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2012-03-03

2012年3月1日 烏來山-大桶山縱走

大桶山忠治登山道入口
烏來の山は今回はじめて登る。台北を取り巻く山としてみると、烏来の山々は前衛の山々の後ろに控える奥まった山である。前衛に位置する山とは違い、台北の街はもう見えない。前回の直潭山は前衛の山で、稜線から台北を俯瞰することができたが、今回の山行では台北方向は、これら前衛の山のひとつ獅仔頭山が見えるのみである。また、 烏來の山は標高も相対的に高い。台湾の背骨を形成する雪山山脈などに連なっていく山である。

烏来の山々は奥まったところにある
左下の烏来から出発(クリックで拡大)
烏来山(標高820m)や大桶山(916m)はこの烏来山塊の中で、一番台北に近い山である。台北からの交通アクセスの利便もあり、登山客も多い。大桶山は、登山道が5つあるが、ひとつは不通になっているようだ。今回は、烏来バス終点の脇にある妙心寺の近くから取り付いて烏来山に登り、尾根を縦走して大桶山へ、その後北方向に伸びる尾根を行く忠治村への登山道を下った。烏来山への登りは、等高線が立て込んでいる、標高差700m弱の非常に急な登り一本の道で、地方行政のメンテなどは無いような、自然に近い道である。一方、大桶山から忠治村への道は、石畳ではないが枕木を使ったよく整備された道である。大桶山山頂の看板では烏来山への道には入らないように、という注意書がしてある。実際、補助ロープがかかっている岩場などが結構あり、尾根道部分は幅も狭いので、山慣れていないと危ない。特に下りに選ぶと、雨の日などは大変苦労するだろう。

車窓から見る大桶山と南勢渓
冬のころに比べると、晴れの日が多くなっているが、それでも数日降り続いた雨が途切れ、晴れ間が訪れた。朝7時前に自宅を出発、公館から849番バスに乗る。前の便が出た直後のようで、15分ぐらい待って乗車した。それでも便数が多いので気楽だ。前回と同じように新店MRT駅で、バスは満員になる。新店渓に沿っていくと、霧が晴れ始め大きな山容の大桶山が姿を現した。直潭山登山口の民壮亭を過ぎ、新下亀山橋を越えると南勢渓に沿っていく。大桶山が近くに迫ってくる。公館から約1時間、8時半に烏来終点に到着した。

出発点の烏来バス停と脇の妙心寺山門
身支度を整え、バス停の直ぐ脇にある妙心寺の山門をくぐり登り始める。しばらく行くと左に石段がある。登山クラブのリボンがかかっている。ここが登山道入口である。はじめは水管に沿って道が続き、大きな青色の水タンクがある場所にたどり着く。道はさらに山腹に沿って延びていくが、登山道は角を曲がった直ぐ右から登っていく。ここから烏来山前峰まで、途中標高550mぐらいから少しの間なだらかになる以外は、ほぼ一本の急な登りとなる。ただ、道幅もそこそこあり、結構歩かれている感じだ。道は落ち葉などがたくさんあるが、数日続いた雨降りの後でも、ぬかるみはない。しばらく行くと、補助ロープがある急な登りも現れ始める。登りはじめて30分ぐらいで、柱だけ残った道しるべがある。かなり前に地方行政が道しるべを立てたのだろうが、メンテされていないので朽ち果てたのだろう。同じような道しるべは、まだ標識の腕が残っているものもあるが、大桶山まで数箇所あった。

