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2019-07-15

2019年7月14日 嘎拉賀から雪白山を登る 崖崩れのため未登

登山口に向かう途中で臨む朝陽の雪白山(右)と西丘斯山
前日塔曼山に登り、その後嘎拉賀で温泉を浴びた。今回の登山は、今日の雪白山が本番で、昨日はその体ならし的なものだ。雪白山は、以前司馬庫斯から登頂した。今回はちょうど反対側からの登山になる。雪白山は、その稜線上に東側に西丘斯山や西側に玉峰山を経て低陸山があり、縦走も可能だ。ただし、奥深いこの山は、登山者それほど多くない。

北側嘎拉賀から往復
歩行高度表
昨年5月の唐穗山稜山登山の時に泊まらせてもらった、友人の別荘が基地である。ここから登山口に向かい下っていき、標高約1000mから1400mの落差をカバーして雪白山に登ることができる。登り一本でなおかつ踏み跡があまりよくない道で、それなりの苦労だ。ネット上での記録もそれほど多くない。二、三年前の記録は雪白山から低陸山へ縦走をしている。我々もそれを目指したが、登りで苦労しなおかつ、上述の記録であったがけ崩れが進行して、結局登頂せずにおり返した。正直、暑さにも参った。二回ほど予定したが天気が悪く、延期して三回目に実現した山行でもある。

嘎拉賀を出発、前方には唐穗山(左)と西丘斯山
彩虹瀑布への登山口を過ぎる
四時に起床、食事をとった後5時に出発する。友人別荘から、登山口に向け舗装された道路を下っていく。すでに外は明るい。下っていくにつれ、前方の稜線がはっきりする。とがった特徴のある山頂の西丘斯山の右には、対照的にたおやかで大きな山容の雪白山が並ぶ。そしてそこからこちらに向かって降りてくる支稜がある。これから登る尾根である。5時26分に彩虹瀑布へと道標のある分岐を過ぎる。さらに少し進み、開けた場所の端にある登山口に着く。広場の左に下っていく道は去年訪れた唐穗山への登山口だ。

登山口
最初の沢を渡る
木製階段を下っていく。メンテはされてないようで、桟道は壊れているところもある。沢沿いに下っていき、数分で沢に降りる。沢にはロープが渡してあり、丸太が橋代わりに架かっている。沢を渡り対岸を行く。道は山襞にそって進む。20分ほど歩くが、また別の沢に降りていくべき分岐が現れない。地図を確認すると、分岐はすでに過ぎてしまっている。地図上にない道を進んでいた。そこで引き返す。果たして、ロープがつけてある下り道があった。先ほどは気づかなかった。6時15分下りきり、少し幅のある沢を渡る。沢の脇には、最近切り取られたヒノキの木塊が転がっている。不法伐採のようだ。しかし、赤いペンキでの表示もあるので、関係官庁の係官がここにきて確認しているようだ。

二回目の渡渉点
赤いペンキ印のあるヒノキ材
小休憩後、長い登り路にとりかかる。道筋は、もうひとつ頼りないが、注意していけば迷うことはない。森の中の急登は、つらい。風もなく汗が噴き出る。7時50分、二回目の休憩後登り始めて間もなく、右にトタン板で囲われた作業小屋が現れる。その前後には、ウィンチ用の鉄ワイヤーも地面に転がっていた。ここでも昔は伐採が行われていた。雪白山泰雅古道探勘とある表示が樹木に取り付けてある。

倒木を越えて登る
トタンの廃棄作業小屋
中が黒焦げのヒノキ大木
8時50分、休憩をとる。標高は1700m近くで、高度の約半分を登ってきた。前方にはヒノキ(扁柏/紅檜)の大木が現れはじめる。おそらく落雷で焼け焦がれたと思われる、大きな幹が突っ立っている。後ろから単独登山者がやってきて、我々を追い抜いていく。森の底はシダ類が茂っている。10時15分、シャクナゲの林になってくる。また矢竹も現れる。高度は1970ⅿまで登ってきた。10時37分、道が枯れたヒノキの切り株の下をくぐっていく。幅の広い尾根は、ところどころ狭い尾根になってくる。

ヒノキの大木が多く現れる
シャクナゲ林
切り株の下を道が行く(マーカーリボンに注意)
狭い尾根を行く
11時34分、上から先ほど追い抜いていった登山者が降りてくる。もう登頂して下山なのかと尋ねると、がけ崩れの程度がひどく巻くことができないので、登頂を取りやめたという。ここの標高は2240ⅿぐらで、山頂まではあと200ⅿぐらいの標高差だ。3年前の登山記録には、稜線に上がる前で大きながけ崩れがあって、注意して過ぎたとあったが、その場所だろう。そしてこの2,3年の間にさらに崩れ方がひどくなったのだろう。我々も、登頂は無理とあきらめ、とりあえず食事休憩をとる。

倒れた大木
大木の近くを下っていく
12時10分、下り始める。登りに比べて気持ちが楽になったせいで、周囲の様子にも目が行く。下りなので視野が自然と広くなることもあるだろうが。ヒノキの大木脇で立ち止まり写真をとる余裕もある。大きな大木も倒れている。12時55分、登りでも休んだアカマツ林落ち葉絨毯の平らな場所で休憩をとる。

沢まで降りてきた
登山口前の最後の沢沿いセクション
途中で、さらに休憩をとり15時40分、沢わきに降りてくる。ここで氷がとけて飲み頃のビールを開ける。40分ほどの長い休憩後、渡渉して登り返し、もう一つの沢を越える。16時50分、登山口に戻る。ここから嘎拉賀へさらに登らなければならない。低陸山への縦走を考えずに、雪白山だけの往復であれば、ここまで車でこれたのに、と残念に思うが仕方がない。40分ほどかけて、友人の別荘にたどり着いた。

嘎拉賀部落に戻った


ほとんど展望もない登り一本の道で、なおかつ登頂もしなかったという、あまり記録に残すには意味が薄い山行だが、結構つらかったのは事実だ。道の状態は、マーカーリボンに注意し踏み跡を追っていけばよいが、経験の少ない場合は、特に下りで迷うかもしれない。距離14.7㎞、累計の登坂(下降)は1560ⅿである。休憩も含め10時間半の行動時間だ。困難度は4級というところだ。体力のある経験者向けのルートである。

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