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樟之細路關西羅家書房 |
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飛沙縱走中坑山山頂 |
先月、
三年前に完走した樟之細路の落穂ひろい的なハイキングを行った。それは全行程230㎞に及ぶ全行程の一部セクションで、東西二本の並行するルートがあり、その未踏であった
苗栗縣大湖セクション西線ルートを歩いた。実は、並行するルートは、このほかに關西~竹東間にもある。以前歩いたのは、その
東線ルートであった。今回は西線をカバーするものだ。
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前半樟之細路+後半飛沙縱走路 |
一方、いわゆる飛沙縱走路は
芎林飛鳳山から東に沙坑山(
4年前の東線ルート上で訪れている)へと続く稜線を行くルートである。樟之細路は飛沙縱走路上の雞寮坑山直下にある顯伯公廟を通る。そこで、顯伯公廟に登った後、樟之細路から離れて縦走路を西へと歩いた。厳密には、顯伯公廟から樟之細路東線の合流点までは未踏であるが、大きな距離ではない。
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Kさん撮影 |
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關西のマーケット |
一か月ぶりにまた關西を訪れる。前回の
赤柯山と同様に、台北バスターミナルを7:10発1820番バスで向かう。雨が続いた台北は、まだ空がどんよりしていたが、8時半過ぎに關西鎮公所バス停で下車すると、空は気持ちのよい青空だ。今回のメンバーは、都合8名である。支度をして街を歩く。4年前に歩いた時と同じように、大勢の買い物客でにぎわう街中マーケットを抜けていく。
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關西第一戲院の看板 |
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四年前の同じ看板 |
關西の街は、小高い丘の上に展開している。その丘の外れにすでに閉館して久しい關西第一戲院映画館がある。四年前と同じ映画宣伝看板は、色がだいぶ薄れてしまっている。もともと映画上映前に描きなおす宣伝看板である、四年もたてば薄れるのは当然か。座頭市も顔がはっきりしなくなってしまった。映画館の前から坂を下り、南山里 (行政単位)の田園地帯に入っていく。
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坂を下る |
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田植えが終わった水田が広がる |
道脇の水田は、つい最近田植えが終わったばかりで、鏡面のように周囲の景色を映している。鳳山溪にかかる南山橋のたもとには樹齢200年といわれる茄冬樹が枝を伸ばす。そのすぐわきで地元民が落ち葉を燃やしている。道脇の低い塀には、客家人の鹹菜がたくさん天日干しされている。何気ない田舎の風景だが、心なごむ。
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樹齢200年の茄冬樹 |
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鹹菜を天日干し |
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羅家書房の門 |
この近くから、渡南古道が始まる。前回はこの道を歩いて、東に進んだ。今回はそのまま山の方向へ向かう。少し行くと、人が集まる古い住居がある。行ってみると、土地の名士である羅家の三合院(伝統建物)豫章院羅屋書屋の修復工事開始儀式が始まるという。参観させてもらう。羅家の子孫という人が、建物の説明してくれる。百年を超える建物は、陽光で風化ダメージを受けているところがある一方、まだ精緻な彫刻や壁面の飾り塑像などが残っている。当時としては、かなり豪華な建築であった。
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建物全体 |
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子孫の方の説明 |
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百年を超えた塑像装飾 |
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丘上の關西鎮を振り返る |
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左に山へ入っていく |
9時半過ぎ、また歩き始める。古い建物見学はハイキングとは直接関係ない。しかし、樟之細路の趣旨は、自然の中の体によいハイキングだけでなく、通過する各地の文化や歴史にふれることである。今回は、まさに現地の人の説明など、この趣旨を体験できた。少し進むと、道は樟腦寮坑溪にそって山に入っていく。緩く登っていく道は、ほとんど車両が通らない。9時54分、二つの山の間の峠に着く。道脇にはベンチもある。そこで休憩する。
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ほとんど車両通行のない道を登る |
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峠のベンチで休憩 |
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風鈴花 |
道は下り始める。樹木のない場所から、遠くにこれから行く飛沙縱走の山並みが望める。陽光下の黄色い風鈴花、けたたましく吠える番犬、道端にうずくまる老犬、ああ今日は来てよかった、と思える。10時15分、道を下り切り分岐で左に大きく曲がって顯伯公廟を目指す。なお、顯伯公とは客家人の土地公(道教の神)である。山間の地には、水田が開けている。ここも田植えが終わったばかりだ。分岐から30分ほど登ってくると、道脇に民宿の施設をみて、分岐は左に急な坂を登る。その道の終わりから、今度は右に土の道が始まる。開いている鉄門を入り、11時道端で休憩する。先ほど超えた峠のある山がすでに遠い。
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おとなしい老犬 |
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飛沙縱走の山並み |
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ここで大きく曲がる |
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谷間の水田 |
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鉄門の道を進む |
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二つの山の間の峠を通ってきた |
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樟之細路龍潭の起点から25㎞の表示 |
