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2014-07-14

2014年7月13日 陽明山系竹篙山-內雙溪古道 夏の晴天下草原道を登り沢沿いに下る

登り途中の草原から望む竹高山,山頂にトーチカが見える
今年の6月中旬から7月初旬まで約1ヶ月近く、台湾不在であったので、山登りはあまりしていない。梅雨も開け、優勢な高気圧のもと晴天が続く台湾はとても暑い。暑いとやはり疲れやすい。酷暑の夏は、高山を除いて山登りはあまり無理をせず、半日で終了するような気楽な歩きがよい。6月初旬に道案内役で行った竹篙山は、平等里の内寮から土の道がある。竹篙嶺古道とも言われるこの道は、陽明山国家公園管理外の道で、入口には警告もある。道標などもなく、基本はわかっている者向けの道だ。

西側内寮から出発、ぐるっと回って南の小18バス停へ歩く
歩行高度記録
內寮古道の涸沢を進む
今回の登山は、自分でもとりあえず竹篙山に登った後、どの道を下るか気分で決めようと思っていた。同行者もいないだろうと思っていたが、予定を公開するとNさんとBさん二人の参加者があった。そのうちBさんはオランダから来た女性である。ふたりとも若く、体力もあるので、竹篙山からの下りには少し長いが、內雙溪古道を下ることになった。沢沿いに進むこの道は、ところどころ渡渉がある。沢水は少なく、渡渉も楽であった。水に触れる部分では、多くの登山者が水に浸かり休んでいるのに出会った。考えることは、皆同じである。

ステンレスタンク脇の内寮古道中腹道を進む

朝7時10分に、MRT劍潭駅で落ち合う。小19番バスは、他の人気コース出発点に向かうバスに比べると乗客が少ないが、今日は行列をして待っている。7時20分、満員で立ち席もある状態で出発、途中でも乗客が乗る。それでも終點の內寮バス停までは登山客数名だけとなった。約40分の乗車のあと、8時に出発である。今まで数回来ているが、最後は一年以上前だ。

竹篙山南峰へ登る途中、牛柵を通り過ぎる
産業道路の最後から石段を上り、誰も使っていないコンクリのテーブル・イスをすぎて、土の内寮古道が始まる。まもなく、左右に分岐する。右は瑪礁古道へ続く。左の道をとり進む。すぐに岩がゴロゴロする涸れ沢を過ぎる。ここから右には沢沿いに道が進むが、左に同じく内寮古道の中腹を進む道への登り道がある。これを登っていく。途中は補助ロープが張ってある急坂も過ぎる。8時25分、中腹道に登りついた。

竹篙山南峰、林の向こうに七星山と竹高山
中腹道は、あまり上り下りがない。ステンレスタンクの脇を過ぎ、約10分ほどで右から沢沿いにくる道と合流する。その二、三分先で沢を越えるところで左に道が登っていく。右は內寮古道が沢沿いに進む。左にとり、竹篙山南峰を目指す。この道は、他の3本の麓から登っていく道のかなで、最も短距離に登っていくので、急坂が続く。牛を止めるための柵を越えてわずか、登りが緩やかになり、林の向こうに小草原が見えた。南峰だ。8時47分、思っていたより早く到着した。

林に囲まれた小草原の南峰は、遠くに七星山と竹篙山が木の頭の向こうに見えるが、それ以外には景色は望めない。基石が埋まっている以外には、山頂を示すものは何もない。でも、この小草原がよい。他に誰もいない、ちょっとした秘境的存在だ。歩き始めてはじめて休憩をとる。同行の二人は、疲れた様子は少しもない。

草原から広大な眺め、左の高いピークは七星山、中間は竹篙山、右に磺嘴山
草原を歩く
台北市方向のパノラマ、右は紗帽山
10分ほどの休憩後、林の中の道を進む。地面には、荷蘭古道と同じように迷い防止の黄色ロープが地上をはっていく。約2年前に訪れた時にはなかった。ここを登る登山者が増えたための対応だろう。道の土はボコボコになっているところが多い。雨などで濡れている時に、牛が歩くとこうなる。10数分の林の中の歩きから、低い灌木だけの草原に出る。視界が広がる。前方には竹篙山が、背後には內雙溪の谷の向こうに五指山山系が、そして更に遠くには姜子寮山から五分山への青い山並みが連なっている。

迷い防止のロープが草原をはっていく
草原を登っていく、背後に五指山系などが見える
迷い防止ロープから外れ、左にのぼって小高い場所に出る。周囲360度の展望ができる。台北の街が遠くに広がっている。七星山から竹篙山、遠くには磺嘴山がある。広い草原も広がり、微風が頬を撫でていく。太陽は青空に燦々と輝いているが、とてもすがすがしく気持ちが良い。山登りを忘れて寝転がって時間を過ごしても良いぐらいだ。

