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雪がそぼ降る中の嘉明湖山屋 |
日本人にとっての台湾は、南国のイメージが強いと思う。実際、台湾南部は冬でもそれほど寒くなく、南端の屏東県恆春半島などは海水浴もできるかと思うほどだ。しかし、台湾島は標高3000mを超える高山がひしめく島でもある。飛行機で台北から飛び立ち、台湾島にそって南下するフライトに乗ると、冬はその高山山脈が白く長く続くのを見ることがある。北からの寒気が南下し、それが高温の海上にある湿った空気に触れると雨や、気温が十分に低いと雪が降る。日本海側の裏日本に多く雪が降るのと同じ条件が出現するわけだ。もちろん、その期間は短いが、ひとたびその雪に出会うと、他の季節の高山とは全く違った様相を呈する。
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今回登山の位置(赤枠) |
今回、日本の著名
登山ユーチューバーの山下舞弓さんに同行し、台湾の山友達と都合三人で二泊三日予定の
嘉明湖へ向かった。通常は三月も半ばになれば、高山での雪になることは少ない。ところが、季節外れの強力な寒波が訪れ予定通りには行動できなかった。時間的に余裕のある行程であったが、それでも惡天候により目的地の嘉明湖を訪れ眺めることはできなかった。筆者にとっては、長距離縦走中に立ち寄ったのも含め五回目の嘉明湖行になるが、海外から訪れ達成できなかったのは、残念だったと思う。ただ、台湾南部の高山でこうした雪景色に出会い、また実際に風雪ふきすさぶ稜線を歩くということは、それはそれでなかなか誰でも遭遇できる体験ではない。
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@向陽山北峰(山下さん提供) |
結局、三日間は濃霧、小雨、そして雪と、景観はほぼゼロの山行であった。山小屋で過ごした時間もそれなりに長い。山小屋では、普段ではあまり出会うことがない、台湾のテレビ局取材に出演したタレントや著名登山家に出会い談笑したした。台湾の千元紙幣の裏側にはミカドキジ(帝雉)が印刷されている。台湾を代表する貴重な鳥である。筆者は以前の高山登山で見かけたことがあるが、今回は往路でなんと三羽づつのオスとメス、都合六羽を非常に近い距離で目撃した。普段はすぐ逃げてしまうが、まったく恐れることがなく、見てくれと言わんばかりであった。帰路では知り合いの山小屋管理人が、以前自身で見つけた台湾ツキノワグマが水鹿(台湾最大の草食動物)を襲い食した直後の残骸など(今は骨だけ)が残る場所を案内してくれた。山道を歩くだけでは体験できない、実際に生きている自然を垣間見ることができた。自分としては、この山行はこうした体験だけでも価値があったものと、思っている。
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台湾千元札上のミカドキジ |
嘉明湖は、
雪山主峰の下にある翠池についで、台湾で二番目に標高の高い池である。青空を反射した楕円形の湖面は、草原に囲まれた高山山中では、ひときわ目立つ。そのさまは、天使の涙というキャッチフレーズを与えられ、台湾高山ルート上では非常に人気が高い。主なルートは、向陽森林遊樂區登山口から向陽山屋と嘉明湖山屋を経て至るものと、同じく南部横断道路上の登山口から、
戒茂斯山、妹池を経て至る二つのルートである。本来前者がメインであったが、あまりの人気のために山小屋収容能力を超えてしまい、ほとんど歩かれていなかった後者ルートをテント泊にて訪れる登山者が爆増した。筆者はどちらのルートも歩いているが、今回は前者である。
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好天時の嘉明湖 (2018/7) |
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3月16日(日)關山~向陽森林遊樂區登山口~向陽山屋~嘉明湖山屋
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南の向陽森林遊樂區から嘉明湖山屋へ登る |
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10:17発自強号で台北を出発 |
前日、台北から台鉄の自強号特急列車で約4時間半を費やして關山へ到着、駅近くのホテルで投宿した。朝5時に予約していたシャトルサービスの車で、向陽森林遊樂區へ向かう。昨日、列車車窓からはまだ少し青空が見えたが、今朝は小雨である。数日前から天気予報を観察していたが、やはり好転は望めないようだ。途中コンビニに立ち寄り、明るくなってきた山道を登っていく。周囲は濃霧、6時38分向陽遊樂區入口に着いた。幸い雨は降っていない。ここはすでに標高約2330mである。
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關山駅 |
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@向陽森林遊樂區ゲート |