登って間もなく現れる水タンク

登山道は補助ロープ箇所が多数ある


やせ尾根を行く
尾根上の岩場
歩き始めて約1時間で、烏来山の西にのびる枝尾根に取り付く。さらに30分ぐらいいくと、太陽光がさしてきて、山道は明るくなる。途中、何度も手も足も使って登る場面が出てくる。中国語で山登りは「爬山」とも言うが、「爬」とは這うことである。この山道はまさに文字どおり手も足も使って登らなければならない。木の根やロープをつかむので、手袋は必須だ。登りはじめて1時間半、標高を約450mぐらい稼いだところで、道はなだらかなのぼりとなった。ここは尾根幅も広い。気楽な道だ。しかし、それも約10分ぐらいで終わり、また急なのぼりとなる。左に木々の間から大桶山の大きな山容が見え隠れする。尾根の幅も狭まり左右は切り立っている。そこに岩場が出てくるので注意が必要だ。朝方雨が降ったのだろうか、岩は湿っている。木々が途切れた岩場は、つかまる根もなく、ロープが頼りだ。登りきると下の谷間に出発点の烏来集落が展望できる。向かい側は拔刀爾山(標高1117m)だ。その後ろには卡保山(1582m)、北插天山(1727m)の山脈が続いている。この場所から、さらに登ること25分、11時15分烏来山前峰に着いた。途中、左に木々の間から獅仔頭山,東獅仔頭山また、獅仔頭山から延びる尾根上に造成された大台北華城が見えた。

獅仔頭山・東獅仔頭山、右にのびる尾根にある建物群は大台北華城

岩場の上部から見る烏来集落と背後の拔刀爾山、左奥のとがったピークは卡保山
烏来山前峰(789m)は、西の烏来方向に開けているが、その他は木々に周囲を覆われている。そこそこ広く、数人が休憩するにも十分だ。それまでほとんど休憩に適したところが無いので、ここはよい休憩場所だ。食事休憩とする。登り一本だったので、けっこぅ疲れた。天気もよく、気温も程度で快適だ。休憩後、烏来山に進む。少し下った後、またやせ尾根の登りがあるが、15分で烏来山(820m)に着いた。頂上は、山道から少し離れた左に登ったところにあるが、周囲はすべて木にかこまれて展望はまったく無い。そこそこに山道へもどり、大桶山に向けて進む。

烏来山前峰頂上
道脇の花
道は今までの東から北方向になる。左には、これから行く大桶山が大きく見える。頂上には設置されている通信設備のアンテナも見える。尾根は幅が広くなり、登りはあるものの烏来山前峰までの部分に比べるとずっと楽だ。数十メートルの小ピークを2つほど越えていく。ピークの上から南方向が開けて見える。内洞林道が山腹を走る大保克山が対岸に控えている。ピークから下り鞍部につくと朽ちた道しるべがある。道しるべは標示板が残っており、大桶山方向2.8kmとなっている。ただ、これは反対方向の烏来まで2.8kmの間違いだろう。歩いていみれば、ここから大桶山まで1kmもなかった。途中にはもうひとつ大桶山方向0.5kmという道しるべも立っているが、これのほうが正しいのだろう。鞍部からは、標高差100mをゆっくりした山腹の登りを行き、12時50分、烏来から登りはじめて約4時間で、大桶山(916m)頂上に到着した。
稜線から南方向を見る、大保克山
大桶山、頂上にはアンテナが見える
大桶山への鞍部と朽ちた道標示
広くなだらかな大桶山頂上は、通信設備が設けられている。周囲はすべて樹木で覆われて、景観はまったくない。奥まったところから、忠治村へつながる別の道が始まるが、ふさがれている。注意書きにはこの道は崩れて不通とのこと。頂上で2度目の休憩をとり、少し食事をする。休んでいるうちに、忠治村方向から、登山客が登ってきた。今日はじめて出会う登山客である。話によると、登りの途中で烏来山を経て下ってきた、別の登山客とすれ違ったそうだ。結構登山客がいるものだ。

大桶山頂上

杉の美林を下る
30分ほど休憩した後、下り始める。ほとんど平らな道を大桶山東峰に向かっていく。道はかなりぬかっている場所もある。数分で落鳳山への分岐についた。道案内には東峰を指しているものもある。とりあえず行ってみると、ほんのわずかで三角点があった。ここが東峰だろう。ただ、ピークでもなければ景観もない。三角点ハンターには意義があるだろうが。大桶山は頂上が大きな山容である、ここまで全体が頂上というところだろう。分岐に戻って、下り道を下る。周囲は杉の美林である。以前陽明山系の頂山付近で広範囲の杉林を見たが、それにくらべるとこちらは樹齢が若いようだ。道は、雨水が流れる溝になってしまって、土が結構掘れてしまっている場所もあるが、そのうち枕木が現れ始め、歩きやすくなる。大桶山頂上から下ること30分で、桂山路への分岐点を過ぎる。ここから道は北へ延びる尾根上を行く。

