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2019-05-31

2019年5月30日 鶯歌西鶯山-龜山福源山縱走 梅雨の合間の小山歩き

樹齢350年のガジュマロ樹(鶯歌百年榕樹1號)
台北の西約30キロに桃園がある。今は、高速道路や鉄道、さらに空港MRTなどが通じ、ベッドタウン化している。台北盆地と桃園との間には、標高2、300mクラスの低い山々がある。数年前に鶯歌から樹林へとこれらの山々を縦走した。その後は訪れることがなかった。
@光明山大樹佛
この二、三週間は梅雨で天気が安定しない。雨が続いたあと、晴れ間がやってくる天気予報を見て、急遽この山域で訪れていなかった山や尾根を歩くことにした。また、下山後少し行って、日本時代の原型をとどめる桃園神社(今は桃園忠烈祠になっている)を訪れる予定も立てた。計画を立てた後、恒例でFacebook上に予定を公開した。前日午後の公開なので、ほとんど同行者がいないかと思っていたが、ふたを開けると七名がやってきて一緒に歩いた。神社のほうは、ちょうど神社全域がリノベーション工事が進行中で、見ることができなかったのは残念だった。

南の鶯歌から北の龜山へ稜線を歩く
鶯歌駅から歩き始める
出発点の鶯歌は、焼き物の街として有名だ。駅の近くには鶯歌陶瓷博物館がある。また、陶磁器の販売店が多くあつまる老街もある。台北駅から各停(區間車)で約40分ほどだ。8時50分に鶯歌駅で集合する。駅北側の建國路側の出口から出て、中山路を左(西)に進む。約10分ほど歩き、右に廃棄されたガソリンスタンドを見る。ここを右に曲がり公園に出る。木の幹に道しるべが取り付けられている。西鶯山への登山口はここから始まる。

公園の奥から山道が始まる
西鶯山
木製踏板の階段が続く。けっこう急坂だ。数分で道の左側に西鶯山山頂の表示を見る。尾根筋がはっきりし、道は上下する尾根上を進む。月桃がたくさん咲いている。9時21分、送電鉄塔の下を通過する。さらに数分で前方に忠義山が現れる。手前には広場があり、その運動器具や涼亭がある。ここは付近住民の憩いの場所だ。中で付近住民がカラオケを歌っている。涼亭の脇には鶯歌百年榕樹12號と名付けられた、大きな老ガジュマロ樹が枝をくねくね四方に伸ばしている。その先は忠義宮の廟だ。左側が開けて、桃園の街並みが眼下に広がる。実に発展したものだ。廟で休憩する。

月桃が多く咲く
忠義山、涼亭の脇に百年榕樹
忠義廟から望む桃園の街並み
よく手入れされた道
9時40分歩き始める。道には滑り止めの網状敷物や、ブロックを使った階段などがあり、よく手入れされている。少し登り左に涼亭を見る。さらに少し登り気味に行く。觀景山と名付けられた山頂につく。その名の通り、眼下には鶯歌の街、大漢溪を挟んでその向こうには三峽の街が横たわっている。鳶山の山並みが長々と続いている。稜線上の道は、しばらく小さな上り下りを繰り返す。10時10分、右に鶯歌石への道を分ける。数年前は、この道から上がってきた。

觀景山から鶯歌の街を望む、その向こうは鳶山の山並みが長く伸びている
鶯歌石への分岐で休憩
10分ほどの休憩後、尾根道を追っていく。約10分ほどで右に牛灶坑山への道を分け、間もなく舗装路にいったん降りる。山道はすぐ前に階段で登っていく。こうした里山は、道がたくさんあるが、道しるべもしっかりしているので、地図を持っていれば迷うことはない。岩の間の坂を登りつめ、上下する道を行く。美しい竹林のトンネルを過ぎると、10時45分展望台がある。光明山大樹佛だ。ガジュマロの根元に石の神像がおいてある。水瓶に蓮の花が美しい。木階段を下り、さらに進む。

