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2014-10-13

2014年10月11日 苗栗加里山(台灣富士山) 雨の小百岳

濃霧の中、岩の露出部を行く加里山登山道、標高約2000m付近
頂上の一等三角点基石
日本統治時代に台湾富士とも呼ばれた加里山は、標高2220mで山頂に一等三角点が設けられている。台湾の小百岳の一座である。昨年訪れた同じく小百岳である苗栗縣南莊の向天湖山を南に稜線を追っていくと、そのすぐ近くにそびえる山である。台北から車で120km、約2時間の位置にある中級山だ。

台湾国慶節三連休の半ば、以前は天気が良い日が多かったが最近は必ずしも良いわけではない。前日までの天気予報は、北部は天気が良くないが苗栗は天気がよいということであった。ところが当日は終日雨であった。一等三角点があるということは、そこからの展望もよい(樹木などが生えて必ずではないが)ので選ばれている。展望がない山頂は残念であった。また、もともとは一度下って風美溪の対岸にある哈勘尼山を登り返す予定であった。しかし雨風のなか、急な岩壁下りは危険なので加里山だけの往復に変更した。

北側の鹿場登山口から頂上を往復
単独ピーク往復の高度推移表
加里山は、向天湖山からの尾根の南に位置する
登山口まであと僅か、雨は止みそうもない
今回もVさん運転の車でカーシェア登山である。台北で常連Zさんと乗車し、6時半に出発。第三高速から新竹で第一高速に入る。台北で降りはじめた雨は、雨脚が強くなってきた。途中苗栗に在住のDさんを頭份インターチェンジ近くでピックアップし、124号線で目的地に向かう。今回は4名の山行である。南莊を過ぎ県道21号線を進む。大東河にそっていく。右側は向天湖山から北に延びる稜線から岩壁が谷に落ち込む。石壁渓谷と言われる場所だ。向天湖山から北に縦走したときに、数百メートル下に落ち込む谷を見た。壊れた河川わきのコンクリ壁など大水が流れた爪痕が点在している。

キロポスト0kmの登山口
風美渓を渡る、水量は少ない
車は河から離れて登り始める。雨は相変わらず降っており、止む気配もない。今日は雨の登山となりそうだ。神仙谷を過ぎ、道は細く勾配がきつくなる。8時50分ごろに登山口前の駐車場に到着する。台北から約2時間20分である。連休なので他の登山者の車も駐車している。雨具を着けて準備をする。昨日登り一泊して帰るという登山者の話では、昨日午前中は天気が良かったそうだ。寒暖計は16度を示している。この雨では、予定のコースでなく加里山だけの登山として出発する。Zさんは今回二度目の加里山で、もう一つの予定目標であった哈勘尼山を単独往復するという。9時16分歩き始める。

とても状態のよい登山道
塩ビ水道パイプがはう道を少し行くと、分岐に着く。直進する道は哈勘尼山へ続く。右に下っていく道が加里山登山道である。ここでZさんと分かれ、3名で進む。道の状態はとてもよい。苗栗県の設けた救援用標識1号が大きな石の下に取り付けてある。歩きはじて10分ほどで、風美渓を渡る。幸い水量は少なく、簡単に渡渉する。対岸から登山道を登り始める。登り始めてすぐ、もともとの道が損害を受けたようで、新しい迂回路が右側に続く。補助ロープが張ってあり、整備がされている。

森林鉄道のレールが残る分岐、直進する道は大坪へ続く

迂回路を過ぎ本来の登山道を進む。杉林の中をつづら折りで進む道は、巾が広く状態もよい。さすがに小百岳名山の主要登山道である。10時15分、左に細い道が分岐する。もともとは森林鉄道であった山腹道である。右にとり登山道を進む。平らな軌道跡を進む。レールがまだそのまま残っている。数分で大坪への分岐に来る。すぐ左上には山小屋がある。まだ新しい木製の小屋は、中も広く綺麗で泊まることもできる。ただ水場が近くにないので、水は持ってくる必要がある。実際、昨晩泊まった登山者もいる。しばし休憩する。