標高478mの雞寮坑山へは、あと200m弱ほどの落差である。道はつづら折れで高度を上げていく。道脇に大きな石の上に小さな石を重ねたものが現れる。休憩場所から登ること約20分で、最高部を超え少し下る。左から舗装路が合わさり、また上りが始まる。11時40分、顯伯公廟が現れる。ここの顯伯公廟は一つでなく二つある。一つ手前のは關西のものでもう一つ奥のは芎林のものだという。手前の廟の建物二階に上がり、食事休憩をとる。風が吹き抜ける二階はちょっと寒い。
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道端の石積 |
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舗装路との分岐 |
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顯伯公廟(關西) |
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廟の二階からは石門山方向が見える |
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芎林側の顯伯公廟,背後は雞寮坑山山頂 |
30分ほどの食事休憩後、もう一つの顯伯公廟にちょっと立ち寄る。こちらには温水器などがある。何か二つの廟で競い合っているような感じだ。廟の裏を少し登ると、雞寮坑山山頂である。縦走路を右にとり、稜線道を歩き始める。2時間ほど前に遠くから見ていた山並みを、今は歩いている。当縦走路は人気ルートで多くの登山者が歩く。道の状態はよい。一度下り、登り返すと下橫坑山山頂(標高470m)である。山頂の樹木に、当座は、現地地名からすると上橫坑山が正しい、という表示がある。
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@雞寮坑山山頂 |
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飛沙縱走の表示 |
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下橫坑山 |
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マウンテンバイクを担いで登るライダー |
12時40分、下り始める。間もなく方向を間違えたことに気づき、山頂に登り返す。この山は自分にとって、まさに上下橫坑山である。縦走路を下り、舗装路の鞍部に下る。途中マウンテンバイクを苦労して持ち上げてくるライダーとすれ違う。舗装路をまたぐと、道は山腹を行く土の幅広路となる。13時8分、芎蕉窩山への分岐に来る。左にとり山頂(標高460m)へ登る。左に果樹園をみて数分でついた。山頂には抹茶色水面の水槽がある。飛沙縱走路は、果樹園や農園の上を行く、ほぼ同じような標高のピークをつないでいく。
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鞍部から左の道を進む |
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左の道から芎蕉窩山を往復する
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芎蕉窩山山頂 |
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果樹園わきの道を登る、右の山は芎蕉窩山 |
縦走路に戻り、幅の広い道を3,4分行くと縦走路は左にまた細い山道となる。その部分で小休をとり、さらに登ること約10分、牛欄窩山(標高463m)山頂についた。樹木に囲まれ展望はない。急坂を下り、開けた果樹園の道に出る。午前中は、遠くの山はまだ霧に囲まれもう一つはっきりしなかったが、今は霧が去っている。左に別荘のような家屋を見て登ると、石畳の中坑山歩道に合流する。わきには民間が設けた涼亭がある。
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稜線上に大きな水槽 |
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牛欄窩山山頂 |
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視界が開けた道を進む、遠方のピークは中坑山 |
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ここから石畳登山道だ |
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石段道を登る |
石段道は一度下り、登り返すと中坑山だ。天気の良い日曜日の午後であるので、ここからは大勢の登山者とであう。三度目訪問になる中坑山山頂(標高462m)は、北側の草木がすっかり切り取られ、よい展望ができる。すぐ下には第三高速道路、その向こうには
流民窩山などの山並みがある。14時20分、今日の最後のセクションを歩き始める。10分ほどで觀日亭の広場について休憩をとる。
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中坑山山頂 |
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山頂からの展望 |
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觀日亭で一休み |
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右に2.8Kの石里程柱 |
ここからは、基本下りの3㎞弱の道である。民間人の建てた涼亭が道脇に並んでいる。その先の分岐で、左に石壁坑山への道をとる。尾根上には、少しの上りもあるが、多くの人が歩くよい道である。15時11分、石壁坑山山頂(標高402m)にたちよる。さらに下り、展望デッキのある分岐で最後の休憩をとる。仲間がシェアしてくれるビールがうまい。
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子供連れ登山者も多い |
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石壁坑山山頂基石 |
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展望デッキで最後の休憩 |
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犬が一緒についてきた |
15時34分、石壁に向けて下る。展望デッキで寝ていた犬が、ついてきて一緒に下る。仲間が餌をやったからだろう。一本調子の下り道は、どんどん下る。20分ほどで山道は、農作業中の菜園で終わり、舗装路に出る。義民三路へ下り、その先少し歩いて16時に石壁バス停に着いた。運よく待つことほんの3,4分で1820番バスがやってきた。日曜日であるので、高速道路は少し混んでおり、2時間ほどかかって台北西門バス停に帰り着いた。
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バス停に到着 |
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展望デッキで寝ていた犬 |
一般交通機関によるアクセスであったが、とてもスムースに進んだ。天気もよく、メンバーの足並みもそろい、16㎞弱の行程は、休憩を含め7時間20分で歩き終えた。累計上昇660m、下降690mである。コース定数は25となる。
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