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2025-07-30

2025年7月27日 陽明山長距離縦走: 聖人橋~風櫃嘴~頂山~石梯嶺~擎天崗~冷水坑~七星山~小油坑~竹子湖

風櫃嘴擎天崗步道5.6Kから見る擎天崗と背後の七星山

8月半ばに、筆者としては二度目の登山となる大霸尖山山行が控えている。その事前訓練として、参加メンバーと陽明山の縦走を行った。予定は、数年前に歩いた陽明山大縦走を逆方向に歩くものであった。盛夏の郊外低山縦走は暑く、その辺が心配であったが、逆に気温も稜線ルート上では高いところで26度で、なおかつ風が吹いていたので暑さは感じなかった。それどころか、七星山では強風が吹き、稜線上では立っているのが大変であった。そのため、七星山を下りた後、雲が去来している大屯山へは行かずに下山した。陽明山は、今まで数多く訪れ、当ブログでもかなりの数の記事を書いている。英語での記述もあるが、特に七星山付近ではかなり多くの外国人が訪れているので、それ以外にも陽明山国家公園の正式ルートでも、一般交通手段でアクセスし、距離を歩くことができることを紹介する目的で、この縦走記録をブログに記す。

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東側風櫃嘴から縦走、西側竹子湖まで

筆者が陽明山を登山目的で歩き始めて、もう15年になる。当時と比べると、休日などの登山者が大幅に増え、また若者がメインだが外国人登山者が多く七星山を登るようになってきた。国家公園としての登山道メンテやその他の働きも、こうした変化に関係があると思う。今までは、2011年に初めて歩いた七星山方面から東に風櫃嘴へ歩くことがほとんどで、2012年に一度だけ反対方向に歩いたことがある。ただ、その時は風櫃嘴へタクシーで行った。今日は、その風櫃嘴へ聖人橋から歩いて登った。この道を下りにとることは多かったが、登るのは初めてである。

聖人橋バス停で小18番バスを下車

予定コースは長距離である。できるだけ早くスタートするため、7時発の小18番バスでMRT劍潭駅から出発する。日曜日なので、車内は登山者で満員だ。30分足らずで聖人橋バス停に到着した。今日は筆者を含め三名である。7時33分、聖人橋を渡り舗装路を登り始める。ジョギング者が追い越し登っていく。登ること約20分で、天溪園生態教育中心を通りすぎ、さらに10分ほどで右に入る細い道を進んで、台北市親山歩道にとりつく。階段道は高度を上げ、途中一度舗装路を登り、また登山道に入る。沢沿いの階段道を登り、8時22分風櫃嘴に着いた。約50分ほどで約370mほどの高度を稼いだ。

天溪生態教育中心、背後に後に歩く縦走路の山並み
右の道をとる
石段道から一度舗装路にでて左に登る
最後に沢沿いの石段道を風櫃嘴へ上り詰める
大勢の人で埋まる風櫃嘴

驚いたことに、風櫃嘴は人だかりである。ロードバイク競技があるようで、多くの自動車とサイクリスト、そして学校登山行事の学生たちで、鞍部の広場は埋まっている。我々はその脇で休憩をとる。団体と一緒に登るのは大変なので、ほどほどに先に歩き始める。ここから先は、距離はあるが高低差はそれほどではない。主要な上りは頂山と石梯嶺である。石段を登り間もなく擎天崗へ 6.4Kの0.2K地点表示を見る。

0.2Km/6.4Kmのサイン
霧が晴れていく瑪鋉溪の谷間
5月には左の草藪から出てきた地点を過ぎる

今日はトレーニングが主目的なので、今まで歩いた途中に多く分かれていく脇道には入らず、ずっと石畳の陽明山公園の正規ルートを追っていく。間もなく、右方向がひらけ萬里へと続く瑪鋉溪の谷間と、その右に界寮縱走の尾根筋がのびる。谷間の霧が晴れていく。山道は、稜線を行く部分もあるが、途中のコブは基本巻いて山腹を行く。昨日の雨で、石畳はまだ濡れている。1.8Kサインを過ぎ、9時15分頂山(標高768m)に着いた。わきのベンチで休憩をとる。空は曇りで気温は26度、風もけっこう吹いて、長距離ハイキングには都合がよい。
山腹をトラバース