山小屋に着く、中には前日泊まった登山者
森の中を行くところどころ壊れた木製階段
杉林の道が引き続き登っていく。木製階段が現れる。踏み板が壊れているところもある。林の中に緑の苔で覆われた大石が霧の中に出現する。11時半、山道は尾根にとりつく。風が強くなる。ベンチなどがあるが、この雨では休む気はしない。しばらく進む。道わきの道標のそばに李棟山でみたのとおなじ赤いキノコがある。このキノコは穗花蛇菰の雌株、俗名山狗鞭と呼ばれ、漢方薬に使われるということだ。大岩が点在し橋が渡してある場所(冒頭の写真)を過ぎる。11時40分、大坪への道を分岐する。救援標識番号は9番になった。残りは数百メートルである。

尾根に取り付く、樹相が杉から原生灌木類に変わる
大坪への分岐点、援助番号札は9番
根のはった岩壁を登る
頂上直下の岩壁
頂上までの道は、ここから急坂となる。大岩にはった根を登り、補助ロープの岩壁をよじ登る。巨木が岩の上に生えている。上方から人声がする。まもなく数名の登山客とすれ違う。メンバーの一人は裸足のおばあさんである。気温も低く風が強いので登頂が危ぶまれたが、まったく問題ないようだ。登山口から0.5kmごとに設けられているキロポストの3kmを過ぎる。更に岩壁を登って行き、12時19分、頂上に着く。3時間の登攀である。周囲は樹木も少なく、天気が良ければかなり広い視野が望めるだろうが、雨まじりの濃霧のなか残念がら灰色一色だ。すぐ左わきには、垂直の壁にロープが降りていく。風美渓に下る道だ。風も強く、写真を写した後折り返し下り始める。

頂上の筆者、周囲はすべて霧



風にあたっていると、この気温と風速では体温が下がる。風のない場所を求めて下っていく。結局大坪への分岐点まで下がって初めて風の当たらない場所につく。13時過ぎ、ここで食事を取ることにする。雨具は着ているが、中は汗でしばらく座って食事をしていると、やはり体が冷えてくる。自宅で入れて持ってきたコーヒーは、生ぬるくなってしまっているが嬉しい。

ロープを頼りに滑りやすい岩場を下る






十数分の休憩後、引き続き下る。はじめは少し速度をあげて下り体を温める。風があまり当たらなくなり、体も温まった後は速度を落とす。同じ道を下るので、様子がわかっている。14時、山小屋まで下ってくる。小休憩のあとまた下る。濃霧の中の杉林は、いつでも幻想的だ。14時45分、風美渓に着く。雨は上がっているので、雨具の上着を取る。沢を渡り登り返す。15時13分、登山口に戻ってきた。Zさんは、すでに戻ってきていた。話によると昼前には往復して戻ってきたそうだ。汚れた靴などを、近くの水で洗い着替える。

杉林の道を下る
救援1号札に戻ってきた
駐車場のわきから別の山道が伸びている。Dさんが前回来た時に歩いたそうだ。ほんの数分行くと、左側が開ける。霧がすこし晴れかかっている。対岸の山が少し見えるが、加里山の方向は霧の中だ。駐車場に戻り、15時50分前に帰路に着く。朝は人がすぐなかった南莊は、行楽客でごった返している。Dさんを竹南駅まで送り、我々三人も台北に戻った。

今回の行動時間は約6時間、歩行距離は7.5kmである。標高約1380mの登山口から2220mの頂上までの落差は840m、途中の上り下りがあるので登坂累計は900mぐらいだろう。今回初めて同行したDさんは、普段から山登りをしているので疲れもなく歩いた。雨の中の登山は、景色が見れず、からだが濡れて厄介なことはあるが、それはそれで大自然の一つの姿として受け入れる。大雨や大風は危険だが、今日のような登山はまた山登りの楽しみのひとつなのだろう。次回は、有名な一葉蘭が咲く頃、晴れの加里山に登りたい。

駐車場からの道で見る加里山方向、ガスは少し上がってきたが頂上は見えない

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