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2014-01-26

2014年1月23日 石碇粗坑崙-獵狸尖-坪林烏窟子山 冬晴空の気楽な稜線歩き

縦走の山並、中央の獵狸尖、左に粗坑崙(2013/7撮影)
雪山隧道の貫通により、北宜公路はかつての宜蘭への主要な道路の地位を第五号高速道理に譲ったが、石碇や坪林の山々の間を縫って行く道は、今やバイクやスポーツカーのドライブコースになっている。休日ともなると、爆音を轟かせていくバイクの数はとても多い。お茶の里坪林や、翡翠水庫(ダム)の千島湖は、観光地として賑わっている。北宜公路にそった山は昨年歩いたが、今回で三回目の訪問となる。

西の風嘴口から東の坪林へ縦走する
下りメインの歩き
昨年三月は、風嘴口から歩き始め粗坑崙を越え、大格門から四分子を経て石碇へ歩いた。今回は、大格門までは同じで、そこから更に稜線を追い、獵狸尖を越え烏窟子山を経て坪林へ下った。コースのほぼ中間に位置する獵狸尖までは山道を行くが、獵狸尖を越えると茶畑が現れ、産業道路や茶畑の脇を行く、変化の多い道となる。烏窟子山は、茶畑に囲まれたピークだ。産業道路も続くが、水柳脚歩道をへて坪林区役所の脇へ降りた。快晴のもと、360度の展望台獵狸尖の頂上も含め、歩いている途中変わりゆく景色を眺めならが歩くことができた。

粗坑崙登山口
平日の緑12番バスは、それほど混んでいない。同行するZさんとMRT新店駅で落ち合い8時15分の便で北宜公路を風嘴口まで向かう。もう一人の登山客と自分たちが下車すると、バスは乗客一人となる。バス停の向かいはお店のテラスとなっている。二格山から石碇に向け、段々と下っていく筆架山連峰が屏風のようにつづいている。近くの山腹には、山桜の赤い花が目立つ。春が近い。

陽射しが差し込む雑木林冬の道
粗坑崙頂上
9時少し前、支度をすませて公路を坪林に向け少し行く。まずは粗坑崙を目指す。昨年三月に訪れた時は、左に折れる産業道路から茶畑の中を登っていった。今日は、もう一つの稜線道を行く。産業道路の分岐部分にある尾根付階段が登り口だ。茶屋のようだがすでに営業されていない。小さな茶畑の上から山道が尾根に取り付いて行く。数分急坂を登る。雑木林の尾根上は風が吹き抜けていく。尾根の幅が広くなる。左より茶畑を経て登ってくる、別の登山道と合流する。冬の雑木林は、朝陽が差し込んでくる。夏の緑あふれる山とはまた別の風情だ。汗もそれほど流れず、快適な山登りができる時期でもある。

空気が澄んで、稜線鞍部から筆架山連峰の向こうに陽明山の山群が望める
稜線の道を行く
9時30分、粗坑崙(標高688m)頂上に着く。登山口から標高差は百数十メートルしかなく、楽な登山だ。北側は樹木が切れて展望ができる。下方に翡翠水庫が望める。下りはじめてすぐ、左に道を分岐する。雑木林やシダの下草、ススキの間を道は進んでいく。30分ほどで鞍部にやってくる。北側が開けて、遠くまで展望できる。手前の粗坑崙から月扇湖山へ下っていく尾根の向こうに、筆架山連峰、そしてその更に遠方には、八里の觀音山、そして陽明山の大きな山群が座っている。101ビルが筆架山の右側に頭をのぞかせている。

大格門の峠部分、向こう側が縦走路
ススキの間を進む
緩い登り下りのピークをもうひとつ越し、10時18分、大格門(標高600m)に着く。少し休憩する。前回訪問は、ここから北に杉林の中を下っていった。今日は、そのまま稜線を進む。ここからの道もけっこう歩かれている。10時41分、北宜公路から登ってくる保甲路と交差する。道は、尾根上を追っていく。また左に道を分ける。林の切れ目から見ると、五分山とその右に基隆山の三角ピークまで見える。ひとつ頭を越し下る。そこから道は山腹を横切って行く。道幅の狭いところには、補助ロープなどが付けられている。11時2分、突然目の前が開け、石階段の山道に飛び出る。獵狸尖登山道だ。同じペースで石段を登っていく。数分で、左に土の道がゆく。右に送電鉄塔が立つ。その先はあずま屋もある広い展望台だ。基石が鉄塔側に埋められている。籟狸尖山とも呼ばれる獵狸尖(標高705m)の頂上だ。

獵狸尖展望台から北西方向を望む、皇帝殿山や華梵大學キャンパスが見える、背後は平渓の山々
南方向を望む、翡翠水庫と烏來の山々
北側を望む、獅公髻尾山と左側の人頭面山、左遠くにあるのは五分山
石段歩道を下る
送電鉄塔が邪魔になるが、ここは360度見渡せる絶好の展望台だ。台北の街から、烏來、坪林、平渓などの山々全てが望める。台湾北部の山々がほぼ全部展望できる。北側には獅公尾山が大きな山容を見せ、その左側には人頭面山の切れ落ちた斜面が目立つ。東側を望めば、これから歩く烏窟子山とその向こうに坪林三星の三山、更に奥には胡桶古道のある梳妝樓山などが見える。吹きさらしの展望台から、少し草の茂る道脇へ行き、休憩する。風がない陽射しの中では、温かい。食事をとりしばし休憩する。

