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2012-02-13

2012年2月12日 新店直潭山 四分子産業道路経由で下る

獅仔頭山から見る直潭山、右手前は東獅仔頭山とその尾根
直潭山は台北盆地を取り巻く山のうち、判別しやすい山である。稜線上にはいくつかの送電線鉄塔が、頭の上にさされたかんざしの如く建てられているので、特徴がある。自宅の近くから南方を見ると、手前にたたずむ低い山の奥に標高729mの直潭山が控えている。今までの登山では、獅仔頭山の登りで、北東方向に東獅仔頭山のすぐ左側奥に並んでいた。今回の登山は、下山路に四分子産業道路を経由したが、木々のあいだから新店溪をはさんだ対岸に去年11月に登った獅仔頭山の山々が見えた。

台北の南方にある直潭山、左は獅仔頭山
ルート、ただし前半登り部分は記録なし
今回は、今後烏來の山や直潭山に連なる山塊縦走の下見の意味も含めて行って来た。烏來行きの849番バスは、便数も多く便利である。家からは公館で乗車し乗り換えなく、そのまま目的地までいける。休日であることも関係するのか、往復ともにバスは混んでいた。

民壯亭の登山口
家を7時に出発、849番バスに乗車。バスはMRT新店駅で乗客が大勢乗り、ギュウギュウ詰め満員となる。新烏路に入ると道はカーブが多くなり、勾配もきつくなる。ほとんどが烏來までの乗客なのだろう、直潭山の登山口民壯亭で下車したのは、自分も含めて二人だけである。時刻は8時15分、青空が谷あいから見える。数日間の冷たい雨の後、また好天となった。

登山道登り始め、民壯亭方向をを振り返る
小沢を渡る
ここから直潭山へは、すぐに山道になる直潭山からの南尾根を登る道、南西の谷あいをいく舗装路を登って二龍山、長春觀から直潭山の西尾根を登る道の2つがある。これらは新北市の直潭山登山道としてメンテされている。今日の行程は、南尾根の道を登り、西尾根を長春觀まで下り、その後四分子産業道路を経て金興路口バス停まで歩いた。


枕木の階段
民壯亭バス停から、新下亀橋方へ歩き左に分岐する道をわずかに入ると、左へ登る道がある。ここが登山道入口だ。新北市の登山案内板は、しばらく登っていった上にある。ここは小さな印が民家の壁に張られているだけなので、注意が必要だ。石階段の下に一匹の三毛猫がじっとこちらを見ている。階段を登ると、右奥に山体の大きな大桶山がある。道は、はじめしばらく畑などの脇をところどころ現れる枕木階段や土道を上っていく。振り返ると民壯亭の家々と新店溪が見える。登ること15分ぐらいで、人里を離れ山道となる。送電線鉄塔の下をくぐり、さらに行くと小沢を2箇所渡る、2番目の沢は大水のとき削られてしまった道の部分に丸太で橋が掛けてある。長い雨のため、道はところどころぬかっている。森も全体が湿っている。

隘勇寮遺址
山腹のジグザグ道を行き、登りはじめて1時間ぐらいで南尾根に取り付く。風が結構強く吹いて、山が鳴いている。さらに登ること30分で、隘勇寮遺址(標高515m)についた。ここは尾根が平らになっている。残り200mぐらいの登りだ。隘勇寮とは、昔大陸から移民してきた漢族が、原住民の泰雅族からの攻撃に対し、警戒する警備人員のために設けた小屋である。台湾開発史の証人だ。ここの遺跡は、他の場所と同じように石を積み上げた壁が残っている。
補助ロープの登り

662mの無名ピークを過ぎると登り下りをして、稜線上の小ピークを二、三つ超えていく。補助ロープのある登りも現れる。10時40分、民壯亭から約2時間20分で直潭山についた。山頂は、計測器や通信用の設備,小屋が設置されている。周りは木々が立ち並び、視界はほとんど利かない。高曇りで雨は降っていないが、空は雲がかかっている。食事をとり、休憩する。