入口わきの警察派出所で事前に取得していた入山証を提出する。ゲートで係員より、登山道などの注意事項を聞く。7時17分、いよいよ出発だ。入口近くの山桜は、まだ赤い花を残しているものの、だいぶ葉桜になっている。つまりは、本来かなり気温も上がっていた、ということだ。遊楽区の中を少し登り、嘉明湖步道0Kポストを見る。わきには地図や説明の表示がある。
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嘉明湖步道0K |
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松葉が落ちている林道 |
全長13㎞の嘉明湖步道前半約2.7Kは、森林遊楽区内の林道である。森林遊樂區とは、その昔林業地であった。1980年代にほぼ終了した台湾の林業地は、その後姿を自然に触れる遊楽区に変えた。ここ向陽森林遊樂區もその一つである。したがって、林道は当時の木材や資材運搬に使われたものだ。今は封鎖され、徒歩以外は許可された車両のみが通行できる。100mごとに設けられたキロポストが数字を増やしていく。
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林道わきにミカドキジ(オス) |
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保護色のミカドキジ(メス) |
歩き始めて約40分、1.4Kのあたりを過ぎて間もなく、林道に一羽のオスのミカドキジが餌をついばみ歩いている。そっと近づいていく。驚いたことに逃げるでもなく、そのまま餌をついばんでいる。3分ほど観察していると、道脇の草むらに入っていった。さらに進み、その先のカーブを曲がってすぐ、今度はオスとメス一羽づつが、道脇で餌をついばんでいる。二羽とも恐れることなく悠々として歩きまわり、3,4分で草むらに入っていった。
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協作(ボッカ)が食料を担いでいく |
先の目撃点からさらに登ること数分、今度は一羽のメスが道でついばんでいる。メスは、華麗なオスの姿と違い、地味な茶色の保護色で体長も少し短い。日本高山ライチョウの夏姿を大きくしたような感じだ。数分観察して、メスが茂みに入っていた後、我々はさらに登る。8時半過ぎ、動物や鳥類の説明板のわきで小休憩をとる。ミカドキジも当然説明中にある。
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説明板わきで休憩 |
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また別のミカドキジが林道に |
林道をさらに登る。約2.3K地点でまたメスのミカドキジが道の真ん中で餌をついばんでいる。邪魔をしないように数分観察し、メスが茂みに入るのをみてさらに進む。つづら折れの道を曲がりその少し先で、今度は一羽のオスがいる。ちょうど林道を下ってきた二人の登山者が近づくと、茂みに入っていった。わずか数十分の間に、なんと合計六羽のミカドキジを観察できた。それもゆっくりと。筆者はこのようなミカドキジとの出会いは初めてだ。
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林道わきに馬酔木の花が咲く |
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山道入口近くのクマ看板 |
道脇に咲く馬酔木の花を見て進み、9時10分2.7Kの林道終点についた。ここからは山道である。がけ崩れを通り過ぎ、小沢わきの橋のたもとでクマをかたどった歩道の看板を見る。山道は急な坂が始まる。歩きこまれている歩道は状態がよい。下山してくる登山者とすれ違う。アカマツの樹林帯を登ること約20分、鉄パイプによる枠の下を過ぎる。この施設は、上部の山小屋拡張改修工事の資材運搬ケーブルを敷設するための、歩行者保護対策である。
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アカマツ林を登る |
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鉄パイプを利用した保護覆い |
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手作り歩道用の砂利 |
その先には、登山者による運搬で集めた砂利を使用し、手作りで道の補修が行われている場所を過ぎる。向陽遊樂區ゲートわきに砂利が置いてあり、各自1㎏ほど担いでくることが勧められている。山道は次第に狭くなる谷の間を進み、そのうち沢へ少し降りて渡る。そのすぐ上が向陽山屋である。10時半過ぎ、筆者がかつて二度
泊まったことがある小屋へついた。ここで、今日の行程8.4Kの約半分を消化した。休憩をとる。
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谷底へ下っていく |
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向陽山屋についた |
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急坂が始まる |