頂山山頂



石梯嶺はまだ遠い
次の石梯嶺へは少し距離がある。小さな草原を突っ切り、右に下って杉林に入る。本来台湾には、吉野杉は存在しない。ここにある杉は、植林されたものだ。1925年に昭和天皇がまだ皇太子の時の台湾訪問に際し行った、陽明山山塊の杉林植林がその始まりだ。戦後にもまた植林が行われ、それが今に至っている。杉林を登りまた稜線へと出る。3.2Kサインをみて前方に石梯嶺が視界に入る。この付近は草原が多く現れ、当ルート上で気持ちのよいセクションである。左下の池には過去何回か、水浴びをする水牛を見た。

杉林を抜ける
左に石梯嶺
石梯嶺下の草原

左に北五指山への道を分け、そのうち左に回り込んで、正規ルート上で一番大きな石梯嶺下の草原を登る。4Kサインを見て、石段を登り10時10分、石梯嶺(標高863m)についた。山頂からは、北方向に大後尖山,磺嘴山,近くに大尖山が、北西方向には雲をかぶった七星山、そしてその東方向にうっすらと竹子山への山並みが見える。山頂近くで休憩をとる。吹き抜ける風が気持ちよい。

石梯嶺山頂
七星山は薄雲の中
石梯嶺からの下り道
石梯嶺からしばらく下り、磺嘴山登山道ゲートを通過。擎天崗山東峰を過ぎて下り、金包里古道石門に来ると、多くのハイカーや観光客が出現する。擎天崗は今や観光地である。11時、擎天崗ビジターセンターを通り過ぎ、車道を進む。峠を越えて左に涼亭わきから山道に入り、吊橋を渡って11時25分、冷水坑ビジターセンターについた。センターわきの休憩所で昼食をとる。晴天であれば日差しが強くて大変だが、曇り空なので戸外でも大丈夫だ。周辺は大勢の人である。

牛止め柵を通って擎天崗へ
擎天崗の草原
ここから左に山道、七星山が近い
冷水坑ビジターセンターも人だかり
いよいよ七星山を登る

ビールを飲んだせいで、長めの1時間休憩となったあと、12時25分七星山に向け再出発である。東峰山頂まで距離1.8Km、標高差約350mである。登山口からとりつき、20分ほどで涼亭を通過、通信施設わきの分岐からさらに登る。今日は曇り空だが、遠くまで見える。1.2Kサインをみて、13時5分椅子のある休憩所で休憩をとる。もともと草山と呼ばれた陽明山である。七星山も山腹には樹木が多くないが、このベンチは灌木内である。

登りはじめてしばらく、七星山が現れる
夢幻湖分岐
登るにつれ視界が開ける
石段急坂を登る

七星山東峰まで残り150mほどの高低差である。樹木から出ると、午前中にあるいた石梯嶺の山並みや、足元の夢幻湖などが俯瞰できる。登るにつれ、風が強まってきた。最後の坂を登りつめ、13時32分に東峰(標高1107m)に登りつくと、強風で立つのも大変なぐらいである。何度も訪れた東峰だが、今日は風が一番強いかもしれない。早々に主峰へ向かう。

擎天崗の草原、その右に竹篙山,奥に歩いた石梯嶺
トレールランナーも多い
東峰はもう少し
強風でガスが去来する主峰
一度下り主峰へ登り返す

主峰へはヤタケの間の道なので、風は和らぐ。一度下り,左から苗圃登山道を合わせ、登り返す。山頂は風が強いので、13時44分少し下の大石わきで休憩をとる。何人かが下ってくるのを見過ごし、ちょっと登ってガスの中の主峰(標高1120m)に上がる。かなり多くのハイカーがいる。写真を撮り、すぐに下り始める。

七星山主峰
霧と風の中の主峰山頂
展望台まで来ると霧が晴れた
こちらも急坂が多く、高度はどんどん下がる。南峰への分岐を過ぎ、またその先金露天宮などへの分岐もそのまま下る。展望台を過ぎるころには、ガスは消え前方に視界が広がる。硫黄噴出孔を過ぎ、14時37分登山口に降り、小油坑ビジターセンターで休憩する。先ほどの強風、また大屯山も山頂はガスが去来し風が強いことが望まれる。このまま予定で行くと、日暮れ前には歩き終わるだろうが、風で苦労するかもしれない。そこで、この先全体の3分の1行程は取りやめることにした。

