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2018-02-05

2018年2月4日 台東都蘭山 原住民卑南族と阿美族の聖山を登る

11号省道から見る都蘭山、右の大きな山容の部分が頂上
台湾の冬は、南北ではだいぶ違う。雨が多く寒い北部に比べ、南は晴れも多く気温も高い。ちょうど寒波が訪れ、北では山に雪が降ったが、今回浸水營古道のハイキングと合わせて訪れた、台東の都蘭山では登山にちょうど程よい気温で、時々晴れ間ものぞく快適な日和であった。

登山口から山頂を往復
単一ピークの往復
台湾の東部は、中央に台湾の背骨を構成する3000m級の峰々が続く山脈のため東西交通が不便で、平地が多い西部に比べると発展は遅かった。特に中国からの移民で生産が増えていった19世紀までは、山地に住む蕃人と呼ばれた屈強な原住民が首狩りを行い、恐ろしい場所で、それを超えた場所はなかなか開拓民は入っていけなかった。そうした台湾東部の中、台東は中央山脈と太平洋海岸沿いに続く標高1000~1500mクラスの海岸山脈に挟まれた谷の最南端に広がる平地だ。その台東市のすぐ北東にある山が標高1190mの都蘭山である。

都蘭山は台東の町の北東に位置する
台東の町に入る前に向こうに都蘭山が見える
都蘭山は、原住民卑南と族阿美族の聖山である。山のふもとには新石器時代の卑南遺跡や都蘭遺跡があり、古くから死後に死者の魂が帰る聖山としてあがめられてきた。また、日本統治時代には、その形状から台東富士とも呼ばれた。実際、海岸山脈の南端に位置し、海から盛り上がるその姿は、遠くからも簡単に認識できる。現在国連世界遺産認定に申請しているそうだ。そうした歴史文化背景や、その端麗な姿から小百岳に選ばれている。

11号線から登山口へ続く道わきにある石碑
昨晩泊まった大武から、朝6時に出発する。今日は都蘭山を下山した後台北まで400数十キロを戻らなければならない。できるだけ早めに登山を終える必要がある。海岸沿いの9号線を北上するにつれ、空が白んでくる。それにつれ、前方にひとり目立つ山が見えてくる。都蘭山だ。7時ごろ台東の市街を抜け、卑南溪を渡るとその山容はさらに大きくなってくる。台東から11号線を進み、7時21分都蘭山登山口へ続く道の分岐に来る。ここから高度差約500mほど車で登っていく。7時半過ぎ、登山口に到着する。

登山口駐車場の展望台から望む太平洋の海岸線
登山口駐車場
登山口駐車場わきには、展望台が設けられている。登ってみると、眼前には広い太平洋の海原が広がる。沖には緑島も望める。曇り気味だが、今日は雨が降ることはないだろう。支度をすませ、7時45分に出発する。道は幅も広く、緩やかだ。山腹をつづら折で登っていく。途中衣服を調整し、8時19分岩戸の門のような場所を過ぎる。わきの説明看板が、この山のシダ類植物の説明を載せている。この岩戸の門は、ここから道が急になることを示しているかのようだ。

登山口の説明板
はじめは緩やかな坂の道 0.25K地点
「岩戸」の部分
急坂を登る
道は勾配を増す。岩が現れ、補助ロープがつけられている。急坂を登ること約20分、主稜線上にあがる。丸太のベンチがある。稜線に上がったので、反対(西)側も望める。花蓮から台東まで続く花東縱谷で、谷間を流れる卑南溪の両岸に広がる平地、そしてその向こうには雲を被った中央山脈がある。雲で見えないが卑南主山あたりだろう。

稜線にあがったところ
西側の花東縱谷を望む、遠くには雲をかぶった中央山脈
急坂を登る
小休憩のあと、稜線を追っていく。ところどころ急な坂が現れる。昨日浸水營古道のわきで見た白い根結蘭の花も咲いている。風が吹いていくが、寒くはない。根こそぎ吹き倒された倒木を過ぎる。稜線の幅が広がり緩やかになる。2.25Kのキロポストを過ぎて間もなく、9時53分に普悠瑪の祭壇広場につく。広場の奥には普悠瑪の文字が刻まれた大石が、祭壇の上に座っている。阿美族や卑南族は、今でもここで礼拝をするそうだ。大石の前にはお供え物も置いてある。普悠瑪とは、卑南族の部落の名前で団結の意味だそうだ。台湾国鉄(台鐵)の台北‐台東間全席指定特急列車の普悠瑪号の由来でもある。

 普悠瑪広場
祭壇の大石、手前に供え物
尾根上の急坂を下る
休憩後、都蘭山の一等三角点がある山頂へ向かう。ここから頂上へは1km少しだが、途中には小ピークの上り下り、なおかつ道は岩場を過ぎるのでけっこう苦労する。平らな道を少し進み、前方に木立を通して山頂を見ると、大きな下りが始まる。補助ロープのある坂や、大岩のわきを進む。整備された道なので、足元をしっかり見ていけば問題はない。右下方には、樹木がきれた場所から太平洋の海岸線が見える。台東空港の滑走路も望める。偽ピークを通り越し、10時51分3.25Kキロポストを過ぎまた下る。主峰前の最後の急坂を登りつめ、11時24分頂上に到着する。子供も含めた数名のハイカーが休憩している。我々もここで休憩し、昼食をとる。

台東空港の滑走路が見える
最後の急坂を登る
都蘭山山頂
12時27分、長い休憩のあと往路を戻る。普悠瑪広場まえで、後ろから大勢の子供たちもいるパーティに追い越される。みな小学生のようだが、とても元気だ。地元の子供たちだろう。13時30分、普悠瑪広場につき小休憩する。さらに稜線を下り、14時38分稜線を離れ山腹の急坂を下る。15時35分、登山口に戻ってきた。

都蘭山山頂の全メンバー
復路で都蘭山を振り返る、右には太平洋
靴の履き替えなど、山登りの装備をとり、車で下山を始める。11号線を一路北に向けて進む。途中、成功の町で弁当などを仕入れさらに進む。北に向かうにつれて、天気が悪くなり雨が降り出す。19時過ぎに花蓮の街をバイパス道路で通り過ぎる。蘇花公路から5号高速道路を経て、22時40分台北に戻った。

北上するにつれて天気が悪くなる



都蘭山は往復で約8㎞の山登りだった。稜線上での登り下りがあるので、累計の登攀は約770mだ。道の整備がしっかりされているので、道の程度はクラス2、体力的にはクラス3というところだ。台北の自宅に戻ると、ニュースで先ほど通り過ぎた花蓮近くで地震が発生し、蘇花公路では落石があり一時道路封鎖となった。ほんの1時間ぐらいの差で危うくその日のうちに台北に戻れなかったかもしれない。前日の浸水營古道でもまたこの都蘭山でも天気はOKで、地震のことも考えると本当にラッキーだった。なお、この文章を記している今は、戻った二日後2月6日にまた花蓮で大きな震度6の地震が発生し大きな災害が発生している。

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