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麓が桜満開な石壁山 |
石壁山は台湾南部の
小百岳である。標高は、1751mあり低い山が多い小百岳の中では高いほうである。この山は、位置的に阿里山山脈に近い。実は、
今年1月に阿豐縱走をした際に、この山を眺めていた。出発点でありまた終点でもあった豐山の北側に聳える。今回の訪問は、阿豐縱走の際に見えたことがその原動力となっている。
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阿豐縱走の下山途中で遠望する石壁山(2020/01攝影) |
台北からこの山だけを訪れるのは、すこしもったいない。そこで初日に石壁山を訪れた後、一泊し
二日目深い谷を挟んで並行する雲嘉連峰も訪れた。台湾南部の冬は、天気がよいことが多い。日中は霞がかかり、遠景はちょとぼんやりであったが、二日ともよい天気のもと楽しい山登りができた。二日で四座の小百岳を訪れた。
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時計回りに回遊 |
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歩行高度表 |
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石壁山(右)と雲嘉連峰 |
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第三高速を行く、遠くにぼんやりと山が見える |
今回は、山仲間の運転する二台の車で出発だ。我々四人が乗る車は6時半に台北市内を出発、高速道路を一路南下する。北部は霧が深く暗い感じだが、台中を過ぎると天気は一変し、青空が広がる。ただ、遠くはぼんやりし見通しはあまりよくない。9時に第三高速道路の南雲ジャンクションで降り、もう一台の車を待つ。間もなく到着合流し、二台で149号線を石壁山の九芎神木登山口へ向かう。
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149号乙道路で清水溪を渡り、対面の山を登っていく |
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九芎神木 |
一月の阿豐縱走の時に通り過ぎた同じ道を進む。9時45分、道は149号乙号となり清水溪を渡ると、山に取りつき高度を上げていく。登っていくと右に谷を挟んだ向こう、明日登る予定の雲嘉大尖山が見える。149号乙道路から石壁方向に勾配のきつい道を進む。右に石壁山をみて進み、ホテルや民宿のある集落を過ぎる。桜並木がちょうど満開で、多くの車が道端に停められ多くの遊楽客が歩いている。桜が満開のことは考えていなかったので、嬉しいサプライズだ。10時20分過ぎ、九芎神木の駐車場入り口に来るが、満車で入れない。道を少し先に進み駐車する。
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登山口にて |
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孟宗竹の間を登る |
10時40分、支度をして歩き始める。駐車場へ下り九芎(サルスベリ)神木を見る。周囲が柵で囲われ、その前に神祠がある。サルスベリは枝にオオタニワタりが生えている。樹齢は約300年だそうだ。満車の駐車場前を進み、シイタケ栽培の小屋の脇から山道に入る。山道は孟宗竹林の間を登っていく。陽が差し込む竹林は美しい。階段道が途切れなく続き、高度は上がるがつらい登りだ。気温はそれほど高くないが、汗が流れる。登山口から約20分弱、ベンチのあるところで休憩をとる。
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長い階段道を登る |
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鞍部から阿里山方向を望む |
再び歩き始めて間もなく、写真を写そうしたところカメラが壊れた。シャッターが作動せず、スイッチオンできない。シャッター故障はこれで四度目、今回も記録はスマホのカメラに頼らずを得ない。階段の急坂道は続く。11時45分、木製デッキがある鞍部に着く。鞍部から向こうに、阿里山山系が望める。かすんでいるが、右側が鋭く切れ落ちた小塔山が望める。登山口から標高差約450m、約50分ほどで登ってきた。木製デッキはほかの登山者で満席なので、左に尾根上を少し進み、道脇で休憩をとる。
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嘉南雲峰山頂(Yさんカメラ) |
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嘉南雲峰から急坂を下る |
稜線を進み、嘉南雲峰への分岐を右に取る。すぐに急な坂が続く。登ること約15分、少し緩やかになったあと12時20分、標高1795mの嘉南雲峰に到着する。ここは嘉義縣,雲林縣そして南投縣の三県境でもある。山頂は樹木に囲まれて展望はない。ここでゆっくり昼食休憩をとる。今回は持ってきたストーブを取り出し、即席めんを作り、お茶を沸かす。休んでいると、日陰でちょっと寒い。麓は桜が満開だが、山頂はまだ春は訪れていない。
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鞍部のデッキ |
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右は石壁山の山頂へ、左の山腹道を取る |
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牛樟樹大木 |
13時過ぎ、石壁山に向けて歩き始める。先ほどの急坂を下り、鞍部へ向かう。鞍部から石壁山への道があるが、左に山腹道をとり先に好望角へ向かう。山襞をぬっていく山腹道は、そのうち緩やかな斜面を横切っていく。13時35分、牛樟樹の大木を見る。途中に林務局の印のついた切り株があったが、おそらく同じく牛樟樹の盗伐のあとだろう。その少し先で右に石壁山への分岐がある。さらにすこし下がり好望角にいく。石が露出した断崖のこのポイントからは、広い景色がある。ただ、残念なことにかすんでいる。谷を挟んで左に長く続く山並は、おそらく明日歩く予定の雲嘉連峰だ。
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好望角からの眺め |
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石壁山山頂 |
山道は、好望角のところで通行止めになっている。その先はがけ崩れになっているようだ。今来た道をもどり、分岐を左に石壁山へ向けて登る。登ること数分、分岐にくる。右へとって石壁山山頂へ進む。ほんのわずかの登りを経て、14時石壁山山頂(標高1751m)に着く。三角点がある山頂は広く、ベンチもある。周囲は樹木で、ここも展望はない。
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急な階段道を下る |
20分ほど過ごした後、山頂を後にする。分岐へもどり、南登山口へ下り始める。嘉南雲峰の脇から北登山口への道があり、この南北の登山口を経れば縦走という形になる。我々はその中間になる九芎神木登山口から登ってきた。石壁山山頂から往路の登山道を下りにとって下ることもできるが、南登山口から九芎神木の間は桜が多く咲いているようなので、こちらから下ることにする。
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石壁の下を行く |
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満開の桜並木 |
かなり急な坂道が続く。14時33分、岩壁の下を進む。石壁山の山名由来は、こうした露出した岩壁からなのだろうか。さらに下り孟宗竹林が現れると、14時53分、南登山口に降り林道になる。トラックが停めてあり、近くで伐採作業が進行中だ。舗装道はかなり急坂だ。そのうち道脇には桜が現れ始める。15時23分、左に連心池方向への道を分け、登り始める。緩やかな道には満開の桜並木が続き、多くの遊楽客が散策している。15時46分、九芎神木に戻り、さらに少し登って15時52分、車を停めてある場所に戻る。これで今日の行程は終わりだ。休憩込みで約5時間の行動時間だ。
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投宿の咖啡大街民宿 |
149号乙道路を戻り清水溪を渡ったあと、149号線で山を登っていく。峠をすぎ、下って古坑華山の咖啡大道にある民宿に投宿する。道のりは九芎神木から約1時間だった。この場所は、
四年前に雲嘉大尖山を登った時に車を駐車した登山口でもある。オーナーは、登山経験が豊富なようだ。食堂と宿泊場所は少し離れているので車で往復する。食事も特色があってよい。日本人客も訪れている。食事後、宿泊場所へ戻る。一階のロビーで、みんなで酒を飲んだ後、22時には就寝する。
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