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2015-02-09

2015年2月2日 雙溪枋山坑山 - 平溪畝畝山 不人気山雨中行

雨の畝畝山頂上
新北市の雙溪區は、台北から行く場合ちょっと不便である。台鉄の雙溪駅からバスがあるが、もともと住民が少ないこの地域は、路線バスは柑腳方面しか無い。多くの素晴らしい古道が残る泰平や湾潭は、一日二往復の新北市無料バスしかない。自分で車を運転して行けば自由度が高いが、縦走などAからB地点の山行はできない。とはいっても、そうした制限内での山行は行っている。今回は、F812の無料バスで出発点に向かった。到着時点ですでに10時半を回っているので、行動時間は短くなる。それに合わせての行動だ。

先に枋山坑山を往復し畝畝山経由で望古へ下る
雙溪駅でF812番バスに乗る
台湾の北東部は、冬の季節風の影響を受け気温が低く、なおかつ冷たい雨が降ることが多い。今回は、雨天のため一度山行日程を延期したが、結局雨に降られた。大降りでなかったのが、せめてもの幸いだ。当初の予定は、沢沿いの古道を歩いていく予定だったが、沢は増水し途中何度か渡渉する必要があるので、この沢沿いの道は止め、その代わりに枋山坑山を尾根伝いに登ることにした。その後は当初の予定通り畝畝山をへて下った。ただ、畝畝山から沢沿いの道で下山するつもりを、尾根筋の道で下山することにした。

終點內盤山バス停、バスはすでに回転して出発待ち

盤山坑古道入口
F812番バスは早朝6時台の次便だと、雙溪駅を9時39分発車の便になる。これに合わせて台北をゆっくり出発したいものだが、ちょうどよい便がなく7時35分の区間電車で向かわざるを得ない。8時55分雙溪駅に到着し、40分ほどゆっくり待つ。小雨が降り、今日は良い天気は望めない。F812バスが時間通りにやってくる。今日のメンバー6名全員乗り込む。車内は地元の3,4人の乗客だけでガラガラだ。クネクネした狭い道を進み、10時16分終點の內盤山に到着。ここは780番の路線バスもあるが、早朝と夕方だけの二便で登山には時間が合わない。バス停付近には数戸の民家がある。

地元の人が竹を担いで下る
內盤山は、盤山坑古道と內盤山古道がある。前者は、一世紀以上前台北と宜蘭をつなぐ街道の一部であったということだ。汐止から菁桐古道をへて平溪へ出た後、東勢格からこの道をへて峠を越え柑腳へ、そこから崩山坑古道を伝って泰平という道のりである。後者內盤山古道は、山中にあった集落への道である。その先には美しい棚田が残る中坑古道がある。今回は、これらを歩くつもりであったが、次回にまた訪れば良い。バスを降りて支度をする。今日は雨中歩行なので、雨具ズボンやスパッツを着ける。盤山坑古道の入口は、やって来た産業道路を少し戻った、盤山坑13号の民家脇である。10時半歩き始める。

狭い峠部、白いカスミ網が地面に落ちている
動物に掘り起こされた茗荷
道は、巾が広い。進むと草が生えているので、踏跡は狭いがもともとの幅員は広い。数分進むと道がつづら折れになる。ここで上方から老夫婦が太い竹を担いで下ってきた。10時50分、右に急坂が登っていく。これは石硿子古道鞍部へ連なる稜線へとつながる。高度が上がったこともあり、霧が濃くなる。11時6分、峠に到着する。カスミ網が地面に落ちている。峠を越えていく鳥を捕らえるものだろうが、困ったものだ。狭い峠部分は、左右に稜線道がつながっている。峠を下れば火燒寮だ。

霧の森を登る
道端に落ちているゴミと化した天燈
先に左へ枋山坑山を目指す。尾根道はすぐ草薮に入る。雨具ズボンを履いていなければ、たちまち濡れてしまう。草薮を抜けると雑木林の登りだ。動物が掘り起こしたようで、赤い茗荷の花の脇に茗荷が見えている。峠から約10分で、小ピークに着く。ここで大きく左に曲がって下る。10分ぐらいでもう一つの鞍部にくる。過火坪と呼ばれる狭い峠だ。左右につながる道は、盤山坑古道の南支線である。左に下れば内盤山へつながる。また登りが始まる。草薮を抜け雑木林を登る。地面は濡れていて道筋ははっきりしないところもある。この付近の道は、それほど人気のある場所ではない。アクセスが遠いことも関係しているだろう。

