けていくなか、鳥のさえずりも聞こえてくる。他には誰もいない。
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急坂上には椅子が二つ置かれている |
急坂が始まる。補助ロープも付けられている。約100mぐらいの高低差を登り切る。プラスチック製の椅子が二つ置かれている。そのすぐ下の部分から、左に展望台へ登っていく道が分岐する。上のほうから人声が聞こえてくる。この道を下ってきているのだろう。右に山腹を横切る道を行く。この道はずっと進めば、苗圃登山道に着く。数分で左に山腹を登っていく道が分岐する。道標は無いが、これが南峰へ続く道だろう。この道は、それまでに比べると踏み跡が細い。溝のなかから山腹を登るようになる。また分岐がある。右に進む。そのすぐ上で今度は右から登ってくる道がある。左に取って進むと、左から道が合流する。ここには藍天隊の道標が取り付けられている。先に右に折れたが、そのまま進んでもここで合流したのだろう。このへんは、道がけっこう入り組んでいる。
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草むらの急坂を南峰へ登る、背後に景色が見えるようになる |
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南峰から主峰(左)と東峰を望む、頂上にはハイカーの人影。手前は凱達格蘭山 |
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南峰からの下り途中、前方は主峰 |
道は、雑木林から草むらの道になり、勾配も急になる。草むらになると、背後に景色が望めるようになる。だいぶ高くなった。大屯山が同じような高さに見える。補助ロープはなく、左右の草を掴んでよじ登る。幸いに天気がよいが、雨がふっていれば滑ってしまうだろう。高度差50mぐらい、この急斜面を登る。坂がゆるやかになると、前方に南峰の頂上が望める。10時20分、頂上(標高1092 m)に到着する。主峰や東峰頂上には、多くの人影が望めるが、ここは強い風が吹き抜けて行くだけで他には誰もいない。草のかげで風を避け、一休みする。
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右に七星池への道が草の中に入っていく |
下り始めてすぐ、下から四人パーティとすれ違う。先ほど苗圃登山道から別れたあと南峰への道は、誰とも出会わなかった。石畳の主登山道は、大勢のハイカーで賑わっているのとは対照的だ。主峰への道と合流するが、そのまま左にとり下る。展望台の脇を通り、急坂を下りきると硫黄の吹出口を通り過ぎる。さらに下り、右に草の中に入っていく道をとる。七星池へと続く道だ。ここは、小油坑登山道の0.3km付近になる。何も道標はないが、かなり歩きこまれている道だ。少し登気味の道を数分進む。11時7分、草が切れて七星池が見えた。長雨のせいで、池は水を湛えている。晴れが続くと、この池は乾燥してしまい、単なるくぼみになってしまう。ハイカーが数名湖畔で休んでいる。
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七星池 |
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表示は10度を標している |
やって来た道を戻る。草薮のなかの一本道で、犬を連れた十数名のパーティとすれ違う。石畳の登山道に戻り、小油坑へ下る。駐車場わきの電光表示では、気温は10度を示している。駐車場からさらに下り、環七星山人車分道と合流する。ここから右にとり、冷水坑へ向かう。この人車分道は、陽明山バスターミナル近くから陽金公道や中湖戦備道、菁山路101巷などの車道にそって設けられている歩道である。車の往来などを気にせず歩ける。全長は13kmあるので、すべて歩くとけっこうの距離になる。
陽明山から小油坑や、
冷水坑から中山楼まではすでに歩いているので、小油坑から冷水坑までの部分を歩けば、全部がつながることになる。
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人車分道の入口表示 |
もともと、人車分道はあまり歩かれていないが、この部分もご他聞にもれず人が歩いていない。ただ、公園管理範囲なのでしっかり整備され、草刈りも丁寧にされているのでとても歩きやすい。小油坑駐車場から陽金公路への車道を越え、人車分道は陽金公路の上方を進む。草が切れた場所は、
小観音山から竹子山への稜線が望める。景色がよく、風が当たらない場所で休憩する。時刻はちょうど12時、食事をとる。
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人車分道から小観音山(左)から竹子山への稜線を望む |
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中湖の人車分道入口 |
休憩後、人車分道をさらに進む。前方に七股山が望めるようになると、道は下って行き12時14分、中湖につく。ここから、中湖戦備道の上部を少し進む。そのうち戦備道に合流する。この部分は人車分道は無く、車道を進む。休日の今日は、交通量が多い。車道を数分登る。右に夢幻湖への道が分岐する。ここから、また人車分道が始まる。七股山の麓に、家が数軒建てられている。話題になっている、映画太平輪のロケ舞台のようだ。12時38分、夢幻湖駐車場に着く。展望台から、冷水坑やその先には
竹篙山が望める。さらに人車分道を、冷水坑の駐車場へ下る。12時45分、小油坑から1時間15分の道のりであった。
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映画太平輪のロケ用家屋 |
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夢幻湖駐車場の展望台から冷水坑方向を望む、左の山は七股山 |
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菁山路101巷に平行する人車分道から苗圃登山道へ曲がる |
今日の歩きは、あと陽明山バスターミナルへ下りだけだ。菁山路101巷にそった人車分道を数分下り、右に苗圃登山道へと続く山道へ進む。少し登り気味だが、概ね山腹を沿って行く形だ。この部分はハイカーも多く、数人とすれ違う。石畳でよく整備され、途中には四ヶ所木製橋が設けられている。13時17分、冷水坑から30分の歩きで苗圃登山道に合流する。ここからは、今までに増して多くの登山客と出会う。分岐部分で少し休み、陽明山バスターミナルへ下る。14時5分、ターミナルへ戻ってきた。ほんの二、三分待つこと、紅5番バスがやって来た。
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立派な木製橋を過ぎていく |
今回は歩行距離約15.5km、登攀累計約1100mを約5時間45分で歩いた。主要な登りは七星山南峰だけで、あとは平らで状態のよい道が多いのでそこそこの速度で歩いている。南峰への道は、クラス4だが、それを除けばすべてクラス1の最良の道である。体力的には、全体でクラス3である。
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