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金毛杜鵑の花の向こうに峰頭尖東峰と中央尖山 |
新北市平溪區には三尖と呼ばれる尖った山がある。この地区で尖ったピークを有する山は、三座だけでないがこの三尖と称されるのは、
薯榔尖、
石筍尖と
峰頭尖である。いままで三座すべて登っているが、今回は峰頭尖を別の登山口から登り、未踏だった東峰を経由して下った。ほかの二座ははっきりとした一つのピークであるが、峰頭尖はピークは一つだけでなく、峰頭尖と名付けられている主峰とほぼ同じ高さの三角ピークや、小さなピークがたくさん並んでいる稜線が続く。この稜線をすべて追って歩いた。
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出発時登山口でのグループ写真 |
先週歩いた姜子寮山の山脈と並行して東西に、
皇帝殿山の連峰が続き、それが切れてまた盛り上がった直列に並ぶ山が峰頭尖である。皇帝殿山と同じように砂岩の尖った峰や岩が露出した稜線がある。皇帝殿山は、そうした場所には手すりや鉄梯子など、地方行政が整備した登山道があるが、峰頭尖はまだなく、非常に急な坂にはボランティアがかけたと思われるロープが取り付けられているだけだ。まだ自然に近い状態だ。
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西側から登り稜線を縦走 |
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稜線上も大小の小ピークが続く |
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皇帝殿山と谷を経て続く峰頭尖の連峰 |
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藤寮坑バス停で下車するメンバー |
6年前に一度歩いたとき、稜線にあがっても上り下りが続き、けっこう疲れる山登りだったことを覚えている。そんなこともあり、活動計画中困難度がすこし高い山歩きと紹介していたが、予想を超える30名の山仲間が参加した。8時5分、795番バスを藤寮坑バス停で下車すると、先にやってきていた数名と合流する。支度をして106公路から分岐する藤寮坑、玉桂嶺方向への産業道路を歩き始める。登山口まで約2㎞ほどの舗装路を行く。沢沿いの道は、結構車が往来する。
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分岐は左へ進む |
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草深い道を進む |
右に皇帝殿連峰末端の山、左にこれから登る峰頭尖の一部を見ながら約30分ほど進む。前方に
九芎坑山が見える分岐で、後方のメンバーがすべて着くのを待ち、左の道を少し登り気味に進む。数分で橋の少し前、左に細い道が土留壁のわきから茂みに入っていく。登山口だ。注意しないと通り過ぎてしまう。8時50分、ここからは一列になって登り始める。不人気ルートなので、草が踏跡を覆い隠し倒れた竹が道を塞ぐ。10分ほど沢沿いの道を進み分岐にくる。道標はないが、左は峰頭尖へ、右は沢沿いに進んで東勢格へ続く古道だ。この古道も明らかに歩かれていない道だ。
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急坂を登る |
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稜線に上がり、視界が開ける |
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稜線上も急坂が続く |
左に道を取り、すぐに勾配がきつくなる。山腹の道を十数分のぼり稜線に上がる。左に送電鉄塔が現れる。後方のメンバーが追いつくのを待ち、稜線上の道を進む。一度下りまた登り返していく。少し高度があがってきたので、樹木の切れ目から右に
司(獅)公髻尾山の山並みが見える。勾配は相変わらずきつい。10時5分、稜線上のピークを越える。前方に峰頭山主峰が見える。まだ距離がある。一度下り、また登り返す。砂岩が露出した狭い尾根を過ぎる。最後に急坂を登り10時42分、頂上(標高609m)に着く。約2時間の登りであった。
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峰頭尖主峰の山頂 |
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稜線上は登り下りが頻繁に現れる |