霧の森の中を進む




過火坪から20分ほど登ったところで、天燈の残骸が道端に落ちている。今は平溪以外でもあるようなのでこれもそうとは限らないが、そうだとしたらかなりの距離を飛んできたことになる。観光振興のためだが、ゴミになってしまうのいただけない。急坂が終わり、少し下りがあった後緩い登りがしばらく続く。その先補助ロープの急坂を過ぎ、12時12分、枋山坑山頂上(標高676m)に到着する。三角点基石ともう一つの基石で都合二つある。東側は木が低く、天気がよければ展望が期待できるが、今日は真っ白な霧である。脇の木の下で雨を避けて休憩、昼食を取る。

枋山坑山頂上の筆者
30分ほどの休憩後下り始める。濡れた土の道は滑りやすい。気を抜くと思わないところで足を取られる。13時43分、約1時間で盤山坑古道の峠に戻ってくる。これから畝畝山へ向かって進む。草むらに飛び込んで急坂を登る。振り返ると霧で真っ白、何も見えない。13時51分、稜線にたどり着く。立派な道標が分岐に建っている。右に行けば石硿子古道鞍部に連なる。左に取り進む。道脇にまだ新しい木製ベンチが二つある。道標と同じ時期に地方政府が造ったもののようだ。

雨の中のベンチ
石古井への分岐、畝畝山は右へ曲がる
大きく下って登り返す。ここも急坂で滑りやすい。上方に縄が谷を挟んで渡してある。縄から旗の様に切れた網が残っている。カスミ網の残骸が残っているのだ。道脇にも網が落ちて足を取られる。登り返したところから少し進むと14時19分に別の分岐に着く。左は石古井へつながる道だ。畝畝山へはここで大きく右に曲がる。更に数分で、また分岐に来る。左は青林山への道だ。直進する。緩やかな尾根道は、右に山腹を行った後、左に折れてまた急な稜線道を登る。道脇に幹が白い枯れ木がある。菌類が取り付いて白くなってるのだろうか。一つピークを越すが、ここは畝畝山の頂上ではない。更に進んで少し下がった場所が畝畝山頂上(標高570m)だ。15時6分頂上に着く。ここは図根点基石がある。狭い頂上は、周囲は樹木に囲まれている。いずれにしても今日は霧で展望はないが。

畝畝山へ稜線道を登る、左の幹は白い
尾根道を下る
今日最後のピークである。後は下るだけだ。畝畝山からは、すぐ左に平溪子山方向への道がある。これを行き右に沢沿いの山道でも下れるが、今日のような雨では増水しているので取らないほうがよい。15時16分、右に山道を下り始める。ほんの二、三分で分岐に着く。ここは右に下ると、沢沿いに進む。左に尾根上の道を行く。道の状態はよい。15時40分、送電線鉄塔に着く。この下をゆき、沢に下りる。ここからは保線路なので状況はとてもよい。道にカーペットが敷いてある。滑り止めの意味なのだろうが、ほとんど役に立たない。それどころか、カーペットごと滑ってしまう。予算乱用としか思えない。

カーペットの敷かれた山道
16時2分、石硿子古道との分岐に着く。左に進む。下を行く沢の音が大きい。慶和炭鉱の残した橋の下を過ぎ、16時10分に舗装路の末端登山口に着く。ここには道案内板がある。ここまでくれば、暗くなっても安心だ。小雨の中を歩いて行く。平溪子山への道を左から、その先和尚尖からの道を右からあわせる。これらの山々は、いずれ歩くこともあるだろう。但し、天気の良い時に来たい。山桜がところどころ咲いている。雨の中では花見気分ではないが。右に少し登り気味に行き、望古への小道を取る。吊橋の橋桁が見えたら雙菁公路はすぐ下だ。16時51分、望古バス停に到着。濡れた雨具などを脱いでまもなく、十分を17時に発車した795番バスがやって来た。雨の平日であるにもかかわらず、バスは満員。平渓は実に人気の観光地になったものだ。

望古バス停に到着
約11kmの道のりを6時間半で歩いた。山を二つ登ったことになる。はじめから終わりまで雨の中の行動であった。足並みが揃ったパーティであったので、あまり休憩することもなく歩いた。困難度は道はレベル3~4、体力はレベル3である。雨の中は、それなりに山の別の趣きがあるが、やはり晴れた日に歩くのはもっと良い。次に天気の良い時に雙溪泰平から、今回予定をしていた中坑古道などを歩いて平渓にでる山歩きをしようと思う。

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