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皇帝殿山縦走ハイライト部分の岩尾根、背後は西峰、右下に仏光寺 |
皇帝殿山は、台北近郊の山の中で岩尾根が続く、他の山とは違った刺激がある山である。今回で年初
鳥嘴尖まで歩いた山行に続き、五回目の訪問になる。単独行が二回、少数の友人とが二回、今回は登山グループ慢集團の道案内である。天気も良かったこともあり、参加者は多く出発の際は44名であった。蒸し暑く、また石碇から皇帝殿山西峰までの途切れることのない登りを過ぎ縦走を始めた後、途中13名が中途で下山した。本来は、皇帝殿山のすべての峰を縦走する予定だったが、人数が多く、予定より時間を要したため北峰(石覇尖)まで歩いた後、鳥嘴尖までは行かず北峰登山道を下った。
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西側の西峰から東へ東峰と北峰(石霸尖)を越えて106号公路へ下る |
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中央の最高部分が東峰 |
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登山口の狛狗にルート上の注意書き |
参加者は、MRT木柵駅から666番バスに乗車、8時15分に石碇に到着。それ以外に数名は景美駅から石碇に向かいすでに待っていた。全員が合流し、西峰登山口へ向かう。西峰登山道の山門の先にある駐車場で、準備体操とルート説明を行う。産業道路を少し登り、石段道の入口に来る。入口の両わきには狛狗が鎮座している。石覇尖の天梯路はコンクリの台座とステンレス梯子が壊れているので、通行しないようにとの注意書きがある。今日のルートは石覇尖は行くが、天梯路は通らない。
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西峰登山口で参加者の集合写真 |
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一本調子の石段坂道 |
石段を登り始める前に、集合写真を撮る。これだけの人数の隊伍だと、体力にかなりの差があり、脚が速い遅いが現れる。自分が道案内をする時は、全員が事故なく歩くことを基本としているので、隊伍がバラバラにならないように、気をつける。体力がないと思うメンバーは、列の前方に、逆に体力に自信があるものは後方を歩くように、説明する。勿論、慢集團世話役が途中と最後にいて、様子を見る。
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西峰と串穴湖方面への分岐点、右に進む |
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西峰へ土の道が始まる |
石段道は、西峰の分岐まで、ほとんど途切れることがない登りである。花崗岩の石段は、歩きやすいが、きつい登りには変わりがない。後方からの連絡で、だいぶ離れてきたということで、二、三回歩みを停め、後方が追いついて来るのを待つ。石段が崩れている場所に、新たに木製橋が架けられている。この道は、1年半前に下ったきりなので、その間に造られたようだ。9時48分、串穴湖方面へ下る石段道の分岐に来る。休憩して、後方を待つ。
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ステンレス梯子が取り付けられた岩場を行く |
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西峰頂上 |
十分ほど待ち、西峰に向けて出発する。石段はすぐ切れて土の道になる。ここからが本当の山道だ。露出した岩、補助ロープなど、皇帝殿山の本当の山道の様子だ。10数分登っていく。ステンレス梯子が現れる。梯子が取り付けられる前は、補助ロープ頼りの登りだったので、梯子はとても助かる。もう一つの梯子を登り、10時40分に西峰山頂(標高579m)に着く。ここはとても狭いので休憩には適さない、そのまま下っていく。
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西峰からの下り坂より望む、左が皇帝殿山の連峰、右側背後の大きな山容は獅公髻尾山 |
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岩場を下るメンバーが望める |
下り道にも、同じくステンレス梯子がある。梯子の上部から、これから歩く天王峰やその背後の東峰へ続く稜線が望める。天気は曇っているが、霧はなく周囲の山々も見える。後方を待つ間に振り返ると、西峰直下の梯子部分をメンバーが下っているのが望める。さらにステンレス梯子を二箇所下り、11時20分に佛光山の鞍部の分岐に着く。ここで休憩する。休憩している間に、数名の学生が天王廟側から登ってきた。課外授業のようで、引率の先生が植物の説明をしている。
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比較的幅広の岩尾根を行く |