11時、残りの行程を歩き始める。小屋のすぐ裏から道が始まる。こちらも急な坂が続く。そのうち勾配は少し緩くなり、山腹にそって進む。12時14分、5.6K地点の黑水潭近くの小広場で休憩をとる。周囲は霧が濃くなってきた。上部は森がなくなり、雨が降り出すといけないので、レインパンツをつける。休憩後15分ほど登ると、周囲の樹木は少なくなり森林限界が近い。階段道が長く続く。この周囲の道は荒廃して付け替えられているところも多い。13時10分、稜線に上がる。標高は約3280mだ。
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ひたすら登る |
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石段道 |
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霧の中のビャクシン名木と説明板 |
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2018年のビャクシン名木と筆者、左の枝がまだある |
稜線上を少し進むと、有名な向陽名樹がある。数百年の風雪に耐えて枝を伸ばすビャクシンは、霧の中に浮かぶ。心無い登山者によって、その枝が折られてしまい、今は周りをロープが囲い、注意を喚起している。ビャクシンは、樹径1㎝増やすのに23年もの時間を要するそうだ。
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霧の中を登る |
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向陽山山頂(左)への分岐 |
14時5分、向陽大崩壁上部の説明板を見る。この壮絶な崩壊壁は、
關山嶺山の方向から見るとよくわかる。勾配の少ない道を少し進み、14時半最後の急こう配を登る。そのあとわずかな平坦道を行き、15時分岐(標高3480m)についた。当初天気が良ければ、向陽山山頂登頂を考えたが、この濃霧ではあきらめそのまま小屋に向けて下る。
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7.9K、残りは500mだ |
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岩場を下る |
下り道は、どんどんと距離が伸びる。最後の岩露出セクションを過ぎて間もなく、15時半過ぎ小屋(標高3350m)の姿が霧の中に浮かび出た。到着すると、面識のある管理人が出迎えてくれた。小屋の奥の場所をあてがわれ、荷物を降ろして一息つく。今日は、休憩込みで8時間15分であった。ここはキロポスト8.4Kになる。累計登攀1200m、下降130mである。
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嘉明湖山屋についた |
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夕食の準備ができた |
16時半過ぎから夕食が始まった。嘉明湖山屋では、二つの業者がケータリングを行っている。そのうちの一つに予約を入れていた。小屋は台湾政府內政部林務及自然保護署が所有管理しているが、食事は民間業者である。もし食事を必要とするのであれば、事前に予約と支払いをしておく必要がある。今日は、幸い小屋に着くとほぼ同時に雨が降り出し、行動中は雨具なしで対応できた。明日は、どうだろうか。天気予報は、あまり芳しくない。21時ごろに就寝する。
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山小屋内部 |
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3月17日(月)嘉明湖山屋~向陽山北峰~嘉明湖山屋
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向陽山北峰を往復 |
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気温は0.9度 |
4時半ごろに起床、5時過ぎ朝食をとる。朝はおかゆである。昨晩の料理はかなり良かった。7時半に嘉明湖に向けて、軽装で出発する。小屋の壁に取り付けた電子気温計は0.9度を表示している。幸い雨は降っていないが、相変わらず濃霧である。歩き始めてすぐ、小さいテント場と常設テントのわきをすぎ、登り始める。道脇のつぼみなど、氷に包まれている。昨日の雨は、気温が下がったために凍結したようだ。
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テント場わきを進む |
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氷に包まれたつぼみ |
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向陽山山頂へ(左)の分岐 |
小屋から10分ほどで、森の中に入る。本来ここから左に向陽山にむけての道が分岐しているが、今はほとんど歩かれず廃道になってしまっている。道は平坦になり、山腹を行く。周囲は草だけで、その草も氷のために白くなっている。はじめ稜線の南側を行く道は、途中で北側になる。風が強く吹いてくるのを感じる。9.5Kあたりから、道は上りになる。ほとんど樹木はないが、ところどころに現れる樹木は葉が白く染まっている。
