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2014-11-25

2014年11月23日 瑞芳半平山俯瞰(黃金第四)稜を登り、金鉱の跡をめぐる

黄金池をあとにススキの間を藪こぎし俯瞰稜を登る、海岸際の山は南子吝山
瑞芳の半平山は、九份の近くにそびえる基隆山と金瓜石の谷を挟んで反対側にゴツゴツとした岩尾根をいただく山である。この山の周辺は、かつての金鉱と銅精錬などが行われており、当時の施設が廃棄され残っている。半平山は、海側から主要な枝尾根が三本頂上へ向かって登っていく。最近登った、劍龍稜,鋸齒稜,茶壺稜,煙囪稜はそれぞれ第六、五、三、二の番号が着けられ黄金十稜に数えられている。劍龍稜と鋸齒稜、茶壺稜と煙囪稜はそれぞれ、下部上部に位置し、実は同じ支稜上にある。この間にもう一つ第四号の尾根がある。それが今回登った俯瞰稜である。所謂黄金十稜は、今回の第四稜山行でひととおりすべて歩いたことになる。

東側の台金公司バス停からスタート、俯瞰稜を登り山腹を行く
海岸わきからスタート
濱海公路の山留壁から登り始める
俯瞰稜の近くには、この地にちなんで黄金の名を冠した場所が二つある。ひとつは俯瞰稜の足もとにある黄金池、そして俯瞰稜上部わきにある黄金洞である。前者は、以前金鉱施設が稼働している時の貯水池であり、後者は旧坑道である。もちろん、黄金洞以外にも廃棄された金鉱坑道はあり、今回の歩きでも気づいたところで二ヶ所その前を通りすぎている。金採掘量が激減、廃坑になっているので今は誤って入らないように塞がれている。その後、銅精錬所跡の十三層遺跡をも訪れた。もともとは、遺跡からまた登り返して勸濟堂へ行く予定であったが、たまたま休日運行の回遊バスが来たので、登り返しはせずそこで歩きは終了した。

前方に半平山とそこへ続く俯瞰稜(黄金四稜)
黄金池
瑞芳駅前から7時半発の886番バスで向かう。今回は九人の山行だ。約四年前に単独で歩き始めた山登りだが、最近は事前に自分の予定を公開すると同行者が現れることが多い。黄金十稜は、最近は人気のルートであることも同行理由の一つである。その内の一人は、二年前に玉山主峰を一日で往復したときのメンバー、XFさんである。同じくバスには別のパーティ数名も乗車、劍龍稜を登ると言う。20分ほどで台金公司バス停に到着、支度をして出発する。濱海公路を少しもどり、8時に79.7kmキロポスト近くの山留壁の脇から登り始める。ここは、月初に劍龍稜へ行った時と同じだ。草の間の踏跡を行き、廃棄施設にでる。草の中に左へ劍龍稜へと道が続くが、俯瞰稜は直進する。開けた場所からは、半平山が遠くにそびえその前にはこれから登る俯瞰稜がある。

草の尾根上を登る
すぐに藪こぎが始まる。劍龍稜と鋸齒稜は岩尾根だが、俯瞰稜は草の尾根である。俯瞰稜の下部は、西稜と東稜の二つが黄金池を取り囲むように平行して登っていく。我々は西稜を行く。8時35分に黄金池に着く。もともとは貯水池であったが、今は廃棄されて自然に戻っている。透き通った水は、自然の池の様子だ。小休憩後、池の右から尾根に取り付き登る。両わきの草は背が高いが、踏跡ははっきりしている。少し登り振り返ると、黄金池が眼下に見える。

俯瞰稜西稜から見る半平山の威容
東西稜合流点、基隆山が見える
尾根上に登り着く。前方には、秋晴れの空の下半平山の威容、右には基隆山が高い。煙囪稜のすぐ向こうには、十三層遺址も望める。山肌は、ススキの穂が朝陽に白く反射している。高度が上がるに連れ、海岸際の南子吝山が同じような高さになってくる。左側の俯瞰稜東稜も近づいてくる。草の中に高圧送電線の碍子が転がっている。近くには送電鉄塔などがないが以前はあったのだろうか。10時、東西稜線の合流点直下で少し休憩する。

俯瞰稜を更に登る
隣の劍龍稜を望む
灌木を頼りに急坂を登り切る。東稜との合流点を過ぎる。今年4月日付の藍天隊の道標が灌木に取り付けられている。左には劍龍稜のゴツゴツした岩が、右には煙突が山腹を行く煙囪稜が、谷を挟んで高い。相変わらず藪こぎが続く。ただ、草は余り高くないので助かる。風も吹いているので、日差しは強いが暑くない。10時22分、すこし開けた場所に出る。同じぐらいの高さに見える劍龍稜上の行く、登山者のシルエットが見える。メンバーは、大声で呼びかけている。朝同じバスできた登山者かもしれない。一休みする。

