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2014-01-21

2014年1月19日 新店大崎尖 - 大崎頭山 - 靑潭尖縱走

大崎頭山、背後の山は直潭山(2013/11小獅子山から撮影)
新北市新店区は、その奥に多くの山を有している。新店のすぐそばにある小獅山から望むと、それらの山々が望める。先月に訪れた猴洞尖や鹿鵠崙もその一つだ。南勢溪を挟んだ対岸は直潭山があるが、その稜線をに北たどると大崎尖や大崎頭山、そこから更に新店方向に伸びる尾根上に青潭尖がある。今回山行の目的地である。烏來へ行くときは、この山塊の麓を新烏路で通っているが、登ったことはなかった。かなり上の方まで産業道路が通り、山腹に霊園や果樹園などがある、郊外の山である。その意味で大したことは無いと、見くびっていたが、実際に登ると豊富な水量の沢があったり、歩きやすい山道など、なかなかおもしろい山である。

南側の小粗坑から北側の青潭へ歩く
歩行高度プロファイル
今回のルートは、新烏路の小粗坑から長興路を経て赤蘆古道を登る。一旦産業道路に出たあと、保甲路を登る。沢沿いの道は、数回渡渉がある。稜線に出たところは、また産業道路だ。大きな霊園の上になる。四十分雞心尖を往復したあと、稜線山道を大崎尖へ。そして大崎頭山へ歩く。大崎頭山も別の霊園のすぐ上にある。そこから、西に延びる尾根を青潭尖へ、さらに北宜公路と新烏路の交差点近くの青潭へ下った。

周辺の登山軌跡
すでに満開の山桜
もともと一人で行くつもりだったが、出発の際に電話連絡でZさんが一緒に行くことになった。MRT新店駅で落ち合い、849番バスで小粗坑へ向かう。ほんの数分の乗車で8時8分に到着する。近くの橋には大勢の人がバードウォッチングをしている。橋を渡り、左に長興路へ曲がる。両わきの民家の間を行く。早咲きの桜がすでに満開だ。山桜だが、他に比べると色が薄く、ピンク色である。少し勾配が急になり、右に湖興路が別れる。そちらをとり進む。バス停から歩き始めて10分ぐらいで、三聖禅院を見る。そのすぐわきに赤蘆古道の入口がある。大きな表示があるので、迷うことはない。

苔の石段道
花園新城と背後の猴洞尖-獅子頭山の山並み
古道終了点近くの滝
古道はすぐ登り始める。苔の石階段が現れる。古道の趣だ。山腹わきを進んでいく。一箇所崩れているところや、倒木などがあるが、概ね歩きやすい道である。古い道標を通り過ぎる。その先で道は、セメント敷の道になる。右に谷を挟んで花園新城の住宅群が望める。その奥には、獅仔頭山の連峰が手前の稜線の向こうに連なっている。湖興宮土地公の祠を過ぎる。8時55分、道の左わきに数軒廃屋の石積壁が現れる。右に花園新城への道を分け、また土の道になって深い谷沿い進む。下を流れる沢は水量が多い。緩やかな上り坂を十数分登る。左に水量は少ないが、高い滝がかかっている。右にコンクリ製の橋をみて坂を登る。9時16分、古道は民家のわきに出て、終りとなる。古道歩きは約50分であった。

産業道路の斎善寺と背後の四十分雞心尖
保甲路入口
すぐ上の産業道路に出る。手前には工事中の大きな別荘がある。右に折れ進む。別荘の前は大きな池がある。右側の沢沿いには、養殖用の池が上下に数箇所ある。左に済善寺の山門を見る。山門の上には、仏酒と文字の書かれた瓢箪の形の板が載っている。これは、酒好きな済公を祀るお寺のようだ。赤皮湖橋をわたる。そのすぐ隣りの民家わきから、保甲路が始まる。保甲路とは、昔に開かれ使われた道で、古道の一種といえるが、その背後には保甲制度がある。日本統治時代に、抗日分子対策や土地の警備のために設けられた自警的組織である。その目的で切り開かれたり、整備された道なので保甲路と呼ばれる。

