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2014-07-29

2014年7月26日 陽明山系竹篙山から古道をへて下山 慢集團の道案内

竹篙山山頂での全員集合記念写真、筆者は後列右から二番目
先月はじめ、慢集團活動で荷蘭古道から竹篙山を歩いた。天候が良くなく、予定を早く切り上げた。竹篙山も雨の中、まったく景色はなかった。夏になり台北郊外の山での活動は、かなり暑いなかの山登りになる。そこで、前回展望がなかった竹篙山から、三本の古道(內寮古道、瑪礁古道、內雙溪古道)を経て下り、また沢沿いで涼しい道を歩くルートで案内した。今回は天気に恵まれ、また下りがメインのコースなので時間もゆっくりあり、沢沿いでくつろぐこともできた。
北から南へ歩く、歩きはじめ部分はトレースなし
下りメインのハイキング
冷水坑の登山道入口
陽明山は、台北市街から近くアクセスも便利なので、四季を通じて登山者が多い。夏は特に多く、陽明山の顔、七星山周辺へ行くバスはMRT劍潭駅のバス停に長い行列が並ぶ。今回は、小15番バス停或いは出発点の冷水坑での集合である。小15番バスは、小の字が付いているようにマイクロバスの運行だ。長い行列は、バスが到着しても乗り切れない。増発があり、大型バスも追加運行される。本来は擎天崗が最終点のところ、道の関係で大型バスは冷水坑までだ。我々は二台目に乗車し、冷水坑へ向かう。空は快晴、山々がくっきり見える。

牛奶池と背後の擎天崗山
8時少しすぎ、冷水坑バス停に到着する。ここですでに待っているメンバーが合流し、全員で30名からの団体となる。今回は、参加人員に所謂外国人(自分も台湾では外国人だが、外見では判らない)も数名、国籍で言えば5カ国人の団体だ。はじめに歩く全長2キロ足らずの冷水坑と擎天崗を結ぶ道は、整備された国家公園の道である。この道を歩くのは、もう三年ぶりだろうか。

吊橋と背後に七星山
展望台
恒例の準備体操やルートの説明のあと、8時20分ごろ歩き始める。歩き始めてすぐに左の道を登り、牛奶池(牛乳池)を見る。鉱物が溶けて白色を呈している池である。菁山吊橋を越える。七星山をバックにした吊橋は、絵になる。渡ったあと分岐をすぐ右に折れて森の中を進む。15分ぐらいの歩きで、中間位置の展望台に着く。二階の台上に登ると、視野が広がる。手前の草原の向こう、真ん中に擎天崗を取り囲むように左に擎天崗山、奥には石梯嶺そして右にはこれから登る竹篙山がある。なだらかな山容で、気持ちが広々とする。

展望台から望む、左は擎天崗山、奥は石梯嶺、右は竹篙山
擎天崗の草原から竹篙山を望む
展望台から、道は沢沿いに下り、右に絹絲瀑布步道が合流する。牛止めの柵をすぎ、登り返すと擎天崗の草原に出る。ここまで約40分の道のりだ。擎天崗は、一面の草原。今日は放牧の牛は見かけない。擎天崗遊歩道に合流し、右に進む。ゆっくりの上り坂を行く。トーチカの分岐で右に竹篙山へ向けて、道を進む。七星山は、頭に雲が去来し始めた。9時20分、竹篙山頂上に着く。今月半ばに来た時よりは、雲が多めだ。

竹篙山から七星山を望む、今日は雲をかぶっている
石のゴロゴロする涸沢を下る
登ってきた道を折り返し下る。トーチカ分岐に付く前に、右に土の道をとり入る。古道歩きの始まりである。草の間を進む。左に內雙溪古道へ下る道をわけ、まもなく今回の三本の古道の一つ、內寮古道への分岐に着く。そのまま尾根をゆけば瑪礁古道である。沢沿いに進む內寮古道は、沢道の常のツメ部急坂がある。補助ロープもはってある急坂を下っていく。苔で緑の石がゴロゴロする涸沢の様子が現れ、左右の山壁がだいぶ広がってくると、右に細い沢の水を見る。前の晩夕立でかなり多くの雨が降ったので、道は濡れているが、沢の水は特に多くない。