茶畑のわきに咲く茶の花
道端に捨てられた車
獵狸尖は、今日の行程のほぼ中間地点だ。ここを分岐点として、道の性格も換わる。これからは産業道路や山道が交互に現れる。鉄塔の基部で、南側の景色を見た後、石畳登山道に下り東側に下っていく。山道は産業道路につながる。茶畑が広がる。茶畑の向こうには、山々が広がる。道端に大きな茶花が咲いている。二、三ヶ所分岐を過ぎ下っていく。右に土の産業道路が分岐する。わきに桜の花がさいている。この土の道を進む。事故車なのだろうか、主要な部品をすべて取りされたた自動車の残骸が道端に打ち捨てられている。産業道路は右に下っていく。そこから左に山道が分岐する。右を行けば、黃櫸皮寮山へつながる。

茶畑のわきを下る
ついて来た野良犬クロ
山道は杉林を過ぎ、茶畑のわきを下る。茶畑がきれるとコンクリ階段道になる。下りきったところは、民家の脇だ。産業道路を大きく曲がって下る。その突き当りには、改修中の民家がある。その奥にコンクリ階段が登っていく。ここが山道の入口だ。改修中の職人は食事中のようで、弁当の黒犬にやっている。黒犬は、我々を見ると吠えてきたが、どうしたことか我々について来た。職人の犬ではなく、野良犬のようだ。

茶畑のわきを行く、クロが先導
コンクリ階段の上は、山腹を急坂で登っていく道と、左に山腹を横切る道が分岐する。左の道を進む。また分岐するが右に取って登っていく。尾根に取り付き下り始める。しばらくすると左から道が合流する。そこにある藍天隊道標を見ると、先ほどの分岐からきた平行する道のようだ。黒犬は、右前足に怪我をしているようでぎこちない歩きだ。山腹を進んでいく。そのうち、路面はコンクリになる。茶畑が現れ開ける。手前には火焔山、その奥に芋園尖と九芎根山が望める。道は回りこんでいく。前方には坪林三星が近くに見えてくる。分岐を右にとり下る。民家が現れまた産業道路に降りる。左に進み、福徳公の祠前で少し休憩する。12時52分、獵狸尖頂上から約1時間10分である。

烏窟子山への分岐
黒犬クロは、まだついて来ている。食べ物を少し分けてやる。十数分休憩し、産業道路を下る。犬が一緒に歩く山道も、また楽しい。前回の粗坑崙からの下りでも、一匹黒犬が一緒について来た。そのときも同じように感じた。左に道標がある。烏窟子山を示している。左に土の道を登る。登ったところは一面の茶畑で、その奥に頂上だけ雑木を残したピークがある。烏窟子山(標高448m)だ。茶畑の間の急坂を登る。頂上には基石と説明板が設けられている。樹木の中で展望は無いが、すぐ下の茶畑からは眺めがよい。時刻は13時16分、今日の活動中の最後のピークだ。

クロと茶畑の間を登る
北側に下っていく道を行き、右に曲がって林の中に入る。林の中の急斜面を下る。茶畑の最上部に出る。ここからも急斜面の茶畑の間を下り、産業道路に降りる。その反対側に道標がある。水柳脚登山歩道の道標だ。歩道と言っても、茶畑のわきを道だ。登り切った場所から、左に急坂が始まる。先に茶畑の上部に登ってみる。ここもとても良い眺めだ。下には高速道路ジャンクションが望める。

烏窟子山から急坂を下る、対面の道は水柳脚歩道、その奥の山は坪林三星
水柳脚歩道から見る烏窟子山
尾根上を行く水柳脚歩道
水柳脚歩道は、急坂には板の階段が設けられている。昨年和尚髻山から下った大湖尾歩道と同じに、最近まであまりメンテされていなかったようだ。今は草が刈られて、再び歩かれているようだ。枝尾根を下る道が切れ、谷あいの湿った場所を通り過ぎる。ぬかった場所には枕木が渡してあるが、ドロドロだ。谷あいからまた、小尾根に取り付き下から上がってくる歩道に合流する。右に展望台側へ登る。14時2分、茶畑の上にあずま屋の設けられている展望台に着く。坪林の街がすぐ下だ。北勢溪を挟んだ真向かいは、坪林三星が控えている。

展望台から坪林三星を望む
坪林の街はすぐ下
次の923番バスが14時30分にある。急いで残りの山道を下る。道の程度は良くなり、立派な木製階段を降る。民家わきに下りてくる。クロはそのうちどこかへ行ってしまった。これ以上は一緒に行動できないことを知っているかのようだ。水柳脚歩道入口表示を見て、坪林区役所を過ぎ北宜公路に出る。左に曲り14時20分、坪林国中バス停に着いた。

歩行距離は9.3kmと、思っていたより少ない。下りがメインの歩きなので、登攀累計は374mだけだ。行動時間は5時間20分である。冬の晴天下の歩きで、実に快適なハイキングであった。暑い時期だと、後半は茶畑のわきなど炎天下の歩きになるので辛いだろう。やはりあまり暑くない時期に行くのがよいと思う。困難度は、コースはクラス3、体力もクラス3である。山道は草深いところもあるが、踏跡がしっかりしているので迷うことはない。道自体よりも、産業道路や山道の分岐に注意することが必要だ。

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