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2018-09-17

2018年9月16日 陽明山系 二坪頂古道 - 鷹仔鼻尖 - 青山瀑布 日本からの友人と歩く

二坪頂古道登山口へ向かう途中で見る竹子山、左は竹里山
台北市の市街中心から眺めると北にそびえる陽明山は、日本時代に草山と称され台湾初の国立公園に指定された場所だ。戦後、草山は響きが良くないということで、陽明山と改称され台湾の国家公園になっている。陽明山の山系は、南側は台北市内からアクセスが簡単だが、その北側になる三芝や石門などの場所は、台北から行くとけっこう手間がかかる。山系の北側になる竹子山などは、軍事施設がありオフリミットであることも、アクセスを大変にしている要素だ。

960高地にて、背後に竹子山と廃棄軍事建物
今回の山域は、いままでに何回か訪れているが、歩いていないルートもある。今回はこの歩いていないセクションを歩くことが目的だ。ちょうど台湾を訪れている、日本の登山家Tさんが台北に来て一緒に歩いた。彼も日本では藪漕ぎも含めあまり歩かれていないルートを、丹念に歩いている。その意味でも重なるところがある。陽明山山系の上部は、季節風が強く吹き付けるので、高い樹木がそだたず矢竹が密生している。道がなければこのような植生部分を歩くのは大変だ。去年に藍天隊が入って道の整理をしているが、一年たつとまた密生し矢竹のトンネルをくぐって進む部分もあった。

南側の山を歩いたあと海岸へ
歩行高度
 F132バス@三芝二号倉庫バス停
出発点は三芝の二坪頂である。そこから二坪頂古道を進み、軍事施設のある竹子山すぐ直下にある應子鼻尖や960高地に登る。下って二坪頂古道をさらに進み、途中尖山湖方向へ尾根を追って尖山湖遊歩道へ、歩道を青山瀑布へ下った。もともとは、二坪頂へもどりF132コミュニティーバスの最終便で下山するつもりであったが、山道の状態が思っていたより悪く時間がかかり、間に合わないので戻らずに車道を海岸沿いの老梅へ歩いた。

二子坪の下車した場所、背後に北星真武寶殿の廟、その後ろに鷹仔鼻尖
MRT淡水駅のバスターミナルに7時過ぎに集合。すでに数名のメンバーが待っている。三芝行の860番バスで向かう。三芝までバスで30数分、F132バスは8時50分発、まだ一時間近くある。ちょっと早く着きすぎた。F132バス停は、二号倉庫という、今は販売店などに改装された倉庫のわきの部分だ。道路の反対側にも屋根のある長いバス停があるが、そちら側ではない。

內坪の養殖池、背後の鷹仔鼻尖がひときわ目立つ
用水路脇の二坪頂古道を行く
8時40分過ぎ、F132バスがやってきた。普段は地元住民だけが乗っているようだが、今日は我々が乗り満員だ。バスは三芝の街を抜け、南に陽明山方向に緩やかに登っていく。住民乗客は途中で降り、大きな墓地からさらに二坪頂へ登っていく。9時15分、約30分の乗車で北星真武寶殿の入口で石碑のある広場に到着する。F132バスは、8時50分発の便が休日にここまで運行される。自家用車でやってきた二名が参加し、今日は全員で13名だ。日本からのTさん、インドネシア人が三名、今日は筆者もいれて外国籍が5名だ。

鷹仔鼻尖登山口




昨日大型台風山竹が、台湾南方海上を通り過ぎた。上陸したわけではないが、大雨が降り北台湾も影響があった。今は雨は降っていないが、地面が濡れている。広場からは、これから登る鷹仔鼻尖が、頭に通信施設などを頂く竹子山からのびる左肩に尖って存在を示している。車道を少し戻り、右に折れて道なりに歩いていく。前方の鷹仔鼻尖が近づいてくる。9時45分、道の終わりにある数軒の集落にくる。

補助ロープの急坂を登る
道の最後にある養殖池のわきを過ぎる。そこから用水路が始まる。この用水路沿いの道が二坪頂古道だ。山襞にそって進む用水路を約数分歩く。右に鷹仔鼻尖の登山口がある。踏跡もはっきりしているので、問題ないようだ。そこそこ歩かれているようだ。用水路を渡り、登り始める。道はかなり急坂だ。途中少し休憩し、10時25分ごろ矢竹が雑木林に混じり始める。補助ロープの急坂を過ぎ矢竹だけになった道を登る。大きな石のわきで稜線上に上がる。台風なごりに風が強く吹き付ける。

矢竹の稜線に上がる、前方に竹子山まで続く尾根が見える
背丈ほどの矢竹の藪漕ぎ
風で波打つ矢竹の向こうに、大石が突き出したピーク、そしてそこから矢竹の間に進む道筋をたどると960高地の緩やかな山が見える。さらにその先には竹子山の軍施設の建物がある。背丈ほどある竹を藪漕ぎし、尾根を進んでいく。左に竹里山、その先には海が望める。10時46分、表示はないが鷹仔鼻尖につく。後方のメンバーがをやってくるのをしばらく待つ。