直潭山山頂
急な下り道
他には誰もいない長細い山頂から下り始める。直進すると暗寶劍山へ続く稜線上の縦走路、左に折れるとこれから下る直潭山の東尾根の道である。この尾根は登ってきた南尾根にくらべるとやせている。急な土の下り道が現れた。ここは木々が切れて正面に台北の街が、さらにその先には観音山や大屯山の山並みが見える。濡れている道は滑りやすい。補助ロープがあるので助かる。下から人の声が聞こえてきた。5人のパーティ、また続いて4人のパーティとすれ違った。それほど人気があるとは思えない直潭山でも、休みには結構登山客が来るようだ。

さらに下り道が少し平らになった先に、台北側に木々が切れている場所がある。ここは今回の山行中、最良の景観を見れる場所だ。下には碧潭や新店の街がある。それから広がる中和、永和や大台北全域が見える。淡水の河口やその先の海も見える。右側には台北101ビルと南港山まで俯瞰できる。ここで、いつも歩いたルートを記録しているAndroid携帯電話のMy Trackプログラムが停まってしまっていることに気付いた。残念なことに再開すると、それまでの記録が消えてしまった。

大台北全景(クリックで拡大)
下り道の分岐点案内
また、急な下りをくだると、右に花園新城方面への道への分岐点がある。古い道案内では二龍山まであと2.1kmとある。このあたりは尾根幅が広がってきた。途中、また右への分岐を過ぎ、10数分ほど下ると茶畑がいきなり現れた。道は茶畑の中をいく。結構急な下りはまだ続くが、竹林が現れると程なく山道は終わりだ。12時半、山頂から約1時間半で長春観の登山口についた。カラオケの歌声が聞こえてくる。大桶山やその右には拔刀爾山や獅仔頭山から南西に延びる稜線の山々がある。ここで少し休憩する。

長春観の登山口
大桶山が見える(左の大きな山塊)
長春観から舗装路を下ると、犬が吼えている分岐についた。ここを福徳祠の山門をくぐって左に行けば二龍山を経て新烏路に下る、右に行けば四分子産業道路である。犬は近づくと吼えるのをやめ、この分岐を守る主であるかのように、また道の真ん中に座った。

二龍山、四分子産業道路の分岐点
四分子産業道路は、山腹沿いに花園新城方面につながる。ところどころ道端に休憩所が新設されている。果たしてここで休む人がいるのかどうかわからないが、車両の往来も少なく歩くには快適だ。木々の切れ目から、下には新店渓、その対岸には東獅仔頭とそれから降りる尾根、獅仔頭山から大邱田山へと続く尾根が見える。前回行く手を阻まれたあたりの大邱田山人口砂防壁もみえている。緩やかな下り道を数分行くと、今度は角度がかわり台北全体が俯瞰できるところに出た。この道を選んだのは正解だ、気楽に時々広がる景観を見ながら歩ける。二龍山への分岐から10数分で、つづら折の下りが始まる。これを下りきると永福路との分岐に着く。ここを左にさらに下ると、金興路へとつながる。山櫻の花が咲いている。ここまで来ると下に家々や新烏路や花園新城の入口が見える。小岡の向こうには観音山が見えている。分岐から約1時間、14時少し前に新烏路についた。バス停で待つことわずかで849番バスがやってきた。バスは満員であったが、MRT新店駅でほとんど下車した。

四分子産業道路から見る東獅仔頭山(左)と獅仔頭山、手前は新店渓

金興路に咲く山櫻
今回の行程は約10km、標高差は約660m、休憩も含めて所要時間は5時間半である。ネット上の情報では、頂上の景観がないことがわかっていたので、それほど期待していなかったが、登山路上で見ることができた景観は台北の街や周囲の山もはっきりわかり、とても良かった。標高差600数十メートルの登山はそれなりに登りがいがある。改めて縦走する場合は、時間に余裕を持ってきたほうがよいだろう。

