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2016-10-17

2016年10月16日 金山阿里磅瀑布 陽名山系最大の滝を訪れる

阿里磅瀑布
今年の台湾の天気は、例年に比べると異常だ。通常多い夏の間に台風がほとんどなかったが、9月になり台風がひっきりなしに訪れている。このため、予定の登山計画を中止や変更にせざるを得ないことが続いている。今回は、十数日続いた雨がやっとおさまり、青空が広がった中の登山だ。

東側の軌跡は、竹子山古道入口へ戻るもの
初めの3kmは、産業道路歩き
陽明山系は、台北から近いのでいままでかなりの回数訪れている。その中で、アクセスが良くないため訪れなかったところがある。それが今回の金山近くの場所だ。自家用車で行けば大したことがないが、登山口へ一般交通機関で行こうと思うと時間がかかり、また便数などの制限で不便だ。今回は、人数もあるので金山からはタクシーで登山口へ向かい、費用はシェアした。

阿里磅瀑布は陽明山系の北端にある
竹子山古道をへて、この山系最大の滝阿里磅瀑布を訪れるルート自体は、人気コースではある。特に最近藍天隊が付近に入り、矢竹の道を整備したので、さらに歩きやすくなっている。阿里磅瀑布から山を一つ隔てると、陽名山系第二の滝青山瀑布がある。本来は、この二つをつらねて歩く予定だったが、出発点で少し問題があったことや、メンバーの体調、天候などの理由で、青山瀑布へは歩かなかった。しばらく降り続いた雨のため、阿里磅瀑布は、水量が豊富で実に見ごたえがあった。この辺りの様子もわかったので、また別の機会に青山瀑布へ行けばよい。

滝の前で集合写真
バスの車窓から見る海岸、まだ波が高い
昨晩、かなり強い雨が降っていた。早朝起きてみると、夜明け前の空には星が輝いている。期待できそうだ。今日は、全員7名のパーティだ。台電大樓バス停から1068バスで金山へ向かう。台北からは、このほかに台北駅からの1815番バス、板橋発で台北市内を経由していく953番バス、さらに陽金公路経由の1717番バスなどがある。このうち、1068番が一番速いようだ。7時20分過ぎに乗車する。市内の数か所のバス停に立ち寄った後、すぐ第三高速道路を一路進み、萬里近くで金基公路に降りる。まだ少し高い波が打ち寄せる海岸を通り過ぎ、金山には8時27分に到着する。

産業道路わきの大路崁步道登山口、この反対側を登る
本来は、金山區公所(区役所)8時20分発の無料コミュティーバス(F932-820)に乗る予定だったが、すでに遅い。そこで、タクシーに分乗して登山口に向かう。地元のタクシーだが、登山口のある倒照湖47號の住所を告げてもわからない。自分たちのGPSを頼りに進む。山すそを登りはじめて北22号県道の一番高いあたりにくる。ところが分岐の印を見過ごし、下り始めていく。8時58分、登山道が横切る部分に来て止まる。ここは、竹子山古道の入口ではないが、GPSが示すにこの道を行けば古道の土地公に合流できる。そこで下車して準備する。タクシー代は一一台あたりNT$300だ。

土地公がある歩道終点
大路崁步道と記されている地図の説明では、これから進む道に土地公が示してある。9時11分、枕木階段道を進む。それほど歩かれている感じではないが、道はとてもよい。ほんの数分の登りで、終点にきてしまった。ここにも確かに土地公がある。竹子山古道へは、ここから稜線を進むようだ。ところが踏み跡がわからない。忘れ去られてしまったようだ。土地公から下っていく方向にはマーカーリボンがついている。こちらを進んでいくが、廃屋にでる。近くで作業をしている地元の農民は、廃屋から左に進めという。そちらに進んでいく。棚田の上にでる。青空のもとには、遠く海岸の向こうに野柳の岬と基隆嶼の島が浮かんでいる。これはこれでよい眺めだ。

棚田の上から海の方向を眺める
産業道路を竹山古道へ続く道の分岐へ戻る
道はその先草藪になり、道らしい様子ではない。そこで右に産業道路に下り、これをたどって竹子山古道登山口へ登り返す。天気が良く、眺めもあるのでこれはこれで悪くはないが、結局時間を浪費してしまった。10時9分、竹山古道と表示のある分岐にくる。ここには確かに倒照湖47號を含む住所表示もある。古道の名前は竹山でネット上などで見かける表示とは少し違うが間違いない。竹子山の下を通過する古道なので、本来は竹子山古道が正しいのだろう。少し休憩後、舗装路を最後の民家へと進む。古道は、民家の前を通り過ぎたところから始まる。

