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崩山大崙山頂にて |
台北から近い新北市石碇区の山々は、いままで何度も訪れている場所で、ほぼ歩きつくした感がある。しかし、それでも未踏の道や場所も残っている。今回は、落ち穂拾い的なその未踏の場所の歩きである。すでに訪れことのある崩山大崙をそのふもとから大崙古道をへて登頂、その後稜線鞍部を介してつながっている皇帝殿へと向かい、蝙蝠洞と朝天洞を訪れて下山した。そのきっかけは、大崙古道の最近の道整備にある。
5月も半ばになり、気温もだいぶ上がってきて30度を超すことも多い。午後になるとにわか雨が降ることも多くなってきている。そこで、それほど時間をかけずに下山できることが大切だ。今回は、下山してバス停に着き、待っている間に大粒の雨が降り出した。幸いなことに、降り出して2,3分でバスがやってきて、ぬれずに済んだ。
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南側から出発 |
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景福街バス停ではすでに行列 |
山は早く出発するに越したことはない。今までの経験からして、通常の場合は正しい。華梵大學行きの666番バスを始発点の景福街バス停から乗る。最近では登山者が多く乗車する。本日の下車点土地公廟バス停まで50分ほどかかるので、早めにバス停で待つ。7時48分発のバスが定刻通りやってきた。今日は参加者5名で、都合6名パーティだ。バスは木柵を通り、山に入っていく。下山予定の皇帝殿バス停を過ぎ、トンネルを抜け8時40分、土地公廟バス停で下車する。
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土地公廟バス停で下車 |
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右の階段が大崙古道入口 |
支度をして出発する。大崙古道は、バスで来た道を少し下ったところだ。階段で古道が始まる。数分登ると、茶畑が右に広がる。ちょうど茶農夫婦が茶摘みをしている。挨拶をしてさらに進む。苔むした石段が現れ、古道の趣が増す。道をふさぐ倒木などは、しっかり切り取られている。歩き始めて20分ほどで、勾配がゆるくなり山腹を進む。9時14分、舗装路に出て左に曲がり、道なりにいく。ヘアピンカーブを曲がり、その先にある土地公で小休憩をとる。
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茶畑で茶農夫婦が茶摘み作業中 |
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緩やかになった古道を行く |
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この土地公廟で小休憩 |
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古道後半部入口 |
舗装路をさらに少し行くと、左に古道の後半部分入口がある。勾配が増した道は、一度右に茶畑を見る以外は、森の中を行く。9時43分尾根上に上がり、右に尾根を追っていく。数分で、左に皇帝殿方向への分岐を過ぎる。先に崩山大崙へ往復するので、右に尾根道を進む。途中のコブを超え、9時54分山頂(標高568m)に到着した。筆者は二回目の登頂だ。
前回は反対の華梵大學方向から登頂した。
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尾根へ最後の急坂を登る |
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分岐部、先に右へ崩山大崙山頂へ向かう |
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崩山大崙山頂が見えた |
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草がかぶさる急坂を下る |
15分ほどの休憩後、往路を分岐へ戻る。右に道をとって下り始める。道の状態は、登ってきた古道の比べるとよくない。この道を歩く登山者は多くないようだ。ただ、急坂にはロープが取り付けられ、つい最近刈られたような草もある。下っていくにつれ、樹木越しに見える対面の稜線が高くなっていく。10時32分に、峠を越えていく舗装路に降りる。右に少し行くと、左側に山道入口が開く。付近にはバイク2台と車が止めてある。
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対岸の稜線が高くなってきた |
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道路前の最後の急坂 |
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舗装路にいったん降りる |
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林投のトンネル |
登り始めてすぐ、しっかり切り取られた林投のトンネルをくぐる。林投は、トゲなどはないが道を覆い隠し、もし刈られていなければ足をとられて大変だ。道は送電鉄塔の下を過ぎると、勾配が増す。登っていくと、前方に二人の歩行者がいる。空身でちょっと様子見に入ったと言う。その先、右に下る場所で一人の登山者とすれ違う。今日は、道整備に来たという。先ほどの刈れた草は彼の作業のようだ。ありがたい。11時少し前に、急勾配上りの前で休憩をとる。
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鉄塔の下を行く |