2012-10-05

2012年10月4日 新店雞心尖 - 直潭山縱走 台北市街と翡翠水庫を眺める

中嶺山から見る翡翠水庫と背後の烏来-坪林の山々
縦走路(翠峰路鞍部)から見る台北市街
今年二月に直潭山を訪れた際、頂上から左に長春觀へ山を下る道から別れ尾根上を進む道があった。調べてみると、この道は雞心尖まで尾根が続き、縦走路として歩かれている。縦走路上の中嶺山等からは台北市街と反対側には台北の水甕、翡翠水庫ダムも展望できる。とても興味を引かれた。ただ、このコースは所要時間が八、九時間の健脚ルートとのこと。その点が心配で、そのまま暖めている状態だった。あと数日で玉山登山がある。九月半ば天母から七星山まで高度差を歩く確認をしたが、この雞心尖から直潭山までの歩きができれば長時間の歩行も大丈夫だという確認も含めて、行ってきた。前日ジムでの運動のあと、窓から直潭山がはっきり見え、誘っているようにも見えた。

北側の雙坑から新烏路まで歩く(画像クリックで拡大)
付近の歩いた縦走路も同時に表示、台北に南側になる
この縦走路は、かなり前はよく歩かれたのだろう。古い壊れかけた台北市建設局の建立になる道標が、ところどころに残っている。今は、それほど人気のあるルートではない。平日のこともあるが、山中では一人も出会わなかった。ルート中一部踏み跡的な道も出現する。新店から坪林にむかう北宜公路の雙坑から一旦谷底におりる。登山道はそこから始まる。雞心尖への道は等高線が混んでいる急な登りだ。大石がゴロゴロする沢から山腹に取り付き、シダの斜面を登っていくと、雞心尖前峰に着く。そこから道は、ゆるやかになり雷公坡への分岐にゆく。道は方向を南に変え、中嶺山へ登る。中嶺山からは一旦鞍部に大きく下り、石碇後山へ登り返す。その後も赤腳蘭山、暗寶劍山と峰越えが続くが、登り下りの高度差はそれほどない。暗寶劍山から下ると峠越えの翠峰路に一旦出る。そこからまた登り返すと縦走路最後のピークで一番高い直潭山に着く。直潭山からは長春觀へ下る。今回は、そこから新烏路の清水巖への舗装路を下った。途中二龍山へ立ち寄った。

雙坑から見る雞心尖と右側の縦走路稜線
新店から緑12バスが、雙坑を通って行く。7時15分発の便に乗るため、6時40分に家を出発した。MRT新店駅のバスターミナルでは、すでにバスを待つ行列ができている。小学生が多く並んでいる。遠足なのかと思ったが、そうではなく雙峰小学校へ通学しているのだ。新店にも小学校があるのになぜ、山中の雙峰小学校へ通うのだろうか。大半の小学生乗客が雙峰国小バス停で下車したあと、その先の雙坑バス停で一人下車する。7時40分、右に下っていく道を進む。目の前には雞心尖の双峰が高くそびえる。結構多くの車が、この道を上がってくる。右側は日に照らされた尾根が見える。今日歩く石碇後山、赤腳蘭山あたりの稜線だろう。谷底に近づくと豚の鳴き声が聞こえる。どうやら豚の飼育場があるようだ。十数分で下りきり、橋を越える。そのすぐ左に標識リボンが沢山枝に結ばれている。ここが入口だ。

涸沢の道、古い道標が立つ
急な坂を登ると、大岩の前に造られた廟の広場にでる。犬が二匹、猛烈に吠えてくる。この広場の山側にある石段が登山口だ。いきなり急な登りが始まる。しばらく登ると、道は右に山腹をトラバースしていく。木々が少し切れ、谷の向こうに三月に歩いた二格山やそれから連なる猫空尖までの稜線が見える。中華電信通信アンテナもはっきりわかる。廟の入口から登ること30分ぐらい、大石のごろごろする沢に着く。水はほとんどなく、涸沢に近い。北側に面しているので、この時間は薄暗いなか、苔むした石の道を登る。古い道標が涸沢の中に建っている。雞心尖0.6kmとある。補助ロープのかかった岩が現れる。左に小さな滝をみると、右へロープの岩が登っていく。これを登ると、道は沢を離れ山腹を右に回り込んだ後、尾根に取り付く。道は相変わらず急な登りだ。左側に雞心尖の尖ったピークがまだ遠い。沢から離れ、さらに30分ぐらいの登りでシダの下草の斜面を登る。ここは樹木がなく台北市街方向のパノラマがよく見える。中和、板橋の向こうに観音山が座っている。右には新光ビルが高い。ここからは信義地区方向は見えない。

