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2025-04-29

2025年4月27日 瑞芳蛇子形古道から三爪子坑山を登る

良好な展望台、三爪子坑山山頂
瑞芳の街からも見える三爪子坑山は、12年前に初めて訪れてから3回ほど再登している。その時以来、地図上に表記された蛇子形古道は興味の対象であった。蛇子形というので、蛇のようにうねっているのかと思うと、地図上でみればそうでもない。いつどのように名付けられたのか、興味があるがこの沢沿い道の上には蛇子崙山があるので、本来土地の名前なのかもしれない。そして、この名前にひかれて、数年前に歩くことを目指したが入口すらわからず、実現しなかった。最近ボランティア活動で、道が整備されたので、数年来の望みを実現できた。4月23日に日本から帰り、すぐに当山行を決めた。

瑞芳駅から歩き、侯硐駅へ下る
今回の登山ルートは、蛇子形古道経由で稜線にあがり三爪子坑山を往復、その後蛇子形稜から侯硐へ下るつもりであった。前半は問題なく三爪子坑山を往復したが、当日は多くの登山者が入り、それまでの雨が続いたこともあって滑りやすく道の状態が良くなく、且つかなりきついところでもロープなどがないので、下山ルートを変更した。主稜線をそのまま下り、周家古厝遺跡を経由して柴寮古道に出て侯硐へと下った。周家古厝を経由する道も、ここ最近に整備された道であり、始めて歩いた。それはそれで良かったと思う。

@三爪子坑山山頂
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瑞芳駅待合室には多くの登山者
今朝は久しぶりに台湾鉄道で瑞芳に向かう。九份を訪れる場合、瑞芳から向かうことも多いので、日本からの旅行者でもこの地名は聞いたことが多いと思う。台北7時34分発の蘇澳行き区間電車で出発する。日曜の今日は、通勤者が少ない。一時間足らず、8時半前に到着する。すでに瑞芳駅で待っていたメンバーも加え、今日は12人である。我々以外にも、今日は蛇子形古道へ向かう登山グループが多いと聞く。

囲いを改修中の瑞芳國中、背後に三爪子坑山山頂が見える
@蛇子形古道口
8時40分、瑞芳駅から歩き始める。街中を通り、基隆河を渡る。河にそって三爪子街を進む。以前何度も電車車窓から見ていた大きなアーチ形の瑞芳中学校のわきを通る。9時17分、瑞芳運動公園を通り過ぎ、9時20分過ぎに蛇子形古道入口についた。駅から約2.2㎞、徒歩40分である。山道は、蛇子形坑溪の左岸を少し行き、すぐに橋を渡って右岸を行く。その後はずっと右岸を進む。

橋を一度超えた後は、ずっと右岸を行く
かなり精緻な彫刻のある土地公祠

我々の前は、かなり人数の団体が歩いている。歩き始めて10分ほどで土地公の祠を過ぎる。最近の雨で、ぬかっているところもある。わきから流れ込む沢で、途切れる場所もあるが、おおむね問題はない。過去棚田であったと思われる場所も通り過ぎる。10時10分、また石祠がある。説明札は有應公となっている。有應公とは、死後よりどころのない魂を祭るいわゆる陰廟である。中国の伝統慣習は、通常は死後その末裔が祭るが、行倒れなどの身元不明者、あるいは未婚女性(過去は未婚女性は、自分の生まれた家族の墓には入れない)などの魂を祭るものである。






倒木などがあるが道筋ははっきり
枝沢を超える
有應公石祠
崩壊部分
石祠のすぐ先は、大きな崩壊があり慎重に通過する。道は少し勾配を増し、10時40分過ぎに蛇子形稜への分岐を通過する。間もなく、沢から離れ左に大きく登る。少し開けた場所があり、そこで休憩をとる。それまでは、パーティ全体が休めるような場所がなかった。
蛇子形稜への分岐
滑りやすい急坂を登る
11時10分過ぎ、道はここから尾根に急登でとりつく。この部分はロープも取り付けられいないので、滑りやすい坂を慎重に登る。登りきると、しばらく緩やかな尾根上の道となる。30分ほど登ると、林投が大きく刈り取られた裸岩があり、登ると展望がきく。さらに少し登り、11時50分に主稜線上に登りついた。数年前は、この入口すらわからなかった。
切られた林投の間を登る、左に三爪子坑山
露岩上からの眺め
古道と主稜線の分岐
主稜線の道を進む
三爪子坑山へ向けて、稜線上の道を進む。狭い尾根は上り下りが大きく、ロープセクションも次から次へと出てくる。なかなか距離が伸びないのがじれったい。12時少し前、ちょっと開けた斜面で昼食をとる。25分ほどの休憩後頂上をめざす。八分寮山方向への分岐を通り、最後の上り下りを超えて、12時47分三爪子坑山山頂(標高538m)に着いた。
ロープの岩場下り
天気がよい今日は、周囲がずっと見渡せる。よい展望台であることは以前と変わりない。海岸線とその向こうの基隆嶼や基隆山、さらに大小粗坑山,燦光寮山等など、また反対方向の五分山から平溪坪林方面の山までよく見える。特徴ある獅子嘴岩は下方だ。13時8分、山頂をあとに往路を戻る。下ること約25分で分岐へ戻る。今日はメンバー中、調子が不調でここで休んでいたメンバーもいた。また急な滑りやすい坂を下っていくのも大変なので、予定を変更し主稜線をそのまま下る。
海岸線と基隆山、手前の大粗坑山
瑞芳の街と遠くに基隆嶼
平溪坪林方向の山々

帰路上の登り返し、背後に三爪子坑山
10年ほど前に来た頃は、草に埋もれていたが、今はしっかり刈られよい道である。13時50分、八分寮頂砲台への道の分岐を過ぎ、さらに下ること数分で周家古厝への分岐に来る。そのまま中坑古道との分岐へ下らずに、ここから周家古厝へと下ることにする。急な坂を下ると分岐に降り、左にとって山腹を行く道を進む。このあたりにも棚田があったようだ。
八分寮頂砲台(直進)への分岐
周家古厝への分岐(左)
急坂を下る
周家古厝遺址
ちょっと小高いところにある土地公への分岐を過ぎ、14時20分周家古厝遺跡へとつく。ちょっと小高い台地にある住居遺跡は、ほかの山中の遺跡と同じに壁だけを残し、屋根はとおの昔に消失している。入口わきには、説明板があり当時まだ人が住んでいたころの住所は烏塗窟10號であったという。

烏塗窟古道を下る




14時38分、烏塗窟古道を下り始める。沢沿いにしばらく下り、廃棄坑道入口を通り過ぎる。14時54分、柴寮古道へ合流し左にとってさらに下る。このあたりの廃棄坑道への道などは、ここ2,3年ボランティアによる整理で、草木に埋もれていた当時の廃坑や施設などの遺跡が簡単に訪れられるようになっている。15時14分、柴寮古道入口を通り過ぎ鉄道線路をくぐって炭鉱遺跡わきを進む。15時35分に電車が来るので、侯硐駅へ急ぐ。これに乗り遅れると、次は一時間以上待たなければならない。電車に間に合い、帰京した。

廃棄炭鉱入口
柴寮古道へ出る
柴寮古道口
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休憩込みで6時間20分、距離は10㎞強であった。累計で560mの上昇、530mの下降である。コース定数は20となる。この地の登山は一年ぶりである。休日であったので、特に登山者が多かった。登山人口の増加で、新しいルートが整備され、それに伴ってまた多くの登山者が訪れる。登山環境も、以前より良くなっているのを感じる。


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