山頂はまだ霧の中
硫黄噴出孔付近を下る
小油坑ビジターセンターが見えた


ビジターセンター

駐車場から人車分道に入る

14時55分、小油坑駐車場に向け進み、駐車場から人車分道を下り始める。小油坑橋駐車場を過ぎ、陽金公路に並行する人車分道を歩く。ここを歩くのは実に14年ぶりである。石畳の道は、当時と変わらない。この道を歩く登山者は少ないとみえて、石畳には緑のコケがびっしりである。15時48分、竹子湖派出所わきへでた。目の前がバス停で、しばらくすると小9番バスがやってくる。そこで、ここで今日の山歩きは終わりとした。待つこと数分で、やってきた小9番バスに乗り、MRT北投駅から帰宅した。

小油坑橋駐車場わきからさらに人車分道を下る

小油坑崩壊を見上げる

コケに覆わた人車分道の石畳
竹子湖派出所
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歩行距離約16㎞、累計登攀1300m、下降780m、休憩込みで約8時間であった。コース定数は32である。予定通りには歩いていないが、訓練という意味では効果があったと思う。休日であったので、実に多くの登山者や観光客と出会った。ある意味、筆者としても陽明山を見直した山行であった。


2025-07-17

2025年7月12日 廃棄森林鉄道ルートから加里山を登る

稲穂の向こうに加里山(雲をかぶった峰)

苗栗縣の加里山は、2014年に初めて訪れて以来、今まで3回登頂している。2014年当時の筆者にとっては、本格的な中級山登山の始まり時期でもあった。初回は天気に恵まれず、最短のルートで鹿場登山口からの往復であった。その後は、哈加縱走ルート、また泰安虎山経由そして橫龍山を下る長いルートで登頂している。加里山ルート中で、まだ歩いていなかった半世紀以上前に使用されていた森林鉄道の廃棄軌道を経由することで、今回は登頂した。過去に歩いている部分と重複する場所もあるが、大部分は初めてであった。

森林鉄道軌道(廃棄され登山道として使用)

台湾の森林鉄道というと、今でも運営している阿里山森林鉄道や、一部が再開した大平山森林鉄道がよく知られている。加里山の森林鉄道は、純粋に伐採した木材運搬のためであり、前者のような観光資源とはならなかった。そのため、歴史のかなたに追いやられた感があり、資料もあまり見当たらない。その少ない資料によると、日本時代の1920年代に麓の南庄に林業の会社が設立され、樟脳産業が始まったという。樟脳の原生クスノキが伐採された後には、吉野杉が植林され林業が展開されたようだ。切り出した木材や機材を運搬をするために、加里山と哈堪尼山との間の鳳美溪にそって軌道敷が開かれレールが敷かれた。対岸には、木馬道も開かれたそうだ。日本が去った後も林業運営は続き、1970年ごろまで行われていた。

時計回りに歩く
廃棄されて半世紀以上が過ぎ、沢を渡る個所などは橋などは遠の昔に流され、道床も崩れてレールが近くに散らばっているような場所も少なくない。そのうち大坪登山口に近い鞍部から鹿場登山口から登ってくる登山道分岐点(避難小屋)までは、林務保育署によるメンテが行われ、立派な橋や道標などが完備し、だれでも歩ける道となっている。かなりの部分はレールもしっかりし、今でもトロッコが走れのではと思えるような場所もある。一方、その先は、歩く登山者は少なくなり、それなりの経験が必要なルートとなる。道床が流された場所は、かなり大きく下巻をしなければならない場所も多い。ただ、幸いロープや簡単な道標などがあり、迷うことはない。

一等三角点がある加里山山頂

今回のルートは、大坪登山口から出発し、鞍部から線路道を約5キロ歩いて、哈堪尼登山道分岐へ行き、そこから加里山へ登頂した。下山は、避難小屋からの道を下り、その途中分岐から左へと下って鞍部へ戻り、大坪登山口へと戻った。

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頭份・三灣インターチェンジ近くから見る加里山

久しぶりの早朝出発である。5時過ぎに台北からメンバー一人の車をシェアして登山口へ向かう。1時間と少しで約束していたコンビニでほかの二台の車と合流、ただ登山口付近の駐車スペースが少ないので、一台を残し都合8名のメンバーは二台に分乗、さらに道を急ぐ。南庄の街を過ぎ、仙山方向へ登っていく。二年前に大坪山に登った時と同じに、大坪林道に入りさらに高度を上げる。道端に駐車している車がそこここに現れ、8時少し前幸い登山口から遠くない場所で我々も車を泊めた。

