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2026-02-28

台湾登山ルートガイド:基隆紅淡山 港町を見下ろす小百岳

西側三坑駅から登り北の基隆市街へ降りる

台湾北部の基隆港は、台湾の重要な海港である。その重要性は、台北港など他の港の発展で相対的に落ちているが、台湾を代表する港であることに変わりはない。日本の港町、例えば神戸や長崎などが、その背後に山を抱えているのと同じように、基隆港もその後ろには山が迫っている。山の中腹まで建物が並んでいる様子は、同じような景観を呈する。

台北から北東方向の基隆

基隆港を取り囲むスカイライン上には、多くの砲台遺跡が残る。そのスカイライン上に、紅淡山がある。基隆の繁華街からすぐ後ろに聳え、アクセスもよい。そして山頂からまたは近くのロータリークラブ塔からは、港町が眼下に広がる。天気が良ければ水平線も明瞭だ。半日で歩き終え、下って基隆の街歩きもできる。台北からも交通手段が多く、台北を訪れた時にちょっと登ってみるのもよいだろう。このガイドでは、そうした点から多くのルートの中で三坑駅から歩き始め、基隆繁華街のど真ん中廟口愛四路におりるルートを紹介する。

南新街31巷から見る住宅地背後の紅淡山
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登山対象:

ルート

三坑站→(10分)→南榮路393巷英仁社區→(25分)→寶明寺登山道分岐→(10分)→小溪頭山莊→(10分)→扶輪社塔→(8分)→紅淡山山頂→(8分)→石像櫻花園涼亭→(5分)→自強山莊→(8分)→協安宮→(30分)→福安宮→(30分)→愛四路口(廟口夜市付近,愛四路2巷基隆八景磁磚畫)→(15分)→基隆火車轉運站 約2時間40分(休憩を含まず)約5㎞ 累計登攀約260m 下降300m コース定数10

紅淡山

紅淡山山頂
標高208mの当座は、小百岳の一座に指定されている。もともとは雙龍山と呼ばれていた。紅淡山は、当座で見られる植物紅淡比(サカキ)があることからの命名である。基隆市街から近いので、多くの道が設けられ、また山上には寺廟や多くの民間涼亭が設けられている。地元政府による道の整備や道標が設けられ、気軽なハイキングとして市民はもちろんのこと、多くの人が訪れる。今回の登山ルートは、その一部を歩いているが、寶明寺からのルート南天宮からのルートには、市政府による里程がつけられている。四季を通して登れるが、夏はちょっと暑くて苦労するかもしれない。

山頂前の稲荷像
山頂のすぐ下に稲荷の石柱が立っている。これは、本来麓にあった末広稲荷神社のものを、戦後に登山道開設の際にここに移設された、ということだ。稲荷像の下の文字「弥習弥佳」は、中国の古典に由来し、見れば見るほどその素晴らしいことに気づく、といった意味である。確かに、山頂からは広い基隆港の景色が展開する。

扶輪社塔(ロータリークラブ展望塔)

塔脚部
塔上のロータリークラブマーク
1986年に基隆東南扶輪社によって建立された展望塔である。塔上から360度の展望ができる。五「基」と言われる基隆市、基隆港、基隆河、基隆山そして基隆嶼が望める。それ以外にも台北101ビルや、五分山からずっと姜子寮山,四分尾山と南下する山脈や、陽明山山系も望むことができる。天気が良ければ、ぜひ登ってみることを勧める。

基隆八景磁磚畫(タイル画)

防空洞の前に建立されたタイル画

日本時代の政治家許梓桑の住宅遺跡である慶餘堂(1931年建立)の名前を入れたタイル画が繁華街裏の愛四路2巷に設けられている。奥にある慶餘堂の復旧を目指す地元ボランティアが、2014年から王傑芸術家の指導で活動してできたものである。基隆八景とは、日本時代に選ばれた基隆付近の景勝地のことである。ヨーロッパのタイル画をほ彷彿とさせるもので、立ち寄る価値がある。慶餘堂は、このガイドでは触れないが、さらに階段を行った、太乙宮の上にある。ちなみに台北市信義路に慶餘堂という老舗の漢方薬店があるが、関係はない。

基隆廟口(夜市)

基隆市仁三路上の奠濟宮を中心とした有名な商店街。夜店もあるが、昼間も多くの食事処でにぎわう。廟口とは、廟宇の前に人々が多くあつまり商売が発達してきた場所を指す。日本の寺町といった感じである。このルートガイドでは、降りたところのすぐ近くがこの繁華街となる。


コース概要:

台北から基隆行き区間電車で来ると、最終駅基隆の一つ前になる。駅の出口は北側に一つだけで、出て右に曲がり、交通量の多い台五線道路に出る。右に曲がりしばらく進むと、南榮路393巷の角に来る。このガイドでは、ここで左に曲がり山へと進むが、そのまま直進してトンネルをくぐると寶明寺ルートの入口がある。距離的には少し遠回りとなる。

三坑駅ホーム、出口は北側の一つだけ
三坑駅から歩き始める
台五線公路、三坑駅から出たところ
先の交差点を左に南榮路393巷へ入る

英仁社區の表示を見て道は勾配が始まる。住宅の間の坂道を登りつめると、一度山腹を横切る車道に出る。その対面にある階段山道をさらに登る。階段のステップ表面には、ところどこに紅淡山のマーカーが埋め込まれている。澹林宮のステンレス山門をくぐり、廟の脇をさらに登る。登りきると寶明寺からルートと合流する。左に登り高度を上げていく。右に駱駝山莊を見てさらに行くと基隆東南扶輪社山莊が左側にある。その先は小溪頭山莊の分岐で右で左でも先に合流するが、左に取っていくと小溪頭山莊が右上に現れる。