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勾配がきつくなった |
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先を行く空身の登山者 |
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急坂を登る |
朝天洞の尾根までは、高度差100mほどだがとても急だ。途切れることのないロープを頼りによじ登る。幸いロープはまだしっかりしている。11時30分、狭い尾根上の分岐に着いた。この尾根は
13年前に訪れた以来だ。全員があがってくるのを待ち、右に蝙蝠洞方向へと尾根を登っていく。この尾根道を行く登山者は、石段道の登山道に比べれば少ないが、先ほどの崩山大崙からの道よりは状態がよい。十数分ほど登り、右へ蝙蝠洞へ道を分ける小ピーク上で昼食休憩をとる。
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枝が邪魔をする |
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稜線の分岐に登りついた |
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尾根上をさらに登る |
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食事後蝙蝠洞へ向かう |
12時13分、蝙蝠洞へ向け急坂を下る。左に山腹を巻いてくる道に合流し、小ピークを超えると右に蝙蝠洞への道が分岐する。ここもさきほどの急坂と同じようにロープを頼りに少し下り、その後右へ山腹を下っていく。12時34分、蝙蝠洞の真下についた。洞窟はかなり高い場所に大きな洞穴を開いている。3年前日付の道標がある。その後おそらく雨などで押し流されたようで、今は洞窟の下まで行く踏み跡はない。訪れる登山者も少ないのだろう。慎重にザレを登っていく。メンバー二人が直下まで登りついた。洞の天井にはその名の通り蝙蝠が多くぶら下がっている。
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蝙蝠洞への分岐表示 |
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山腹をトラバース |
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ザレを登る |
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蝙蝠洞 |
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尾根道をさらに下る |
往路を戻り、先ほどの昼食ピークを通る。さらに下って13時47分朝天洞についた。13年前は草に囲まれた穴の周囲は、きれいに草が刈られていて新しい地名板も取り付けられている。10年以上の歳月の間に、訪れる人が多くなったことも関係している。先ほどの食事の際には、谷を挟んだ対岸の皇帝殿西峰~東峰の主稜線方向から登山者の歓声が聞こえてきたが、このルートでは一人も出会わない。
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朝登った崩山大崙が対面に |
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朝天洞にて |
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稜線から下る |
10分の休憩後下山開始だ。尾根をさらに10分ほど下り、右に谷へと下り始める。尾根をそのまま進んでも下山できる、13年前はそこから登ってきた。急坂を下ること約10分、石段の官製歩道にひっこりとでる。左にさらに下り、14時15分東峰登山口へと下りつく。商店が営業している。それだけこのルートの登山客が多いのだろう。舗装路をさらに下り、途中の涼亭で小休、そしてそのすぐ下の聖媽宮の水道で顔を洗ったりする。15時5分、朝バスで通り過ぎた皇帝殿バス停に着いた。
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石段道を下る |
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官製登山道入り口 |
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聖媽宮,以前は前庭の屋根はなかった |
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皇帝殿バス停で待つ |
先に5名ほどの登山者がバスを待っていた。数分待つと雨が降り出した。幸い2,3分ほどで華梵大學からの666番バスがやってきた。このバスは座席数が多いバスだ。窓の外は大雨が降り続いている。16時少し前にMRT木柵駅につき、MRTにて帰宅した。
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車窓外は大雨 |
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距離7㎞弱、登攀550m、下降620m、休憩を含み6時間20分であった。特に休憩が多いわけではないが、距離や登攀高度に対して時間がかかっている。それはルートがちょっと骨が折れることが主な理由だ。皇帝殿はその昔から台北付近低山中の三大岩場山の一つといわれてきた。今は、だいぶ安全処置がとられているが、それでもそれなりのチャレンジがある山である。
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