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2015-11-07

2015年11月6日 瑞芳港仔尾山 - 印地安人頭 海岸際のスリリングコース

港仔尾山西峰から主峰を望む、背後の山は湾を隔てた基隆山
今回も、海際の山歩きだ。歩行時間も少なく、歩いた後は海鮮料理を食べて帰るという、お気楽パターンである。基隆から東に瑞芳に向かい、海沿いの濱海公路を進んで行くと、幾つかの漁港を過ぎていく。九份金瓜石付近の数百メートルの山々が見はじめる前に、海沿いの低い山々のわきを行く。普段は、あまり見向きもしない、この海沿いの山が今回の目的地だ。

インディアン頭岩からくだる
標高100m内外の小山ではあるが、海のすぐわきで、その景色は捨てたものではない。方角は違うが最近訪れている、萬里の海岸沿いの山々と同様、海が近いところは奥深い山とはまた違う美しさである。今回の深澳漁港近くの港仔尾山は、近くに印地安人頭と呼ばれる、ある角度から見るとインディアンの顔(なぜインディアンが連想されるのかは不思議だが)に見える岩がある。この岩は岬の近くにあるが、その岬にもちょうど象の鼻と頭を連想させる岩がある。前者の港仔尾山は、今年前半ボランティアによって開かれた道だ。後者も、番仔澳山と印地安人頭とをつなぐ道が設けられて回遊できるようになっている。今回は、この二つの場所を繋いで歩き、その後漁港わきの海鮮料理で食事をして、帰った。もともと低い山であるし、大した距離もないが、急峻な部分もあり、特にインディアン頭からは、急斜面をロープを頼りに下る部分は、まったく遮るものがないのでスリルがある。山椒は小粒でピリリと辛い、というところか。

岬の山々を歩く
最高点でも100メートル台
濱海公路わきの登山口
台北を7時半の自強号急行列車で出発する。今日の集合は、この列車上だ。8時13分に瑞芳駅に到着する。駅前に出て1051番バスを待つ。駅前のバス停は、台北方向への乗場で、基隆方向へは、駅前から左に通りを歩き、警察分署の前を過ぎたところだ。9時過ぎに、1051番バスがやって来た。バスは濱海公路に出ると、すぐ右へ曲がり海濱バス停へ行って折り返す。9時20分、建基バス停に到着する。今日は都合八名、そしてメンバーの連れてきた黒犬一匹がパーティだ。

港仔尾山西峰から基隆方向を眺める
西峰頂上
バスでやって来た方向に濱海公路を少し戻る。すぐ左側の土留壁の低い部分に、道標がある。ここが入口だ。ジメジメした場所だ。廃棄された家屋跡がある。ブランコもある。左にすぐ登っていく。蚊が多くて閉口する。昨日は雨が降ったようで道は濡れて、土は滑りやすい。ほんの数分の登りで分岐を通りすぎ、左に進むと港仔尾山西峰頂上(標高89m!)である。少し行ったところは、樹木が切れた崖の上で北側基隆方向の海岸線が眼下に広がる。海に基隆嶼の島が浮かんでる。今日は、空気が澄んでいるようで、遠くの陽明山山系の磺嘴山や竹子山が見える。先週歩いた北八斗山近くの野柳半島も望める。東側は、これから歩いて行く港仔尾山主峰と、基隆山がその背後にある。

レンガの廃屋脇をゆく
港仔尾山主峰
やって来た道を少しもどり、分岐を直進する。レンガ造りの廃屋がある。このような場所になぜ家があるのか、不可解だ。そのすぐ先は、急な登りが始まる。10時8分、主峰(標高119m)に着く。ここも海側が開けていて、大海原を中心に左右に海岸線が望める。今日は、ここが最高点である。この先の峰々が下のほうにある。少休憩後、下り始める。低い灌木の間を急坂が行く。黒犬ベイカーは足が三本しかないが、器用に先を下っていく。下りきり、また少し登り返したあと、山腹を急坂で下る。幸い補助ロープが取り付けてあるが、土の道はとても滑りやすい。ベイカーはさすがに三本足では下れないようで、メンバーの一人が抱いて下る。