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この先で山腹の南側から北側に移る |
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氷で白くなった草 |
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氷に包まれた枝 |
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向陽山北峰への分岐 |
歩き始めて約50分、このまま進んでも嘉明湖は濃霧でその姿を見ることはできないだろう。また雨になる可能性もある。そんなことで、残念だが今回は近くの向陽山北峰を登り、引き返すことする。8時34分、北峰への分岐道しるべが霧の中に現れる。わきには、景観説明板があり、玉山などが見えるとある。しかし濃霧では、説明板の写真を見て想像するしかない。筆者は、以前ここで見ているが、初回訪問の山下さんは残念だったろう。
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晴天時のパノラマ、左に雲峰、その奥が玉山山脈、右の近い山は三又山(2018/12) |
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北峰上の筆者 |
分岐から登ることわずか5,6分、北峰(標高3543m)についた。尖った岩がたつ山頂は、氷があちらこちらに着いて、どこか大変な高山のさまだ。濃霧でもちろん、展望はない。撮影後分岐に戻り、そこから嘉明湖山屋へ戻り始める。早朝に嘉明湖を目指していったパーティが戻ってきた。彼らは嘉明湖は全く見えず、近づいて湖面が見えただけだった、という。やはり思った通りで、なぜか胸をなでおろす。
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晴天時の向陽山(奥)と北峰 |
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小屋に戻り軽食をとる |
往路を戻る途中で、案の定雨がぱらつきだした。9時半過ぎに小屋に戻り、二時間ほどの楽な行程を終了した。往復4㎞足らずの歩きだった。戻って間もなく、ケータリング食事の一部であるソバ(粉絲)が用意され、体が温まる。午後になると、テレビ局の大パーティーが雨の中、到着する。パーティの中にはタレントや著名登山家もいて、お互いに紹介し談笑する時間もあった。また、北方向に
南二段縦走をして拉庫音溪小屋まで下ったが、悪天で縦走を中止し引き返してきたパーティもあった。
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小屋で談笑 |
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二日目の晩食 |
夕飯は17時から始まった。昨日とはまた違った献立だ。話によると三種類の献立でローテーションしている、とのこと。ここに三日以上も滞在する人はいないだろうから、それで十分だ。今日の食事もうまい。本来問題なくつながっていた携帯電話は、数日続いた悪天で太陽電池による充電が不足し、通信が困難になった。明日の天気が気になるが、止むを得ない。好転を期待し、就寝する。
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3月28日(火)嘉明湖山屋~向陽山屋~向陽森林遊樂區登山口~關山~台北
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一昨日登ってきたルートを下る |
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朝食 |
5時ごろ起床。外に出ると、まだ暗いがあたりは白い。昨晩大風や雨音を聞いていたが、気温が下がって雪になっていた。5時半に朝食をとる。今朝はハンバーガーだ。7時、すでに多くの登山者が出発し、だいぶガランとなった山小屋を出発する。すでに下ったパーティの足跡は、雪の表面にかすかに残っている。雪がまだ降り続いている。
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雪の中嘉明湖山屋をあとに帰路につく
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雪の山道 |
一昨日歩きてきた時とは、まったく異なる風景の道を登っていく。道脇の草などは、昨日以上に氷がついている。8時、分岐に登りつく。本来、ここから向陽山山頂へ往復するつもりであった。しかし稜線に出ると風が強い。濃霧で視界が悪い。晴れていれば全く問題のない、落差150m、距離500m足らずの稜線道だ。だが、この天候での登頂往復3,40分の距離も不安である。途中岩が重なる部分もあり、雪が降り積もる濃霧の中では踏跡が消えて、下りで方向を誤る恐れもある。雪山には経験のある山下さんには申し訳ないが、登頂はあきらめる。
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7.7Kキロポスト、分岐はすぐだ |