トーチカのある竹篙山山頂
草原をさらに進む。黄色いロープが草の上に伸びている。今日のように天気が良ければ必要がないが、霧に包まれた時は目標物が少ない草原では役に立つ。道は低い灌木の中に出たり入ったりして登っていく。9時43分、トーチカの立つ竹篙山頂上(標高830m)に到着する。休憩していると擎天崗方向からの登山者がやってくる。陽明山公園でボランティアをやっているという人に三人の集合写真を写してもらう。どの道をとって下山するか相談する。同行のふたりともまだ元気、時間も早いので內雙溪古道を経由して下ることにする。

竹篙山からの眺め
石段道を下る、左は竹子山、右は磺嘴山(奥)と石梯嶺
內雙溪へ向けて草薮を下る
石畳の歩道を下り、途中右に延びる尾根を行く土の道に入る。以前はなかった、警告板が立っている。ここもそれだけ多く登山者が歩くようになった、ということだろう。暫く行くと道が左右に分岐する。右は瑪礁古道/內寮古道へ続く道、左はそのまま內雙溪へ下る道だ。左にとり、トーチカの脇を過ぎる。道は草原から森のなかの下り道となる。数分の下りで內雙溪の沢のほとりにでて渡渉する。水は少なく全く問題ない。渡ったあと、右に折れて內雙溪古道を下っていく。ここから、しばらくは先月はじめに歩いた場所だ。その時は雨で沢は増水しており、今日とは全く違う。

渡渉して左岸へ、水は少ない




左に石梯嶺への道が別れる分岐点で小休憩する。休んでいると、背後から子供も含む数名のパーティーが下りてきて通りすぎていく。更に進み、北五指山への道を分岐し、內雙溪本流を渡渉する。ここも水が少ないので、渡渉は簡単だ。道は右岸を進む。左に渡渉し左岸をゆく道と、そのまま右岸を進む道が分岐する。右は巻き道で、増水した時に通るには良い。渡渉し左岸を進み、またその先渡渉して右岸に渡る。先ほどの巻き道と合流する。沢脇には、数名の登山パーティが休憩している。10時44分、台湾石の休憩スポットに着く。ここでしばし休憩する。

水際には多くの登山者
台湾石
11時、再び下り始める。沢からは結構上の山腹を歩いている。11時14分、左に沢へ下る道をとる。直進すると、瑪礁古道に合流し、そのまま進めば朝の出発点内寮に行く。沢へ下り、渡渉する。ここも登山者がハダカになって水に浸かっている。左岸を更に10数分下る。分岐に来る。ここは、右に行くと坪頂新圳の取水口へ、左はそのまま沢沿いに下っていく。そろそろ疲れてきた、ということで右にとり取水口へ向かう。沢際に降りて渡渉する。沢を渡った後は、右岸のかなり上を行き、下ると11時45分取水口にでる。ここは水深の深い部分もある小さなダム状で、また登山グループが水際で休んでいる。ここでしばらく休憩する。沢には魚が泳いでいる。

取水口から下流方向を望む、右が古圳(用水路)
用水路脇を歩く、左下に內雙溪の沢
休憩後、水路にそって進む。山のひだにそって進む水路は、くねくねと曲がっていく。しかし、勾配は少ないので、気楽な足取りである。勿論、巾が狭い場所もあり、そこは注意が必要だが。十数分水路沿いに来る。坪頂古圳歩道に合流する。バスの予定を調べると、小18番は30分おき、一方小19番は約50分に一本である。右に行けば清風亭の峠を越えて內厝いけるが、着いても結構待たなければいけないかもしれない。そこで、左にとり進む。途中、古圳を二本横切り內雙溪の沢まで下る。桃仔腳橋を渡り、しばらく登り返す。最後の登りだが、それだけにちょっと辛い。右に折れて歩道歩道入口へ進む。産業道路を下っていく。道端には車やバイクが駐車している。12時53分、バス停に着いた。数分で小18番バスがやって来た。13時過ぎ、バスで帰途に着いた。

坪頂古圳步道の桃仔腳橋で內雙溪を渡る
今回の山行は、気楽な気分での歩きである。特にこの暑いなか、あまり長い距離を歩く気がしない。竹篙山の草原で、風に吹かれて歩ければと思って出かけたが、その通り気持ちのよい草原歩きができた。夏の日差しのもとでも、午前中微風があれば決して暑く感じない。歩行時間約5時間、距離は8.2kmである。思いがけない同行者があった山行でもあった。このルートは、道標は一切ないので、道についてわかっていることが大切だ。困難度は体力的にはクラス3である。

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