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2015-02-17

2015年2月14日 桃園復興鄉低陸山 - 嘎拉賀瀑布溫泉 巨木檜原生林と天然温泉の山行

馬望僧侶山付近から望む低陸山(2014/9撮影)
嘎拉賀溫泉:沢に温水が注ぎ込んでいる
台湾の山脈を横断して東西を結ぶ道路は、北の北部横断道路(北横公路)、中間の中横公路、そして南横公路がある。北横公路は、桃園県の復興郷山岳地帯を抜けて東の宜蘭へ続く。その道は標高2,000mを越える山々の間を縫っていく。今年に入って、その北横公路を利用し、復興三尖の二つ那結山夫婦山を登った。もともと引き続き三尖の一つ復興尖登山を予定していたが、雨で延期したので今回の低陸山が今年三回目の北横公路付近の登山となる。標高2,160mで絶対値としても、また周囲の山と比べても低いわけではないが、山名は低陸山である。由来があるはずだが、判らない。別名を鐵立庫山という。後者のほうが原住民の呼び名に近いような響だ。
登山口から低陸山を往復、その後沢そいの嘎拉賀溫泉に下る
途中の途切れている部分は自動車移動
低陸山の足もと、三光溪には温泉が沢の脇に滝となって注ぎ込んでいる。嘎拉賀(ガラフ)溫泉である。この名前は泰雅族の言葉で大きく遠い、という意味だそうだ。車で行ける場所から落差300m弱、徒歩で約20分下ってはじめて入浴できる。帰りはまた30分の登りだ。そんなことで商業開発はされておらず、自然に近い状態が保たれている。日本では下山後温泉に浸かって帰るということがけっこうできるが、台湾ではそうした場所は少ない。貴重な温泉である。

低陸山を含む復興郷の山々
登山口
今回は七名の山行である。車一台定員いっぱいの乗車で向かう。第三高速から第七乙省道、第七省道(北横公路)に入り、巴陵橋を過ぎた後右に沢へ下る。北横公路少し先で左に行けば拉拉山や塔曼山の登山口上巴陵へ続く。橋を渡った後は、高度を上げて行き、低陸山山腹を進む。警察派出所や小学校のある光華集落を過ぎ進む。低陸山はここからも登山できる。更に進んで右に登る細い舗装路を上がる。ここの部分はカーブも傾斜もきつい。9時、民家の少し前で道の凹凸で底をこすってしまうので、メンバー全員下車し歩き始める。民家の住人は、まだ先まで車で行けるということなので、車は先に行き残り六名は徒歩で登っていく。9時8分、車がすでに着いている出発点に到着する。

登山口近くから見る西丘斯山(三角山頂)とその左の唐穂山
雑木林の中を行く、焚き火跡がある
今日は、雲ひとつ無い晴天だ。谷を挟んだ遠くに巴博庫路山とその前に登山予定リストにある復興尖の尖ったピークが望める。支度をして9時20分に歩き始める。少し土の産道を進み、右に山道が始まる。周囲は樹木がないので、遠くの山が望める。初めての山域なので地図と照らしあわせて確認、雪白山と西丘斯山、その左に唐穂山も見える。これらのピークもいずれは登るつもりだ。道はすぐ森の中に入り、しばらく上りが続く。十数分の急登のあと、塩ビパイプが道脇を沿って行く緩い坂道が続く。雑木林の中には冬の日差しが射しこみ明暗のコントラストを作り出している。9時50分、歩き始めて30分、一休みする。

檜の巨木が二本、太い根がうねっている
巨木檜
これからまた急登が始まる。尾根上から山腹を巻き、また尾根上に戻る。10時16分、巨大な檜が二本生えている。その根は、うねって地面に刺さっている。自然のちからを感じる。そのうちに左の山腹を進む。こちらは南側になるので、日差しが十分さし込んでくる。木の根を越えて進む場所も多い。巨木があるが、一方折れて枯れている樹木もある。自然の営みが進んでいる。10時37分、少し開けた場所にくる。眼前には大人数人でやっと幹の周りを囲めるぐらいの、太い檜がある。樹齢は数百年かそれ以上、上のほうは高くて見えない。こうした巨木は、神木と言われるのもうなずける。

巨大な倒木








道端にとても太い倒木が、苔に覆われている。腐って分解していくプロセスが進行中だが、これだけ太いと消えてなくなるにはどれだけ時間が必要なのか。この倒木のすぐ近くには、これまた上部が高くて見えない檜の巨木が生えている。その先にまた巨木が倒れている。道を塞いでいるので、一部が切り取られている。その部分から檜の香りが漂っている。落ち葉が重なりあいできたフカフカ地面の森の中を登る。そのうち道はゆるかになり、11時7分、光華集落からの山道と合流する。幹を輪切りにした椅子もいつくか置いてあり、ここで休憩する。