大坪登山口
杉林の間を登る

もう一台の車は下のほうに止め、そのうちやってきて一緒に登山口へと進む。8時7分、いよいよ登山口から出発だ。加里山は直接登頂できる登山口は二つ、この大坪と鹿場とである。それ以外に、隣接する尾根を経由しての登頂もできる。それぞれ特徴のある登山ルートだ。大坪登山口は、標高約1360メートル、加里山山頂は2220mで、単純な落差は約860mとなる。最短な登頂ルートは、下山に下った道を登るルートである。

山腹を登る
鞍部休憩広場、突き当りに杜鵑嶺登山道が分岐する
丸太を使った階段道が続く。数日前まで台風の影響でかなり雨が降ったので、道はかなり湿っている。杉人造林の間を登ること約25分、森からでて山腹を縫って登る。8時42分、 大坪山との鞍部に着いて、ベンチで休憩する。気温は22度、標高1600mを超えているので、さすがに涼しい。休憩広場は、その昔は材木の運搬中継場所であったようだ。当時の木材を麓へと運ぶウインチが広場端に廃棄されており、一方、木材を運んできたトロッコの軌道がここから山へと延びる。

トロッコ車輪など廃棄機材、左奥にレールが延びる
廃棄ウィンチ
分岐部
広場端からは、杜鵑嶺へ登る尾根道がすぐ分かれる。左の軌道道を進む。廃棄されているがまだかなりしっかりした軌道道を進むこと3,4分で右に道を分ける。この道は下山時に降りてくる予定の道だ。本来森林鉄道なので、軌道は勾配も大きくなく、山腹を縫って進む。さらに行くと、沢を超える。このような場所は、廃棄されて半世紀の歳月の間に、軌道は流されてしまっている。その後、本来の鉄道橋に換わる歩道橋が作られている。

軌道は途切れ、歩道橋が新設

高巻からレールが残る軌道敷に戻る
状態のよい軌道部分
進むにつれ、さらに道床が流されてしまっている箇所が次々と現れる一方、まだこのままトロッコが走れるのではないかと思えるほどの、よい状態の場所もある。不通部分は、高巻や下巻道で通り越す。過去の数多くの登山で遭遇した林道の崩壊個所と同じく、長くメンテされていない山腹を行く軌道では当然の結果である。9時46分、大坪登山口起点から登山道3.5K表示を見る。さらに小さな崩壊個所を過ぎ、9時51分に避難小屋についた。ここは、鹿場登山口からの道の合流点でもある。11年前の初回訪問時にここを通った時に、軌道を見ていずれは軌道を歩いてみたいと思っていたのが、やっと実現したわけだ。

山腹を縫って軌道が延びる
別の歩道橋
レールが流された軌道敷を進む

3.5K
避難小屋についた
柵の向こうに軌道は続く
軌道は鳳美溪にそってさらに奥へと延びる。10時6分、具合がよくないので一人で登山口へ戻るというメンバーと別れ、さらに軌道を進む。この先は登山道ではないという警告標識を過ぎ、軌道を進む。先ほど歩いた政府によるメンテがされている軌道跡とは違い、こちらはとてもワイルドだ。細々と延びるレールは、杉落葉で埋まっている。倒木が邪魔する。ほどなく崩落部を通り過ぎ、さらに5分ほどで軌道が途切れ、大きな崩落部に出た。沢が流れているが、その先がはっきりしない。地図上では、下側にもう一つのレール道があるようで、前進をあきらめ、往路を戻る。すると下方に道が見えたので、強引に下り、このレール道に降り立つ。この上の軌道で、30分ほど費やしてしまった。

草や倒木に覆われた軌道

押し流された部分



下方の軌道、位置番号表示板がある
こちらのレール道は、そこそこ歩かれておりマーカーや、また地元消防隊の位置確認標識も現れる。もちろん前半の良好な部分とは違い、ずっとワイルドである。杉林の間を行く軌道は間もなく途切れ、大きく下って沢を超えまた軌道へ登り返す。半世紀以上過ぎて、まだ道床やレールがしっかり残っているのが、実は驚異なのかもしれない。さらに数カ所、大小の下巻を一つ一つ過ぎていく。急な場所にはロープも取り付けられていて助かる。いやになるほどの下巻を過ぎ、12時哈堪尼登山道との分岐点についた。これから始まる600m弱の登攀に備えて昼食休憩をとる。