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雪の山頂への分岐 |
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諦めた山頂への道 |
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雪道を下山する |
そうこうしているうちに、南二段をいくというパーティが分岐を通過していく。この時間帯では、おそらく拉庫音溪小屋を目指すのだろうが大丈夫だろうか。8時25分、下山を続ける。この辺りは、降り続く雪で踏み跡は消えているが、方向は問題ない。急な坂を下り、9時16分、名木ビャクシンを見る。雪の中では、また別の姿だ。
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7K地点 |
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協作が下る |
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急坂が終わった |
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雪のビャクシン名木 |
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下るにつれ雪が少なくなる |
9時23分、稜線を離れ階段道を下り始める。風は収まり、下るにつれ地上の雪も少なくなる。雪はみぞれ交じりの雨に換わる。登ってくるパーティや荷揚げ協作とすれ違う。9時50分、黑水潭の小広場を通過、10時30分向陽山屋に着いた。今日の管理人は知人だ。彼に昼食をごちそうになる。
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黑水潭小広場に来ると雪はもうない |
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5.5K地点 |
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これを下れば向陽山屋だ |
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水鹿の遺骨 |
彼は、以前台湾ツキノワグマが、水鹿を襲いその肉を食べた現場に出くわしたことがある。その場所へ案内してくれるという。12時前に出発する。途中でその場所を見る。多くの登山者が通う山道から一歩入ると、そこは動物の自然世界である。肉などは、もちろんすでになく残っているのは骨だけだ。頭を殴られ骨が砕けた頭蓋骨や顎の骨、その他の骨が集められていた。
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山道は終わった |
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森林遊樂區のゲートに着いた |
山道をさらに下り、13時10分山道入口のクマの看板に着いた。林道を下っていき、14時少し前に向陽森林遊樂區のゲートに到着した。休憩込みの活動時間は約7時間である。シャトルサービスの運転手が待っており、すぐに駐車場へ降りる。車に乗り込み、下っていく。15時40分、關山に着いた。駅前のその場所には、シャワー室が設けられており、これもサービスの一部だ。
予定の台北行列車は17時24分発、それまでの間に近くのコンビニへ行き、軽食をとる。もちろんビールも開ける。關山駅へ行き、定刻に発車した自強号特急で台北への帰途に就いた。
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遠く日本から台湾にきて、本来の目的地に行けなかったのは、とても残念だったと思う。ただ、本人は別ルートによる再度チャレンジを考え、また台湾の別の山にも登りたいとのこと。それを聞いて、筆者は少し安堵した。山下さんより、後に本山行のビデオがユーチューブにアップロードされると聞いている。その時は、ここにもリンクを載せるので、ご覧いただきたい。
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帰路の列車上から見る卑南溪、この奥に今回山行の目的がある |
筆者は過去10年ほど、台湾の高山を四季にわたり登ってきた。しかし、今回のように降りしきる雪に遭遇したのは初めてだ。また、ミカドキジや普段会うことのないVIP等との談笑ができたこと、山小屋管理人のとても親切な対応などなど、予定コースの歩きはできなかったものの、嘉明湖ルートの別次元の魅力に触れることができたことは、大きな収穫だと思う。
今回の登山は、山小屋泊、食事も現地での対応で、テント泊とは違う比較的楽な山行であった。費用については、小屋は一泊400元(休祭日600元)、食事は一日二食(+軽食)1200元、もしシュラフを借りるのであれば別途200元である。シャトルサービスは往復で一台4000元である。玉山や雪山を登ったのであれば、次の台湾登山候補としてもとてもよい。多くの日本登山者が訪れることを願う。
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