雞心尖の登りから見る台北市街(中和、板橋方面)、遠くに観音山
黃苞根節蘭の黄色い花
更に20分ほど登り、9時30分ひょっこりと古い道標が中心に建っている小広場に出た。ここは雞心尖前峰だ。今日の一番きつい登りはこれで終わりだ。高度差約400m、1時間半の登りだった。立ったまま一休みした後、雞心尖を目指す。平な道を歩くこと、ほんの数分で三角点のある雞心尖(標高519m)についた。前峰と同様、ここも樹木に囲まれ展望もないので、そのまま通り過ぎる。ゆるい下りを行くと、道端に黄色の花を沢山つけた地生蘭である黃苞根節蘭が数株咲いている。今はちょうど季節なのだろう、このあとも縦走路ではしばしば見かけた。緑の林の中で、黄色の花はひときわ目立つ。雞心尖から20分ほどで、四方向分岐、続いて三方向分岐を過ぎる。それぞれ直進する。登りが始まり、補助ロープの急斜面も現れる。尾根上の道が左側の山腹を進むようになり、登りつめると雷公坡への分岐だ。東方向に歩いてきた道は、ここで南方向の尾根道に変わる。古い道標では中嶺山まで残り0.8kmとなっている。

尾根上の道を進む。雑木林の中の坂道を登って行く。ここにも黃苞根節蘭が咲いている。突然樹木が途切れ、10時半に広々とした中嶺山(標高626m)の頂上に着いた。草が周囲に生えているが、視線の妨げになるものは少ない。これが期待してた展望だ。台北市街方向がよく見える。反対側の谷には翡翠水庫の湖面が望める。東方向には、二格山、その右には皇帝殿山、それを右にたどると山腹に華梵大學のキャンパス、その背後の大きな山塊は獅公髻尾山だ。手前の翡翠水庫の左に鎮座する山は樹梅嶺山だろう。目を反対側に向けると、これから縦走する石碇後山と赤腳蘭山がある。その奥は大桶山のようだ。北插天山の三角ピークも見える。翡翠水庫の対岸には大桶山から連なる山々が、坪林の方へ伸びている。その背後には、まだ名をしらない高山の稜線が見える。時々まだ強い陽射しがさすが、360度パノラマの中で食事をとり、ゆっくり休憩する。

中嶺山山頂、背後に二格山が見える
台北市街方向を見る、手前の山は雞心尖
これから歩く縦走稜線、左が石碇後山、その右が赤腳蘭山
中嶺山と石碇後山の鞍部
30分ほどの休憩のあと、11時に縦走路を石碇後山へ向かう。中嶺山からは翡翠水庫方向へ伸びる尾根があり鷺鷥潭山への道が分岐するが、縦走路は右の道をとる。下ってまもなく、右に雙峰路への道を分岐する。古い道標の腕の部分が地上に置かれて方向を指している。竹林を過ぎ行くと、左側に樹木がきれて翡翠水庫が眺望できる。水庫は満水だ。山道は、突然幅の広い送電鉄塔保線路にでる。鉄塔のところから、石碇後山への標高差約180mの登りが始まる。縦走中、二番目の大きな登りだ。道はまもなく左右二つの道に別れる。藍天隊道標の示すところでは、あとで合流するそうだ。左側の道は、樹木が低く展望もよさそうなので、そちらを取る。時々草深い中を行くが、概ね水庫側が開けた登りだ。湖面はここからでは見えないが、振り返ると中嶺山から水庫へ尾根が下っていくのがわかる。右からのもう一つの山道が合流すると、林の中の道となる。一度小ピークを越え、もう一度登り返すと石碇後山の頂上につく。時刻は11時48分、中嶺山から約50分の道のりだった。