原生林の間を行く
分岐部、道標と幹輪切りの椅子がある
鞍部、左前方に低陸山頂上が見える
低陸山頂上へは、先に鞍部へ下る。広い尾根から狭い稜線になる。樹木の間から、遠くに尖った那結山の頂上が望める。熊笹が現れその中を進む。鞍部は樹木が少なく、左に西丘斯山と雪白山が、そして前面には低陸山の頂上が見える。鞍部からは約200m落差の登りが始まる。また檜の香りがする倒木の脇を過ぎる。陽の当たらない場所では、数日前に降った雪が残っている。一部は雪を踏みしめ登る。台湾で雪を踏んで登るチャンスは少ない。樹木の間に、谷を挟んだ右の対岸に李棟山が見える。急登を続け残り15分で頂上というサインを見る。熊笹が切れ、急な補助ロープの坂を登り終え、12時12分冬の日差しがあふれた頂上(標高2160m)に飛び出る。中央には、角が欠けた三角点基石がある。周囲は樹木が高く展望はない。食事をゆっくりとる。空がどこまでも青く、気持ちが良い。石楠花の木がある。蕾をつけているので、近いうちに開花するのだろう。

鞍部から望む雪白山(右)と西丘斯山
雪が残っている
頂上直下の急坂
三等三角点のある頂上、樹木に囲まれている
登山口に向けて最後の下りを行く
稜線をさらに進めば、先ほど見えていた雪白山までいけるが、一日がかりだ。別の機会に譲る。12時57分、名残おしいが往路を下り始める。同じ道でも、上り下りとでは異なって見える。グズグズに腐って土にもどる直前の倒木を踏みしめる。13時27分鞍部へ着き、登り返して13時42分、分岐部に到着する。しばし休憩する。午前中登りの際に見た巨木に再び敬畏を感じる。雑木林の森を抜け15時少し過ぎ、登山口に戻る。雪白山-唐穂山の稜線は、雲をかぶっている。車は路面をこするおそれがあるので、荷物を車に載せた後歩いて下る。少し下ったところで、左の開けたところに基石がある。これが把加灣山(標高1501m)だ。朝に登る時は気づかなかった。

把加灣山の三角点基石



民家の下まで歩いて行く。ちょうど外で仕事をしているおばさんと話をする。台北からやって来て一人で暮らしているそうだ。ここから車で下山だ。時間が早ければ嘎拉賀温泉に立ち寄っていく予定であったが、まだ15時過ぎで十分にOKだ。光華産業道路へ下り、右に曲がって温泉への道の入口へ向かう。入口に説明板がある。温泉は無色無臭の炭酸塩温泉で、水温55度PH8との事。沢際まで標高差約200m、距離1.5kmの下りが始まる。

温泉への下り口
石段を下る、温泉まであとわずかだ
途中まで舗装されたつづら折りの急坂道が続く。四駆であれば来れるだろうが、下ったところで方向を換えるのは大変だ。舗装が切れて土の道を少し歩く。その先あずま屋があるところから石段道になる。石段が終わりベンチが設けてある場所を過ぎると、温泉古道は終わりだ。約25分の下りである。沢は水量が豊富で、すぐ下の滝壺はとても深い。左に少し進む。布で覆った更衣所がある。そのすぐ脇に鉄ハシゴがありそれで沢に下る。

三光渓







温泉といっても、滝となって流れこむ温水が下のたまりになっているところに浸かるだけで、囲いがあるわけでもない。男女一緒なので当然水着を着用しての入浴だ。沢を渡る。冬の沢水はとても冷たい。しかしわたってすぐに温泉に浸かれば問題ない。湯船(水たまり)はそれほど深くないので、座っただけでは肩まで浸かれない。横になればOKだ。温度はちょうどよい。湯船になる部分は二ヶ所ある。もう一つの方にいく。そちらは温度が少し高い。また温泉水の流れる岩の表面は緑色になっている。温泉水ミネラル成分のためだろう。約1時間ほど過ごした後17時半、駐車場へ登り始める。

沢の右側から温泉が注ぎ込み湯気がたっている
鉄梯子を登って帰路につく
温泉につかった後の登りは辛い。しかし、血行がよくなっているぶん疲れはあまり感じない。しばらく歩いていると汗が吹き出す。階段部分を過ぎ舗装路の急坂を登る。当然だが下りより勾配を感じる。18時5分、駐車場へ戻ってきた。約35分の登りである。日は暮れて辺りは暗くなってきた。黒犬が三匹やって来て、メンバー一人が差し出すケーキを争うように食べる。腹が減っているとみえ、手に噛み付きそうだ。荷物を車に載せ、暗くなった山道を台北に向かった。

丸一日の活動であった。台北から登山口まで約二時間半かかっている。同じく復興郷でも、桃園に近い那結山に比べると1時間多くアクセスに時間がかかる。温泉とペアで行ける台湾の山は多くないので、ここは希少だ。歩行距離は低陸山往復は8.7km、休憩込みで5時間40分、温泉往復は3km、入浴時間を入れて2時間10分である。困難度は山道、体力ともクラス3である。アクセスに時間がかかるが、山そのものはそれほど難しくない。現在では自分の車で行くしか無いので、誰でも行けるわけではないが、お勧めのコースである。
檜の巨木

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