このブログを検索

2013-08-05

2013年8月4日 烏來大刀山-大保克山-信賢步道 行動10時間のハードコース

烏來バス停付近からの望む大保克山
大刀山、拔刀爾山の下りから望む(2012/11撮影)
烏來の山は、台北近郊のその他地区の山に比べると高く、また谷も深い。烏來中心の老街から最も近い大刀山や烏來山も、すでにそれぞれ標高620m、820mと高く急峻な尾根が谷に落ちている。大保克山は、その次ぐらいの位置に属し烏來集落から見ることができるが、標高は1152mある。軽い気持ちで登ると、それこそ痛い目を見ることになる。今回、大刀山から大保克山を登り、内洞瀑布へ下ったあと、谷沿いに烏來に戻った。山道は、三週間前の蘇力台風で倒された樹木や吹き飛ばされた枝や葉がまだ非常に多く残り、ただでさえきつい登りや下りにくい道が更に困難を増していた。道が遮られて、それを乗り越えたり迂回したりする箇所が、次から次えと現れ苦しめられた。見込んでいたいた時間より、二時間多く要して烏來瀑布へたどり着いた。

北の烏來から回遊する、出発点の烏來集落は地図外
左のピークは大刀山、中心のピークは大保克山
今までの烏來登山軌跡
今日の山行きは、常連のRさんとKさんが参加し、三人パーティである。台北を始発の849番バスで烏來へ向かう。MRT新店駅でも乗車可能だが、今までの経験では公館から乗って行くほうがよい。公館バス停に集合し、7時前少し前にやって来た849番バスに乗る。バスはまだ空席があるが、そのうち満席になり新店バス停では空席はすでにない。路上、晴れわたった空のもと、新店や烏來の山々が見え始める。7時50分、烏來バス停に到着する。

啦卡登山步道、説明板がまだ新しい
準備を済ませ早速出発する。正面には老街の建物の奥に、これから登る大保克山が控えている。桶後溪の橋を越え、すぐ左に孝義方向へ曲がる。烏來国小、中学校の下を通り、バス停から約10分ほど歩くと、右に急な階段が登っていく。これを登り、更にもう一つの階段を登る。ジグザグに登っていく車道の近道だ。車道にでて左に進む。8時10分、人家がある。人家の右奥が啦卡登山道の入口だ。はじめしばらくは、南勢溪に沿って山腹を横切っていく。数分歩きやすい道を歩く。ベンチが数脚道わきに設けられている。説明看板が新しい。最近整備されたようだ。ジグザグの登りが始める。木板で造られた階段道が続く。台風でなぎ倒された樹木がところどころ道を塞いでいる。くぐったりしてやり過ごす。

急坂が続く
三十分ほど登ると、左に神木山荘への道を分岐する。大刀山は右への階段道だ。ロープ手すりが現れる。危険なので速く通過するようにという警告板があるが、そんなに危険ではない。階段が終わり、土の急坂になる。雑木林から杉林の中を登るようになる。ところどころ階段が現れるが、急坂が続く。杉が伐採されて視野が開ける。対岸の烏來山が相対的に低くなってきた。歩き始めて約1時間、少し休憩とする。休んでいると、十名ぐらいのパーティーが登ってきた。

対岸の烏來山が望める
アーチ状の幹をくぐって登る
杉林の登りが続く。9時11分、内洞林道側から登ってくる山道と合流する。道はここから稜線上を進む。痩せた稜線の岩場がある。補助ロープがあるので助かる。木の幹が丸く曲がって、そこをくぐる場所がある。自然の力だが、面白い造形だ。急な登りが約20分続いたあと、9時32分、最初の目標地大刀山頂上(標高620m)に着いた。そこそこ広い頂上には通信アンテナとその設備小屋がある。高い樹木に囲まれ、展望は全くきかない。歩き始めて約1時間20分、約500mの高度差を稼いだ。

大刀山頂上
杉美林を通り過ぎる
内洞林道に下り立つ、ここから一般車両通行禁止
十数分の休憩後、内洞林道に向け下る。下り始めてまもなく、右に雲仙楽園に下りる道を分岐する。もし、大刀山の登山で力尽きた場合は、雲仙楽園に下れば後はケーブルカー、トロッコと乗り継いで烏來へ戻れる。左にとり、引き続き下る。杉の美林を通り過ぎまもなく林道に出る。林道の反対側には、拉撲山への登山口がある。藍天隊の道標では拉撲山経由で大保克山まで三時間と記してある。右に林道を進む。鉄の門があり、鍵がかかっている。ここから一般車両は通行禁止だ。対向方向からマウンテンバイクが二台やって来た。門のわきは人が通れる。そこから林道に入る。標高約550mの峠になるここから、内洞林道は緩い勾配で山腹を登っていく。里程7.7km付近の大保克山登山道は標高約700、これを約3キロの距離で登っていくことになる。