縦走路から見る翡翠ダム
石碇後山頂上
石碇後山頂上はかなり広いが周囲は樹木で展望がない。片隅に石積みの廃屋の壁がある。これは、百数十年前原住民地帯との境界を管理するため隘勇隊員が駐在した隘勇寮の遺跡だろう。獅仔頭山の隘勇寮遺址は、地方行政が手を入れて、保存されている。同じ目的で造られたものだが、人気のない山奥ではひっそりと自然に帰っていくだけだ。ここは休まず、そのまま次のピーク赤腳蘭山へ向かう。道は、狭く踏み跡に近いところもある。先ほどの保線路とは段違いだ。草薮の中に飛び込み、草をかき分けて進む。下がっていくと、右に台北市街の町並みが見える。方向を示す腕木がない、柱だけの古い道標が建っている。ここが鞍部のようだ。登りが始まる。道に山茶花の白い花が落ちている。ここだけではないが、緑に苔むした石の上に落ちた花は、ひときわ目を引く。12時17分、石碇後山から30分で赤腳蘭山(標高656m)の頂上についた。ここも樹木の中の頂上で展望はない。左に標識リボンがかかって、踏み跡が続いている。おそらく烏嘴尖への道だろう。少し休憩した後、暗寶劍山へ縦走路を進む。

苔石の上に落ちた山茶花の花
草薮をかきわけて進む
第62番送電鉄塔の下から見る縦走路の山並み
赤角蘭山隘勇寮遺址
暗寶劍山頂上
しばらく下ると、62番送電鉄塔の下にひっこりと出る。鉄塔の下は樹木がないので、展望ができる。歩いてきた赤腳蘭山から向こうに縦走稜線の山々が連なっている。また森の中に入り進むと、烏嘴尖からの道と合流する。補助ロープもある急な登りを登る。赤腳蘭山隘勇寮遺址が現れた。ここは、先の石碇後山のものより規模が大きい。ここも、訪れるのは時々の登山者ぐらいだろう。隘勇寮遺址から少し下り、鞍部から登り返す。赤土の現れる結構急な登りだ。1時10分、暗寶劍山(標高678m)に着いた。頂上周囲の半分は草が覆っているが、ここも展望がない。これからあとは、最後の直潭山へ下りと登りなので、腰を下ろして休憩し、食事を取る。

歩きやすい暗寶劍山からの登山道
暗寶劍山からの道は、今までと比べると俄然良くなる。幅の広い保線路のようだ。下ること数分で、隘勇寮遺址がある。赤腳蘭山隘勇寮遺址に比べると、規模が小さい。さらに下り第65番送電鉄塔の下をくぐる。暗寶劍山頂上から約20分で、峠越えの翠峰路に出た。時刻は13時42分。翠峰路を少し雙坑側に行くと、左に直潭山の登山口がある。その右は果樹園だが、木々が低いので台北市街の全容が眺められる。直潭山への道も広くて歩きやすい道だ。今日の縦走路中、暗寶劍山から直潭山への部分が道の程度が最も良い。鞍部からの標高差約70m、20分ほどで14時15分に直潭山頂上(標高729m)に着いた。

通信設備のある頂上は前回二月と同じだ。展望がないのですぐ山を下ることにする。道は小尾根を急斜面で高度を下げていく。補助ロープの部分は慎重に下る。下りきり少し行くと、右に樹木が切れて台北市街の展望が利く。右に新城花園への道を分岐、その先でも同じく右に分岐した後、もともと茶畑の開けた部分を通過する。さらにロープのある下りを過ぎ、竹林が現れると山道もまもなく終了だ。人家が現れ、すぐ長春觀につく。水道の蛇口で顔を洗う。15時半、直潭山頂上から約1時間の下りであった。