劍龍稜上を行く登山者が見える
黄金洞へ山腹道を進む、前方に茶壺山の大岩が見える
急坂を登り、引き続き草の間を行く。10時50分、右に黄金洞方向への道が分岐する。左はそのまま尾根を進み555峰で鋸齒稜と合流する。右に取り、山腹を進む。前方上部には、茶壺山の尖った岩が目立つ。10分ほどで、水が流れる窪み水管路との分岐にくる。左にとり、登っていく。土の滑りやすい道を登る。上部の岩には二、三箇所穴が開いている。11時18分、黄金洞への分岐に着く。左にとり、黄金洞へ向かう。11時22分、黄金洞に着く。黄金洞は、以前の金鉱坑道入口である。薄暗い穴の奥には、竪坑や横坑がある。竪坑は塞がれ、横坑は警告板が建てられている。食事休憩をとる。

黄金洞内部
黄金洞から海を望む
今日の行程では、黄金洞が一番高い場所になる。標高は約400m、700m強の半平山の中腹である。12時、先の分岐へ下り分岐を左に進む。ここはもともと道幅があるようだが、両側は草で見えない。数分平らな道を進み、右に下る道を取る。左は、登って行く廃棄産業道路で、茶壺山方向へ進む。下っていくと、谷の真ん中に太い煙突が草の間から突き出ている。十三層遺跡の銅精練所の排煙をここまで引っ張ってきて放出していた。排煙のためのコンクリ煙管は、ここ以外に二ヶ所ある。下りきり煙突の根本のところで、右から道が合わさる。これは、先に黄金洞へ登っていった時、右に分岐していた水管路である。左に折れて進む。12時半、道はほぼ入口が塞がれた坑道入口脇を通る。

銅精練の排煙のための山中の煙突
廃棄坑道口
道は、ほぼ水平に山腹を進んでいく。その少し先にも廃坑道入口がある。先ほどの黄金洞もまたこれらの坑道も、本山坑道などに比べると規模も小さく入口もお粗末であり、大量に採掘されていたもののようには見えない。山腹道は山ひだを縫って進む。右側に、午前中に登ってきた俯瞰稜がある。その奥は鋸齒稜だ。少し登り気味になり、12時46分に煙囪稜と交差する。右に折れれば長仁社区である。そのまま直進する。右には基隆山が近くなってくる。先ほど見た煙突に続くコンクリ煙管と交差する。交差部分は壊れて崩れている。その先、また別のコンクリ煙管に突き当たる。これは煙管壁に穴が開いていて、そこから中に入り少し登って別の穴から外にでる。操業を終了して数十年経つが、煙突の中は化学薬品の臭いがする。13時5分、コンクリ煙管の分岐部に着く。一休みする。

コンクリ煙管、一部壊れている
煙管内部
15分ほど休憩し、ススキの間を進む。ほんの数分で舗装された茶壺山産業道路に出る。ここからは、観光地の領域である。軽装の行楽客が道を歩いている。13時半、展望台に来る。自家用車がたくさん駐車してある。その先数分進み、斜坡索道の上部施設跡にくる。レンガの壁がわずかに残っている。ここはケーブルカーが運行されていた当時の上部駅である。赤錆びたレールがまだしっかり残っている。下方には十三層遺跡が望める。金鉱が操業していた当時、作業員などを載せて運行していた。急角度の直線軌道を下っていく。ゴンドラ交換場所の下方からはレールは取り外されている。上部から10分ほどで下部駅跡に降りてくる。

煙管分岐部から望む、煙管が山を登っていく
ケーブルカーの軌道が残る斜坡索道、下方に十三層遺跡
下部駅近くから望む、前方に廃棄されたレンガの建物
基隆山東峰、キングコングの頭に見える?
下部駅のすぐ下には、レンガの建物がまだ残っている。一つの建物の中には鉄の車輪が二組置かれている。軌間が狭いので、ケーブルカーのものではなく別のトロッコ用だろう。本山六号のレンガ製坑道ポータルを見て、左に進む。この辺りは、操業しているころは忙しく物が人や行き来していたのだろう。左には、谷を挟んで基隆山東峰が高い。メンバーの一人が、キングコングの頭に見えるというが、確かにそのような感じである。トンネルを二ヶ所抜け、14時10分十三層遺跡に着く。遺跡の建物脇で休んでいると、ちょうどこの周辺を回遊する891番バスがやって来た。もともとは、斜坡索道を登り返して台北行き1062番バス停のある勸濟堂へ行く予定であった。しかし、ちょうどバスが来たのでこれで勸濟堂へ行くことにする。すこし遠回りになるが、歩かないですむ。15時10分勸濟堂に到着、15時20分前に1062バスに乗り継ぎ金瓜石をあとにした。

濱海公路から見る十三層遺跡(11/5撮影)
本山六号坑道
行動時間は、休憩も含め6時間、歩行距離は約6kmである。海岸際からのスタートなので、最高点は400mであるが、ほぼ標高と同じだけ登っている。俯瞰稜や山腹道の一部は背の高い草の中を藪こぎしているので、単純に距離だけで決められないが、今回は割合と楽なルートである。東北角の山々は、黄金十稜も含めこれで大部分をカバーした。これから冬にかけ、東北季節風が強まり、天候が不安定になる。この辺りは春先と秋のこの時期が一番登山に適している。特に今日のように秋晴れの登山であれば、バツグンの景観を満喫できる。草の道を歩けるのであれば、体力的には問題ない。山道の困難度はクラス4、体力要求度はクラス3である。

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