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2015-04-27

2015年4月25日 新竹尖石鄉基那吉山 キナジ山を登る

基那吉山登山口
四年前に一人で登り始めた台湾の山であるが、その後友人との登山が多くなり自分でSNS上のクラブ(Taipei Hiker Club)活動をしている。日帰りの登山は何度もしてきたが、今回はじめてクラブメンバーと一泊二日の登山を試みた。登山客をメインにした自動車サービス利用やキャンプ場にての露営をして、この山行を行った。目的地は、新竹県の山岳地帯、それも一番奥になる尖石郷司馬庫斯である。台北から車で行くと、4時間かかる。当然日帰りでは無理の山が今回の登山対象だ。第一日目は、比較的楽な基那吉山(木名地山、キナジ山)、二日目は桃園県の最高峰となる雪白山(泰矢生山)と西丘斯山を登った。それぞれ、谷を挟んで対峙する形になる。そこでブログでは、別々に記述する。

山行の位置、台北から距離は遠くないが車で四時間かかる
今回は、フォルクスワーゲンの10人乗りの車で目的地に向かう。この自動車は、二日間で台湾ドル1万元とお得なサービスである。運転手(兼オーナー)は登山客の仕事を普段からしているので、勝手がわかっている。今回のメンバー9名は、朝7時MRT古亭駅に集合する。一泊するので、メンバー各自とも荷物が多い。テントは自分で一張を準備、その他は現地キャンプ場で借りることになっている。寝袋などは各自準備である。車の上にラックがあり、そこに荷物を固定、帆布をかぶせて出発である。

鎮西堡部落から基那吉山を往復
単一ピークの往復
新光部落へ到着、台北からここまで3時間だ
第三高速を関西インターチェンジで降り、内湾から新竹県竹60郷道を進む。この道は以前李棟山登山などで二回ほど通っている道である。宇老の峠を過ぎ玉峰溪の谷へ下っていく。途中集落を過ぎ、9時56分に谷底になる秀巒検問所に着く。途中で休憩しているものの台北からすでに約2時間半である。ここからさきは、入山許可が必要になる。乙種入山證なのでその場での申請もできる。第一日の登山対象、基那吉山の登山口になる鎮西堡はまた登り返していく。昨年歩いた霞喀羅古道入口になる養老への道をわけ、更に登っていく。検問所から十数分で、左に司馬庫斯への道をわけ右に新光集落へ登っていく。この周辺は、すべて原住民の土地である。深い谷を挟んで左に司馬庫斯を見ながら山腹の道を進む。今日は土曜日で、民宿に泊まる旅行客の車も多い。神木区への道とは別に、上の方向へ進む。10時52分、車を止めそこから歩き始める。台北から3時間半である。

畑の脇を登山口へ登る
苔に覆われた切りだされた檜
車を止めた場所は、その後判ったが登山道入口からまだかなり下の部分であった。初めに歩き始めた道は、単なる農道で十数分のぼっていくと、終點になってしまった。そこで出発点に戻り、舗装路を登る。つづら折りで方向を換え、その先のヘアピンカーブから別れる道を進む。ちょうどやって来た現地の農民に確認すると、この道で間違いないようだ。畑の脇に、最近草刈りされた細い道を上がっていき、土の産業道路と合流する。左に進み12時13分、木製の大きな手作り道案内板のある登山口に到着する。車を止めた場所から約30分ほどである。基那吉山頂上まで片道4.3kmとある。少し遅い登山開始である。

西纳吉山への分岐(右)
高巻き部分から雪白山方向を望む
早速登山道を進む。道の状態はよい。原住民集落周辺の農地は、もともと森林だったものを切り開いて段々畑にしてある。そこから周囲の見晴らしはとても良いが、自然ではない。登山道は自然の森の中を進む。太い樹木も現れ、中級山登山の雰囲気満点だ。道端に檜が切りだされ角材状態で苔に覆わている。不法伐採などでそのままにされたものなのか。20分ほどで、木製平台が現れる。休憩などの目的のものである。ここで食事休憩を取る。