台北市街全景が見える(クリックで拡大)
二龍山頂上
四分子産業道路へ下り、前回はそのまま道なりに通り過ぎた福德祠の分岐を左に折れる。すぐに下りが始まるが、まもなく右に土の道が分岐する。ここは二龍山の登山口だ。登山といっても、ほんの数分枕木道を行くとそこが二龍山頂上(標高352m)だ。周囲は樹木で展望はない。ベンチが四つ据え付けられている。ここで少し休憩し、残っていた握り飯を食べる。今日はすでに八時間近く歩いているので、かなりエネルギーを消費している。頂上先の送電鉄塔のわきから、道が下っている。それを行くと舗装路に合流する。ここからは、この道を新烏路まで下るだけだ。檳榔樹の林や人家が現れる。左に大きく曲りさらに下がっていくと、向こうに拔刀爾山の山塊が見える。その先は、右の山壁が崩れ、一方道の左肩基盤が大きく剔られて谷底に山崩れをしている。最近の台風による大雨で崩れたのだろう。かろうじて車一台分の道が残っている。現在復旧工事進行中だ。更に下ると、道の方向が変わり、大桶山が遠くにみえるようになる。別の工事中区間を過ぎ、左に民壯亭の集落が見えると、終点はもう目と鼻の先だ。新烏路に下りきり、16時30分前に清水巖のバス停に着いた。長春觀から1時間の下りだ。待つこと数分、満員の849番バスがやって来た。

山崩れ現場
今回は、果たして長時間行程だった。休憩も含めて所要時間8時間50分、距離約15kmである。距離の割には時間が掛かっているのは、縦走の山道部分が多いためだ。六座のピークを越えてきたので、累計の登攀高度は1187mとなっている。七月に歩いた獅仔頭山から熊空山への縦走も長丁場だったが、それに比べると、距離も時間も更に長い縦走であった。やはり健脚向けルートだ。

民壯亭の集落と背後の大桶山

2020-04-29

2020年4月26日 直潭山列縱走 8年ぶりの縦走

直潭山から東に延びる列山(2018年6月撮影)
翡翠水庫の北側に連なる山々は、多くの送電鉄塔を頂く直潭山からいくつかの山を越えて東方向に連なる。一番東側の雷公埤山までの間の山々の縦走は、直潭山列縱走路として去年藍天隊が整備をした。この山々は、8年前に一人で縦走した場所でもある。その時は、雷公埤山からではなく、雞心尖からであるので、まったくの重複ではない。雷公埤山は、その後別の機会に訪れている。今回は天候がすぐれず、ダムはほぼ霧の中で展望がなかったのは残念だ。昼頃霧雨が少し強くなり、また下山途中でも降られたが、予定コースは歩いた。
翡翠水庫の北に連なる山々、東から歩きはじめる
次第に高度を上げていく
二格公園バス停で緑12番バスを下車、付近にはバイク
休日の北宜公路は、いまやバイクやスポーツカーのレーストラック化している。そして、時々サイクリストが申し訳なさそうに、道の端を行く。7時38分、名称が二格公園と変更された栳寮に緑12番バスで下車すると、すぐわきに多くのバイクが停まっている。ライダーは10名ぐらいいるだろうか。今日はメンバー全員で12名だ。支度をして宜蘭方向へ少し行く。右に登山口がある。樹木を育てている斜面を登り、すぐに尾根上を行く山道になる。道脇の幹に取りつけられた直潭山列縱走と記された表示が新しい。

直潭山列縱走の道標
二格山方向は雲がかかっている
道筋ははっきりしており、常に歩かれているようだ。やせた尾根を進む。破傘蕨の尾根上からは、右に二格山-筆架山方向とその間の谷間がうっすらと見える。8時、右へ北宜公路への道を分ける。その数分先で、また分岐がある。左に雷公埤山方向へ登る。8時16分、また分岐がある。右は谷間に降りていく。坂を少し行き、8時18分雷公埤山山頂(標高548m)に着く。縦走第一番目のピークで、続く山峰のなかでもっとも低い。樹木の山頂は展望がない。もともと直進して下っていくつもりだったが、ルートを知っているメンバーがその先は整備されていないとのこと。そこで折り返し別ルートで進むことにする。