ロープの架かる渡渉部分
保甲路は、まもなく沢を渡り済善寺裏門の脇から右岸を進む。道沿いに何本もの水管が敷かれている。その内の一本は、とても太くてしっかりした造りのものだ。他ではありまり見たことがない。沢は水量が多い。寺の裏門から十数分歩く。道は沢を渡渉して対岸を登る。水量がかなりあり、跳び石は滑りやすい。幸いにロープが渡してある。これを頼りに渡る。雨の後は、増水し更に大変だろう。左岸を登って行き、枝沢を渡渉する。勾配がキツくなってくる。その後沢の上流になっていくので水量は少なくなるが、数回渡渉部分が現れる。合計で八回ほどの渡渉のあと、急坂を登り、細くなった沢を越して右岸を登る。その少し先で廃棄された産業道路に出る。朽ちれたパワーシャベルが取り残されている。どうしてかと、その道先を見ると、路肩が大きく崩れてしまっている。大雨などで道が途切れてしまい、越すことができなくなり、打ち捨てられたのだろう。

沢沿いの保甲路を登る
捨てられたシャベルカー
産業道路を少し登る。その先左にまた山道が続く。産業道路をいくと、かなり大回りになるので、この山道は近道の性格だ。数分登る。ゴミなどが道の周りに出てくる。そのすぐ上で廃棄産業道路と、四十分産業道路の合流点へ10時27分に着いた。ここは、稜線上になる。小粗坑を出発してから、約2時間10分である。四十分産業道路は、右に南方向へ登って行けば、直潭山と暗寶劍山との鞍部に着く。稜線上は風が強い。産業道路の向こう側は大きな霊園になっている。その施設が山腹にある。樹木などなく、絶好の展望台でもある。対岸には二格山から猫空尖、更に十六分山を経て鵝角格山への連峰がある。猴山岳の峰々がその向こうにのぞいている。建物の壁の脇で腰をおろして休憩する。

霊園の建物上部から見るパノラマ、建物の向こうは雞心尖から中嶺山への稜線、左奥は二格山連峰
四十分雞心尖頂上
広場の端のコンクリ壁に藍天隊の道標が取り付けられている。行き先は四十分雞心尖と記してある。以前登った雞心尖は雙峰國小の上にあるが、この近くではない。行き先の大崎尖の別名だろうと思い、この道を進む。尾根沿いに道は進んで行く。位置を確認すると、主稜線ではなく西に伸びている尾根だ。手持ちの地図には無いが、別の道のようだ。とりあえず様子を見るため、そのまま尾根道を進む。道標のところから10分ほどで、山頂に着く。四十分雞心尖(標高577m)だ。別の雞心尖との区別のために四十分が雞心尖の前に付けられているのだろう。山頂の山名板は、2013年5月作成のようで、この山道自体が新しいようだ。頂上から下っていく道があるが、やって来た道を引き返す。

桜の花が咲き始めている
広場まで戻ってくる。すると、そこから下っていく道がある。これが大崎尖への道だ。山桜の木が斜面一面に植えられている。すでに花が開いているものもある。あと一、二週間たてば、満開になるだろう。桜林をすぎると、雑木林の中に入る。草の刈られたお墓の前を通り、11時9分に551峰の頂上に着く。広場から約10分の道のである。右に雙坑山への道が分岐する。左の道をとり下る。雑木林の間を進む。石を積み上げた低い壁を越える。以前は、畑かなにかだったのだろうか。風が林の中を吹き抜けていく。冬枯れの雑木林は、気持ちがよい。11時21分、大崎尖頂上(標高551m)に来る。ここも林の中で景観はない。年季のはいった金属山名板には、標高510mと標している。