鷹仔鼻尖から望む淡水、三芝とその向こうの海
竹里山(左の最高部分が山頂)
草にうもれた警告板
20分ほど待った後、960高地に向けて進む。藪漕ぎが続く。靴底がはがれ、道に残っている。靴底がはがれてしまったあと、さぞかし難儀しただろう。11時28分、分岐を通り過ぎ11時43分、960高地につく。草の中には、これから先は軍事設備で立入禁止の警告板が転がっている。先に見える建物は、すでに廃棄されて使われていないようだ。背後の竹子山はちょうど霧がかかっている。

矢竹の間を下る
先ほど登った鷹仔鼻尖が見える
草深い道を下る
下り道も矢竹の間だ。こちらは、登ってきた道に比べると程度が落ちる。それでも矢竹の間の狭い踏み跡が残っているので、迷うことはない。20分ほどの藪漕ぎをすると、矢竹から抜け雑木林になる。草が踏み跡を覆い、マーカーリボンを頼りに下っていく。樹木の切れ間から先ほどの鷹仔鼻尖がすでに高い。傾斜がゆるやかになり、12時45分二坪頂古道に戻る。約1時間の下りだった。ここは豬母屏山への分岐もある十字路だ。右に二坪頂古道を進む。一年半前に通った時は、踏み跡ははっきりしていたが、あまり歩かれていないようで、道は草に覆われ、また大きな倒木が現れ行く手を塞ぐ。12時56分、沢を越える。ここで食事休憩を取る。

沢を越える、ここで昼食
二坪頂古道上の分岐部、ただ左に折れる道が見当たらない
再び矢竹の藪漕ぎ
30分ほどの休憩後、古道を進む。二か所小沢を越え、草に埋もれた長い石段を登る。矢竹が現れ、峠を越える。ここはそのまま進む古道と左に尖山湖歩道方向への分岐である。藍天隊の標識が取り付けてある場所から左には道が見えない。そのまま道なりに進む。地図を確認すると方向が違う。そこで引き返すと、尾根沿いに進む道がある。これを進む。背丈ほどの矢竹を藪漕ぎしていく。こちらも大きな倒木が邪魔をする。30分ほどの藪漕ぎが終わり、雑木林の道になる。14時19分、右から竹里山からの道を合わる。休憩をとる。

竹里山へ(右へ)の分岐部
道が良くなる
山道は、ここから俄然よくなる。道筋もはっきりしている。今まで道の状態が良くなく、通り過ぎるのに時間がかかった。このままでは17時少し前のF132最終バスには厳しい。道が良くなったので、ペースを上げて下っていく。14時51分、尖山湖步道の分岐に来る。右に行けば日本時代の軍用機墜落殉死記念碑があるが、時間が遅いので往復することをあきらめる。左に青山瀑布へ向かって進む。10分ほどで歩道わきの涼亭を見る。その少し先から急階段が始まり、高度を大きく下げる。数分階段をくだり、橋で沢を越え左岸を進む。15時19分、瀑布下のテラスに降り立つ。

尖山湖步道の分岐
階段道を青山瀑布へ下る
橋を渡る
これからだと二坪頂に戻り最終バスに乗るのは、ちょっと厳しい。バスを逃してしまうと、そこから下山するのはさらに大変だ。そこで、安全をとって距離はあるが老梅まで歩くことにする。そうすれば急ぐ必要がないので、ゆっくる休むことにする。自家用車でやってきた二人のメンバーは、車の場所まで戻るべく先に行く。青山瀑布は、よい歩道があるのでやってくる遊楽客も多い。

@青山瀑布
北17号県道を行く、竹子山がすでに遠い
30分ほど休憩し、下山を始める。もともとは通過していくはずの老梅瀑布は、往復する形になるので、スキップし青山瀑布歩道入口へ歩く。16時21分、登山口に着く。休憩後、約5㎞の北17県道歩きを始める。前半は、そこそこの勾配が続く。17時6分、六和山莊の大きな石碑を見る。振り返れば、橋の奥に竹子山が望める。約半分の2.5Kキロポストを過ぎると、道はゆるかになる。17時39分、濱海公路を通り過ぎ老梅の集落に入る。17時47分バス停に到着、数分で淡水行862番バスがやってきた。

老梅のバス停
二坪頂古道わきの角桐花
今回歩いた場所は、一部以前歩いたセクションもあるが、長い車道歩きの部分を除けば3分の2は初めてである。思っていた以上に、藍天隊が道の整理をした後歩かれていないようで、倒木や茂った矢竹に悩まされた。アクセスもよくないので、無理もないのかもしれない。これからも、またボランティアによる道整備がなければ、さらに自然の状態にもどり歩くのが大変になるだろう。歩行距離約13.5㎞、休憩込みで8時間強の山行である。今のままでルートは、クラス1から4までと、かなり程度の差がある。体力的にはクラス3、普通だ。台風のなごりで風もかなり吹いていて、天候も曇り気味だったので、その意味では楽だった。

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