主峰からの眺め
主峰からの下り、前方に深澳漁港と湾をはさんで基隆山
稜線から主峰を眺める
根がはびこるガジュマロ樹
稜線から港仔尾山東北峰方向を眺める
港仔尾山東北峰からの眺め
炭鉱廃棄施設
稜線をおっていき、11時7分に分岐に来る。下山はここからだが、先に直進して港仔尾山東北峰へ向かう。急坂を登り返し、5分ほどで頂上に着く。ここがこの連峰の最後のピークである。往路を戻る。向かうときには気づかなかったが、台のような構造物がある。錆びたレールもある。ここは、廃坑になった建基炭鉱の一部だろう。分岐から下っていくと、大きな屋根のわきを下り、廃棄された竪穴のある構造物に着く。大きな深い穴が二つある。そのわきには動物の骨が転がっている。凄惨な感じである。1980年台半ばに閉鎖されて約30年の歳月が過ぎ、建物はかなり破損している。更に下っていくと、階段が現れ、家屋の中に坑道口がある。そのすぐ脇には、入口を塞がれた海底坑道口がある。菜園の脇をすぎて、炭鉱区の入口を過ぎる。道なりに進み、漁港へ続く道に下りる。時刻は11時45分、これで港仔尾山の歩きは終わりだ。休憩込みで約2時間半である。

深い穴が残されている
廃坑口
塞がれた海底大斜坑口
漁港から見るインディアン頭
左に漁港に向かって進む。右に漁業組合の水揚げ建物があるが、この時間帯は閑散としている。更に進み、港湾の岸壁を回っていく。突き当りは、インディアン頭のある岩壁である。手前の建物が少し邪魔をするが、遠くからみると確かに人の顔である。この岩のすぐ下は公園になっている。近づくと人の顔とは見えなくなる。岩の上の方には、道があるのがわかるが、ここからは直接登れない。

インディアン頭から港仔尾山を見る
補助ロープを頼りに岩壁を下る
公園から岸壁ぞいの道に戻り進む。老船長という海鮮料理店の前を過ぎる。平日だが、ちょうど昼時のこの時間、大勢の顧客が自家用車でやってくる。岸壁の端まで行き左に曲がったすぐのところに、山道の入口がある。インディアン頭へ続く道である。メンバーの二人はこれは登らず、ここで待つということで、残り6名で急坂を登る。すぐに稜線上を行くようになる。十分足らずで、最高部につく。遮るものがないので、180度見渡せる。海に近い場所の景観は素晴らしい。湾を挟んで九份の街が山腹に広がる。その左は基隆山の三角ピークが目立つ。この最高点から、補助ロープが岩壁におりていく。二段になるこの岩壁は、高さ数メートルだが、上部はほぼ垂直で少しスリルがある。一人ひとり下り、最低部からまた登り返す。先ほどいた公園の芝生が眼下にある。登り返したところは、番仔澳山となるのだろうが、何も標識はない。

インディアン頭から基隆山や九份の山々を望む
登り返してロープが下がるインディアン頭方向を眺める、右下に公園がある
番仔澳山から岬尖端を望む
象鼻岩
前方には、象鼻岩のある岩の岬がある。その右には湾を挟んで基隆山がそびえ、その先左に鼻頭角までの半島が伸びている。下っていくと、左に岩の部分にでて山道は終わる。先ほど登らずに待つというメンバーの一人が、そこで待っていた。更に岬の突端へ進む。左に象鼻岩が見える。かなり高さがあり、下に波が岩に砕けている。この周辺は、以前は軍事要地でオフリミットだったそうだ。トーチカが残っている。12時55分、ここでしばし休憩する。

岬尖端からのパノラマ
海岸脇の道を漁港に戻る
13時5分、左に海岸脇を行く道を進む。殆どの観光客はこの道を経由して、象鼻岩までやってくる。数分で岸壁に戻る。昼食の場所は、事前に決めていなかったが老船長の店で取ることにする。他にも1,2軒あるようだが、ここが一番繁盛しているようだ。店の内部は結構広い。テーブルはほとんど埋まっている。評判が良いのだろう。実際、海鮮類は新鮮でおいしい。ここはおすすめだ。14時45分、食事を終え岸壁沿いから、濱海公路の建基煤礦バス停に出て、15時20分にやって来た791番バスで基隆経由で帰京した。

老船長料理店
食事を入れない活動時間は4時間、距離は5kmといったところ。途中の休憩も多いし、もともと大した距離のある山行でもない。補助ロープの岩壁は初心者には、ちょっと難しいかもしれない。道はクラス3、体力的にはクラス2である。

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