林道を行く、前方にこれから登る山が見える
トレールランナーが林道を行く
林道から望む大桶山、左の遠くに台北の市街が見える
がけ崩れ部分を通り過ぎる
大保克山登山口で休憩
幅広い林道は障害物もなく、とても気楽な歩きだ。標高も高いので、右側の木々がきれた隙間からは、遠くの山々が覗ける。5.5kmキロポストを過ぎてまもなく、右側に塩ビパイプが垂直に立ち、そこから水が溢れだしている。沢から引いている水管の水圧調整用の吹き出し口だ。冷たい水で顔や手を洗う。とても気持ちが良い。更に数分進むと、台北市街が見える。台北駅前の新光ビルが目立つ。対向方向から、人が集団で走ってくる。トレールランのランナー達だ。内洞森林園区からスタートしたのだろう。7kmキロポストを過ぎる辺りでは、大桶山とそれに連なる山々が望める。大刀山では高かった烏來山は、ここからだと大桶山の前に低く立っている三角ピークにすぎない。7.5kmキロポストの少し前に、右に降りていく山道がある。これは雲仙楽園に下っていく山道だ。その先少しには、クレーン車と資材が沢山置いていある。近づいてみると、その先林道は大きく山崩れで道がなくなっている。クレーン車などは復旧作業のものだ。崩れた部分に降り、ズルズルの斜面を登り返して通り過ぎる。10時53分、左の草むらに大保克山登山口が現れた。約1時間の林道歩きだった。これから長い登りになるので、休憩し腹ごしらえをする。

倒れた樹木が道を塞ぐ
十数分の休憩後、出発する。大保克山頂上まで、約450mぐらいの落差を登る。入口の様子で見当が着くが、山道は果たして状態が良くない。大刀山登山道に比べると雲泥の差だ。もともとの細い道が、台風で吹き倒された枝などで塞がれる場所がしばしば現れる。もともとの急坂に加え、こうしたところを通り過ぎるのは更に労力を要求される。林道では風があり、とても良かったが、この山道は風もない。汗が全身から吹き出す。帽子のつばから汗が滴り落ちる。登り始めて約50分、12時を少し回った所で少し休憩する。標高差300mほど登ってきた。

落ちた杉の葉が道を覆い隠す
樹相は雑木林から杉林に換わる。杉の葉が沢山地面に落ちて、もともと細い道が覆い隠され、どこが道か見た目では判らない。坂自身はゆるやかになってきたが、障害物は相変わらず多い。12時34分、大保克山頂上(標高1152m)に着いた。まだしばらく先だと思っていたので、最後は少しあっけなかった。しかし、相当苦労して登ってきたので、三人とも頂上に着いてホッとした。今日の行程中最高点である。距離としては、ここが約半分、下りとは言えまだ先が長いのでゆっくり休み、体力を回復する。杉林中の頂上は、涼しい風が吹き抜けていく。

大保克山頂上
杉の尾根道
烏來の街が望める
フワフワした彈簧路を行く
20分ほど休んだあと出発する。下りはじめは緩い坂だ。少し登り返しもある。もともとここが頂上を思っていたところだ。幅広の尾根上には、杉がまばらに生えている。真昼の太陽は上から照るので、林はとても明るい。20分ほど歩いてくる。右下に烏來の街が望める。朝出発の時に見えていた稜線に、今いるわけだ。右が切れ落ちている。ここの地面は、踏むと少し沈む柔らかいものだ。友人によれば、これは彈簧(バネの意味)路といって、樹木の枝と葉が長期に堆積してできたものだそうだ。その先は、多望來山(標高1110m)の頂上だ。ネットの記事によると、本来はここが大保克山で、先ほどの頂上は地図で大保克山と誤記されたものだという。多望來山頂上は狭く、烏來側は樹木が低く木の間から展望ができる。ただ、断崖絶壁になり尚且つフワフワした彈簧土なので、端に近寄るには勇気が必要だ。

彈簧土の多望來山頂上
下り道も倒木が道を塞ぐ
稜線道は、ここから急坂で下り始める。他の場所では補助ロープがありそうな場所でも、ほとんど無く樹木や根などを頼りに下る。急坂を二、三箇所過ぎると、部分的に急な場所もあるが概ねゆるやかな下りになる。ただ、倒れた大木が道をしばしば塞ぐ。葉が着いたまま倒れた大木が塞いでいる場所は、乗り越えたりくぐったりすることもできず、遠回りしてやり過ごすしかない。下りだが時間がかかり、体力も要求される。13時56分、大保克山頂上から約1時間ぐらいの所で、分岐が現れる。左は急坂で内洞林道へ下る道、右は尾根上を進む道である。右の道を取る。14時15分、展望ができるヤセ尾根の部分で少し休憩する。風が吹いて涼しい。尾根の下り道はこれで半分が過ぎた。