送電鉄塔近くから大崎尖方向を振返る


今日の最高点は通り過ぎたので、これからは下り基本の歩きだ。靈山台への道を分岐し、すぐに斜面に大きく広がる霊園の脇にでる。送電鉄塔の下をくぐり、たくさん並ぶ黒い水槽タンクにそって進む。建物裏の細いコンクリ道に下りると、三匹の大きな黒犬が牙をむいて吠えている。三匹とも鎖につながっているが、跳びかかってくるような勢いである。道に沿って最後まで進む。ここは霊園の最上部になる。展望がとてもよい。大香山から二格山までの連峰が対面に広がる。谷底には北宜公路が走っている。突き当りの土の道を左に曲がると、そこが大崎頭山(標高490m)である。三角点基石がある。時刻は11時55分、これから青潭尖への尾根道下りが始まる。

霊園の上から見るパノラマ
大崎頭山頂上
林の中の下り道を行く。少し開けた場所をすぎ、菜園の脇にでる。菜園から民家に降りる道があるが、それではなく菜園のはしのところから下っていく道を行く。下りきり、一度産業道路をまたいで、また土の道を進む。そこでまた産業道路に合流する。分岐にくるが、電柱に道標が取り付けられている。左が青潭尖への道だ。右に土地公がある。祠の前には椅子がある。時刻はすでに12時26分、そこで休憩し食事をとる。

竹林の間を行く
放置された土管
15分の休憩後分岐へもどり、車道を進む。少し先で右に土の道が分岐する。青潭尖への尾根道入口だ。幅広の良い道がしばらく続く。そのうちに竹林の中の山道を下っていく。土地公の先は、車道の竹林路へ続いていたが、こちらの山道もまさに竹林路だ。補助ロープの急坂も現れる。鞍部に直径1メートルぐらいの太いコンクリ製土管が数本放置してある。もともと水道工事か何かのためだったのか。しかし、このような場所には場違いのように見える。登り返し、ピークをこえるとその先に青潭尖が見える。鞍部から青潭尖への急坂を登る。シダの草むらから左に烏來方面の山々が望める。13時28分、基石のある青潭尖(標高222m)へ到着する。古い道標がある。まばらな木々の間から、周囲の景色が望める。
青潭尖の頂上
広い保線路を登る、背後は直潭山
数分下る。左に出発点小粗坑へ下る道を分岐する。その先また別の分岐がある。左に稜線を追っていく道をとる。幅の広い保線路だ。一度登り返す。振り返れば歩いてきた大崎頭山の稜線が見える。その先開けた場所では、対面に新店小獅子山が鎮座している。送電鉄塔のところまで降りるがその先道がない。登り返し、北側に入っていく細い山道を取る。すこし下って行くと、踏跡がなくなってしまった。標識リボンはあるので、方向は間違っていない。しばらく歩かれていないため、草に埋もれてしまったようだ。歩いてきた踏跡部分も足が少し沈み、歩かれていないことを示している。草の中をかき分け進むと、踏跡が現れた。青潭尖へは幾つかのルートがあるが、この道はあまり歩かれていないのだろう。
新店小獅山
青潭バス停に着いた
道は墓地の脇へと続く。山腹にある墓の脇を下っていく。新店区第四公墓の標識柱を過ぎ、路地の間を行く。ポッカリ新烏道に出る。表示がある。この路地は新烏路一段17巷のようだ。新店側に少し歩く。14時15分、終着点青潭バス停に着いた。数分待つと、自宅近くを通る642番バスがやって来た。

この山塊は標高が500m代で高くない。また交通アクセスもよく、景色もそこそこあり、条件は悪くないが人気はあまりない。知られていないこともあるが、ルート上に墓地の脇を過ぎるところが数箇所あるので、忌み嫌われているのか。近郊の山には、当然こうした墓地もあり別に気にすることではないと思うが。約12kmの道のりを休憩込み約6時間で歩いた。累計の登攀高度は697mである。困難度は、山道についてはクラス4、体力はクラス3~4というところだろう。

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