下巻いて沢を越す
軌道へ戻る

小さい崩壊部分
残された車輪
哈堪尼山歩道分岐
ここから登りにかかる、軌道はさらに延びる
急坂にとりつく

軌道はさらに奥に延びるが、25分の休憩後はいよいよ加里山への登頂開始だ。ここから上の部分は、数年前の哈加縱走時に歩いている。いままでは、崩壊部下巻などの上り下りはあるものの、ほぼ水平に進んできた。それに比べて、とどまらない急登は、やはりつらい。同じペースを守り登っていく。軌道を歩いてた時は、時々木漏れ陽が道を照らしたが、霧が立ち込めてきた。天気予報では午後にわか雨の可能性を示していた。雨にならないといいが。雑木林をひたすら登ること40分、尾根上のコブを越し、一度下って登り返して13時15分、加里山東南峰への分岐点に着く。ここで休憩をとる。




急坂を登る

霧が出てきた

東南峰への分岐部
霧の中を登る
休憩後、先に高度差60mほど下り、山頂に向けて登り返す。濃霧で周囲はよく見えないが、勾配はそれほどきつくないものの、尾根の左右はかなり切り立っている。小さな上り下りが続くのが厄介だ。登るにつれヤタケが現れ、霧で濡れた葉がズボンをぬらす。時々風に吹かれた水滴も感じる。小さな岩場を過ぎ、14時23分位置表示東線14号の札を見て間もなく、当ルートの難所大岩場の下部についた。筆者は、登る途中に足がちょっとつり始めていたので、少し休憩させてもらう。

ヤタケの間を下る
岩が出てくる
勾配がきつくなる
岩壁を登る
好天下の前回訪問時とは違い、今日は岩は濡れている。滑らないよう注意を払い、岩場を登る。数段に分かれた岩場をよじ登り、少しトラバースしてさらに別の岩場を登る。最後に頂上直下の岩場を登り切り、15時8分に山頂についた。休日の今日は、かなりの登山者が訪れていたはずの山頂は、すでに誰もいない。周囲は霧で遠望がないのは残念だ。山頂はそこそこ乾いているので、雨は降っていなかったようだ。この先、基本下りなのでほっとする。頭が赤い昆虫が多くズボンに止まってくる。蛍だろうか。気温は19度、夏は中級山以上のほうが涼しくてよい。

樹木をつかみ登る
金属ステップが取付られた岩場
山頂直下の岩場
次々と登頂
加里山山頂
岩場を下る

15時25分、下山を始める。多くの登山者が利用するこの道は、路面が削られていたりするところもある。露出した岩などを下り、16時5分分岐へ着いた。右は避難小屋経由で鹿場登山口への道、左にとって下り始める。今までの尾根上とは違い、岩やロープセクションがないので楽だ。杉林の造林道をどんどん下る。16時36分、沢を渡り小休憩をとる。

濡れて滑りやすい岩
分岐は左に下る
杉林を下る
沢を渡る
山腹道を行く
勾配が緩くなった山腹道を進むこと約20分、右に朝歩いた軌道が見えた。合流して少し戻り、鞍部休憩場所に来る。小休憩の後、最後の下り道を進み、17時50分登山口に降り立った。林道を少し下り、駐車場所に着く。先に一人戻ったメンバーがスイカを切って用意してくれていた。着替えなどを済ませ、18時10分林道を下り、途中コンビニに立ち寄り、20時40分に台北に帰った。

朝の軌道が見えた
鞍部から登山口へ下る
登山口が見えた
下山後のスイカは格別😁
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ズボンにとまるホタル? 加里山山頂にて

距離11.2㎞、累計登攀1030m、休憩込みの行動時間約10時間である。コース定数は32となる。最近は、とても暑いので半日で終わる近郊登山であったので、久しぶりの長時間行動となった。加齢も関係しているのか、今回は足がつるといったこともあった。ちょっと残念だが、メンバーが理解してくれたのでとても助かった。

加里山については、まだ東南峰や哈堪尼登山道分岐から先の2キロ足らずの軌道部分が未踏ではある。しかし、森林鉄道軌道跡は、主要な5㎞ほどを歩いているので、それはそれで本来の目的を達成したと思う。一応鉄道ファンである筆者としては、捨て去れまだ残っている軌道を歩くことは、それ自体楽しかった。