危険地帯の案内
少し下ると、危険地帯という標識のある場所をすぎる。手すりのロープがはってあり、標識には速やかに通り過ぎるようにと書いてあるが、烏来山の登り道のほうがはるかに危険である。少し登り返すと、この地帯特有の豆腐石という風化についての説明板がある。この後は、ほとんど下り一本である。枕木の階段の後には、砂利がしいてある平坦部分も現れる。烏来山登山道と比べたら、ここはさしずめハイウェイだ。砂利道が終わるところで、右に四崁水山への山道が分岐するが、何も標識がないので注意しないと気付かないだろう。ここから、道は北西方向へと下る。枕木の下り道が終わると、道幅がとても広くなる。舗装されていない産業道路のようだ。2時50分、登山口についた。泰雅族の男女のレリーフが入口の左右に取り付けれている、とても立派な入口である。ここまで、烏来から約6時間10分、残るは舗装路を忠治村のバス停まで下るだけだ。

快適な砂利道ハイウェイ
産業道路を下り始め振り返ると、大桶山が大きい。右に尾根が下がっていく。烏来山はこの尾根の後ろで見えない。歩き始めて間もなく、後ろから車がやってきた。先ほど大桶山で出会った登山客のLさんが、登山口近くに泊めておいた車を運転して下ってきた。Lさんは私のところで、車を止めて便乗を申し出てくれた。目的地が違うので、新店までだがとても助かった。話によればLさんも、一人でさまざまな山々を登っているとのこと。日本の富士山や白馬山なども登った経験があるそうだ。

下りの産業道路から振り返ると大桶山が大きい
今回は、最後の産業道路部分は便乗させてもらったので、予定より少し短くなったが、歩行距離約7km、時間は休憩も入れて6時間半である。距離の割りに時間がかかっているのは、まさしく登りの烏来山登山道が非常に急な登りであることの結果である。春の訪れで、虫たちの活動が始まっている。森の中で風が無かったため、頭のまわりを虫が飛び回りうるさかった。道端の花も咲き始めている。

高度プロファイル、登りが急だ
烏来の山は、ひとことで言えば、山が深い。烏来集落から直接取り付けるような今回のような山であれば、まだよいが、少し奥まった高い山は一人で行くのは控えたほうがよいかもしれない。それでも、こうした条件でもあと2,3箇所登れる山がある。台北からのアクセスも便利なので、またそのうち登りに行こう。登りはきつくても、下りが楽なルートであれば、心配が少ない。

2012-02-13

2012年2月12日 新店直潭山 四分子産業道路経由で下る

獅仔頭山から見る直潭山、右手前は東獅仔頭山とその尾根
直潭山は台北盆地を取り巻く山のうち、判別しやすい山である。稜線上にはいくつかの送電線鉄塔が、頭の上にさされたかんざしの如く建てられているので、特徴がある。自宅の近くから南方を見ると、手前にたたずむ低い山の奥に標高729mの直潭山が控えている。今までの登山では、獅仔頭山の登りで、北東方向に東獅仔頭山のすぐ左側奥に並んでいた。今回の登山は、下山路に四分子産業道路を経由したが、木々のあいだから新店溪をはさんだ対岸に去年11月に登った獅仔頭山の山々が見えた。

台北の南方にある直潭山、左は獅仔頭山
ルート、ただし前半登り部分は記録なし
今回は、今後烏來の山や直潭山に連なる山塊縦走の下見の意味も含めて行って来た。烏來行きの849番バスは、便数も多く便利である。家からは公館で乗車し乗り換えなく、そのまま目的地までいける。休日であることも関係するのか、往復ともにバスは混んでいた。

民壯亭の登山口
家を7時に出発、849番バスに乗車。バスはMRT新店駅で乗客が大勢乗り、ギュウギュウ詰め満員となる。新烏路に入ると道はカーブが多くなり、勾配もきつくなる。ほとんどが烏來までの乗客なのだろう、直潭山の登山口民壯亭で下車したのは、自分も含めて二人だけである。時刻は8時15分、青空が谷あいから見える。数日間の冷たい雨の後、また好天となった。

