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2013-09-30

2013年9月29日 台北劍潭山-金面山縱走 再度台北市街展望稜線道を訪れる

金面山(剪刀石山)頂上から見る内湖、汐止方向の風景
松山空港の出発待合室から望む、手前の低い山並みが今回縦走の尾根、背後は陽明山山系
台北は山に囲まれている街だ。すぐそばにある山に登れば、市街を眺めることができる。台北市中心と北にある士林や天母とを分ける劍潭山は、台北の景観を眺めるには手頃で絶好な場所だ。一方、内湖区の北にある金面山(剪刀石山)は、内湖から東の基隆方向に向けた山々や谷を眺めることができる展望台だ。今回は、この二座を中間に文間山をはさんで縦走した。

西の劍潭山から東の金面山まで尾根を縦走
高度プロファイル
このルートは、実は2年半前に台北近郊登山をはじめて間もない頃、金面山の尾根末端から登りはじめ、同じく文間山を越え劍潭山へ歩いた。今回は、逆方向に歩いたわけだ。下りは、金面山から南に内湖環山路へ降りたので、ここの部分は異なるが、ほぼ同じコースである。この2年半の間、山道が変わっていた部分もある。大きくは、劍潭山から老地方への土の道が、コンクリ製の立派な幅広の道になっていた。それに伴い、案内板や展望台の設置など、一般行楽客にも歩きやすい環境になっている。

台北市中心の北部にある劍潭山
登山口山門
今回の山行きは、友人5名と都合6人のパーティである。出発点のMRT劍潭駅に9時に集合し、早速出発だ。メンバーの一人Yさんは、愛犬カイを連れての参加だ。今回の行程は、単方向に縦走で、出発点と終點が異なるので、先にバイクで終點に近くに犬と一緒に向かい、反対側に歩いて途中で合流するとのこと。そこで5名で歩き始める。中山北路を渡り、南に進む。人家のすぐわきにある劍潭山は、多くの登山道があるが、我々は山門がある石段道の登山口からスタートだ。数分で山門に到着、急な階段道を登りはじめる。この道は台北市親山歩道でもある。一番下の階段に起点0mの里程プレートが取り付けられている。

展望台への木製階段、わきには沢山施設がある

二、三分登ると分岐がある。この山には多くの寺院があり、そちらに行ける道だ。緩い道になり、山腹を登っていく。十数分で長寿公園に着く。高度差で100mぐらい登って来た。山に慣れていないメンバーも一緒なので、一休みする。再び、石段を登るとまた分岐だ。右が親山歩道でスタンプ台へと続く。この道を取り、しばらく平な道を進む。左に木製の階段が登っていく。展望台へと続く道だ。5分ほどの登りで木製展望台に着く。目の前には、基隆河を挟んで台北の市街が広がっている。最近の不動産ブームで、建設中のビルもけっこう多い。天気もよく、遠くまで見渡せる。2年半の間に登った山々が、街の遠くに並んでいる。

展望台からの台北市街
老地方への道
木枠に砂利が敷いてある緩やかな坂道が続く。劍潭山(標高153m)の端から下り道が始まる。使われていないトーチカが道端にある。下りきると、先ほどのスタンプ台からの道と合流する。ここは、もともと土の道で、置き石がずっと続いていたが、幅の広いコンクリの道になっている。この2年間に、整備がされたのだろう。雨でも滑らずに歩くことができる。子ども連れの家族、若者グループ、老夫婦、さまざまな人達が道を歩いている。尾根上を行く道は、登り下りがあるがどれも緩い坂だ。新しい展望台が、道の右側に設けられている。展望台前の草木が高く、それほど景色が望めない。その先、七美という看板のある場所にくる。椅子が設けられている。ここからは、士林天母方面が望める。陽明山山系の大屯山や、淡水河の対岸に観音山が背後に控えている。すぐ手前では、大きな高級マンションが建設中だ。

2年前のほぼ同じ場所の道
10時22分、尾根道を進むこと約30分、老地方についた。老地方というのは、中国語ではいつもの場所という意味である。休憩のあずま屋や、尾根から南側に大きく突き出たテラスが設けられている。テラス上からは、眼下に松山飛行場が望める。テラスの尖端には、プロペラのようなモチーフが付けられているが、それは飛行場展望台の意味合いだ。

老地方の展望テラスから空港方向を眺める
劍南方向の眺め
休憩後、文間山へ向かう。それまでの人出が嘘のように、静かになる。通北街への道を分岐し、墓地の上を進む。舗装の産業道路につながる。道は下っていく。大勢の登山者が列をなして登って来る。山岳クラブの活動のようだ。数十名はいるだろう。大きなヘアピンカーブで下り、少林寺と記してあるあずま屋を過ぎる。人家のわきを通り登り返して東呉大学キャンパスの上を過ぎていく。分岐を左にとり、ゆっくり登っていく。右側が開けて風景が望める。ここからは、すでに内湖が近い。観覧車のある、MRT劍南駅付近の繁華街が眼下にある。