右に谷へ道が下る、倒木に道標
雷公埤山山頂
棚田跡の谷間を下る
すぐに先ほどの分岐に着く。道にツツジの仲間の西施花が落ちている。見上げると真上にはまだ花が咲いている。すぐに谷間に降り、沢沿いの棚田跡が現れる。数枚の棚田を下り、8時40分右からの道を合わせる。先ほど雷公埤山へ登る途中で右に分かれた道だ。ここから先は雷公埤古道ということだ。谷間の道を下っていく。石で水路が造られ、道はそのわきを行く。右は棚田跡のようだ。人が生活していた跡がのごる。8時47分、分岐に来る。古道は沢沿いに下っていく。古道は、翡翠水庫ができる前、湖底に沈んた集落へと続く道だった。右にとり、山腹沿いの道を進む。沢を渡る丸木橋は、苔が生えて滑りやすい。

分岐の丸木橋、左はダム方向へ下る雷公埤古道、右の道を進む
崖崩れ高巻きを登る
廃坑空気取り入れ口
すこし登っていく。前面にがけ崩れが現れる。最近起きた崖崩れのようで、まだ傷跡が生々しい。少し高巻いて登り、本来の山腹を行く道に降りる。9時7分、右の山壁に穴が開いている。そばに取り付けられた説明では、坑道の空気取り入れ口とのこと。以前は近くに炭鉱があったのだろう。あまり起伏のない道を行くこと約10分、右からの道を合わせる。北宜公路へと続く蕃薯寮古道だ。分岐部分で休みを取る。

右に蕃薯寮古道が下る分岐
農道から左に下る
車閂寮古道の分岐部を行く
数分のぼると、幅のある土の農道にでる。右にとり道なりに登っていく。畑が現れ、地元民が仕事をしている。9時36分、左に山道が分岐する。こちらを取り下る。下り切ったところに分岐がある。左は、車閂寮古道で、谷間に下った後雷公埤山へと続く。前にはこちらを歩いて雷公埤山へと歩いた。右にとり進む。すぐに秀峰路105號の住所プレートが付く、無人の民家の前を通る。すぐ下には別の民家があり、犬の吠え声が聞こえてくる。

秀峰路105號の前を進む
古い道標がある雞心尖への分岐
右に秀峰路が分かれる。山道を進んでいく。そのうち尾根上を進み、10時3分古い道しるべの残る雞心尖からの道と合流する。尾根上の道を追っていく。少し開けた場所がある。隘勇線の隘寮遺跡だ。直潭山からの稜線は、その昔原住民タイヤル族との境界の役割の隘勇線があった。隘寮はその境界線の警備員の駐在場所だ。その先道を右に分け、最後の坂を登る。年代物の鉄板製の立派な道しるべが幹に取り付けられている。この周辺は、昔から山登りが行われていた場所のようだ。カヤの間を登り、10時23分、二番目のピークとなる中嶺山山頂(標高625m)につく。霧で周囲は真っ白、展望はない。

霧の中の中嶺山山頂
ダム湖面がかろうじて見える
同じ地点から天気がよければこのように見える(2012年10月撮影)
金属板道標のある分岐は、左へ
石碇後山山頂のメンバー
十数分の休憩後、下り始める。10分ほど下り、山の文字がくっきりわかる林務局のコンクリ柱をみてすぐ、左側が開ける。かろうじてダムの湖面が見えるが、その先の山々は霧の中だ。隘寮の遺跡と思われる低い石積壁がある場所で右に秀峰路へと続く下山道を分ける。左に登り始める。間もなく、古い道しるべを見る。周囲は霧が濃い。急坂を通り過ぎ、11時22分、石碇後山(標高669m)につく。きれいに草が刈られた山頂は、天気が良ければ翡翠水庫などが良く見えるはずだが、すべて霧の中だ。実は、この山頂は遺失していた三角点基石がみつかり、それが戻された場所で8年前に通過した場所とは異なる。