登山道登り始め、民壯亭方向をを振り返る
小沢を渡る
ここから直潭山へは、すぐに山道になる直潭山からの南尾根を登る道、南西の谷あいをいく舗装路を登って二龍山、長春觀から直潭山の西尾根を登る道の2つがある。これらは新北市の直潭山登山道としてメンテされている。今日の行程は、南尾根の道を登り、西尾根を長春觀まで下り、その後四分子産業道路を経て金興路口バス停まで歩いた。


枕木の階段
民壯亭バス停から、新下亀橋方へ歩き左に分岐する道をわずかに入ると、左へ登る道がある。ここが登山道入口だ。新北市の登山案内板は、しばらく登っていった上にある。ここは小さな印が民家の壁に張られているだけなので、注意が必要だ。石階段の下に一匹の三毛猫がじっとこちらを見ている。階段を登ると、右奥に山体の大きな大桶山がある。道は、はじめしばらく畑などの脇をところどころ現れる枕木階段や土道を上っていく。振り返ると民壯亭の家々と新店溪が見える。登ること15分ぐらいで、人里を離れ山道となる。送電線鉄塔の下をくぐり、さらに行くと小沢を2箇所渡る、2番目の沢は大水のとき削られてしまった道の部分に丸太で橋が掛けてある。長い雨のため、道はところどころぬかっている。森も全体が湿っている。

隘勇寮遺址
山腹のジグザグ道を行き、登りはじめて1時間ぐらいで南尾根に取り付く。風が結構強く吹いて、山が鳴いている。さらに登ること30分で、隘勇寮遺址(標高515m)についた。ここは尾根が平らになっている。残り200mぐらいの登りだ。隘勇寮とは、昔大陸から移民してきた漢族が、原住民の泰雅族からの攻撃に対し、警戒する警備人員のために設けた小屋である。台湾開発史の証人だ。ここの遺跡は、他の場所と同じように石を積み上げた壁が残っている。
補助ロープの登り

662mの無名ピークを過ぎると登り下りをして、稜線上の小ピークを二、三つ超えていく。補助ロープのある登りも現れる。10時40分、民壯亭から約2時間20分で直潭山についた。山頂は、計測器や通信用の設備,小屋が設置されている。周りは木々が立ち並び、視界はほとんど利かない。高曇りで雨は降っていないが、空は雲がかかっている。食事をとり、休憩する。

直潭山山頂
急な下り道
他には誰もいない長細い山頂から下り始める。直進すると暗寶劍山へ続く稜線上の縦走路、左に折れるとこれから下る直潭山の東尾根の道である。この尾根は登ってきた南尾根にくらべるとやせている。急な土の下り道が現れた。ここは木々が切れて正面に台北の街が、さらにその先には観音山や大屯山の山並みが見える。濡れている道は滑りやすい。補助ロープがあるので助かる。下から人の声が聞こえてきた。5人のパーティ、また続いて4人のパーティとすれ違った。それほど人気があるとは思えない直潭山でも、休みには結構登山客が来るようだ。

さらに下り道が少し平らになった先に、台北側に木々が切れている場所がある。ここは今回の山行中、最良の景観を見れる場所だ。下には碧潭や新店の街がある。それから広がる中和、永和や大台北全域が見える。淡水の河口やその先の海も見える。右側には台北101ビルと南港山まで俯瞰できる。ここで、いつも歩いたルートを記録しているAndroid携帯電話のMy Trackプログラムが停まってしまっていることに気付いた。残念なことに再開すると、それまでの記録が消えてしまった。

大台北全景(クリックで拡大)
下り道の分岐点案内
また、急な下りをくだると、右に花園新城方面への道への分岐点がある。古い道案内では二龍山まであと2.1kmとある。このあたりは尾根幅が広がってきた。途中、また右への分岐を過ぎ、10数分ほど下ると茶畑がいきなり現れた。道は茶畑の中をいく。結構急な下りはまだ続くが、竹林が現れると程なく山道は終わりだ。12時半、山頂から約1時間半で長春観の登山口についた。カラオケの歌声が聞こえてくる。大桶山やその右には拔刀爾山や獅仔頭山から南西に延びる稜線の山々がある。ここで少し休憩する。