杉林に咲く根節蘭の白い花
嫌になるほど倒木が道を塞ぐ
まばらな雑木林の稜線を下り、14時32分、大保克山西峰(標高800m)に着く。下ってっくると山頂という感じがあまりないが、基石が埋められている。登りの場合は、はじめの目標だ。さらに雑木林の下りを行く。そのうち杉林に樹相が換わる。根節蘭の白い花が咲いている。坂が急になると同時に、杉の倒木や折れた枝がたくさん現れ道を塞ぐ。これでもか、というぐらい次々と現れ嫌気がさす。15時18分、下に林道が見えた。三人ともほっとする。おもわず笑顔が溢れる。標高差600m、距離約2キロ強の下り道に二時間を要した。障害物が時間を要した主要原因だ。ここから直接信賢歩道へ下る道がある。少し休憩し、林道を内洞森林遊楽区の登山道に向けて歩く。登山道入口は、低い塀で囲われている。ここから先は、一般観光客は行くなという事である。入口には、今朝大刀山の登りで出会った登山パーティが休憩している。かれらは、林道をずっと歩きてきた、ということだ。

とてもよい遊楽区の山道を下る
森林遊楽区の山道は、さすがによい道だ。下って行くと杉林の中を行く。日本の登山道の雰囲気だ。遊楽客もここへ登ってくるので、すれ違い、または追い越していく。15時57分、遊歩道分岐に着く。約300mの標高差を、道がよいので30分で内洞瀑布へ下ったことになる。先ほどの山道の四倍の速度だ。休日の内洞森林遊楽区は、遊楽客でいっぱいだ。着飾った女性客や家族連れなどが道を行き、汗まみれの我々は場違いな感じだ。滝の見物をして、16時20分、遊歩道を入口へ向かう。南勢渓を挟んで対岸には拔刀爾山が高い。遊楽区入口から出て進む。車道は橋を渡って左岸をゆくが、信賢歩道方向に直進する。しばらくすると左に民宿がある。アイスキャンディーを売っているようなので、立ち寄り買って食べる。とてもうまい。民宿の女将に烏來から大刀山や大保克山を登ってきたと話すと、大変だったねとの反応。確かに我々は少し疲れ気味だ。

内洞瀑布の上段滝
森林遊楽区の遊歩道
アイスキャンディ休憩の民宿、この先が信賢歩道
吊り橋を南勢渓の左岸へ渡る
民宿から少し行くと、右に内洞林道へ登っていく山道の入口を通り過ぎる。見るからに、この道も程度はあまり良くなさそうだ。車止めがある信賢歩道入口を過ぎる。この道はもともと車道であったが、その後左岸の道が造られたので、歩道専用にされたようだ。舗装路はそのうち砂利道になる。平らで歩きやすい。右には、ところどころ滝で沢が流れ込んでくる。大きい滝の前では、大勢の遊楽客が水遊びをしている。十数分歩き、吊り橋を越える。歩道はここで終了だ。この先は、車道わきの歩道を進む。振り返ると、先ほど下ってきた山々が背後に見える。南勢渓は深く、山がとても高く見える。17時17分、道端のあずま屋で一休みする。休憩後、また歩道を進む。トンネルを抜ける。前方に朝登った大刀山の稜線が夕日に光っている。今日の行程は、残り僅かだ。

烏來瀑布に着いた、後方は大刀山の稜線
トロッコに乗る
食事後烏來老街を通ってバス停へ、すっかり日が暮れた
17時43分、烏來瀑布が見えた。商店街の前を行く。烏來トロッコは、この時期は幸いに18時まで運行している。残り1.6kmだが、トロッコでゆけば歩かずにすむ。早速切符を購入、乗場へ急ぐ。我々が乗るとすぐ発車した。トロッコは、かなり速い。谷あいを行くトロッコは楽しいものだ。前方に烏來山が見え始め、約5分の乗車で烏來駅に着く。駅から階段を下り、橋を渡って烏來老街に行く。橋のわきでシャツを着替える。遊楽客がとても多い。屋台の立ち並ぶ通りを行き、左にある翠山飲食店に入る。もちろん、はじめはビールで乾杯だ。山の幸を味わった後、店を出るともうすっかり辺りは暗い。老街の入口近くの分岐は、朝曲がって行ったところだ。19時5分、バス停に到着、19時20分発の849番バスで帰途に着いた。

烏來バス停から出発し、烏來瀑布のトロッコ駅まで19kmの道のりだった。休憩も含め10時間の行動時間だ。休憩は全部合わせても1時間半ぐらいだから、8時間以上歩いている。登攀高度は累計1459m、高度は特に多いわけではないが、今回の山道ではとても体力を要求される登り下りだった。それを反映して、心拍測定腕時計の記録した消費カロリーは、筆者の条件で約4300キロカロリー、やはりかなり消耗している。今回の山道の難度レベルは4+、もし障害物がなければ3~4レベルだが、大保克山登山道は誰も整備していないので、しばらくはこのままの状態だろう。一方、体力要求も4+というところだ。これも障害物の多いことが関係している。同じコースを登る場合は、十分な体力と時間的余裕を見込んで登ることを勧める。


0 件のコメント:

コメントを投稿