岩の露出する稜線を行く
尾根上の道は、ところどころ岩が現れ幅も狭いところを通過する。上り下りをすぎ、急坂を登る。11時54分、赤腳蘭山山頂(標高640m)に着く。ちょうど昼時なので、ここで昼食休憩とする。食事をしている間に、木の葉を通してぽつぽつ雨が落ち始める。雨具を出し取り付ける。午後から回復基調のはずだが、いよいよ雨となった。12時半前、下り始める。すぐに送電鉄塔の下にくる。ここから右に下山の道がある。メンバー中二人はここで分かれ、下山する。我々はそのまま暗寶劍山へ向かう。

赤腳蘭山山頂で昼食、雨が降り出した
急坂を登る
さらに下り、左から烏嘴尖から道を合わせる。先ほどの赤腳蘭山から烏嘴尖への道もそうだが、あまり歩かれていないようで、草深い。登り返しが始まる。補助ロープがあるけっこう急な坂を登る。ちょっと規模の大きい隘寮遺跡を見る。下って登り返す。13時3分、暗寶劍山山頂(標高670m)につく。雨は止み、空は明るくなってきている。雨具を脱ぐ。雨脚が強まれば途中で下山も考えたが、この様子では予定通り歩けるようだ。

隘寮遺跡
暗寶劍山山頂
翠峰路が前方に見えた
下って間もなくまた隘寮遺跡を通過し、送電鉄塔を過ぎると保線路となり、道の状態は良くなる。13時29分、翠峰路にでる。直潭山への登山口で小休憩をとり、登り始める。はじめは緩やかな坂が続く。急な坂が現れ登っていく。分岐をすぎて13時56分直潭山山頂(標高728m)に着く。山頂は天候観測の機器が据えられ、前と同じだ。縦走最後のピークへは、考えていたより早く到着した。

直潭山山頂にて
急坂を下る
14時17分、山頂から下り始める。少し戻り、二龍山方向への尾根道を下る。間もなく急坂が始まる。遠くには、雲の下の新店方向が見える。岩の露出する部分を通り過ぎ、14時36分花園新城方向への道が右に分岐する。こちらを取り下り始める。この道はあまり歩かれていないようだ。それでも新しいロープもあり、メンテはされているようだ。下っていくと、地図上とは方向が違う道の分岐がある。どちらが正しいのか、探ってみる。手持ちの地図にはないが、方向は正しいので右に平らな道を進む。14時53分、果たしてすぐに永福路にでる。

永福路にでた
大型犬がしきりに吠える
舗装路を下る。車はここまでほとんど来ないようで路面には苔が生えている。つづら折りに下っていく。15時、民家が現れる。犬が猛烈に吠え立てる。さらに下っていく。すぐに右に小沢を見る。汚れた長靴を洗う。雨が降り出し、傘をさす。15時30分、右に梅崗路に入り少し登っていく。周囲には油桐花が咲いている。湖興福德宮を通り過ぎ花園新城に入ってく。山腹に広がる民家脇の階段を下り、16時バス停に着く。着替えなどすませ16時30分発の緑3番バスで帰途に就いた。

民家をみて永福路を下っていく
油桐花が満開だ
距離約15キロ、累計登坂1000m弱だ。休憩込みで約8時間を要した。人数は12名であったが、足並みがそろっていたので、考えていたより速く進行できた。道の状態が良いのも勿論関係している。天候が良くなく、展望がなかったのは残念だ。前回は、遠くまで眺めがきいたのとは差が大きい。ただ、予定通りのルートを素早く歩いたのは、それはそれで成就感がある。現在の状態であれば、ルートはレベル3、体力的にはレベル3.5といったところか。足に自信があれば、お薦めだ。
花園新城のバス停に到着
草の上に落ちた西施花