長春観の登山口
大桶山が見える(左の大きな山塊)
長春観から舗装路を下ると、犬が吼えている分岐についた。ここを福徳祠の山門をくぐって左に行けば二龍山を経て新烏路に下る、右に行けば四分子産業道路である。犬は近づくと吼えるのをやめ、この分岐を守る主であるかのように、また道の真ん中に座った。

二龍山、四分子産業道路の分岐点
四分子産業道路は、山腹沿いに花園新城方面につながる。ところどころ道端に休憩所が新設されている。果たしてここで休む人がいるのかどうかわからないが、車両の往来も少なく歩くには快適だ。木々の切れ目から、下には新店渓、その対岸には東獅仔頭とそれから降りる尾根、獅仔頭山から大邱田山へと続く尾根が見える。前回行く手を阻まれたあたりの大邱田山人口砂防壁もみえている。緩やかな下り道を数分行くと、今度は角度がかわり台北全体が俯瞰できるところに出た。この道を選んだのは正解だ、気楽に時々広がる景観を見ながら歩ける。二龍山への分岐から10数分で、つづら折の下りが始まる。これを下りきると永福路との分岐に着く。ここを左にさらに下ると、金興路へとつながる。山櫻の花が咲いている。ここまで来ると下に家々や新烏路や花園新城の入口が見える。小岡の向こうには観音山が見えている。分岐から約1時間、14時少し前に新烏路についた。バス停で待つことわずかで849番バスがやってきた。バスは満員であったが、MRT新店駅でほとんど下車した。

四分子産業道路から見る東獅仔頭山(左)と獅仔頭山、手前は新店渓

金興路に咲く山櫻
今回の行程は約10km、標高差は約660m、休憩も含めて所要時間は5時間半である。ネット上の情報では、頂上の景観がないことがわかっていたので、それほど期待していなかったが、登山路上で見ることができた景観は台北の街や周囲の山もはっきりわかり、とても良かった。標高差600数十メートルの登山はそれなりに登りがいがある。改めて縦走する場合は、時間に余裕を持ってきたほうがよいだろう。

2012-02-07

2012年2月5日 內湖大崙尾山-大崙頭山-白石湖山-龍船岩縱走

今冬は雨降りの寒い日が、例年に増して長く続いている。寒波が緩み、久しぶりの青空が戻った。次の寒波が襲来する前、中休みを利用して内湖の山へ登った。今回は台湾ではじめて山登りをするH氏が同行する。台北近郊の山を知ってもらう目的で、アクセスが簡単で変化のあるコースを歩いた。大崙尾山から歩き始め、北東方向へ五指山への稜線を行き、碧山から南方向に折れて白石湖山、龍船岩をへてMRT大湖公園駅へ縦走した。

内湖の山は台北の町に近い、右は前回の新山
左の中社路登山口から大湖公園駅まで歩く(クリックで拡大)
霧の中の登山口
内湖の山は、昨年5月以来だ。台北の街をはじめ陽明山塊も間近に見える展望台の大崙頭山もあり、登山客が多い。久しぶりの晴れの休日で、大崙尾頭山や龍船岩から下の道は多くの人とすれ違った。この2点の中間部分は、もともとあまり歩かれていない部分で、連日の雨でかなりぬかった山道も多くあった。道しるべのリボンはかなりの数がかかっているが、方向を示す標示が少なく、五指山と白石湖山との分岐で、少し迷った。また、白石湖山から龍船岩への下りでも、本来は開眼山を経ていくつもりであったが、開眼山へ続く枝尾根のひとつ前の小尾根を下る道へ入りこんで、結局先に一度碧山路に出たあと、龍船岩歩道を経て龍船岩へ行った。

霧を通して 朝日が 差し込む
今日はMRT大直駅からスタートだ。朝8時過ぎにH氏と落ち合った後、棕13番バスで外双渓の中社路にある大崙尾山登山口に向かう。昨日もよい天気だったが、そのためだろう空気中の水蒸気が多くなり、朝は霧が濃い。自強トンネルを抜け、外双渓の谷を中社路へ登っていくと、視界がきかなくなる。9時に登山口でバスを降りると、あたりは霧のなかだ。

