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2012-05-30

2012年5月29日 觀音山 - 気楽な山登り

淡水から望む観音山と麓の八里渡船頭、最左のピークが硬漢嶺
觀音山は、台北市街から近くて登りやすい山だ。標高616mの硬漢嶺を最高峰とする觀音山は、占山までの縦走路が一番長く健脚向けであるが、それ以外はよく整備されている道で、牛寮埔登山道を八里渡船頭から登るのを除いて、登りもそれほどきつくない。また、硬漢嶺からの展望は、独立している山塊だけにとても広い眺めがあり、老若男女さまざまな登山客が訪れる人気の山だ。

左下のビジターセンターから淡水河渡船まで歩く
今回で觀音山登山は三度目になる。昨年6月のルートと、登りが楓櫃斗湖登山道を登った以外は、同じだ。前回の七星山で同行したSさんは、その後かなりの筋肉痛がしばらく続いたようだが、山登りの面白さを体験できたようで、リクエストもあり一緒にいくことになった。普段は単独での登山が多いが、ときどき仲間との登山もよいものだ。とくに、気楽に登れる山では、話しながら登るのは愉快である。

楓櫃斗湖步道、階段数が書いてある
前日に大雨を降らした前線が台湾を通り過ぎ、朝起きてみると曇っているが天気は持ちそうだ。そこで7時に出発してみたところ、MRT駅へ向かう途中小雨が降りだした。MRT蘆洲線に乗り蘆洲へ向かう。蘆洲に着くと雨は降っていない。觀音山や大屯山系は頭に雲をかぶっているが、何とか行けそうだ。Sさんと合流し、8時18分に橘20番バスにのる。バスは去年とは異なり、中型バスでなおかつ終点が凌雲寺ではなく、約20分の乗車で観音山ビジターセンターへ着く。一部の時間帯は凌雲寺が終点のようだ。ビジターセンターからは、林口台地や泰山の方向が晴れているのが見える。雲が切れて青空も覗き始めた。

花を抱えた観音像
ビジターセンターから凌雲禅寺方向へ、新しい林梢歩道が続いているのが見える。この歩道は空中を橋で行くような道の部分もあり、凌雲寺バス停からはこれを歩いてビジターセンターにやってこれる。身支度をして出発する。センターバス停の脇から近道で華富山路へ上がり、すぐ楓櫃斗湖登山道口がある。朝早くから登ったのだろう、この道を降りてくる登山客とすれ違う。谷を挟んで牛港稜山と、その右奥に台北港のガントリクレーンが見える。人家の脇を曲り、階段の登山道が始まる。階段にはペンキで数字が書いてある。1300から始まる。雨が降ったので、登山道全体が濡れている。去年工事のあとのこの道は、歩きやすい。脇には等間隔で電灯も作られている。夜間や早朝の登山でも安心だ。

道脇の花畑
華富山路の登山口から20分で、稜線上の硬漢嶺歩道と合流する。ここからは、硬漢嶺が見える。霧がまだまつわり付いている。ゆるい稜線上の登りを行く。石段には数字が書いてある。先ほどの楓櫃斗湖登山道の階段数字と通しになっているようだ。右の花畑には紫陽花と水芭蕉が植わっている。左に観音像を見る。観音像には花が添えてある。後で歩く牛寮埔登山道への分岐を過ぎ、登りはじめて50分、9時半に硬漢嶺についた。Sさんは登りが予期していたより楽だったようなので、元気いっぱいだ。

硬漢嶺は霧もはれて、全方向の展望ができる。淡水や台北市街はよく見える。大屯山系は、まだ頭に雲をかぶっている。七星山あたりも同様に雲の中だ。太陽も時々顔を出す。気温も高くなく快適だ。身軽にランニングでやって来た人もいる。各人各様、思い思いの硬漢嶺である。犬が一匹、硬漢嶺の石碑の足元で悠然と昼寝をしている。頂上からすぐ下のあずま屋に下がり、食事休憩をする。

硬漢嶺頂上、犬が寝ている
頂上からのパノラマ(クリックでオリジナルサイズ)
台北方向を見る、手前の三角ピラミッドは占山
八里米倉方面の麓をみる、これから下る果樹園も見える
出発しようとしたとき、頂上の方から日本語の祈祷が聞こえている。こんな場所で不思議だ、と思い頂上へ行くと、数名が一緒にお祈りをしている。注意して聞いてみると、「大御神、かしこみかしこみ」などの言葉がわかる。神道のお祈りなのだろうか。邪魔しては悪いと思い、尋ねる事はしなかったが、祈祷している人たちは日本人には見えなかった。

非洲鳳仙の咲く牛寮捕歩道を下る
下りは、牛寮埔登山道とそれに続く産業道路を経て八里船付場までである。分岐付近は広場でトイレなど建物が幾つかあり、多くの登山客がくつろいでいる。紫陽花など、多くの花が咲いている。石段の道を下る。土の北横古道と交差し、右に折れて下っていく。象牙石を過ぎ、右から木製の桟道が合流する。道の両脇には非洲鳳仙の花が沢山咲いている。ずっと続く下りは、逆方向で登ってくると結構登りがいがあるだろう。右に展望のあずま屋がある。お茶を楽しんでいる老人と黒犬がいる。このおとなしい黒犬は去年もいた。
下りで出会った黒犬




下ること30分で、登山道の入口についた。ここまで約1km、あとは産業道路を経由して3.6kmだ。果樹園の間を下っていく。柑橘類の実がなり始めている。正面には対岸の面天山が雲もはれてよく見える。道脇のハイビスカスの赤い花は、去年も咲いていた。はじめは結構急坂だが、天気もよく快適な歩きだ。無極宮に立ち寄る。お手洗いは古いが清潔だ。米倉の集落を通り過る。数名の登山客とすれ違った。これから觀音山へ行くのだろう。道なりに下り、大きな墓地の左側の道を取る。省道15号線を越えて、淡水側沿いの自転車歩道を歩く。引き潮の浜では、貝類をとっているのだろう、砂を掘り返している人がいる。12時少し過ぎ、硬漢嶺から約一時間半で下り終え、今日の行程を終了した。Sさんも余裕たっぷりである。

淡水河畔から淡水方向を望む

今回の歩行距離は7.3km、登り約300m、下り約600mである。休憩も含め、3時間半である。その後八里から渡船で淡水側に渡り、觀音山を眺めながらコーヒーを飲みくつろいだ。こうした山登りも一興である。

高度プロファイル

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