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2019-10-28

2019年10月27日 觀音山 八里船着き場から登り40年前の登山をたどる

渡し船の上から望む觀音山
淡水河の河口になる八里には、八里富士とも呼ばれる觀音山が淡水の奥に控える面天山とともに、台北盆地の出口になる淡水河の門番としてそびえる。近くに同様の高さの山がなく、觀音山は台北のどの地点からでも目立つ山だ。筆者は過去の数回登っており、約10年前本格的に台湾で山登りを始めて間もないころにも訪れた。その時の記録でも触れているが、觀音山は筆者にとっては、思い出のある山でもある。それは、40年前に台湾に初めて訪れたころ、連れて行ってもらい登った山である。

船着き場から回遊
歩行高度表
40年もたつとさすがに記憶はあいまいだ。ただ覚えているのは、台北駅から列車に乗り、淡水駅から渡し船で八里へ渡り、そこから登ったことだ。当時は、現在のMRTはなく、地上を走る淡水線の列車である。船から降りた後、しばらく舗装路を歩き、登って鞍部を通り過ぎたことが記憶にある。どの道経由かは、はっきりわからない。八里から歩いたとすると、登山道は二つある。ともにはじめは舗装路を歩き、山道にとりつく。ただ、その一つはほとんど歩かれていない。今回は、よく整備されている牛寮埔登山道から登った。現在は石段道になっているが、いつこのようになったのか、わからない。この道経由で初めて台湾の山に登った可能性はあると思う。

觀音山硬漢嶺上のメンバー
觀音山は、いくつかの山道がある。人里に近い低山であるので、地元民もしきりに登り、道もたくさんある。今まで数回訪れ、大部分をカバーしている。今回の牛寮埔登山道三回ほど歩いているが、すべて下りで、登りにとるのははじめてだ(もし、40年前がこの道経由でなければ)。下山は、2016年末に一度途中まで歩いた、旧登山道経由で下った。ここ一、二年ほど秘境と呼ばれている岩が露出した場所を経由して、八里へ戻った。

淡水から望む對岸の觀音山
今日は比較的楽な歩きだ。8時半にMRT淡水駅の出口で集合する。筆者もいれて今日は七名だ。現在のMRT淡水線は1997年に開通した。40年前はまだ存在していない。その時は、まだ地上にあった台北駅から台湾国鉄(台灣鐵路局)の淡水線で向かった。この路線は1988年に運行を終了し、現在のMRTの工事が始まった。MRT淡水線は、市街地では地下や高架を走るが、そのルートはほぼもともとの国鉄淡水線のあとをたどっている。

渡し船に乗船
MRT淡水駅で集合後、船着き場に向かう。川沿いはここ十年ぐらいは、かなり大規模に開発されてきて、観光地となっている。40年前登山とは別に、台北からオートバイを駆って淡水までやってきたことを覚えているが、その頃とは大きな違いだ。魚釣りなどをしている脇を進み、8時55分、船着き場に着く。まだ時間が早いので、並んでいる人は少ない。間もなく渡し船がやってきて乗船する。

船上から見る淡水とその背後の面天山
ここを右に曲がる、背後に觀音山とその手前の大仏寺
対岸の觀音山が次第に近くなる。淡水側の面天山がその全容が見えるようになる。十数分で八里船着き場に着く。9時20分、川沿いの道を歩き始める。しばらく進み、右に折れて15号濱海公路に出る。また少し進んで龍米路二段159巷の道に入る。町工場の脇を進み、登りが始まる。

大佛山山門前を行く
ここは左に進む
道脇の道しるべは硬漢嶺まで3Km、船着き場まで1.3kと示している。船着き場から山頂まで、都合4.3kとなるわけだ。大仏寺の山門前を過ぎ、さらに左に墓地を見る。9時50分、左に牛寮埔福德宮の石碑がある。ここは道標がさす方向に左に折れ登る。土地公の脇から、石畳の山道が始まる。これを登っていき、北52県道にでる。左に進んで10時、無極宮で休憩をとる。