番婆厝廃屋
土地公の広場、奥に祠
10時7分、番婆厝の廃屋に来る。石を積み上げた壁が苔むして残っている。結構な大きさだ。小沢を越え、右に竹篙山南峰への道を分岐する。陽明山の古道は、他でよく見かける藍天隊の道標が少なく、初めて訪れる時は地図が必須だ。番婆厝廃屋から約10分、土地公の広場にでる。広場と言っても人工のものではなく、開けた場所だ。土地公の祠には神像はないが、香炉には焼香されている。開口部に書かれた文字も赤が鮮明で、手入れされていることが判る。ここで小休憩をとる。冷水坑へ自家用車できていた3名のメンバーがここで分かれ、きた道を戻っていった。

瑪礁古道を下る
古道を進み、もう一度沢を越すと、柵を越え左に道が分岐する。これは左の尾根上を進む瑪礁古道への連絡道だ。数分の登りで尾根上の分岐につく。ここからは瑪礁古道を下っていく。樹間がひろい雑木林の中を下る。概ねひろい尾根の道は、とても快適だ。約20分で、左に內雙溪古道へ続く道の分岐に着く。また小休憩をとる。

山腹を進む。水道用の塩ビ管が道にそって伸びている。幹にプラスチック板に点字のように記してある道案内板がある。劉さんの作ったもののようだ。以前通り過ぎた時は気づかなかった。ペンキで1.7Kと記してある石をすぎ(清風亭から起算)、さらに数分で右に沢に下る道に分岐に着く。右に降りて沢を越える。対岸に二人の登山者がいて、何かを見ている。ちょうど長さ数十センチの青い蛇が逃げていくところだった。

プラスチック板の道案内
內雙溪を渡る
全員が渡り切るのを待ち、左岸の道を進む。ここからは內雙溪古道となる。右下の沢はだいぶ水量が多くなってきた。また、沢から結構上を進む。11時47分、人家の前に出る。ここは、まだ人が暮らしている。庭には切った野菜を干してある。家の前を通り過ぎ、下っていく。沢に下りきると、右に坪頂古圳へ続く道が別れる。內雙溪の沢沿いには、合計3本の用水路が造られている。一番上が坪頂古圳、坪頂新圳そして三番目の登峰圳である。

左岸の道を進む、石で階段を造ってある

更に左岸を下る。12時、二番目の坪頂新圳取水口に着く。数名の登山客が沢沿いで休んでいる。我々も昼食休憩とする。時間も早いので、水に浸かることもできるように、1時間近い休憩とする。青空からは、木々の間を通して光がまばらに沢を照らす。水は清く冷たく、これが夏山の楽しみだ。台北は、今36、7度の高温コンクリートジャングルで、うだっていることだろう。ここは、自然の冷房、街からわずか1時間で別世界である。メンバーは、それぞれ思い思いに時間を過ごしている。

沢岸でくつろぐメンバー
坪頂新圳沿いに歩く
12時50分過ぎ、下山を始める。用水路沿いに進む。10分ほどで、坪頂古圳歩道に合流する。右に登っていく。ここからは、石畳の良い道だ。台北市親山歩道である。数分で上を流れる坪頂古圳に登り着き、しばらくこの用水路にそって歩く。用水トンネルで水は山洞に入っていく。その少し登ると、峠の清風亭である。13時14分、時間はまだ早い。涼しい風が峠を吹き抜けていく。

峠の清風亭
大崎頭歩道の石段、倒木が切り取らている
最後の歩きは、大崎頭歩道を下る。ここも台北市親山歩道で整備がされている良い道だ。枝尾根を急坂で下っていく。太い倒木も、しっかり切り取れてじゃまにならない。民家が現れ、右に折れる。庭先を通り過ぎ、また石階段を下っていく。棚田を見ると、もう道はすぐ終わりだ。至善路に下りきり、右にまがってまもなく小18番バスのバス停である。13時47分、平頂古圳歩道入口バス停に着いた。十数待つと、バスがやって来た。

段々畑の向こうに大崙尾山
今回のハイキングは、下りメインでなおかつ沢沿いに進むという、暑い夏の郊外の山を楽しむ意図での企画である。所要時間は、長い休憩をいれて都合約5時間半、距離は約9kmである。参加メンバーの反応を見ると、当初の目的は果たせたようだ。夏は、やはり沢沿いの道が良い。

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