狭い頂上は、全員を擁することができないので、先に到着したメンバーは先に下がっていく。最後のメンバーは約30分ほど後に到着する。この登りは結構きつかったようだ。メンバー中の二人は隊伍から離れて、自分でいくという。全員が到着したあと、前方のメンバーから進んでいく。30名近いと、行動には時間を要する。急な下道を下り、左に白石腳への道を分ける。ここでも一人パーティを離れて下山した。前方左に平溪菁桐や背後の薯榔尖などの山々が見える。稜線の前方はいくつかの目立ったピークが稜線上に見える。11時50分、右に玉桂嶺方面へ下る道の分岐にくる。食事休憩をとる。ここはけっこう広い平らな場所がある。登り下りが続く稜線上で、唯一30名近いメンバーが休憩食事のできる場所だ。
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左に玉桂嶺へ下る道の分岐、ここで昼食休憩 |
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小さい登り下りが続く |
約30分ほどの休憩後、12時20分稜線を追っていく。頻繁に小さな上り下りが現れる。前方に目立ったピークがある。このピークから左に枝尾根が下り、九龍山や石燭尖を経て平溪國中へ下る道が続く。まだまだ遠い。岩の露出した尾根を進んでいく。今日は天気が良いので、乾いているが雨が降ると滑りやすいだろう。茅草が前後に生えている。尾根の左右の展望ができる。13時15分、ピークを上りつめ九龍山への分岐を分ける。分岐を過ぎると、前方に今まで隠れていた峰頭尖東峰が見えるようになる。
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前方ピークが左に九龍山へ下る道の分岐点 |
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平溪側の谷を望む |
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裸岩の稜線を慎重に進む |
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手前の峰頭尖東峰と背後の中央尖山、両者は似ている |
急な下りが続いていく。下から登ってきた3名の登山者とすれ違う。稜線の崖脇に、峰頭山主峰の山頂にも咲いていた赤い金毛ツツジの花が咲き、その遠くには東峰と
中央尖山が並んでいる。ここからみると、東峰と中央尖山は形が非常に似ている。遮るものがなく、周囲には山々とその谷間が展望できる。風も少し吹き抜け、気持ちが良い。‘急坂を登り返し、14時過ぎ標高550mの東峰山頂に立つ。狭い頂上なのですぐに下っていく。
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東峰からのパノラマ |
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岩壁を下る |
下ってまもなく、補助ロープの岩壁を下る。今日の縦走中一番の急坂だ。全員が通り過ぎるのを待つ。東勢格古道の谷間へは、あと少しだ。道は緩やかな坂となり、谷間を下り始める。最後に濡れた大石のわきをすぎ、14時50分分岐に着く。驚いたことに、分岐の対岸はがけ崩れで大石が転がっている。ここで全員が下り切るのを待つ。本来の計画は、さらに中央尖山に登り北41号県道に下る予定であった。しかし、時間もすでに15時でみんな疲れ気味、乗り気でない。そこで、ここから直接下山することに変更する。
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東勢格古道の分岐点、対岸にがけ崩れ |
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東勢格古道を下る |
人数が多いと、足並みがそろっていたとしても難所を通過するのに時間がかかる。ましてやバラツキがあると、さらに時間を要する。近郊低山の山歩きは、必ずしも予定ルートを消化する必要はない。参加メンバーそれぞれが、自分の力で歩ききれればそれはそれでよい。過去何度かあるいている東勢格古道を下っていく。数分で右に中央尖への道を分ける。15時16分、土地公を過ぎる。その先は、廃坑入口と廃棄事務所家屋を過ぎる。昔トロッコ道だった古道は、ほぼ平らかと思えるほど勾配が緩い。谷が右に曲がり、左に石燭尖へ続く道を分ける。その先左に下る階段道を下りていく。15時37分、平溪國中バス停に到着する。10分ほどで、すでに満員の795番バスがやってきた。
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東勢格古道のトロッコ道 |
休憩を含む約7時間半の歩きである。距離は約7kmと少なく、登坂も累計で約600mだが、頻繁な手足を使った急坂の上り下りは、疲れるものだ。主峰への初めの登り部分は、ほかの登山道に比べると歩かれている頻度が少なく、道標やマーカーリボンの少ない。地図を判読できる力が必要だ。その他は道もしっかりしているで問題ない。もし中央尖などと合わせて登るのであれば、少人数で訪れる方がよいだろう。
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