行程のはじめに歩く台北市の親山歩道は、しっかり整備されている登山道である。石段の登りが続く。途中道脇に、訓練に使うのだろうか、石製ダンベルや担ぐために紐がくくりつけてある60kgと記された石がおいていある。15分ほど石段を登ると、右から来る細い舗装路に合流し、これを進むとガジュマロ大樹の広場があった。太陽が顔を出し始め、あたりは木漏れ陽が霧に映るファンタジーだ。広場からまた石段の登りが始まり、さらに登ること15分、9時半に大崙尾山(標高451m)についた。広い山頂の左側にある小屋からは、双渓の谷を埋める雲海の上に頭をだした大屯山や七星山の山並みがくっきり見える。雲海のなせる業だろう、とても1000mを少し越えるだけの山とは思えないほど立派な山容だ。

大崙尾山から見る雲海に浮かんだ陽明山塊、左から面天山、大屯山、七星山

碧山路との合流点
大崙尾山から石段の道を下る。途中木々の切れ間から、次に登る大崙頭山が見える。霧はすっかり上がり、晴天の登山を約束している。スタンプ台がある九蓮寺方面への歩道と合流点を過ぎ、左に碧渓産業道路へ下る山道が分かれると、すぐに碧山路の峠部分に着く。多くの車が駐車し、遊山客が多い。前回5月に来た後に道路整備がされたのだろうか、立派な歩道が舗装路の脇に造られている。この道を行くと外双渓側に展望台もできている。碧山湖の脇から大崙頭山への登りが始まる。石段の道とその左に土の道がある。どちらも頂上へ続くが、土の道は濡れて滑りそうだ。登ること15分、10時15分に大崙頭山(475m)に到着。広い展望の利く頂上は、登山客が多い。展望台へ登り360度の展望を楽しむ。雲海はすっかり上がり、双渓の谷底も見える。台北側は101ビルがかすみの上にその頭を浮かべている。背景にかすかに見える山は新店獅頭山だろうか。内湖や汐止の方向は、霧がまだ十分上がっておらず、ぼんやりしている。これから進む五指山方面や、白石湖山などは目の前に続いている。

大崙頭山展望台からの眺め
土の山道が始まる
30分ほど写真を撮ったり、腹ごしらえをして休憩した後、北へ向かって出発する。石畳の道を下るとすぐ左に枕木歩道が分岐、さらにいくと右と左に道が分岐する。左は昨年5月に登ってきた森林木桟歩道である。石畳の道は、それから2,3分ほどいくと右に恒禅光寺方面へと下っていく。ここからは、土の山道が始まる。連日の雨のため、山道は結構ぬかっている。稜線は広く、森の中をいく感じだ。大崙頭山から15分、道は渓山里山方向へ直進するが、五指山方面はここを右に折れる。「大崙頭山友会館」とある小屋の脇を下る。補助ロープが張っている登り下りを過ぎる。

白石湖山と指している道しるべ
分岐から20分ほどで、古ぼけた道しるべが立っている分岐についた。ここの分岐は左に五指山と右に白石湖山を示している。実際に歩いたあと軌跡を見てわかったのだが、この白石湖山という指示は間違っている。この指示にしたがってここで右に取ったのだが、結局遠回りをして左に行ったと同じ道に合流した。なぜこんな指示になっているか不明だ。白石湖山そのものもまだまだ先である。ただ、Google地図ではこの近くが「白石湖山」と記されており、われわれはこの指示板にしたがって、間違った白石湖山をぐるっと迂回したことになる。途中、岩の上に造られたビニールシートが掛けられた小屋のようなものを過ぎたが、これも何のためかわからない。

道脇の土地公
森の道は、マウンテンバイクも通ったあとのある広い道に変わる。脇に土地公の古い石の祠がある。その少し先に右に登る切り通しがある。これを登ってみると反対側にまた山道がある。実は、そのままこれを右に取るべきであったが、前の間違った道しるべのため少し方向の勘違いをしており、左へといった。道は産業道路で途切れ、反対側にまた山道が続いているが、そこの道しるべは五指山方面となっている。これで何かおかしいことに気付いた。産業道路を右に下ると、五指山公路があった。時刻は12時15分、とりあえず五指山公路脇の石のテーブルで腹ごしらえをする。テーブルには汐止公所製と刻まれている。

