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2019-05-03

2019年5月2日 四腳亭 - 碇內砲台 - 龍門山 - 五分山 - 新寮 雨の中の山越え

雨の中の五分山山頂
五分山は、その頂に球状の気象用レーダーをいただくので、遠くからでも容易に判別できる。また、その位置からしても目立つ山だ。台湾の山を登り始めて間もないころ、訪れその後はほとんど行っていないかった。今回は、その北西に下っていく稜線をふもとからたどり、登頂のあとは反対側に下るという歩きだ。西北稜上には、清仏戦争に備えた碇內砲台の遺跡や龍門山がある。この山の周囲はちょうど油桐花が多く咲く。龍門山や、それから上の五分山主稜線への道はすでに歩いている。今回は、まだ一部歩いてない道をカバーした。
@龍門山
梅雨に入った台湾の天気は、不安定だ。天気予報では降雨率は30~40%であったが、終日雨に見舞われた。標高の低い部分では、遠くも見えたが主稜に上がった後は、ずっと霧で展望はなかった。五分山と四分尾山をつないで歩く五四縦走のルート起点になる、山麓門へ下ったあと、106公路を下った。本来は、廃棄された野人谷楽園の脇から大華駅へ下る予定だったが、新寮野人谷バス停に降りてくると、ちょうどF821番コミュニティーバスがやってきたので、これを利用して十分遊客中心にいった。最後の部分で雨の中の歩きをセーブできた。晴れれば暑い今の季節だが、雨の中では気温については、まったく問題なかった。
北から南に山越え
歩行高度表
遅れてやってきた1061番バス@忠孝復興站
登山口の四腳亭は、電車で行くこともできるが、バス停がもっと近いので台北から瑞芳行1061番バスで直接向かう。基隆客運の時刻表では7時30分に一本あるはずだが、やってこない。結局48分になってやっと来た。多くの通勤者が下車し、今度は我々が乗り込む。この時間帯は下り便は、さすがに少ない。8時半過ぎ、四腳亭バス停に到着する。電車でやってきてここで待っていたメンバー一人と合流する。バス乗車中に窓に雨粒がついていたが、ここでも雨がぱらついている。バス停で早速雨具や傘を取り出す。

バス停の前すぐで右に粗坑口路へ曲がる
登山口のコンクリ階段
バス停からすぐ右に粗坑口路へ曲がる。右にコンクリ階段がある。尾根道の登山口だ。階段は大きなステンレスタンクで終わり、そのわきから山道が始まる。数分で分岐がある。粗坑口尖への道だが、そのまま左に稜線を追っていく。草が雨水で濡れている。雨具のズボンを取り出しはく。9時、ふもとから登ってくる保線路に出る。二、三分で送電鉄塔の下を行く。保線路は幅もあり歩きやすい。9時58分、碇內砲台遺跡につく。

稜線から碇內の方向を望む
山道にさくクチナシ
碇內砲台遺跡、台座だけが残る
觀音堂
この遺跡は、しっかり手入れがされている。草も刈られ、砲台のかたちがよくわかる。1883年に勃発した清仏戦争に備えた砲台や塹壕などが、このあたりにはかなりある。近くでは八分寮山の近くに砲台がある。清仏戦争では、初期には基隆や澎湖島がフランス軍によって占領されるが、その後台湾内部まで戦線が拡大せず、こうした砲台は実際には使用されなかった。しかし、非近代的な大砲では、戦争が拡大したとしたらどこまで威力があったかは疑問だ。砲台遺跡からは、飛び石や石階段が設けられている。下っていき、10時12分觀音堂につく。堂の前には、屋根の下に椅子やテーブルがある。休憩をとる。

龍門山登山口
龍門山への登山口で見る、前方のピークは碇內砲台尖
足場用板を利用した階段
階段を下り、舗装路に降りる。左に曲がり、分岐を左に少し登る。龍門山の登山口がある。土留壁に大きく五分山と書かれている。ロープのある急坂を登る。雨が小止みになり、展望が開ける。先ほどの碇內砲台のピークの向こうには、基隆方向の山や谷が続いている。10時49分、龍門山(標高388m)につく。ここは二度目の来訪だ。道は下り始める。左に分岐を分け稜線を追っていく。ギャップに金属製の足場に使うパネルが取り付けてある。パネルには木製の踏み台がつけられている。数年前に訪れた時にはなかった。ボランティアが取り付けたのだろうが、とてもよい。道の草もしっかり刈られている。

石積壁の廃屋がある鞍部
五分山西峰へ霧の中の最後の登り
森が開けてきて、11時22分、石壁の廃屋がある鞍部に到着する。少し休憩をとる。今日のような天気では、休憩といっても立ったままの休みだ。尾根の左右に降りていく道の分岐を過ぎ、五分山の主稜線に向けて登り始める。勾配がきつくなり、ジグザグに登る。11時47分、左に粗坑頭への道を分ける。道はまだまだ急な勾配が続く。森は杉が多くなる。おそらく人工林だ。登るにつれ、霧が濃くなる。12時18分、五分山西峰(標高740m)につく。全員がそろったところで下り、主稜線上の五分山歩道に降りる。天気が良ければ展望が開ける稜線道だが、今日は霧で真っ白だ。石畳の歩道を左に進む。少し下り、12時38分登り返したところの涼亭で食事休憩をとる。

濃霧の中の涼亭で昼食
五分山山頂への分岐
幸いあまり風がないが、今日は暑いどころか少し寒いぐらいだ。食事をとり、汗で濡れている体があまり冷えないうち、13時5分に出発する。すぐに左へ進む石畳の歩道を離れ、右に五分山山頂へ登る。13時12分、五分山山頂(標高757m)につく。ここも周囲は濃霧で真っ白だ。写真をとり、下り始める。道の両脇のカヤはしっかり刈られ、道筋ははっきりしている。カヤの下りを過ぎると、尾根上を下っていく。道はとても滑りやすい。20分ほどくだると、ロープの取り付けられた急坂をすぎ、そのすぐ先に祠があり、道はコンクリ舗装の道になる。日本でいう奥の院といったところだろう。

滑りやすい道を下る
山腹を横切っていく
数分山腹の道を行き、沢のところで右に曲がる。沢沿いに下っていき13時56分、十分から登ってくる106号道路に降りる。メンバーは、かなり尻もちをついたようで、沢の水で洗っている。車道を下っていく。時々車が通り過ぎる。つづら折りで高度を下げる。14時26分、左に新寮へ下る道を分ける。分岐のところに、野人谷のバス停と小屋がある。小屋で休憩を取ろうとしたとき、F821バスが新寮がやってきた。手を挙げると、バスは止まってくれた。早速乗り込み、バスで十分遊客中心(ビジターセンター)へ向かう。数分で、遊客中心につく。

106号道路に降りる
タイミングよく来たF821新巴士に乗る
遊客中心は、十分を訪れる観光客のためのもので、ここからさらに歩けば十分瀑布などへ続く。我々は雨具を脱ぎ、着替えをすます。すぐわきのバス停に行き、15時8分の遊客中心発795番バスに乗車する。今日は天気の悪い平日だが、観光客が途中で乗車し、バスは立席も含め満員になる。1時間ほどの乗車で木柵に着いた。

十分ビジターセンタから795番バスで帰宅




約9㎞の道のりで累計760mほどの登りであった。雨なのであまり休憩はとっていないが、休憩込み約6時間の活動時間だ。ほとんど展望もなく、ほぼ終日雨の歩きであった。景色については、いままで何度が訪れているのでよい。梅雨に入ると、天気は変わりやすい。時には、こうした雨の歩きも良いのかもしれない。

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