果樹園の間を登る
牛寮埔步道登山口
10分ほど廟での休憩後、北52号を進む。道標は頂上まで1.5kとなっている。見上げる山頂も近い。その先右に曲がり果樹園の間を進む。みかんが実っている。急坂を登り、10時25分、石段の牛寮埔步道登山口に着く。後方のメンバーを待ち、登り始める。降りてくるパーティとすれ違う。数分で涼亭にくる。立ち寄り風景を望む。三年ほど前に歩いた、北橫古道を横切り、階段道は登っていく。やはり汗が流れるが、風が吹いているので楽だ。

牛寮埔步道500m地点、約半分登った
象牙石から望む、淡水と八里船着き場が見える
土の山腹道を行く
10時50分、象牙石につく。ここから望むと、だいぶ高度が上がってきたことがわかる。残り200mの表示を見ると、すぐにまた山腹を行く道を横切る。ここで少し休憩をとる。そのまま石段を登り、鞍部から山頂に行けるが、左におれて山腹道を行き、途中右に山頂へ直登する土の道を行くことにする。少し下り気味に行き、まもなく右に急な坂が現れる。この坂道を登っていく。わきには古いがロープがずっと取り付けられている。灌木がきれて、草の部分では下方に淡水河が望める。

急坂から淡水河が見える
山頂のメンバー
上方から人の声が聞こえ始める。11時23分、左からの道を合わせ少し登ると、山頂の展望台に着く(標高616m )。日和のよい今日は、山頂には大勢のハイカーがいる。山頂からの景色を眺め、写真を撮る。山頂から石段を下り、11時35分、鞍部の休憩場所につく。ここには涼亭が三か所、トイレや水道もある。ゆっくり昼食休憩をとる。

山頂からの展望
鞍部の休憩所、左の涼亭で昼食をとる
左に眾樂園へ、右は牛寮埔步道
今日は全員で七名だが、みんなが持ってきたビールは全部で10本。事前に言ったわけではないが、すっかり習いになってしまったようだ。ゆっくり時間を過ごす。メンバーはお茶を沸かしたり、即席めんを作ったりする。12時40分、下山を始める。先ほどの牛寮埔步道を少し下り、左に眾樂園への道を行く。眾樂園を通り過ぎ、道は急坂になる。こちらは、ハイカーはいない。古い石段をどんどん下っていく。倒木を潜り抜け、竹林を過ぎると、 13時03分北橫古道を横切る。

厄介な倒木
さらに下っていく。古い道案内を通り過ぎる。前回はこの先の道がはっきりしなくなっていたが、ここ一、二年秘境と呼ばれる場所を訪れる登山者が多くなり、道筋ははっきりしている。果樹園の中を横切り、13時22分舗装路に出る。舗装路を下っていき、右に小桂林(小黃山)と呼ばれている、岩柱が並ぶ場所に来る。立ち寄ってみた後、また舗装路を下る。犬がしきりに吠える民家脇を下り、13時36分北50号県道に出る。右に県道を下る。13時51分、涼亭がある開けた場所がある。涼亭で休憩をとり、先ほど昼食時に飲み切らなかったビールを片付ける。

北橫古道を横切り、直進する
小桂林
北50縣道から望む、淡水漁人碼頭が対岸に見える
20数分の休憩をしたあと、県道をさらに下る。残り1㎞とちょっとだ。14時30分、15号公路に出て右に少し進む。水雲山莊バス停に着くと、すぐに紅22番バスがやってきた。乗車し、MRT關渡駅にでて帰宅した。休憩込みで約5時間、歩いた距離は約9㎞だ。

最後の休憩で乾杯






果たして、40年前の道をたどったのかは、確信はない。しかし船着き場からの道は、登り下りにとった二つの道しかないので、部分は歩いているのは確かだと思う。觀音山は、台北から近く、そこそこ高さもある近郊低山だ。反対側の凌雲山から登れば、苦労少なく登頂できる。トイレや休憩所も完備していて、手ごろなハイキングができる良い場所だ。


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