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海際の橋板湖山、沖には龜山島 |
宜蘭縣は台湾島の北東部、台北から山を越えた太平洋側にある県だ。北部には、新北市と境界を成す雪山山脈の末端部分がある。筆者は過去たびたび訪れている場所でもある。山の上から海が望める山並みは、とても魅力的だ。そうした山並みの中で、過去に訪れた
叢雲山のさらに海側に盛り上がる橋板湖山は、正直過去にはその存在すら注意を払わなかった。最近、この不人気山の道が、ボランティアによって手入れが行われたことがきっかけで、今回の山行となった。
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北から南へと縦走 |
標高は300mと少しで、背後の叢雲山などに比べると半分もない。しかし海際にあるので、海岸からみるとそこそこの存在である。大海には、
龜山島が浮かぶ。大溪駅から海岸線沿いの道を進み、台湾電力保線路(送電鉄塔メンテのための道)を経由して橋板湖山を登頂した。下山は、ボランティアによる整備された道を下り、梗枋山山頂を踏んだ後龜山駅近くに降りた。近くには更新漁港があり、海鮮料理店に立ち寄り食事をして帰京した。行動時間は4時間と少しで、また食事もするという、楽しいハイキングであった。
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@橋板湖山山頂(Lさん撮影) |
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大溪駅のホームから橋板湖山が見える |
台北を7時34分発の区間電車(各駅停車)で出発する。宜蘭のこの地はやはり時間を要する。約2時間を費やし、9時半に大溪駅に到着した。今日は快晴の好天気。プラットフォームに降りると、まぶしい大海原が眼前に広がり、その南側の海岸線から橋板湖山が盛りあがる。沖合には、龜山島が浮かぶ。好天気で比較的楽な行程であることも関係し、今日の参加者はなんと30人である。そのうちには日本人参加者も三名だ。
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駅前で海と橋板湖山を背景に集合写真 |
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大溪小学校 |
9時45分、無人駅の大溪駅を出発する。濱海公路を少し進み、信号を渡って海岸沿いの歩道を歩く。背後に尖った岩峰鶯石尖がそびえる大溪小学校を右にみて、舗装された海岸沿い歩道は終わり土の道になる。前方の海岸沖にはサーファーたちが大勢海上にいる。ここはサーファーの集まる場所のようだ。10分ほどの海岸歩きを終え、陸の方向へ戻る。お手洗いのある天后宮廟の境内で少し立ち止まる。今日は、この媽祖廟の行事があるのか、多くの花がささげられている。
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龜山島を背景にサーフィング |
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天后宮 |
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ゲートから保線路に入る |
天后宮から濱海公路を渡り、対面の合興保線路に入る。入口には鉄製ゲートがあるがその脇から入ることができる。幅がひろい道は、緩い勾配で高度を上げていく。歩くこと約10分で、幅広の沢を越す。水量が少なく飛び石を渡れば問題ない。その先で、幅広道は大きく右に曲がるが、左にちょっと登り山道が始まる。こちらをとって進む。10時26分、森が開けて前面に送電鉄塔が高い。遠くには龜山島が海に浮かぶ。
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山道に入る |
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送電鉄塔、遠くに龜山島 |
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山腹の道を進む |
保線路は、山腹にそって下りや上りがある。途中二カ所の送電鉄塔を見て、10時48分谷間の沢を越す。ここはちょっと水量があるが、飛び石を注意して渡れば靴をぬらさない。道は方向を変え、登り始める。道脇の大板根の樹木をみて間もなく、また送電鉄塔脇を行く。その先で道は細くなり、11時13分、谷あいの分岐に来る。左は、橋板湖山山頂へ直接つながる道だ。右は保線路で別の送電鉄塔へと続く。左の最近手入れされた道を登る。最後の急坂を登り、11時半山頂(標高303m)についた。狭い山頂は密林に囲まれ、展望はない。
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沢を越す |
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坂道を登る |
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大板根 |
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細くなった道を登る |
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谷間の分岐 |
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橋板湖山山頂 |
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山頂の筆者 |
長めの休憩の後12時5分、山頂をあとにする。ほぼ平らな尾根上の道を行き、休憩している別の団体を過ぎて分岐を見る。右は、先ほどの分岐からやってくる道だ。左にとり、尾根上の道を進む。道は上り下りがしばらく続くが、そのうち大きく下り始める。雑木林や竹林、多くの登山者が訪れるようになったので、道筋ははっきりしている。12時57分、北關觀日台にたどり着き、上がって休憩する。床が一部腐食して抜けているところもあるが、涼亭もありよい休憩所である。ここからも、もちろん龜山島が望める。
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分岐を左にとる |
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竹林の坂を下る |
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觀日台で休憩 |
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觀日台から眺める龜山島 |
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この分岐は左に |
13時10分、次の目標梗枋山へ向かう。展望台へと続く石段道からすぐ分かれて、左の稜線を行く山道を進む。そのすぐ先の分岐は左にとる。おおむね下りの道を行き、最後に少し登って13時25分、狭い梗枋山山頂(標高141m)に着いた。今日は人数が多いので、順繰りに写真を写し、今日最後のセクションを下る。13時51分、山道はひょっこりと舗装路にでて終了する。この道は、
9年ほど近く前に叢雲山を訪れた時に通った道だ。
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急坂を下る |
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梗枋山山頂 |
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最後の下り |
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登山口 |
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歩行橋 |
参加者のうちの21人が、一緒に海鮮料理店に行くという。舗装路を少し下り、直接帰るメンバーと別れて濱海公路へと進む。梗枋溪にかかる歩行橋を渡り対岸の小公園に入る。さらに進んで濱海公路を歩き、14時6分阿春海鮮店に着いた。食事時間を少し過ぎているが、事前に店に電話を入れていたので、問題なく対応してもらった。ビールや持参したお酒を飲み、海鮮料理に舌鼓を打つ。食事は一人当たり400元だった。15時15分、店を後にし、海岸沿いの歩道を歩く。15時半過ぎ、龜山駅に着き、待つこと20分ほどでやってきた区間電車で帰京した。
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濱海公路わきの海鮮料理店 |
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参加メンバーの料理写真 |
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帰りの区間電車@龜山駅 |
距離約8㎞、所要時間は休憩を含んで4時間20分である。それでも累計で450mほど登っている。最高点でも300mだが、稜線上でそこそこの登り下りがあったからだろう。コース定数は15である。春先気温がまだ高くなく、天気のよい海岸沿いの低山ハイキングは、とても気持ちの良いものだ。海に囲まれた台湾ならではの、コースでもある。
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