文間山への土の山道
道は曲がって登る。その部分から土の文間山登山道が始まる。標識リボンがかかっているので判る。ちょうどこの部分で、バイクをとめ反対側から歩いてきたYさんと愛犬に出会った。山道は、今日の行程中もっとも自然に近い状態だ。細い山道が、森のなかを行く。このような山道は、ほかでは珍しくないが、街のすぐ近くのこの場所では特徴的だ。森の中を登っていくと、尾根に取り付き、左側が開けた展望スポットに着く。11時15分、すこし休憩する。ちょうど自強トンネルの上部に当たるここからは、北側に故宮博物院が望める。その背後は陽明山の山々だ。右には尾根続きの大崙尾山が望める。山腹の黄色の大きな建物は、鄭成功廟だ。

文間山への途中、展望点からの展望、遠くに陽明山山系、右の山は大崙尾山
金面山への分岐休憩所
文間山(標高184m)は、一度下って登り返したところだ。基石が埋められている、比較的広い頂上は樹木に囲まれ、展望はない。下り道には、石やスレート状コンクリ板が敷かれている。トーチカのわきを下り、劍南路に出る。車道を外雙溪方向に下っていく。しばらくすると、右に土の道が登っていく。これを登って行くと、大崙尾山歩道の上の方につながる近道となる。そのまま更に車道を下り、鄭成功廟の入口を過ぎてまもなく、大崙尾山歩道登山口に来る。休みの今日は、入口に出店が出ている。入口からは、石段の道が登っていく。円通寺からの道が合流し、道はさらに登る。右から先ほどの近道が合流する。ステンレス椅子も設けられている。12時半、大崙尾山と金面山の分岐部にやってくる。左上のあずま屋では、カラオケが進行中だ。この分岐部は、露天も出ていてとても賑やかだ。近くの広場では、子どもたちがフラフープを回している。あずま屋でしばし休憩する。

金面山はもうすぐだ
15分ほどの休憩後、縦走の目的地金面山(剪刀石山)に向けて歩き始める。内湖への分岐を二ヶ所過ぎ、途中気象観測計器の設置されている小ピークを乗り越える。分岐から約20分の尾根道歩きで、13時5分金面山(標高252m)に到着した。今日最後のピークであると同時に、最高地点でもある。今回で三回目の来訪だが、いずれも良い天気に恵まれた。今日も瑞芳の山々をまで眺めることができる。大石が露出しているこの頂上は、標高が低い割には荒々しい印象で、特徴がある。並行して走るすぐ隣の尾根上の忠勇山が樹木の中であるのと比べると、対照的だ。陽射しはまだ強いが、風が吹いているのですがすがしい。

露出した岩の道を下る
途中展望台からの眺め
Yさん夫婦は、バイクを停めてある場所に戻るため、ここで別れ残り4名で内湖へ下り始める。論劍亭歩道は、岩が露出した道である。金面山から尾根上を下る道も岩が露出しているが、こちらの方が長く続く。晴天の太陽に照らされた岩肌は、熱いが全く滑らず歩きやすい。竹月寺への急坂を左に分け、十数分下る。展望台が設けられている。ここからも内湖の街が広く眺められる。真正面は101ビルだ。夜景を眺めるには良い場所だろう。更に十数分下る。石の道が終わり、まもなく登山道入口に着いた。13時55分、約5時間の歩きであった。台北付近で、このように岩が露出した場所は少なく、ここはその昔台北の城壁用の採石場であった。近くの基隆河へ運び、船で持っていった。住宅が登山口まで建てられている。路地を環山路へ進み、右に折れて西湖方向へ歩く。途中、遅い昼食を路上の小吃店でビールとともに取り、それぞれ帰途に着いた。

登山道入口
歩行距離は9.8km、登攀累計約600mである。最高地点でも252mと、標高は高くないが、台北の街を見て歩けるこのルートは、ハイキングに最適だ。難度としては、道のレベルはクラス1~2、体力要求度は2~3というところだ。台北に観光で訪れた際に、半日旅行で劍潭山 - 老地方、或いは金面山をそれぞれ登るなど、台北を知るにはとてもよいルートである。是非お勧めする。今回のように縦走しても、それほど難しいところもない。ただ、文間山の辺りは土の道で、道標が少ないので、台北の山の初めて登るような場合には、事前に地図を確認するなど準備が必要だ。

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