このブログを検索:山名などキーワードを入れてください

2018-09-21

2018年9月20日 平溪紅銹石古道-中窯尖-草濫古道 手入れされた峠道を歩く

姜子寮山主稜鞍部的草濫古道路標
今月初めに姜子寮山の北稜を觀音湖へ下った。姜子寮山山頂から駐車場へつづく登山道から北稜の道に入った際、思っていたより最近に草が刈られていた。さらに下ると右に道が分岐し、その少し先に今度は左に道が分岐している。分岐には真新しい藍天隊の道標が取り付けられている。草濫古道とある。5年前にはこのような分岐はなかったし、またこの古道の名前も聞いたことがなかった。その時は、目的地が觀音湖でありそのまま通り過ぎた。

@嶺腳車站(駅)のメンバー全員
のちに草濫古道のことを調べてみると、平溪の嶺腳からむかし水返腳と呼ばれた汐止へとつながる峠道だそうだ。地図を見てみると、確かに嶺腳から沢沿いに進む尪仔石坑古道から姜子寮山の東側の鞍部を越え、姜子寮山の山腹を巻いて汐止保長坑へ行くには、一番合理的なルートである。古人は生活のために歩くので、山の頂上などはどちらでもよく、最も楽なルートがとられる。いつから歩かれているのかはわからないが、自動車道が開通した後は、確実に見捨てられた道でもある。もちろん、もともと炭鉱で栄えた嶺腳の集落も、炭鉱がなくなりさびれてしまったことも関係しているだろう。

石門山の向こうに基隆、海上に基隆嶼が見える
今回藍天隊のおかげで通じた道は、長いこと歩かれていないので、全体の3分の2は踏跡すらはっきりしない。しかし途中石段が現れ、たしかにここは古道であったことが確認できた。古道周囲の人工杉林も、この古道がその造成に使われたのだと思う。西勢坑溪に流れ込む大小の支流を越え山腹を行く道は、道自体は魅力的だが、登山者がこの道を歩いていく必然性が少ない。主稜線の縦走路は多く歩かれているが、この道に入ってくることは少ないだろう。二、三年でまたもとの通りになってしまうのではないか。

南側嶺腳から北側汐止へ歩く
歩行高度表
今回の山行は、嶺腳から出発し、もう一つの峠道で暖暖へと通じる紅銹石古道を主稜線に登り、先に中窯尖を往復、峠に戻って主稜線を草濫古道の入口へと進んだ。峠部分からは、草がかられて間もない草濫古道を歩き、草濫から旗尾崙下の鞍部を越えて姜子寮路へ下った。姜子寮路をさらに下り、汐平公路へでてF905バスで汐止に帰った。なお、紅銹石古道は峠を越えると西勢坑古道となり、沢沿いに下って暖暖の觀音湖へと続く。

F920バス@嶺腳社區バス停
嶺腳駅の主の様な犬
嶺腳へは、台北からだと795番バスや平溪線の汽車などのアクセス手段があるが、今回は汐止からF920番コミュニティーバスで行く。山を歩き始めた数年前は、汐平公路を磐石嶺の峠を越えて平溪まで行くバスはなかった。今はF905と F920の二系統がある。F920はさらに雙溪公路の嶺腳社區バス停まで行く。実に便利になった。しかも無料である。8時過ぎに汐止駅に着き、大同路のバス停で待つ。8時25分発のF920番バスが来ると、待っていた乗客は先を争って乗車し、瞬く間に満員となる。住民優先はわかるが、行列なく乗るのは30年前の台湾に戻ったようだ。

台車道上の靈嚴寺登り口(第一歩道)
尪仔石坑古道の沢沿い部分を行く
途中で住民乗客が下車し、峠を越えていくころには空席もでてくる。9時15分嶺腳社區バス停に着く。鉄道駅のある方向に進む。9時22分、嶺腳駅につく。列車でやったきたメンバーを合流し、今日は九名のパーティだ。むかし石炭運搬用のトロッコがあったことから名づけられた台車道を歩く。ここは、もう数回歩いている。滴水觀音靈嚴寺への第一、第二登山口を過ぎ、 9:50土の道が始まる。ここから尪仔石坑古道で、今年3月に歩いた。