分岐から入る、前方左の民家が古道入口
この民家の前を通っていく
竹子山古道:程度がよい道が続く
古道は、緩い坂で上り始める。雑木林の中を進む。赤土は濡れて滑りやいところもあるが、おおむね良い道である。20分ほど登って振り返ると、谷の向こうに先ほどあるいた舗装路が見える。さらに10分ほどで、左側に沢が近づいてくる。水量がとても多い。石の階段もあり、古道の趣がある。11時18分、土地公の祠がある。中には神像もあり、結構焼香されている。しばらく休憩する。そのうち後方から二人のパーティがやってきた。

沢が近づき、沢沿いに登っていく
土地公のある分岐
ここは分岐で、そのまま進む竹子山古道はさらに竹子山方向へ登っていく。我々は10ほどの休憩後、右に阿里磅瀑布の方向へ進む。少し急な坂を上ると幅の広い尾根上を緩い坂が続く。11時45分、右に稜線を倒照湖47號の登山口近く民家へと続く道を分岐する。道標の日付を見ると8月に藍天隊が道を整備したようだ。その少し左には、竹子山北峰への道が分岐する。阿里磅瀑布方向へ更に数分進むと、滝見の場所にくる。木々の切れ目から正面にちょうど滝が望める。上部は霧が去来しそこから豪快に水が落ちている。少し遠いが、さすがに立派な滝である。

新しい道標、右に滝にむかって下っていく
木々の間遠くに滝が見える、大岩が多い
道は山腹を小さい登り下りを繰り返し、進んでいく。12時10分、左に滝の上部から二子坪古道へと続く道が分岐する。滝へは、右の道を下り気味に進んでいく。下るにつれ、滝の音が大きくなる。12時24分、滝の下へ着く。沢幅いっぱいに流れる水の上部は、壮大な水の帯が落ちている。ネット上で見る写真には渇水期は、ちょろちょろという流れだが、今日のこの滝はまったく別物だ。実に立派で、陽名山第一の滝の名に恥じない。ここで昼食をとる。

水量が豊富な阿里磅瀑布
沢の対岸に竹里山への道が続く
帰路に滝見台から見る阿里磅瀑布全容
13時10分、ゆっくりとした休憩のあと、往路を戻る。沢を渡った対岸には、竹里山(785峰)への道が続く。本来はこちらをさらに進む予定だった。予定通りに歩けないのは、少し残念だが、未知の部分を日暮れまでぎりぎりの時間で歩くのは、ちょっとリスクがある。また訪ればよいので、今日は安全をみてここで引き返す。13時38分、滝見台へ着く。先ほどの霧ははれて、滝の上部もはっきり見える。滝の下から見えていた部分は下部で、その上にも滝がある。実に大きな滝だ。13時52分、稜線道の分岐に戻ってくる。

刈られた矢竹の間を下る





ここからは、登りの時とは別の道だ。分岐から入るとすぐ、矢竹の間を進む。最近刈り取られたので、実に軽快に進める。竹子山古道は谷あいを進むが、この道はそれと並行して稜線を進む。数分で左に阿里磅瀑布水路を分ける。この道は沢沿いに下る道のようだが、果たしてどのような状態なのかわからない。右に稜線道を追っていく。矢竹の間を通り過ぎていく。背丈以上の矢竹は、刈られていなければ道もわからない。実にボランティアの仕事に感謝である。

背丈より高い矢竹の間を行く
道は高度を下げていく。ところどころ、急な部分は滑らないように慎重に進むが、転んでしまうこともある。約1時間の下りで、最後の急坂が現れる。補助ロープも取り付けてある。道標を見て、左に桜の幼木地帯を過ぎ、大きなガジュマロが現れるともう下は登山口の民家が見える。15時10分、登山口に戻ってきた。

登山口の民家がみえた












登山口からは、産業道路を下って陽金公路へ行くことも可能だが、みんな疲れ気味でタクシーを呼んで下ることにする。メンバー一人はU-Barを呼び、結局二台に分乗して金山へ向かう。16時少し前、金山に到着、老街へ向かいそこでみんなで食事をとる。17時半前に、バスで金山を後にし、台北へ戻った。

下山後産業道路の分岐でタクシーを待つ
長く降る雨、実に厄介だ。ただ、そのおかげで水量豊富な阿里磅瀑布が見れた。次回訪れるときは、それほどの水量ではないかもしれない。しばらくは、藍天隊の道整理で訪れる登山者もおおいので、道の心配をすることなく再訪できるだろう。今回の歩行距離は9㎞強、累計で高度差700mほど登っている。活動時間は休憩込みで6時間だ。往復異なる道だったが、いずれも状態は良い。阿里磅瀑布だけの往復であれば、山道体力ともクラス3である。アクセスが良くないが、それが解決できれば誰にでもお勧めだ。

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