英仁社區
住宅の間を登る
車道対面の階段道を引き続く登る
紅淡山登山道のマーカー
澹林宮山門

澹林宮、左の階段を登る
右から寶明寺からの道と合流
駱駝山莊入口
基隆東南扶輪社山莊
小溪頭山莊への分岐
小溪頭山莊
小溪頭山莊のすぐ先は、少し広場になっていて説明板が並ぶ。左に麒麟のレリーフ石碑がある。ここは清朝時代の清仏戦争に関係した場所で、この石碑の下は清朝兵士の墓ではないかという。進むと、先ほど小溪頭山莊前で分岐した道と合流する。そして少し先で、左に扶輪社塔へ続く道が分岐する。がけわきの道を行くと、前方に塔が現れる。塔内部の螺旋階段を登りきると、360度展望台だ。天気が良ければ、ぜひ登ってみる価値がある。

説明板の並ぶ広場
麒麟レリーフ
扶輪社塔への分岐
塔上から南から西方向を見る、左奥が台北、すぐ下に三坑駅、遠くは陽明山山系
北側港方向
五分山(左)から姜子寮山、四分尾山の山並み
塔から下り、また先ほどの分岐からの道と合流する。その先左に三角点方向を示す道標に従い進む。左に小高くコンクリ製の涼亭を見る。その先2カ所の分岐も直進すると、稲荷像が左右二つに並ぶその奥に山頂がある。山頂も海側の展望が広く望める。

左に三角点方向へ
ここは直進
ここも直進、左は下山に通り石像櫻花園へと下り
山頂は眼前
山頂からのパノラマ
下山は先ほどの稲荷像の方向へ戻り、そのすぐ先で石像櫻花園方向の道標に従い、大きく下る。下ったところが石像櫻花園で、時期が合えば桜(寒緋櫻)が多く咲いている。椅子机がある涼亭があるので、そこで休むのよいだろ。直進すると、A1歩道とある里程柱があるので、方向を確認して進み、左前方の丘の上に自強山莊を見る。分岐が四カ所現れるが、いずれもコンクリ舗装あるいは階段の道を協安宮へと直進する。

石像櫻花園へ下る

石像櫻花園涼亭
涼亭内部
道脇の紅淡比の説明、森氏は森丑之助のこと
前方の涼亭背後に自強山莊
自強山莊からの眺め
道標に従い協安宮へ


協安宮
協安宮を過ぎると、道幅が広がりその先車も通れる道になる。左に益壽早起會の涼亭を見ると、車道をそれなりに進んでもよいが、右に階段の近道があるので、それをとってもよい。下っていくと南新街51巷となり、住宅が現れる。下りきって、右に南新街31巷を行く。少し登りになり、公園状のところで右に進む。住宅の前を通って進むと、ちょっと草がかぶる階段道になる。急な階段は途中石頭公を右にみて、住宅のすぐ上を巻き福安宮へと降りる。

道幅が広がる
益壽早起會涼亭
石段近道
近道出口

南新街51巷の住宅地に入る
南新街31巷は右へ、左に下ると三坑駅方向
ここを登る
下りはじめはちょっと草がかぶる
石頭公
住宅地がすぐ下
福安宮に下る
福安宮の建物わきを下ると、右に太乙宮の階段がある。登っていけば慶餘堂廃墟へと行ける。左に取って下ると、すぐに廃棄された避難洞窟の前に並ぶ基隆八景のタイル画の脇を通る。下り切れば、そこはもう基隆の繁華街だ。愛四路から仁三路へ、右に行けば廟口方向へ行ける。左は基隆埠頭や基隆駅方向だ。街中を進んで、基隆海洋広場を通り過ぎれば、基隆駅やバスターミナルがある。
福安宮の左を下る

愛四路2巷のタイル画
愛四路2巷の入口
人出でにぎわう廟口付近の通り
海洋広場

アクセス:
基隆は台北のベッドタウン的な発展をしてきているので、台北~基隆間は電車のみならず高速道路経由のバス便も多い。バスは、台北市内及び新北市の主要な場所との間の便が多く、場合によっては、鉄道よりも速く目的地に着く。こうしたバスは、去年すべて基隆鉄道駅わきのバスターミナル発着となった。詳細は、別途確認してほしい。

装備:

一般の日帰り登山装備で十分である。半日で歩き終えるので、水や行動食などもそれに合わせて持ってけばよい。時期的に夏は暑いので、あまりお勧めしない。

山は低くそこそこ道案内もあるが、道が多く交錯しているので、事前にスマホのオフライン地図を準備して登るほうがよい。遭難することはないが、思わぬところに出てしまい時間を要することがあるかもしれない。筆者は魯地圖(Taiwan TOPO)を使用している。この地図は、自分の好みのGPSナビゲーションアプリ上に載せて使用する。地図は無料で、頻繁にアップデートされている。一方アプリも無料や少額の寄付アプリが使えるので、安価に優秀なオフライン地図を使える。こちらからダウンロードできる。



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