この先からは、左右が切り立った岩尾根が始まる。後方はまだ休んでいるが、11時半先に出発する。今は、太いステンレスポールが岩に打ち込まれ、それをつたって太いロープが手すりとして結ばれている。これがあるので、だいぶ気持ちが違う。設置される前は、まさに岩の上を伝っていくので、スリルがあったろう。先ほどの学生グループは、道ながらに説明を受けている。追い越し先に進む。最後に手すりが設置されていない、比較的巾のある岩尾根を通り、森に中に入る。12時に、右側駐車場からの道との分岐を過ぎ、そのすぐ上の休憩所に着く。ここで休憩、食事とする。休憩場所は、もともとそれほど広くないが、40名からの人数が揃うといっぱいになる。
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食事休憩時の様子 |
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鎖を頼りに岩の斜面を登る |
12時半過ぎ、出発する。この場所から12名が、下山するという。慢集團世話役一人を含めた13名と分かれ、東峰に向けて出発する。すぐ上の天王峰を越え、大きな岩壁を登る。この岩壁は右側は階段状になっているが、左側の平らな表面には、太い鎖が下がっており、腕力に自信があればよじ登ることもできる。この小ピークの上からは、東峰が近い。その背後には、平渓の山々が見える。
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東峰が近くなってきた |
稜線の道は、右に駐車場からの階段道が登ってきて合流する。その先、また
崩山大崙や華梵大學キャンパスへ続く尾根との合流点の分岐をすぎ、東峰への上り坂が始まる。登るに従い急坂になる。13時40分、食事休憩後約1時間で東峰に到着する。標高593mで、今日の行程中の最高点だ。前方には、北峰(石覇尖)が控えている。すぐ左に小霸尖の頭が突出している。背後の大きな山塊は、
峰頭尖だ。東峰は、大きな岩が露出しているピークで、大勢の休憩には適さない。各メンバー写真を写した後、下り始める。
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岩の露出した東峰山頂から北峰方向を望む、中央の山が北峰、そのすぐ左に尖った小覇尖が見える |
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小覇尖頂上近くから北峰と玉京山を望む |
急坂を下り、右に蝙蝠洞への道を分岐する。登り返しはそれほど大きくなく、14時半過ぎ小霸尖への分岐部に着く。小霸尖へは、大きく下りまた急坂を登り返す必要がある。希望するメンバーだけ、荷物を置いて小霸尖へ往復する。小霸尖の頂上は、木に囲まえた狭い場所である。わきの開けたところから、東峰と玉京山が対岸に見える。約20名ほどが約半時間をかけて往復した。
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北峰(石霸尖)の山頂 |
分岐から少し歩き15時20分、北峰に着く。本来は、さらに鳥嘴尖への予定であったが、時間はすでに遅く、雨が降り出しそうな様子で、30名からのメンバーが鳥嘴尖を越えた後危険な急坂を下ることを考慮し、今回はこれで下山することに決める。時間に余裕があり、尚且つ天候が良ければ、大丈夫だろうが。10数分下り、左に石段道の始まる鞍部に到着する。雨がポツポツ降り始めた。石段道であれば、雨がふっても傘をさして歩ける。
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倒木が道を塞ぐ石段道 |
石段道の下りは、単調だが安全だ。下って少し、岩にステップを彫り込んだ場所は、苔が生えて滑りやすい。もともと、この石段道は西峰などに比べるとあまり歩かれていない。急坂がゆるくなり、沢音が聞こえ始める。道の左右は草が刈りこんである。途中、メンバー一人が足を滑らしたが、擦り傷だけですんだ。やはり、雨で濡れた階段は注意が必要だ。16時半過ぎ、登山道山門に下り着く。集合写真を写し、その前の106号省道を左にバス停へ歩く。17時少し前に795番バスがやってきた。今日は臨時便もでているそうだ。MRT木柵駅から帰途に着いた。
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北峰登山口山門に降りてきた |
休憩込みの行動時間約8時間、距離は約6kmである。慢集團は、基本は来る者拒まずというポリシーなので、体力的に開きのある隊伍となることが多い。はじめから雨が降るような日の場合は、覚悟したメンバーしか来ないので、割合と足並みは揃うが。今回は途中で約三分の一の人数が抜け、後半は比較的自信のあるメンバーだけの歩きであったが、人数が多いと難所を越えるときに時間がかかり、今回のように予定コースを全部歩けないこともある。次回、また鳥嘴尖を登る山行を行ってもよい。
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