石像のある峠
食事小休憩のあと、降りてきた産業道路を登り返す。峠には二体大きな石の神像が向かい合って置かれている。だれが何のために据えたのだろうか。五叉路となる峠から向かい側下る道を行ってみたが、間もなくこれは間違いと気付いた。この道は内双渓へと下っていく道である。結局、先ほど本来右に取るべきであった道を進む。ちょうど反対方向からやってきた登山客に聞いたところ、間違いないこと確認できた。この付近は先ほどの古い指示板以外には方向を示す道しるべがなく、はじめて通過する時は少し注意が必要だ。

四叉路、中間の道を行く
道はところどころ石畳になっている、しばらく行くとこの石畳の道が急に左に下がっていく四叉路についた。脇の古い道しるべは、今歩いて来た五指山方向をさしているだけで他には方向を示すものがない。ここは中間の尾根を行く道を取った。左はどうやら五指山公路へ降りる道、右は碧山路56号へ降りていく大崙頭山古道のようだ。四叉路分岐から10分で、白石湖山への登りを示す道しるべがあった。少し登ると、458mの白石湖山頂上に着いた。時刻は1時15分。周りは木々で展望はない。そこそこに下り始める。5分ほど下ると、また古い道案内がある。開眼山をさしており、また脇の木の幹につけられた小さな方向札は別方向の道を大邱田山と示している。開眼山の方向へ取り、下り始める。ほぼ下り一本の道であるが、涸れ沢の脇にを行ったりやせた尾根道になったりする。石畳のところもある。下りきると、いきなり碧山路に飛び出た。もともと開眼山を目指していたが、どうやらその前に分岐して別の道を下ってきたようだ。地図上には出ていなかったので、取り違えたようだ。

白石湖山山頂
龍船岩は左に長く下っていく枝尾根の先に、小さく白く載っかっている。緑の海に浮かぶ小船のようだ。ここから龍船岩歩道が続いているので、これを進む。龍船岩の標高は300m、この場所より少し高く、道は緩やかに上る。石畳の道を10分ほど進むと、開眼山から下りてくる道との十字路に着く。ここを右に取り、少し進むと大きな白い龍船岩である。岩にはチベット文字のような文が刻んである。さえぎるもののない岩の上からは、歩いてきた山並みが見える。とんがり山の忠勇山の右奥の大崙尾山から大崙頭山、さらに右に碧山へと続く稜線が延びる。すぐ上は開眼山から下がってくる尾根がある。反対側は太湖、その先には汐止方面が広がっている。太湖脇の高架線を行く、MRTも見える。台北101ビルもかすんでいるが遠くに見える。

龍船岩から歩いてきた稜線を見る、左から大崙尾山、大崙頭山、白石湖山、開岩山
急な下り道
龍船岩からは、急な下りの山道が続く。ところどころ補助ロープなども現れる。半分ぐらい下ったところには大湖方面が展望ができるスポットがある。さらに下ると尾根道から涸れ沢に降り、そのうちみかん畑が現れると、下り道は終わりだ。約30分の下りである。大溝渓を小橋でわたると、大湖から円覚瀑布へ続く沢沿いの歩道と合流する。せせらぎを聞きながら歩くこと十数分、途中鯉魚山からの道と合流し、3時少し前に大溝渓公園に着いた。多くの遊山客が快適な午後の自然を楽しんでいる。公園で小休憩したあと、3時半にMRTの大湖公園駅に着いた。

大溝渓公園、山は鯉魚山
今日の行程は約11.5km、休憩を含んだ行動時間は6時間半である。出発点の大崙尾山登山口は標高が300mぐらいあるので、登りは多くない。一方、大湖公園は20数十mなので、下りは400m以上であった。地方行政が整備している立派な石畳の親山歩道、それほどではないが歩きやすい山道、さらにあまり歩かれていない素朴な道と、同じ行程中にかなり質に差のある道を歩いた。天気にも恵まれ、雲海の陽明山など今までめぐり合わなかった景色も遭遇でき、ラッキーな山行であった。


歩行高度プロファイル