廃坑入り口
紅銹石古道最後の急坂部分を登る
小休憩のあと、古道を進む。沢沿いに降り、また高巻きをして進む。10時10分廃棄された機材の残る坑道入口を過ぎ、すぐに右に紅銹石古道の入口がある。枝沢左岸沿いに道は登っていく。昨年4月の道整備だが、状態はよい。次第に坂が急になるが、沢は水がかなり上まで流れている。10時46分、少し平らな場所で休憩し、最後の詰めを登る。沢沿いの道は、水が切れると最後は急になる。11時3分、主稜線分岐に来る。ここが峠だ。これから先は西勢坑古道として、沢沿いに暖暖へ下っていく。全員が峠に着いたところで、主稜線を右に中窯尖へ向かう。小ピークを越し、11時17分中窯尖頂上(標高605m)に到着する。

主稜線鞍部の峠
中窯尖山頂
稜線上の二つ目ピーク近く
今日は、稜線上は風があるものの、気温も高く全身汗まみれだ。暑い中の登りはつらい。12時過ぎまでゆっくり昼食休憩をとり、稜線の道を先ほどの峠まで戻る。そこから、姜子寮山方向に稜線を追っていく。稜線上には急な上り下りのピークがある。12時57分、二つ目のピーク近くの一本杉で休憩をとり下っていく。13時16分、下り切ると左から尪仔石坑古道から登ってくる道とそのすぐ先右に草濫古道が始まる。むかしは、左の道からやってきてこの峠から汐止へ向かって歩いていったのだろう。

草濫古道の峠入り口
杉林の草濫古道を行く
石段がある
草濫古道は、今年8月に開かれたばかりだ。数十年誰も歩かなかったはずで、まったく新しく開かれた道の趣だ。刈り取られた草の茎や、鋸で切られた倒木や枝などがまだ新しい。道は杉林の山腹をほぼ平らにトラバースしていく。13時32分、左に稜線道に上がっていく分岐がある。その先道は下り気味になる。途中、石段が現れる。ここが古道である証だ。沢音が聞こえてくる。13時55分、沢を越す。水量が多い。そのわきで休憩をとる。冷たい水が、汗まみれの顔に心地よい。

沢を越す
姜子寮山北稜上の分岐
古道を下がり気味に進んでいく。さらに沢を二か所越す。道の形がすこしはっきりしてくる。こちらは、植林などの目的で遅くまで人が歩いていたのだろうか。最後にすこし登り返し、14時31分姜子寮山北稜上に出る。ここが、今月初め歩いた時に見つけた分岐である。少しくだると、左に草濫古道が分岐していく。この部分は7月に整備されたようだ。道はくだっていく。沢を越し平らになると、14時44分姜子寮山登山口駐車場から下ってくる産業道路(泰安路)に出る。

産業道路上の保甲路入口(右のマーカーの部分)
ここから山腹道を歩く
舗装路をしばらく道なりに下っていく。数分で右に保甲路がある。産業道路は、自動車用に開かれているのでジグザグに登っていくが、山道である保甲路は直線的に進む。下っていき、また産業道路にでる。民家のまえからまた近道になる保甲路を下り、おり切ったところから産業道路を左に少し行く。姜子寮福德宮2KMと記されている大きな道標のわきから、また山腹道(學人步道)をすすむ。すぐ沢を横切り、山襞にそった平らな道を行く。15時18分、旗尾崙下の十字路鞍部につく。休憩を取る。
@旗尾崙鞍部

3月ここを訪れた時は尾根をずっと追っていったが、今日は横切る形で下っていく。20分ほどの休憩後、広い道を数分いく。牛埔大坪と記された道標わきから、今度は草の山道を下っていく。そのうち民家が現れ、山道はコンクリ舗装になる。15時52分、下り切り福德宮脇にでる。姜子寮路上に F905コミュニティーバス亭があるが、便数が少ない。姜子寮路を下っていき、16時18分、汐平公路上のバス停に着く。待つこと10分足らずでF905バスがやってきた。

姜子寮路を歩く
F905バス@汐平路姜子寮路口バス停
天気が良いのは歓迎だが、暑さがぶり返しちょっと辛かった。風が全くなければ、さらに大変だったろう。新たに開かれた古道は、歩かれなくなるとまた自然に戻ってしまう。登山人口が増えているが、この道はルートを取りにくい。昔は、生活のために常に歩かれていたが、今は余暇として歩かれるだけだ。目的が違うので、道の使われ方もちがう。要は登山者の気まぐれで決まるわけで、いつまで歩けるのか不明確だ。現在のままであれば、今回のルートはレベル3(普通)だ。体力的には、暑くなければ全く問題ない。歩行水平距離約12㎞、休憩込みで7時間の活動時間だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