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2013-08-03

2013年8月3日 景美仙跡岩 街なかの低山、朝の散歩

溪子口山(景美山)、木柵鵝角格山から見る(2011/10撮影)
台北市はそれを囲む新北市も含めた大盆地で、周囲が山に囲まれている。北側には、台北市の最高峰七星山を含む陽明山山系がある。一方、南や東は標高数百メートルから千数百メートルの山が並んでいる。その盆地の中で、住居、建物にかこまれて立っている、低い山がある。今回の仙跡岩は、標高142mの溪子口山(景美山)を含む山塊にある大きな岩で、八仙呂洞寶の足跡が残されているという伝説だ。溪子口山の山塊は、遠くから見ると建物の海に浮かぶ島のようだ。
東の興隆路から西へ歩く(マウスクリックで拡大)
高度プロファイル
山登りというと、街から離れた場所というのが普通だ。そうした中では、南港山はとても街に近く気軽に登れるが、それでも最高地点は375mある。南港山を挟んだ反対側は、住居も少ないひなびた場所になる。しかし、溪子口山は周囲全部が住宅である。そんなことで、今まで足もとを通り過ぎることはあっても、登ることはなかった。先日、いくつかある登山口の前を通り過ぎた。台北市親山歩道の標識がある。そのまま登っても良かったが、天気が悪くなりそうだったので、改めて今日登った。休日の早朝だが、付近住民や筆者のように外部からの登山者が大勢登っていた。登山路には街灯も設けられ、暗くなっても登山が可能だ。気軽に登れる付近住民の憩いの場でもある。

最近登った台北市街に近い山々
興隆路304巷登山口
ネットでバス路線を調べてみると、671番バスが自宅近くから、興隆路三段304巷登山口近くの海巡署バス停へ行っている。便数も十数分に一本で便利だ。自宅を7時過ぎに出て、金華国中バス停へ向かう。7時15分ごろにバスはやって来た。休日の早朝だ、乗客は少ない。20分ほどの乗車で海巡署バス停に着く。興隆路をそのまま進む。右側に登る山が見える。304巷の入口には親山歩道の案内がある。304巷路地を少し行くと、左に登山口がある。仙跡岩自然歩道とある。山のこちら側は土の道である。

相思樹の登山道
台北市親山歩道のキロポスト
住宅の間に階段の道が始まる。コンクリの階段は、2,3分の登りで終わり、土の道が始まる。広く歩きやすい道だ。相思樹(台湾アカシア)の大樹が多い。春であれば小さな黄色い花が落ちて、絨毯のようになるだろう。約十分登ると、左側に木々の間に遠くの山が望める。稜線上に通信中継塔がある。二格山から猫空尖へ連なる山々だ。更に登りが続く。登山口から十数分で、左に道が分岐する。木柵路から登ってくる溝子口支線だ。8時20分、バス停から約45分。一休みする。

スタンプ台と石畳道


ここから、道は石畳の道に換わる。あずま屋やスタンプ台が現れ、道は稜線上を進む。その先少しで、また左側が開けて望める。今度は新店方向が見える。烏來の拔刀爾山から卡保山、北插天山が連なっている。その手前には、鹿鵠山、猴洞尖から獅仔頭山、粽串尖への山々がある。筆者の住まい近くでも、ビルの間に見える場所もあるが、ここはこうした山々を遠望するには良い場所だ。

新店方向を望む、烏來と新店の山々が背後にそびえる
多くのハイカーが体操や休んでいる
尾根上の山道
道は一旦下り、少し登り返すと木製のテラスとあずま屋がある。大勢の人が体操などをしている。ここは、興隆路から新店へ抜ける懷恩隧道のちょうど上になる。右に登山道が分岐する。尾根上の道は登り下りが現れる。体操道具などが据え付けてある広場がある。右側には台北101ビルとその奥には陽明山山系の面天山から大屯山が望める。手前にある公館山の山腹には共同墓地がある。少し登り返すと、あずま屋がある。ここも大勢のハイカーが休んでいる。

台北101ビル方向を望む、背後は陽明山山系
三角点(右の草の中)と登山桟道
ここからは、永和や新店渓を挟んで公館やその北側の街並みが望める。下りきると右に仙跡廟へ通じる中腹の巻き道と、そのまま尾根を進む道が分岐する。尾根道は最近整備された木製桟橋だ。少し登り返すと道の右脇に溪子口山の三角点がある。時刻は8時40分、歩き始めて一時間である。三角点の反対側には、展望テラスが設けられている。残念ながら樹木が高く、展望は遮られる。
仙跡岩付近から望む、左に中和と背後に南勢角山が見える
仙跡岩、右に101ビルが覗いている
三角点を過ぎると、あとは下りだけだ。桟道を少し下がるとあずま屋があり、そのすぐ右に大きな仙跡岩が座っている。岩の表面にはくぼみがあるが、どれが伝説の足跡なのか。このあずま屋のすぐ下にも別のあずま屋がある。下には、仙跡廟がある。ここの角度からは、新店渓の対岸、中和や永和から板橋方向の街並、そして中和の奥には南勢角山が見えるようになる。登山道には街灯もあるので、夕方訪れて日暮れや夜景を見るのも良いだろう。桟道が終わる所で、左に行く石畳の新しい道と並行して、右に昔からの道がある。こちらを少し行き、休みをとる。

また、石畳の道と合流し、尾根道を下る。景美獅子亭のあずま屋が現れる。右にとれば、山門のある景興路243巷登山口に下りる。そのまま尾根上の道を追っていく。概ねくだりだが、ところどころ少し登り返すところもある。モニュメントのある広場の左側は展望がきく。対岸の木柵の三玄宮山から鵝角格山などを経て待老坑山への山々が望める。その奥は、中嶺山から直潭山への山々だ。その右奥には大きな山容の大桶山が鎮座している。

木柵方向の山を望む
石を囲むガジュマロの根
高度も大分下がってきた。ガジュマルの根が岩を抱えた大石が脇にあるあずま屋を過ぎ、世新大学への道を左に分け、さらに稜線道を進む。最後少し登り返した後は、ずっと下りが続く。最後のあずま屋を見て、左右に分かれる急な階段道を右にとり下る。景興路297巷に降り立った。景興路を進み、景興路243巷登山口の山門前を通り過ぎる。景後街を経て景美駅に9時半に着いた。約2時間の朝の散歩であった。

景興路243巷登山口の山門
標高も低く、歩いた距離も3.2kmだけだ。登攀累計は200mである。登山としては物足りないが、散歩としてはちょうど良いだろう。土の道の興隆路側はトレールランにも良いかもしれない。今日のように天気の良い日は、山の眺めるにはよいルートである。夏でも早朝や、夕方であればそれほど暑くなく、夕方ならば残って夜景を見てから下るのも一興だろう。コースのレベルはクラス1(最良)、体力要求度もレベル2である。お薦めだ。

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