光明山大樹佛
長い登り路を登る
道は大きく下り、また登り返す。今日の歩きのうちで一番大きな登坂である。といっても落差数十メートルだが。最後に林から出て、太陽の照り付ける坂を少し登る。展望台の脇に着く。展望台からは、広い範囲が望める。北は台北の街から東側の三峽の街までの風景が広がる。今の時期は空気中の水分が多いので、少しぼんやりするが、目を凝らせば台北101ビルもわかる。土城やその奥新店の山々が重なり続いている。三峽の奥の山々も見える。数年前同じ場所で眺めたときは、まだ歩いていなかった山が多かったが、その間に自分で足跡を残した山々をこうして眺めるも感慨深い。展望台の少しさきは、百年大榕樹1號の大樹だ。説明によれば樹齢350年だそうだ。樹木の近くで昼食休憩にする。

1號百年榕樹近くの展望台からのパノラマ
6號大榕樹
11時58分、ほぼ50分ほどの長い休みのあと、残りのセクションを歩く。ここからは基本下り道だ。数分下っていき、分岐を左に進む。道脇に6號百年榕樹がある。その向こうには、林口の台地とその上に蜃気楼のようにビルがたくさん建っている。さらに広い尾根道を下っていく。地図上にある福源山は標識もなく、気づかないうちに通り過ぎる。少し開けた場所に、池が作ってあり蓮の花が咲いている。12時24分、涼亭を通り過ぎる。さらに数分下り、二番目の涼亭でゆっくり休憩をとる。微風が時々吹き、昼寝でもしたい気分だ。

林口を望む、その右遠くに觀音山がのぞく
人工池に蓮の花、遠くの山は大棟山
約30分の休憩後、最後のセクションを下る。もう一つの涼亭を通り過ぎ、13時6分現れた石段を下る。13時12分、登山口に着く。手前の川に沿って進み、大丘田橋を渡って湖山路を登り返す。付近は工場が並ぶ。13時21分、大同路上の白馬社區バス停につく。バスを確認すると十数分で5068番バスがやってくる。13時32分、やってきたバスに乗り込む。ほかに乗客はおらず、我々の貸し切りのようだ。十数分の乗車後、そのまま帰る二人の除いて萬壽路口で下車し、桃園神社へ向けて歩く。虎頭山公園の前を通り過ぎ、途中のコンビニに立ち寄り小休憩する。

歩きやすい道と涼亭(通過)
涼亭で休憩
5068番バスに乗る
榮總醫院の前を過ぎ、少し登っていき神社の下に着く。階段を登っていくと、道がふさがれ、現在は神社の一帯をリノベーション工事が進行中との表示がある。前もって調べておおくべきだったが、仕方がない。今年10月まで工事が続くそうだ。台湾では数少ない、日本時代の様子のままで残っている神社である。神社といっても、今は日本の神道を祭るものではなく、忠烈祠という位置づけである。戦後国民党政府は、日本統治時代を連想させる遺留物をことごとく壊したので、この神社は例外的なものだ。

虎頭山公園入口
はいれないので、あきらめて帰ることにする。榮總醫院のバス停に戻ると、ちょうど間もなく台北市内へ高速道路を経由して直通の9069番バスがやってくる。14時47分、やってきたバスに乗車し、50分ほどで台北市内のMRT行天宮バス停に着いた。下車すると、台北は雨であった。

桃園神社の下





稜線上では時々微風も感じ、樹木の下を歩いている間はそれほどではないが、日向にでると強い陽光はじりじりと照り付ける。雨の中を歩くのもつらいが、真夏の太陽のもとを歩くのも同様に大変だ。今回は、山歩きの部分は約8㎞強、累計で500mほどの登りである。長い休憩込み5時間足らずのハイキングだ。もともと気楽な歩きを考えていたので、それに合った形である。ルート、体力的にもレベル2である。誰でも問題なく歩ける。

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