良い道が続く


20分ほどの休憩後、歩き始める。すぐに西那吉山への道を右に分ける。水道用ビニール管が脇を行く道を10分ほど進む。そのまま進む道はこの水道管が水を引いている水源へ続く。登山道はここで右をとり進む。概ねゆるかな道は、急に右に登る。道は細く、これはこの先の崖崩れ部分を高巻くためのものである。崖崩れ部分は樹木がないので対岸の山が見える。明日登る予定の雪白山の山塊であるが、頂上付近は雲がかぶっている。高巻きから登山道に降り進む。13時25分、休憩用のベンチを過ぎる。左の崖が迫り、木製梯子や桟道を通り過ぎる。尾根上の鞍部にくると、13時41分右から泰嵐からの道を合わせる。高度が上がりこちらも雲の中に入ってきたようで、霧が濃くなる。少し休憩する。

木階段の道
右は大覇、馬洋山方面、基那吉山は左
その先もまた木製階段が二ヶ所現れる。道はしっかり整備されている。概ね巾広の尾根かそのすぐ左側を進んでいく。14時13分、養老山からの道と合流する。その少し先で、大霸と記された道が分岐する。これは馬洋山などを経て大覇尖へ続く道だが、距離は遠い。左に進み、ビニールシートの広げられた場所を過ぎる。ここから坂は急になる。ピーク前の登攀である。檜の巨木が霧のなかで幻想的だ。14時20分、休憩をとる。

熊笹の中を登る
熊笹が現れる。北部の中級山は頂上付近に熊笹があることが多い。急坂はさらに続く。14時45分、頂上までのこり僅かと記された赤いプレートが現れる。左に毒龍潭への道が分岐する。坂が緩くなり、15時頂上(標高2570m)に到着する。二等三角点基石の埋められている頂上は、樹木に覆われている。樹木が無くても深い霧なので展望は得られないが。標高2570mは、日本ではアルプスクラスの山で、北アルプスではすでに森林限界の高度である。しかし、南に位置する台湾では更に約1000m上に行かないと森林限界には着かない。登山口から約2時間45分、4.3kmの道のりをカバーした。頂上から、霞喀羅古道から登る奴布加里山への道が分岐する。こちから登ると、そこそこ大変である。

霧の基那吉山山頂
霧の森をくだる
十数分頂上で過ごしたあと、下りは往路を下る。下山後、さらに司馬庫斯へ1時間以上かけて行かなければならない。今日は出発時間が予定より遅く、なおかつ歩き始め地点も低かったこともあり、下りは飛ばす。15時50分、泰嵐への分岐を過ぎる。落ち葉の重なる道は、下りだと滑りやすい。16時15分、ザレ場を過ぎる。登りでは高巻いたが、実際踏跡もあり十分いけそうなので、そのまま進む。16時36分西那吉山分岐を通過、16時47分登山口に戻る。登山口までの下山は1時間半である。更に、登ってきた土の産業道路や舗装路を下る。この高度だと、霧がなく対岸が見える。泰崗溪の谷は雲海で埋まっている。17時8分、車に戻る。今日の登山は休憩込みで約6時間、12.6kmの道のりであった。

ザレ場を行く
下り道から雲海が埋める泰崗溪を挟んで。これから車で向かう対岸の司馬庫斯方向を望む
司馬庫斯への道
宿泊予定の司馬庫斯は、谷を挟んだ対岸だが、一度600m下の泰崗溪谷底に下り、また登り返さなければならない。原住民の言葉ではスマングスと呼ばれるこの集落は、台湾原住民部落の中でももっとも奥に位置し、1979年になって初めて電気がやって来た。車道は、今は観光の目玉になっている神木が発見され、1995年になって初めて開通した。まだ20年前のことである。それまでは、徒歩で数時間かけなければいけない場所であった。

キャンプ場で就寝前のひととき

車にもどり、急いで荷物を上の棚にのせ出発する。新光部落へ戻り、そこから谷底にジグザグ道を下っていく。18時40分、司馬庫斯のキャンプ場を管理する民宿に到着する。鎮西堡から車で1時間以上である。陽はすでにトップリ暮れた。19時、先に予約していた食事場所(兼雑貨店)で食事をする。食事後キャンプ場へ向かう。車のヘッドライトを頼りに、テントを張る。初めてなので試行錯誤をしながら進める。テントを立て終え、キャンプ場のシャワーを浴び、みんなで一息くつろぐ。明日は、朝が早いので11時前に就寝する。空には半月が掛かり、満点の星である。

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