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2012-06-09

2012年6月8日 泰山崎頭步道-尖凍山 台北盆地西側の山

泰山巖、歴史250年の古刹
台北の街は周囲を山に囲まれている盆地である。東西南北、高低さまざまな山がある。今まで登った台北郊外の山は、そこそこの高さの山であった。今回は、台北の西側にデンと座っている林口台地東端部にある200m強の泰山の裏山を登った。これで、台北を囲む盆地の山々をひと通りカバーし、東西南北の違った角度から、台北の街を眺めることができたことになる。

台北盆地の西側にある泰山
回遊式に歩く
明志書院
泰山は、台北から西に行き台地につきあったところにある。200数十年前、中国本土からの移民が台北の平地を開拓していく過程で、ここに泰山巖を建立し、また明志書院の学校を建てた。それらが今でも残り史跡に指定されている。今回の行程は、この史跡の近くから崎頭歩道の登山道を歩き、登りつめたあと尾根を進み、山頂公園、瓊仔湖福德宮を経て、尖凍山へと歩き、その後辭修公園へ下って、ぐるっとひと回り、泰山へ戻った。標高はそれほどないが、同行したSさんは登り一本の崎頭歩道と辭修公園への土道の急坂は、すこし苦労したようだ。

無料シャトルバス、台北駅
泰山へは、新北市が運行する無料シャトルバスが台北駅との間を往復している。昼間は毎時間一本だが、朝夕は通勤通学のため運行頻度が上がる。泰山へは、今回このバスを利用させてもらった。台北駅の北三出口の外、市民大道の歩道が乗車場所であるが、一般の市バスのようなバス停表示がない。並んでいる人がいるので、聞くとそこが無料バスの乗り場ということ。7時5分発のバスで泰山へ向かう。まだ時間が早いこと、通勤とは逆方向であることで、20数分で到着した。結構速いものだ。ここでSさんとおちあい、明志路を南方向へ歩く。

崎頭歩道
まだ8時前の早朝だが、太陽光はかなり強くなっている。ひなただと暑い。20分ほど歩くと、右に明志書院が突然現れた。建物の前は、芝生の庭だが、囲いなどはない。扉は閉まっているので参観はできなかった。説明文によると、長く放置され荒れ放題になっていたところに、2003年6月台風で倒れた大木で建物は倒壊の危機に瀕したそうだ。その後地元住人の熱心な活動で、政府からの支援を得て修復し、今日にいたっている。ここから更に進み、大きな山門がある應化街を右に曲り、道なりに登っていく。すぐに泰山巖が現れた。山腹に建てられているお寺へ登る。前庭は広く、ほかの台湾のお寺にあるよう立派な飾り付けの建物が立っている。1754年に建立された泰山巖は、その後分院が建てられ、こちらのもともとのお寺は頂泰山巖と呼ばれている。

一番目の土地公
崎頭登山道は、泰山巖の境内の外れから始まる。左側は明志科技大学のキャンパスで、ずっと白い塀が続く。丸い石をコンクリで固めた道である。登りつめた台地は台湾プラスチックの工場になっているが、もともとここは集落があり、住人は崎頭登山道を経て泰山の街へ通っていたという。麓からの標高差は200mぐらいだが、ずっと登りが続く。途中、二ヶ所土地公の廟がある。廟には水やお手洗いが備えてある。地元住民がよくここに来ているようで、廟には顔なじみの人たちだろう、愉快に談笑している。カラオケもやっている。道には街灯も設置されている。樹木の中を行く道は景観はないが、道半ばで左側に樹木の切れ目があり、そこから樹林、そしてその左奥に天上山系、右奥に白鶏山が見える。登ること30分ぐらいで、登りつめ南林路に出る。眼前の大きな建物群は台湾プラスチックの工場である。今日の行程で、標高約220mのここが最高点である。しばらく休憩し、疲れを癒す。Sさんは少しバテ気味だ。
崎頭歩道半ばから見る樹林とその奥の山々
南林路からみる台北の街
山頂公園への道
南林路を少し進むと、木々の切れ目に新荘そして、更に遠くには101ビルなど台北の街が一望できる。更に少し行くと、芝生の広場が右にある。道が真ん中を突っ切っている。芝生が切れると、林の中を行く土の山道となる。道は下って行くが、道が切れると舗装路と合流し、その角に尾根を登る山頂公園への道が始まる。この道はコンクリでできている立派な歩道だ。犬を連れた地元の人達とすれ違う。山頂公園はちょっとした広場だがバーベルなど所狭しと健身機材がおいてある。多くの人がそれらを使って運動している。広場の両脇は展望がきく。左側からは五股や観音山が見える。淡水側の向こう側の大屯山も展望できる。右側は板橋方向がよく見える。

山頂公園から見る淡水河と大屯山系
山頂公園から瓊仔湖への道
山頂公園からはずっと下り道が続く。下りきると、瓊仔湖福德宮につく。このお寺の前庭からも台北方向の展望がある。時間は9時45分、泰山の街から歩き始めて約2時間、頂泰山巖からの山登行程の約半分の位置だ。少し休憩し、水分を補給する。

尖凍山


福德宮から黎明路へ歩き、山門の対面にある尖凍山の登山道に入る。また土の道となり、稜線上を行く。そのうち知らぬ間に瓊仔湖山を過ぎると、林がきれて目の前に三角ピークが見える。尖凍山だ。下りきると、公園路にひょっこりと出る。左に進み、登山路案内の対面にある入口からまた山道を登る。公園路に出たところで標高100mぐらい、ここから尖凍山へ数十メートル登り返す。少し上がったところは、寶鳳宮だ。寶鳳宮の右脇に、素朴な板でできた土の階段が急傾斜で登っていく。両側には補助ロープも張ってある。寶鳳宮から10分ぐらいで、辭修公園への分岐点に着く。さらに平らな尾根上を進むと10時40分、尖凍山の頂上(標高170m)についた。周りは木々があるので展望はあまりないが、それでも北東方向に中山高速道路とその向こうに士林や陽明山の山々、東南方向に泰山の住宅、その向こうに新荘の副都心開発区、さらに遠くには台北市が見える。現在建設中の空港MRTの高架橋もはっきり見える。

尖凍山から見る中山高速道路
尖凍山から台北中心方向を望む、手前は泰山の街

辭修公園への下り道
尖凍山から来た道を分岐まで戻る。ここで休んでいたSさんと地元の老夫婦が談笑していた。隔日ぐらいにここへ登ってくるそうだ。台北近郊の山は、こうした健康な老人が多く登っている。辭修公園への道は、かなり急坂だ。両脇に補助ロープがずっと張ってある。半ばぐらいまで来ると板と土の階段も現れる。注意深く下り、20分ほどで辭修公園の一角に出た。下りきると、先に下っていった、さきほどの老人夫婦も着いていた。我々が頂泰山巖からずっと歩いてきたことを伝えると、結構健脚だと感心した様子だ。

辭修公園
公園の幅広階段を下りきり、泰山高校の脇を進むと、朝出発の時に通った明志路に合流。明志路をわたって泰山の公有市場へ行き、そこで台北駅行きの無料バスを待った。12時発のバスに乗り台北駅へ帰った。

今日の行程は距離8.9km、登リはじめる前の明志路の部分も含むので、登山部分はその内の三分の二ぐらいである。時間は3時間50分だ。泰山の山の大部分をカバーするような行程で、低い山だがそれなりに歩きがいがあった。

高度プロファイル

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